三軒茶屋 酒処「たちのみや」

居酒屋探偵DAITENの生活 第333回 2010年3月27日(土) 【地域別】  【時間順】



※2010年4月14日 470,000カウント通過 感謝!



三軒茶屋 酒処「たちのみや」


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    ↑ 三軒茶屋「たちのみや」西側外観

 前回の店を出た後、京王井の頭線のホーム下にある京王井の頭線渋谷駅西口改札口の前を通り、道玄坂通りに出た。土曜の夕暮れ時の道玄坂は若者たちで混み合っている。ふと右手を見るとゆるい坂がある。上がってゆくと、右手には「道頓堀劇場」があり、道行く男性客を誘っている。こちらの劇場には、「道玄坂劇場」という劇場名が決まっていたのに、看板業者が間違えて「道頓堀劇場」という看板を作ってしまった為、そのまま使ってしまったという逸話がある。考えてみれば、大阪の有名な地名道頓堀が東京渋谷で使われているのも不思議な話である。
 「道頓堀劇場」の先の二又を左に曲がってゆくと、狭い道が迷路のように入り組んだ地域に入り込む。左右には所謂ラブホテルが点在しており、まだ日が完全に落ちていないというのに男女が手をつないで入ってゆく。何度か曲がると、地名は道玄坂から円山町へと変わった。円山町もまたラブホテルの多い地域である。道玄坂地蔵の前を通った。最寄りの駅は京王井の頭線の神泉駅である。この辺りには、良い居酒屋が点在している。入ってみたい店も多いけれど、土曜日である為営業している店は少なかった。

 居酒屋ブロガーの皆さんの新年会に参加させていただいた時の会場になった居酒屋「萬安」さんもある。その時のことは第169回で紹介している。「萬安」の御主人と女将さんとは、第228回で紹介している通り、笹塚・大黒屋南台店で御一緒したこともある。
 実は円山町界隈に関しては、興味の対象がいくつかあって、そのテーマに関する本を何冊も買い込み色々と調べたことがある。曾祖父から祖父、母に至る系譜が神楽坂で育ったこともあり、花柳界に関わる町には少なからず興味があるのだ。
 
 神泉駅周辺で営業中のお店を発見できないまま、旧山手通りまで歩いてしまった。左に曲がり、玉川通りまで歩いて、神泉町の交差点を右に曲がり、玉川通りを池尻大橋駅方面へと歩き始める。やがて、円筒状の巨大な建物を発見した。それは、最近開通した山手トンネルと首都高3号渋谷線を結ぶ、4層ループ状の大橋ジャンクションであった。屋上を緑化して公園を作ってみたり、周囲に高層ビルが建ったりして、かなり様子が変わると思うけれど、現在のむきだしのコンクリートの外観は、異様で殺伐としている。

 池尻大橋周辺を歩いてみる。しかし、私が入りたいと思うような店はない。仕方なく、再び玉川通りを歩き始めた。やがて、大きな公園のような場所から数え切れないほどのベビーカーが列をなして出てくるという不思議な状況に遭遇した。よく見ると、そこは昭和女子大学のキャンパスであった。入口に「オープンキャンパス」と書いてある。ちょうど卒業後10年くらいたった頃の女性たちが子供をベビーカーに乗せ、大挙して家族と母校を訪問して出てきたところといった風情である。
 そのまま三軒茶屋の駅までベビーカーの列と共に歩いてゆく。やっと三軒茶屋駅の近くまで来て、玉川通りから左の路地に入った。そこに、立ち飲みのお店があるのである。ぐるぐると巡り巡ったので、前回の店からここまで5キロ以上は歩いたに違いない。自分でも不思議なことに、長距離を歩いて座りたいはずであるのに、何故かそんな時に限って、入る店は立ち飲み店になるのである。今回はもそうであった。

 店名は、酒処「たちのみや」である。解り易い名前だ。場所は東急新玉川線の三軒茶屋南口を出て、階段を上がったすぐ目の前、玉川通り沿いに立つマンションの裏手である。角店の北側と西側に入口があって、その西側の入口から入った。入ると、L字カウンターがある。L字の角の部分が切れていて、別々のカウンターになっている。カウンターの上に釣り銭用のトレーが置いてあって、そこにお金を入れておき、品物がくる度に支払うシステムである。また、背後の壁にもカウンターがあって、メインカウンターに立てない場合はそこに立つようになっている。こちらのお店は、マスコミでも取り上げられる店だ。

 カウンターの中の比較的広い調理場にマスターが一人立っておられる。まずは、あじのマリネ(350円)とレモンサワー(250円)をお願いした。箸がカウンターの上にない。戸惑う。目の前に「箸入れはカウンターの下です」と書いてある。その様子を見た隣の方が親切に箸の場所を教えてくださる。たしかに、箸入れはカウンターの下の引き出しに入っていた。

 私以外は顔見知りの常連さんたちである。お互いに入ってくる時も帰る時も声を掛け合ってゆく。離れた場所のお客さん同士も大きな声で話している。ギャンブルの話、野球の話、定番の話題が続く。そこにいない常連の方の噂話も楽しそうに交わされている。

 二杯目は北海道生搾り(350円)、発泡酒の生である。やきとりメニューからもも2本(300円)も頼んだ。
 つまみ類も豊富にあり、なにより酒類の価格が安い。私の地元にもこのような立ち飲み店があればと思う。どこの駅前にも必ず一軒は立ち飲み店が欲しい。
 様々な特徴を持った立ち飲み店が増えれば良いと思う。たとえば、神奈川県で受動喫煙防止条例が始まったこともあり、完全禁煙の立ち飲み店がもっとあっても良いと思う。シニア専用の立ち飲み店や女性専用の立ち飲み店があってもいい。また、早朝土曜の午後に営業している店がもっとあるとよい。
 
 午後6時30分から7時00分まで30分の滞在。支払った金額は1,250円であった。
 箸の場所を教えてくださった方をはじめ、周囲の皆さんに「お先に失礼します」と言って外に出た。時間があればもう一軒寄りたいところだけど急いで帰らなければならない。三軒茶屋から新玉川線に乗り家路についた。今日もまたずいぶんと長距離を歩いたことになる。

 (了)


  三軒茶屋たちのみや北側外観 ←三軒茶屋「たちのみや」北側外観

三軒茶屋 酒処「たちのみや」
住所 東京都世田谷区三軒茶屋1-36-12
電話 03-5430-3381
定休日 ?
営業時間 16:00~22:00
交通 東急田園都市線三軒茶屋駅下車徒歩1分・東急世田谷線三軒茶屋駅下車徒歩3分。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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三軒茶屋 もつ焼き「久仁」

居酒屋探偵DAITENの生活 第293回 2009年12月11日(金) 【地域別】  【時間順】



※2009年12月10日 390,000カウント通過 感謝!


三軒茶屋 もつ焼き「久仁」


 茶沢通り久仁外観    ←クリックお願いします。  にほんブログ村 酒ブログ 東京飲み歩きへ  ←クリックお願いします。

 前回の店を出て、三軒茶屋の三角地帯を抜けだしたasimo君ozaki先生と私の3人は、世田谷通りの横断歩道を渡るとすずらん通りという細い路地に入った。この通り沿いには、有名居酒屋「味とめ」さんもある。居酒屋だけではなく、キャバクラ的な店も多いことに驚いた。呼び込みのお兄さんに呼び止められる。しかし、我々居酒屋探偵団はキャバクラなどには目もくれず、急ぎ足で通り抜け、西友の三軒茶屋店の脇に出て、右に曲がる。すると、三軒茶屋と下北沢を結ぶ茶沢通りに出た。茶沢通りを下北沢方面に歩き始めた。雨が強くなり気温も下がっている。400メートルほど歩いて、本日の二軒目の店の前に到着した。通り過ぎてしまいそうになるほど地味な外観である。その店はもつ焼き「久仁」である。

 この店の良さを知らない人は、この暖簾を簡単にはくぐることは出来ないに違いない。表にメニューがあるわけでも明るい看板があるわけでもない。ガラス戸越しに外にもれる光も弱い。以前にasimo君と来てから2年ほどの時が過ぎているがまったく変わらぬ様子であった。

 中に入る。店内はほぼ満席。一瞬、がっかりするもちょうど一番奥の席の方たちが立ち上がったところであった。これは運がよい。やはり、人気店を訪問する場合は雨に限るという持論は今日も正しかった。 立ち上がった方たちが帰られるのを入口あたりの通路で待つ。入って左手に8人ほどのカウンター席、右手に小上がり席が二つ。真ん中に四人掛けテーブル席が三つほどある。帰られる方々と入れ違いに席について、荷物を一番奥の箱の上に置いた。その右手にはトイレがある。

 女将さんが笑顔で対応してくれた。お酒(200円)を常温で3本いただいた。暖めてもらうのももどかしい時もある。焼き物は、かしら、レバー、シロ、がつ、つくねの5種類を3本づつ頼む。どれも1本100円である。シロとレバーはたれ、その他は塩でお願いした。
 お酒で再び乾杯をする。asimo君は前に来た時よりもお店が小さく感じると言う。その時はカウンター席に座ったので、背後を広く感じたのかもしれない。店内を改めて眺め、その味わいを感じる。

 もつ焼きはどれも美味しかった。初めての来店であるもつ焼きにうるさいozaki先生が「これだけ混むのが解りますね」と言う。
 私はホイス(330円)をもらう。グラスにホイスのエキスと焼酎が入って、ソーダ瓶が付いてくる。ソーダを入れる余地が上から3センチしかない。さらに、それぞれサワー(330円)をもらい、日本酒を追加する。

 「居酒屋探偵団」長居をしない。午後9時から10時まで1時間ほどの滞在。お勘定は3,570円であった。1人1,190円。asimo君が「安いですね」と感心する。

 この後、茶沢通りでタクシーに乗って下北沢まで行った。ozaki先生が知っているビートルズの音楽がかかっている気軽なパブがあると言う。しかし、実際に行ってみると、その店はジャズやソウルのかかるミュージック・バーに変わっていた。それでも中に入る。お店の方がすすめるまま、3人でラム酒を飲んだ。それぞれベネズエラ、ガテマラ、イングランドの銘柄であるという。さっきまでいた「久仁」の空間とはまったく違う場所にいる。古典酒場好きとしてのテンションは一期に下がり、逆によいクールダウンになった。

 下北沢駅まで歩く。1月の新年会の約束をする。それぞれ帰宅ルートが違う為、3方向に分かれて解散。久しぶりの3人での飲み会は本当に楽しかった。

 この後、地元に戻り、せっかくクールダウンしたはずなのに、ついついもう一軒行ってしまった。最近の悪い傾向である。いつまでも健康で、良い酒場をめぐり楽しい酒を飲み続けていたい。大量に飲んでも何にも良いことはないのである。楽しかったせっかくの記憶が消えてゆくのももったいない。反省。反省。


 茶沢通り久仁提灯

三軒茶屋 もつ焼き「久仁」
住所 東京都世田谷区太子堂3-18-2
電話 03-3410-7806
定休日 日曜・祝日
営業時間 17:00~23:00
交通 東急田園都市線三軒茶屋駅下車徒歩7分・東急世田谷線三軒茶屋駅下車徒歩7分。


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三軒茶屋 酒蔵「池田屋」

居酒屋探偵DAITENの生活 第292回 2009年12月11日(金) 【地域別】  【時間順】



三軒茶屋 酒蔵「池田屋」


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 雨の降る夜である。本当に久しぶりに、ozaki先生asimo君と3人で呑むことになった。時間順一覧表を見ると、3人で飲むのは、2008年4月28日の第95回第96回以来であり、実に1年8ヶ月ぶりである。
 東急田園都市線の三軒茶屋駅の改札についたのは、待ち合わせ時間の7時より15分ほど前であった。三軒茶屋駅は地下駅である。まずは、一人で駅周辺を歩いて、目的の店の場所も確認しておいた。待ち合わせの時間になって、駅改札口に戻ってみると、ozaki先生が来ていた。asimo君から少し遅れる旨のメールを受けていたので、まずは、ozaki先生と目的の店に入り、後でasimo君を迎えに行くことにした。

 ozaki先生と二人で、改札から通路を抜け、南口側に上がってみる。近くの立ちのみ店を確認する為である。それから玉川通りを渡り、玉川通りと世田谷通りが二又に別れる間の三角地帯側に渡った。それから、世田谷通り方面に少し歩き、「エコー仲見世」の2本の通りを左に見てから、次の路地を左に曲がる。少し進み、左を見ると「三茶三番街」という路地があった(下写真)。この路地を抜けると玉川通り側に出る。

  三軒茶屋三茶三番街 ←「三茶三番街」

 さらに進む。今度は左に「ゆうらく通り」が見えた(下写真)。やはり、この路地を抜けても玉川通りに出る。

  三軒茶屋ゆうらく通り ←「ゆうらく通り」

 さらに進むと道が細くなってゆく。そこもまた飲屋街である。次の角を右に曲がると分岐に出た。右斜めに行けば世田谷通りへ戻る。左に行き、次の十字路を右に曲がり、左に曲がる。次の角を右には曲がらず、まっすぐに行く。すると、右手に地味な外観の重厚な感じの店が見えてくる。
 紺色の暖簾には「酒蔵 池田屋」と書かれている。暖簾をくぐり中に入る。左には手前から奥にかけて一直線のカウンターがある。右は小上がり座敷席。間には四人掛けテーブル席が三つ。驚くほど、テーブルとテーブル、椅子と椅子の間に余裕がある。チェーン居酒屋ならば、もっとテーブルを増やし、たくさん客を詰め込むであろう。それをしないことに好感を持った。
 まずは、キリンラガー中瓶(550円)、牛もつ煮込(300円)、新ぎんなん(400円)、やりいか刺身(500円)を一期に頼んだ。ビールで乾杯をして近況などを少し話す。

 やがて、asimo君からメールが入った。すぐに三軒茶屋駅改札へ向かった。asimo君に合流。前述の三角地帯のいちばん尖ったあたりの世田谷通り口から地上へ上がり、ozaki先生を案内した道を再び歩いて池田屋へ向かう。「凄いところですね」とasimo君が言う。こうやって、良い居酒屋を目指して人を案内してゆく時の楽しさは、口ではなかなか表現できない。世の「案内人」という仕事の楽しさはきっとこんな感じなのかもしれない。

 ozaki先生が待つ「池田屋」さんに到着。asimo君も、「池田屋」さんの外観に驚いていた。
 キリンラガーをもう一本頼み、今度は三人で乾杯だ。

 揚げ出しナス(300円)、やき鳥5本(400円)を追加。asimo君と私はレモンサワー(300円)。7やってきた、揚げ出しナスがとてもうまい。ナスは油と本当によくあう。さらに、レモンサワーを2杯とウーロンサワー(300円)を追加。最後のつまみは、あじ梅巻揚げ(400円)にする。
 昔の共通の友人の話、様々な居酒屋の話をする。それから本日の次の予定の店の名前を言うとasimo君が微笑んだ。その店に行く為、お勘定を済ませ外に出る。

 午後7時から8時30分まで1時間半の滞在。お勘定は3人で7,200円であった。「池田屋」さんのような店が三軒茶屋に残っていることがうれしい。本当に落ち着く店である。

 「池田屋」さんを出ると左に進み、右に曲がり、左に曲がって、世田谷通りに出た。雨の中をどんどん歩いて行く。雨もぜんぜん苦にならない。それほど、次もまた魅力的な店なのである。

 (つづく)

三軒茶屋池田屋看板


三軒茶屋 酒蔵「池田屋」
住所 東京都世田谷区三軒茶屋2-14-22
TEL 03-3410-5511
営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜日・祝日
交通 東急田園都市線三軒茶屋駅下車徒歩3分・東急世田谷線三軒茶屋駅下車徒歩3分。


ホッピー原理主義者とは?
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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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