不動前 立ち呑み「坂や」第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第319回 2010年2月19日(金) 【地域別】  【時間順】



角打シリーズ第6弾
不動前 立ち呑み「坂や」 第2回


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 東急目黒線の不動前駅の北西側に東急目黒線と平行するように「かむろ坂」というなだらかな坂がある。品川区のホームページからかむろ坂の名称の由来について次のような文章を見つけた。

 白井権八・小紫伝説にからむ名称で、遊女小紫の使っていた禿(かむろ)が付近の池に身を投げたことから、この名が起こったという。いつとはなしに、地域の人びとから通りの名称として呼ばれるようになった。

 禿(かむろ)とは、遊郭に住み込み花魁(おいらん)の身の回りの世話をしながら、遊女としての見習い生活を送る童女をのことである。そんな艶やかな感じを受ける名称を持ちながら実際の「かむろ坂」は静かで地味である。でも、毎年の桜の季節には桜の名所として華やかな場所に変貌する。 
 五反田での用事を済ませた後、山手通り(環状6号線)を目黒不動交差点まで歩いて来た。ここから始まるのがかむろ坂である。午後9時を過ぎたかむろ坂は通る車も少なく特に静かである。

 かむろ坂を登ってゆくと左手に一軒の立ち飲み店がある。周囲には他に店はなく、明るい照明の付いた看板も無いので本当に目立たない店である。名前は立ち呑み「坂や」。前回、来店したのは2007年2月2日第8回であるから居酒屋探偵DAITENの生活としてもごく初期である。その時の記事にも書いた通り、安藤酒店という「酒屋」さんがリニューアル時に現在の形になった。現在でも酒屋として営業を続けている。角打シリーズの一軒として紹介したけれど、正確にいえば、角打ちというより立ち呑みの居酒屋が酒の持ち帰り販売もやっているという業態に近いのかもしれない。立ちのみ側には、「酒屋の商品を持込む事はご遠慮下さい」と書いてあるので注意が必要である。

 店に入ると右側に冷蔵庫が並び、酒を売っており、左側が立ち飲みとなっている。左奥側に10名分程度のカウンターがあり、左手前には大きなガラス窓に向かってカウンターテーブルが二つ、こちら側にも8名ほど立つことが出来る。入って右手の冷蔵庫の手前にも円いテーブルがあって、4人ほどが立てるようになっている。すでに先客の皆さんがカウンターにいらっしゃったので、窓側に立つことにする。店内に「酒屋の呑み屋坂や」という札が下がっていた。まさに、坂の途中にある酒屋のやっている呑み屋なのである。

 実は、大鳥神社近くでの稽古帰りのSAKURAと待ち合わせである。メールで何度かやりとりをして場所を知らせてあるのだ。歩くことが好きな人なので、どんなに遠くてもどんどん歩いてやってくるのである。「良い居酒屋を探したい人は歩くことを嫌ってはいけない」というのが私の持論である。
 まずは、レモンサワー(300円)を頼み、たこときゅうりとトマトのサラダ(300円)を頼む、実際に出てきたものを見ると茄子も入っていた。併せてしめさば(300円)をお願いする。

 山岳家のように髭を蓄えたマスターがカウンター越しに料理を渡してくれる。おでんもあって、値段は80円から120円。店内は常連の皆さんがほとんどであり、カウンターの中で働く三名のお店の方とよく話している。目立たない店なので、当然常連の方が多いことは解るけれど、さらに一歩踏み込んだ御近所さんの集会所的雰囲気かもしれない。

 やがて、SAKURAがやってきた。サッポロ黒ラベル大瓶(500円)を注文して、グラスも二つもらった。大瓶でこの価格は安い。
 この他に、発泡酒であるサッポロ麦とホップが小ジョッキで200円、中ジョッキで300円、ピッチャーで1000円で飲めるのがおもしろい。ギネスも550円で飲むことが出来る。グラスワイン(400円)もあった。
 カクテル、ウイスキー、日本酒、焼酎などもあり、どんな酒好きの要望にも対応しているのは、さすが酒屋さんの立呑みである。

 前回も飲んだ酔鯨純米(400円)を頼んだ。升に小さめのグラスが入っていて、升にこぼしてある。土佐の酔鯨は好きな酒である。
 午後9時45分から11時まで1時間15分ほどの滞在。お勘定は後払い。二人で1800円であった。

 「かむろ坂」を登り、武蔵小山方面へと向かった。次の店はいつも混んでいる店である。気温も下がっている。あの場所で飲むのはちょっと辛いかもしれない。身体を暖める為、歩みを少し早めた。


 (つづく)


不動前 立ち呑み「坂や」
住所 東京都品川区西五反田4丁目27-7
電話 03-3491-9830
定休日 ?
営業時間 17:30~22:30(L.O)
交通 東急目黒線不動前駅徒歩7分


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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

不動前坂やから太田屋そして中目黒ごっつぁん

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活  第8回  2007年2月2日(金) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】


不動前坂やから太田屋そして中目黒ごっつぁん


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目黒線・不動前 立ちのみ「坂や」

 今日は ASIMO君と東急目黒線の不動前に向かった。
 本日の最初の2軒の店は、東急目黒線の北側に平行して通っているかむろ坂通り沿いにある。現在拡張工事中で完成すると山手通りと26号線をつなぐ道となる。

 そのかむろ坂上に「坂や」という立ち飲み店がある。安藤酒店という「酒屋」さんがリニューアル時に現在の形になったとのこと。店に入ると右側で酒を売っており、左側が立ち飲みとなっている。左奥側に10名分程度のカウンターがあり、左手前には大きなガラス窓から道を行く人を眺めながら呑むことの出来るカウンターテーブルが二つ、こちら側にも8名ほど立つことが出来る。すでに先客の皆さんがカウンターにいらっしゃったので、窓側に立つことにする。

 「酒屋の商品を持込む事はご遠慮下さい」という表示が目に入る。もちろん、よその酒屋ではない、店の右側の酒屋部分で酒を手にとり、真ん中の勘定場で金を払い、それを左側部分の立ち飲みで飲んではいけないという意味である。店内に境界線があるわけではないが、従来の酒屋の店頭で飲む「角打ち(かくうち)」ではなく「立ち飲み居酒屋」であるという立場表明である。

 本日は、ある事情があり、ASIMO君から「通夜酒」のお誘いであった。そこで、酒を飲むことにする。ビールの後、私は「一の蔵」、ASIMO君は「酔鯨」を飲み、故人の冥福を祈る。「坂や」の特徴は400円代から500円代の安い価格でうまい酒が手軽に呑める点である。その他、おでん等をいただいて、40分程度で外に出た。

      ※      ※      ※

目黒線・不動前 ホルモン道場「太田屋」

 かむろ坂を下って行き、山手通りと交わる「かむろ坂下交差点」の手前左側に次の目的地がある。ホルモン道場「太田屋」である。
 店の中をのぞくと、左側に10人程度座れるカウンター、右側に椅子席が20人分ほどあるが、すべて満席。予想通り混んでいる。店の人に身振り手振りで一回りしてから来ることを伝え、不動前の駅周辺を散策する。ASIMO君は不動前にこんなに飲食店が多いとは思わなかったという。寿司、中華、インド料理、韓国焼肉、定食屋、そして、東京中で一番うまい酒を飲ませると言われる某店など、たくさんの店がある。

 午後8時前、太田屋に戻ると、ちょうど2名のお客様が店を出てゆくところであった。これは運が良いと店に入り、カウンターの一番手前の唯一の空席にASIMO君と座る。
 さっそくホッピーを2つ頼んだ後、ASIMO君が店内を見回し、「凄いですねえ」と一言。
 まさに凄いのである。何が凄いといえば、店内の壁という壁一面に短冊型のメニューが貼られていて、軽い目眩を覚えるほどの文字の量なのである。外にはホルモン道場と書いてあるが、けっしてホルモン焼きだけの店ではない、刺身から揚げ物、何でも食べることの出来る「居酒屋」である。好き嫌いの多い人でも、絶対に何か食べたいものがみつかるに違いない。まずは焼き鳥と空豆などを注文した。他にも色々と食べたが、何を食べてもうまい。良い店である。

 ひとつだけ気になることがあった、背後に同じ会社の呑み会らしい10名程の団体を発見する。私たちが最初に店をのぞいた時にも彼らは呑んでいた。私たちが帰る時もまだ残っていた。ここは小さな店である。我々以外にも、たくさんの人たちが、店の外から中をのぞいては、帰っていった。どうも私たち日本人は、一人一人は紳士的であるのに、人数が多くなると気づかいを忘れる傾向にある。

      ※      ※      ※

東横線・中目黒 炉端焼き「ごっつぁん」 実は・・・

 やがて、SAKURAより中目黒の炉ばた焼店「ごっつぁん」にいるというメールが入った。急いで勘定を済ませ、「太田屋」を出ると、今日の3軒目の店へ行く為、ASIMO君とタクシーに乗り込み、山手通りを中目黒駅に向って走る。中目黒駅の改札前で車を止めた。東横線のガード沿いの道を祐天寺方向に1分ほど歩くと、ブルーのテントに「炉ばた焼ごっつぁん」の文字が見える。店前に下がる縄のれんが懐かしい。
 この店の特徴は「何を食べても何を飲んでも350円」という価格設定にある。それでいて、出てくる商品はきちんとしており、がっかりさせられることはない。
 実はここのマスターは、作家・戯曲家の井上ひさし氏の弟さんである。SAKURAが本人から聞いた話なので間違いない。
 ASIMO君、SAKURAと3人で乾杯をして、帆立焼きなどをいただく。この時点で午後10時30分となっていた。今日は時間も遅いので1時間ほどで失礼する。中目黒で行く店に困った時は「ごっつぁん」に入る。芝居関係の人間の間で評判がいいのは、「井上ひさし」氏の神通力ではなく、お店そのものの力である。


不動前「坂や」
品川区西五反田4-27-7 電話03-3491-9830  東急目黒線不動前徒歩7分

不動前「太田屋」
東京都品川区西五反田4-3-5 電話03-3491-3620  東急目黒線不動前駅徒歩3分

中目黒 炉ぱた焼「ごっつぁん」
東京都目黒区上目黒3-7-5 電話03-3710-7805 東急東横線・地下鉄日比谷線「中目黒」徒歩1分
定休日 日曜祝日 営業時間 17:00~24:00

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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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