世田谷 酒の高橋~豪徳寺祭邑 そして・・・

居酒屋探偵DAITENの生活  第13回  2007年3月9日(金)   【地域別】  【時間順】



世田谷 酒の高橋~豪徳寺 祭邑 そして・・・


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東急世田谷線・世田谷 居酒屋「酒の高橋」

 今日、ASIMO君と二人で向かったのは、東急世田谷線の世田谷駅の居酒屋「酒の高橋」である。世田谷駅ではOZAKI先生と7時半に待ち合わせをしていたのだが、少し早くついてしまった我々は、OZAKI先生を待たず、「酒の高橋」に向かうことにする。最近ますます人気の店となってしまった「酒の高橋」。満席で入ることが出来ないケースが多いという。まずは、OZAKI先生の席も含め、席を確保することに決定。世田谷線の2両連結の電車を降りると、踏切を渡らず左折、世田谷通り方面に歩くと、「勉強王」と書かれた赤提灯が見える。
 扉を開けると、カウンターの奥の方に4人分の席が空いていた。店での待ち合わせは混雑店ではあまりしない方が良いと思うのだが、すぐに後から1人来ることを告げると、「荷物を席に置いてとっておいてあげてね」と親切に言ってくださる。安心して荷物を置かせてもらう。感謝。
 「運がいいわ、今、5人で来たお客様をお断りしたばかりなんですよ。」とママが言う。本当に運がよい。ますば、2人ともホッピー白(\420)を頼む。
 実は、宇ち中さんのブログから情報をいただき、すでに、冬の名物「白子鍋」は、暖冬の為、今年は終わりになっていると知っていた二人。「白子鍋」のことは口にも出さない。刺身三点盛り(600円)、煮込み豆腐(420円)を頼む。ASIMO君とホッピーで乾杯をして、つまみが来たところで、OZAKI先生から携帯電話が入る。
 しばらくしてOZAKI先生登場。私としては、席に荷物を置いている後ろめたさが解消され、ホッと一息。3人でホッピーで乾杯。前回、3人で集まった「渋谷 細雪~某店~富士屋本店ワインバー」の反省会となる。この時の「某店」はOZAKI先生の知り合いのグルメ系の編集者の方のおすすめの店とのことで行ったのであるが、先生の記憶違いであることが判明。少し離れた別のビルの同じように地下に降りた店だという。「すみません」と先生が恥ずかしそうに笑う。いつもの笑顔である。
 ASIMO君はホッピーの中と外を交代に頼んで順調に「ホッピー大好きモード」へ。私は「あさ開」燗酒(\280)を頼む。OZAKI先生は、普通の人と6時間ほど生活のパターンがずれているので、いつもの晩酌の時間は真夜中午前0時らしい。ゆえに、一つめのホッピーをゆっくりとしたペースで呑んでいる。
 つまみは、平目刺身(\500)と、なんこつ唐揚(\320)をいただく。「おまけよ」の一言と共に平目がやってくる。うまい、そして、びっくりする量であった。ここの刺身類が厚切りで歯ごたえのあることを客は皆知っている。
 さらにポテトサラダをお願いしたが、予想通り売り切れ。ここのポテトサラダがうまいことも常連客は皆知っている。ゆえに、すぐ売り切れとなってしまう。
 哀れに思ったのか、ママがやってきて、手の中の葉物の漬け物をギュッと絞って水を切り、「手はきれいだからね」と微笑みながら、空いた皿に置いてくれた。こういう気づかいがうれしい。
 来店時からちょうど1時間30分たった午後9時、お勘定をお願いする。ママさんとけいちゃんが丁寧に挨拶をしてくれる。「また来てくださいね」と言われると、また来ようと素直に思う。勉強王と書かれた提灯、懐かしい雰囲気の店構え、三点盛り、白子鍋、名物は数々あるけれど、本当はこのお二人の人柄が一番の名物なんだと思い知らされた。

小田急線豪徳寺 もつ焼き「祭邑」

 世田谷駅から再び3人で世田谷線に乗り込み、山下に向かう。山下駅のすぐ近くには小田急線の豪徳寺があり、まったくバラバラの地域に住んでいる3人が、それぞれ帰りやすいのである。
 その店は豪徳寺駅前にあった。モツ焼き「祭邑」である。この店に入り、三角地に建てられた店の狭さに驚き、たとえ満席であっても、黙って帰ってはいけない。実は地下室があるのだ。この日も3人であることを告げると地下に通された。
 地下には3人席が2つ、4人席が1つ、6人席が1つある。酒類の冷蔵庫、焼酎等のボトル棚があり、流しがある。流しは壁に向いており、調理場の中にいる感じである。客は誰もいない。注文を聞きに降りてきた店員さんに、またホッピーを頼む。

 一軒目に入った「酒の高橋」は、ほぼ完璧な「ディープ系居酒屋」であるが、たった1つだけ欠点がある。超ホッピー好きのDAITENは、実は「酒の高橋」のホッピーが、業務用リターナル瓶(360ml)ではない市販用の瓶(330ml)であることを残念に思っている。気分が出ないのである。本当に残念である。
 ゆえに、2軒目の「祭邑」では、業務用リターナル瓶のホッピー(\420)をまた頼んでしまった。つまみは、レバ、カシラ、ナンコツ、鳥皮(各110円)、和牛はらみ(\280)、ればくし(\400)、煮込み(\420)などを頼む。
 「貸し切り状態ですね」とOZAKI先生の言う通り、客は我々だけで、店の人もそばにいない、3人きりで静かに地下室でのんだ。OZAKI先生が「この空間なら貸し切って、ちゃっちゃなパーティが出来ますね」という。楽器を持ち込み、ガンガンやっても近隣に迷惑にならない。そういう使い方も出来る店かもしれない。
 そのうちに、話の流れからASIMO君がカラオケ好きであることがわかった。ASIMO君とは何十軒も居酒屋を歩いてきたが、居酒屋のことに気を取られて、カラオケに行くという話にはなったこともない。ASIMO君とカラオケ。意外であった。そのうち3人で行こうかという話になった。
 2杯目は強い炭酸「ニホンシトロン」を使ったチューハイ(\380)である。うまい。実はこの「ニホンシトロン」を飲みたくて、この店を選んだのである。
 ここにきて、ASIMO君もOZAKI先生も少し眠くなってきてしまった様子。私もつられて眠くなってきた。
 酒を飲むにはやはり適度な音が必要である。うるさすぎず、静かすぎない、良い客筋というのは、そういう「環境」を自然に作り出してくれる。
 午後9時から1時間程度の滞在。再会を約束しながら、目の前の豪徳寺駅へ。下り方面に向かうOZAKI先生と別れ、ASIMO君と新宿方面の小田急線に乗り込む。さらに、下北沢でASIMO君と別れ、井の頭線、東急東横線と乗り継いで中目黒駅に到着した。

そして・・・

 また、今日も稽古が終わった後のSAKURAは、S.A.P.のメンバー増永守志、納富英生、稽古を見学に来ていた咲良舎の創間元哉の3名と「中目黒・ごっつぁん」で飲んでいた。もうすでに閉店15分前である。ビールを一杯飲んで、わずか10分の滞在で店を出る。
 お勘定の時、「すみませんねえ、来たばかりでカンバンで・・・」というママの言葉に「ママの顔を見る為だけに来ました」と言う自分。「おじょうずねえ」というママ。自然に口から「おじょうずな」言葉が出てくる時は、酔っている証拠である。我ながら調子がよい奴である。


世田谷「酒の高橋」 東京都世田谷区世田谷3-1-26 電話03-3420-5051
定休日 日曜及び第3土曜日 営業時間 17:00~23:00

豪徳寺山下) モツ焼き「祭邑」
東京都世田谷区豪徳寺1-43-2 千代田ビル 電話 03-3427-4493
定休日 日曜  営業時間 17:00 ~ 23:00

中目黒 炉ぱた焼「ごっつぁん」
東京都目黒区上目黒3-7-5 電話03-3710-7805 東急東横線・地下鉄日比谷線「中目黒」徒歩1分
定休日 日曜祝日 営業時間 17:00~24:00

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

OZAKI先生と世田谷線を歩く 世田谷 酒の高橋 

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第2回  2006年8月4日(金曜) 【地域別】  【時間順】  【がっかり集】




 OZAKI先生と世田谷線を歩く 世田谷 酒の高橋

 
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 演出のSAKURAと五反田駅で待ち合わせ、出来たばかりの両国・シアター×での「試練」の公演チラシを受け取り、 三軒茶屋の世田谷パブリックシアターに向かった。駅前のキャロットタワーの5階に制作部がある。 その受付に行き、置きチラシをお願いする。別の階には、ワークショップの出来るスペースがあったり、贅沢な空間である。行政はすごい。世田谷区民の払った税金は確実に使われている。

 それから午後7時30分に「OZAKI先生」と世田谷線の世田谷駅で待ち合わせをした。
 OZAKI先生は私の学生時代の恩師でもなければ、演技や踊りの師匠でもない。しかも、彼は教員資格をもっているわけでもない。出版関係の仕事をしているフリーのシステム屋さんである。アマチュアバンド時代のメンバーの一人だが、メンバーは今も彼を「OZAKI先生」と呼ぶ。若い頃から超然とした雰囲気があり、突然日本から消え、数ヶ月も東欧やアジア各国を放浪したりする。OZAKI先生はどこの国に行っても外国から来た旅行者だと思われないらしい、それくらい、その場所に適応してしまうのだ。

 OZAKI先生を待って、世田谷線の世田谷駅の三軒茶屋方面ホームに座っていた。世田谷線は2両編成で走っている。1両目の一番前と2両目の一番後ろに入口があり、140円という均一料金を料金箱に入れて乗る。車中は一方通行になっていて、乗客は出口に向かい、自分の降りたい駅につくと、その出口から外にでる。

 しばらくして、下高井戸発の電車がやってきた。
一番前の車両、入口ドアの中にOZAKI先生の姿が見えた。
「あっ、わかっていない」。そう思った。
 駅についても入口ドアは開かない、OZAKI先生は入口の前に立って、ドアが開くのを待っている。先生はやっと気づいた。急いで出口まで行き、開いた出口から出てきた。私は笑いが止まらない。
「入口前に立たないでください」とアナウンスされたという。いつもながらのおいしい登場である。

 世田谷駅脇の踏切を渡り、世田谷通り方面に1分ほど歩く。 そこに、今日の目的地である「酒の高橋」の赤い提灯が見える。その赤い提灯には「勉強王」と書かれている。謎である。外に値段も出ていなければ、中の様子もまったく見えない。古い店の外観は、常連以外の人間を拒否している。

 今回が二度目の来店だが、居酒屋系ブログからの情報なしに、この店に入ることはなかったと思う。
 店に入ると、右側に10人ほど座ることのできるカウンター、左側に小上がりがあり、テーブルが4つある。ホッピーをいただき、刺身の3点盛りを頼む。 今日は3点盛りは、マグロ、ヒラメ、シメサバ、イカの4点盛りであった。厚く切られたヒラメが特にうまい。
 やがて、OZAKI先生が「焼きおにぎり」をたのむと言いだす。 メニューにそんなものはない。でも「焼きおにぎり」という言葉を聞いたと言う。
「焼きおにぎりください」と先生。
「ご飯はないんですけど・・・」との答え。
 先生の幻聴だったようである。
 何を食べてもうまい。家の近くにこの店があったら、毎日通ってしまいそうである。ニラ玉など何品か頂き、1時間ほどで外に出る。

 居酒屋探訪をするには、地元の皆さんの楽しい場所におじゃまさせていただく、という姿勢が大切である。
 大きな顔をしたり、大声をはりあげたり、知ったかぶりをしない、解らないことは、質問をする。そして、長居をしない。気持ちよくいるための方法である。

 それから、松陰神社前駅近くまで世田谷通りを歩く、商店街に入り、しばらく散策。昔のマーケットの雰囲気を残した場所が懐かしかった。
松陰神社前駅から再び世田谷線に乗った。OZAKI先生が料金箱に200円を入れたその瞬間、「釣り銭の方は釣り銭と書かれた口にお入れください」という社内放送が入る。絶妙のタイミングであった。
 先生は釣り銭を一度はあきらめ、離れた出口付近に、私と立っていた。私はそのタイミングの良さがおかしかった。やがて、思い直した先生は釣り銭のことを入口に立つ車掌に言おう思ったらしく、入口のところに歩いて行った。でも、何も言おうとしない。どうしたのかと思っていると、電車は目的地の「山下」駅についた。

 先生が急いで出口の方に戻ってきた。
 「何も言わなかったの?」と聞くと、
 「降りる時に一言、言ってやろうと思ったんですけど、ドアが開かなくて・・・」と答える。
 車掌の立っている入口は、乗る人がいなければ開かない。
 OZAKI先生はそのことを忘れていたのである。
 どうもOZAKI先生は世田谷線とは相性が合わないらしい。

 山下駅は小田急線の「豪徳寺」駅の近くにある。 豪徳寺のすでにシャッターが閉まった夜の街を散歩、見知らぬ店で軽く呑んで10時すぎのお開きだった。

 豪徳寺駅で、先生は、ちょっと小首をかしげ、片手を少し上げ、下りの小田急線ホームにあがっていった。
 もう20年近いつきあいだが、OZAKI先生と会うとホッとする。心が和む。ダイニング&バー「楽屋」のオーナーMASHIMO君と3人で、夜の街を飲み歩いた昔に帰ることが出来る。

 OZAKI先生は私の「先生」ではない、大切な「友人」である。

世田谷 居酒屋「酒の高橋」
住所 東京都世田谷区世田谷3-1-26
電話 03-3420-5051
定休日 日曜及び第3土曜日
営業時間 17:00~23:00
近くに劇団スーパーエキセントリックシアターの稽古場がある。

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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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