保土ヶ谷 スタンディングバー「あるこーるすたんど」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第642回 2016年3月5日(日)  【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】


 保土ヶ谷 スタンディングバー「あるこーるすたんど」


  ~ 保土ヶ谷のギャラリーのあるスタンディングバー ~


  


  
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 保土ヶ谷駅東口側には間口の狭い店が並ぶ、いわゆる「ハモニカ横丁」的な商店街がある。
 しかし、そこは横丁ではない。東海道=国道一号線沿いなのだ。
 JR横須賀線の保土ヶ谷駅改札を出たら左手へ。国道を渡る歩道橋方面には行かず、その向こう側の階段を下りる。まっすぐ行き、コンビニの入口を見ながら左へ曲がると東海道=国道一号線沿いに出る。そこは歩道になっている。
 道の向うまで駅側から歩道橋が渡っており、その先にバスやタクシーが停まるロータリーがある。保土ヶ谷駅には西口にも東口にもバスロータリーがあって、実は横浜中の各所にバスで行くことが出来る。

 東海道=国道一号線沿いの歩道は、人がすれ違える程度の巾。左に五十メートル、右に百五十メートルほど、歩道には屋根があって、雨に濡れずに買い物ができるのだ。右に歩いてゆく。すると、右手に小豆色の暖簾と「大蛇堂」と書かれた提灯を発見する。「大蛇堂」という名前の居酒屋さんかと思うが、実は暖簾に書かれた「あるこーるすたんど」の方が店名である。「大蛇堂」提灯の由来は後述。

 

 小豆色の暖簾をくぐって店内へ。右手に立ち呑み用L字カウンター。十人程度は無理なく立つことが出来るだろうか。
 カウンターのビールサーバーの美しい金色が目に入る。左手の壁は全面赤色でなかなか斬新だ。そこにはレトロ調のポスター。奥に階段が見え、階段の上に液晶テレビがある。カウンター内の壁際にたくさんの焼酎の瓶が並んでいる。

 

 入口を入って右手前にウイスキーの樽が置かれ、周りを囲んで立つことができる。グループ客にはこの場所が良い。

 

 カウンターの奥の方に立つ。カウンターの中にはマスターらしき男性が一人。
 お酒類は泡盛、焼酎、ワイン、ビールと多くの種類を扱っているけれど、つまみは「沖縄料理」に特化している。

 セットメニューが三種類ある。
 ビールセット(一〇〇〇円)は、レーベンブロイとエーデルピルスの二杯とミミガー、海ぶどう、天然味付きもずくのつまみ。
 ワインセットは、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインの中から二杯選び、オリーブとクリームチーズのつまみ。
 日本酒セットは、日本酒二杯を選んで、チラガーとワタガラスのつまみ

 その中からビールセットを頼んだ。最初にレーベンブロイが出てくる。私の好きなビールである。
 そして、ミミガー、海ぶどう、天然味付きもずくが出てくる。

 ビールを飲みながらマスターと話をする。
 二階と三階は「ギャラリー」になっているとのこと。

 「だいじゃどうっていう提灯が下がっていたので、お店の名前かと思いました」と言う。 
 「大蛇堂と書いて、おろちどうと読むんです。店の名前ではなくて、二階のギャラリーに出店しているアーチストの方のアーチスト名なんです」とのこと。

 二階のギャラリーは3月5日の時点では工事が残っていたのだけれど、養生シートが残っている中、見せてもらった。
 ギャラリーとしての広さもちゃんとあって、これからが楽しみである。出来上がった頃に再訪してみよう。

 この後、「かたびら・スペース・しばた。」の柴田代表が合流。
 
 ハイボール(四〇〇円)、スパークリングワイン(三〇〇円)、レーベンブロイ(五〇〇円)等を飲みながら、二階を再び見せてもらったり、マスターと三人でお話をする。

 合計金額の記録をとらず、この日はアバウトに終わる。

     ※       ※       ※

 2016年4月1日(土) 再訪 追記

 さて、前回よりほぼ一ヶ月がたった土曜日、スタンディングバー「あるこーるすたんど」に再訪してみることにした。

 午後二時半くらいである。
 暖簾をくぐって中に入ると、早い時間なので先客はいない。
 そして、今日はマスターではなく、若くて笑顔の可愛い女性であった。

 今日は日本酒セットにしてみることにした。
 日本酒二杯を選んで、チラガーワタガラスのつまみのセット。

 選んだのは、四季櫻特別本醸造
 お酒はブランデーグラスに足の無いようなおしゃれなグラスで提供される。想定外の形状。
 いわゆるマスにグラスを入れるセットより香りが立って良いかもしらない。
 さらに、大ぶりのグラスで水も一緒に出してくれるのが助かる。
 チラガーとワタガラスが出させる。

 「うち、二階がギャラリーなんですよ、良かったら見ていってください」と女性。
 「前回来た時はまだ工事が残っていたので、是非、今日も見せてもらいます」と私。

 二階はすっかり綺麗に出来上がっていて、作品の展示も始まっていた。 

 

 さらに、三階も雰囲気のある照明の独特なギャラリー空間になっている。
 
 

 日本酒セットを頼んだ人には、韓国海苔をワンパックプレゼントとのこと。良いツマミになる。

 二杯目は岩手の月の輪純米酒を選ぶ。

 単品ツマミのメニューを見る。韓国のり(一〇〇円)、キムチ(三〇〇円)、チャンジャ(三〇〇円)、もずく酢(四〇〇円)、豚タンスモーク(五〇〇円)などがある。

 テレビでは「孤独のグルメ」のシーズン6の宣伝番組をからめたスペシャルな内容。北海道が舞台。旭川。三四郎と自由軒が紹介されていた。自由軒の名物味噌汁がすごい。お店の女性も時々見るそうである。

 店内にはジャズが流れている。

 最後に樽生スパークリングワイン(三〇〇円)をいただく
 樽が気になったので話すと。これです樽型のサーバーを見せてくれる。
 さわやかな味であった。

 土曜日の午後のアートと音楽と酒。なかなか、良い時間をすごすことができた。
 午後二時半から三時十五分まで四十五分ほどの滞在。お支払いは一三〇〇円であった。



スタンディングバー「あるこーるすたんど」
住所 横浜市保土ヶ谷区岩井町53
電話 045-315-4563
定休日 無休
営業時間 月曜~金曜 19:00~25:00 土曜日 13:00~25:00 日曜日 13:00~24:00 
交通 JR保土ヶ谷駅東口から徒歩2分




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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

保土ヶ谷 居酒屋「ちょい呑み屋」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第635回 2016年12月3日(土)  【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】


 保土ヶ谷 居酒屋「ちょい呑み屋」 


  ~ 「実は流行の三〇〇円酒場」 ~

  
  

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 酒場というものはやっている人によって変わるものである。
 JR横須賀線の保土ヶ谷駅の西口側にこの建物がたってどれぐらいが経つのだろうか。
 建物を正面から見て屋根の下、入口の上の部分には「立ち呑み家」と書いてある。
 確かに店のカウンターは高めにできていて、ちょうど立って呑むのにちょうど良いけれど、すでに立ち呑みではなく、椅子を置いて久しいようだ。最初に入ったのは数年前である。特に何か特徴があるわけでもなく、特別に安いという感じもうけなかった。
 それが今年になって入ってみると、営業されている人も中身もまったく違っていたのである。派手なところは何も無いけれど、酒も料理も三〇〇円均一のリーズナブルなお店になっていたのである。
 保土ヶ谷駅西口ロータリー側に降りたり、右手のバス通り方面に斜めに歩く、目の前に変則的な信号の無い交差点がある。右手手角に洋菓子の不二家があり、その隣が家系ラーメンのほどが家、最近できたばかりの欧風料理店、そして、こちらの居酒屋「ちょい呑み屋」がある。店の前に自販機が二台、その上に大きな看板があって「ちょっと寄ってかない? ちょい呑み屋 TEL (045)442-4414」と大きく書いてあり、ライトアップされているので解りやすい。

  
 
 土曜日の夕方、買い物帰りにSAKURAと二人入ってみることにした。

 入口から中がよく見えるので入りやすい。立ち呑みだった名残として高めのカウンターが左手にまっすぐにあり、八人ほどが座れる。その奥の右手はトイレ。トイレの左側に空間があって、そこに四人が座れる席がある。カウンター席には五人ほどの先客の皆さん。
 カウンターの中に女性。前にいらした方とまったく雰囲気の違う、上品な感じのママさんである。

 「奥のテーブル席いいですか?」
 「はい、少々お待ちください」 

 すると、そこに荷物があったのか、カウンター席の端の女性客の方が片付けてくださる。

 「すみませんね」
 「いいんですよ~」と女性のお客様。

 テーブル席は低い高さの椅子である。
 壁にぶら下げられたホワイトボードの手書きメニューを見る。
 「三〇〇円均一」であることをこの時点で知った。
 
 「三〇〇円均一だったんだね、知らなかった」
 「お店の外にはどこにも書いていないものね」

 私は黒ホッピーセット(三〇〇円)を選ぶ、SAKURA生ビール(三〇〇円)を選んだ。

 まず、生ビールは凍らせたジョッキで出てくる。そして、ホッピーセットも凍らせたジョッキで焼酎もホッピー瓶も冷やした3冷であった。
 しかも、値段はやはり三〇〇円。。原価率を考えれば出血サービスであろう。

 乾杯。

 小鉢の料理が二つ出てきた。

 「お通しでございます。」とママさん。

 お通し(三〇〇円)のこのナスの煮浸しが美味い。
 そこで煮付けを頼むことにした。

 鱈の煮付け(三〇〇円)を頼むことにする。
 大きめの鉢が出てくる。

 「暑いのでお気をつけください」とママさん。

 中身は鱈と豆腐とほうれん草。
 
 「これは美味しいわ」とSAKURA

 良い冬のおつまみである。

 元々立ち呑みだったお店が店内はリニューアルせず、椅子を入れて、さらに、代が代わって進化したのである。

 二杯目は何にしようか。
 私はレモンサワー(三〇〇円)、SAKURA生ビール(三〇〇円)。

 塩サバ(三〇〇円)を頼む。
 大根おろしもたっぷりで美味しかった。

 最後に熱燗で温まってから帰ることにしよう。
 高清水(三〇〇円)である。

 高清水を燗にしてもらい、おちょこを二つもらう。

 塩サバが酒にあう。

 身体が暖まったところで帰ることにした。

 お勘定をお願いする。
 二人で、お通し二つ、料理二品、酒五杯で九品。
 九品×三〇〇円で二七〇〇円。
 明朗会計である。

 この後も何回も寄らせてもらっている。
 気軽に寄ることのできる店がまた一軒増えたことがうれしい。
 



保土ヶ谷 居酒屋「ちょい呑み屋」 
住所 神奈川県横浜市保土ヶ谷区帷子町1-38-2 
電話  045-442-4414
営業時間 17:00~23:30
定休日 日曜・祝日
交通 JR横須賀線保土ヶ谷駅下車徒歩2分



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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

保土ヶ谷 和ダイニング「六庵」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第609回 2016年4月12日(火)  【地域別】 【時間順】 【池上線】 【がっかり集】



 保土ヶ谷 和ダイニング「六庵」

  ~ 隠れ家的○○を考える ~

  

  
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  「隠れ家的○○」という言葉が流行はじめたのはいつのことだろうか。
 今回のお店は私がお手伝いをしている「かたびら・スペース・しばた。」の柴田オーナーの行きつけの店であり、初めて柴田オーナーに連れてきてもらったのは、五年ほど前であろうか。お店のママに聞けば、こちらのお店の開店は平成十六年十月二十五日とのこと。

 JR保土ヶ谷駅の西口側のバスとタクシーが留まるロータリーに降り立ち、左手にあるガラス張りのTS保土ヶ谷ビルを見上げてからその左手の道を入ってゆく。ここは、美容室通りと私が勝手に呼んでいる道で、何軒もの美容室が短い道沿いに並んでいるのである。その美容室通りを歩き、右手に宿場蕎麦桑名屋さんの江戸時代の保土ヶ谷宿の雰囲気を残す外観を見ながら進むと右手に「六庵」という看板を発見、階段を上がってゆくと和ダイニング「六庵」さんがある。「六庵」と書いて、「むつあん」と読む。
 階段上の引き戸を開けると、目の前には階段と平行に一直線の幅広いカウンターがある。
 左手には十人ほどが座れる掘り炬燵の板張りの席。ここは小規模な宴会に使える広さ。
 カウンター席の対面には、「六庵」の文字を真ん中に「日本酒」や「焼酎」の一升瓶が並ぶ。

  

 カウンターの一番右端の席に、柴田オーナーと二人並んで座った。カウンターの中にママ。建物正面に近い方に調理場があり、中は見えない。中には料理に専念するマスターお一人。
 桜が咲いて満開となり散った後の四月半ばだというのは外は真冬の寒さであった。

 「ママ、寒いから日本酒、燗酒がいいな」と柴田オーナー。賛成である。

 お通しは山芋とゴボウを揚げたもの。

 丁寧に燗をつけてくれたのは、高清水辛口二合(九八〇円)。
 これを一口飲むと至福の時がやってきた。

 「ああ、うまい」
 「あったまりますね」
 「生き返るね」
 「本当に」

 柴田オーナーが壁のおすすめメニューを眺めている。

 「おなかすいたなぁ・・・カルビ、あつあげ・・・それからかつお」

 牛カルビ鉄板焼(六〇〇円)、あつあげ(三八〇円)、かつお刺身(五二〇円)の三品。決めるのが早い。

 昨年、五年ぶりに連れてきてもらってから「かたびら・スペース・しばた。」の様々な打ち合わせ等に使わせてもらっている。チェーン居酒屋とは違い、落ち着いた雰囲気でゆっくりと話が出来る。

 高清水辛口二合(九八〇円)の燗酒二本目を頼む。

 「いつも思いますけど・・・落ち着く雰囲気ですよね」
 「隠れ家的にしておきたいとおっしゃるお客様が多いんですよ・・・」とママ。
 「それじゃ、御商売にはねぇ・・・ぜひ、口コミで宣伝してもらわないと・・・」と私。

 ママは笑っておられる。

 「隠れ家的○○」という言葉を考えてみる。
 その意味は、「自分だけの秘密にしておきたくなるようなとっておきの場所」ということであろうけれど、秘密とはいっても本当に誰にも知られないのでは、そのお店の経営が成り立たず、せっかく気に入ったそのお店も続かず、元も子もなくなってしまうのである。
 本当は、「自分がわずらわしいと感じるような相手、一緒にいると疲れると感じるタイプの人間には隠したくなるようなとっておきの場所」のことかもしれない。実際、その場の雰囲気を壊すような大声、えんえんと続く甲高い笑い声、チェインスモーカー、泥酔者など、困った人も酒場には多い。そんな客たちには、隠れ家的な店だけではなく、すべての酒場の場所を隠してしまいたいものである。

 最後に出羽桜桜花吟醸(七八〇円)のぬる燗を飲み、〆セット(五八〇円)を柴田オーナーが頼んだ。

 「ママ、しめせっとね・・・」

 

 〆セットは、酒盗塩辛汁物漬物ご飯からなる。

 良いツマミで良い酒を飲む。そして、〆セット。酒を飲んだ末に〆のラーメンを食べにゆくよりずっと健康に良い。

 一時間半ほどの滞在。御勘定は二人で五五二〇円。

 工事中の現場での打ち合わせと仕事の後であった・・・仕事の後の充実感を今日も味わうことが出来た。
 「六庵」さんを隠れ家などと言うのはおこがましい。是非、どなたにも楽しんでもらいたいお店である。


保土ヶ谷 和ダイニング「六庵」
住所 横浜市保土ケ谷区岩井町22 松本ビル2F
電話 045-333-6535
定休日 日曜・祝日
営業時間 18:00~23:30
交通 JR保土ヶ谷駅下車徒歩3分。
公式facebook https://www.facebook.com/mutsuan




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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

保土ケ谷 居酒屋「だんらん」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第607回 2016年2月11日(木)  【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】


 保土ケ谷 居酒屋「だんらん」 

  ~ ひとりでもだんらん ~



  



  
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 JR横須賀線の保土ケ谷駅の東口側には味わいある居酒屋がまだまだ残っている。
 保土ケ谷駅の改札を出て左手へ、東海道線と横須賀線の線路の上を渡る連絡通路を行くと階段が見える。その手前には国道1号線を渡る歩道橋へとつながる通路もある。
 階段を降りたところの線路脇の道を進み、突き当たりのコンビニエンスストアで左に曲がると国道1号線沿いに出る。
 国道1号線沿いはあまり幅の広くない歩道になっていて、「保土ヶ谷駅東口商店会」という商店街となっている。店の前にはずっと軒が出ており、こちらの商店街では雨の日も濡れずに買い物ができるのだ。
 この商店街と平行に、一九七二年(昭和四七年)まで、横浜市電保土ヶ谷線が通っており、国道の真ん中に市電保土ヶ谷駅があったことは、第599回居酒屋「浜屋」の回に書いたのである。
 この商店街には他に第589回で紹介した居酒屋「三河屋」さんもある。

 商店街の軒の下を歩きながら歩いて行くと、赤いテントのお店があった。居酒屋「だんらん」である。

  

 店の前、左手には保温用のガラスケースがある。土産の焼き鳥を買う方もいるのだろう。店の前には白いキリン一番搾りの提灯が6個ぶら下がっていた。

  

 右手のドアを開けて中に入る。
 左手のL字カウンターは七席。その先に四人座れる小上がりが二つ。
 実は、二十年前にも来たことがあり、数年前、一年前にも来たことがある。
 ちょっと強面のマスターは、話してみれば本当は優しい。
 小上がり席に、赤ちゃんとお母さん。その向こうにはカップル。
 マスターの娘さんかと勝手に思ってしまうがそうではないらしい。
 お持ち帰りの焼き鳥を待って帰った様子を見ると、御客様のお母さんと赤ちゃんだったようである。

 「何しますか?」

 短冊メニューに「キリンピュアブルー(酎ハイ)(三五〇円)。」と書いてあった。

 「酎ハイお願いします」

 まず、氷を冷蔵庫から出して割り、それをグラスに入れてくれる。
 そこにキリンの麦焼酎ピュアブルーを入れて、炭酸を注いでくれる。
 
 ピュアブルーの酎ハイを一口のんで注文。

 「たん、はつ、かしらを一本づつお願いします。」

 たん(一二〇円)、はつ(一二〇円)、かしら(一二〇円)は、どれも串の手元にネギが一つ。ネギ好きの私としてはうれしいのである。

 玉子焼(四〇〇円)を短冊メニューに見つけた、短冊にはニラ・ネギと書いてある。どちらかを選ぶのだろうか。

 すると、並びの方が口を開いた。
 
 「マスター帰るよ」
 「あら、どうしたの」
 「寄るところがあるんだ。」
 「何?」
 「ええと、まあいいや」
 
 お客様のその女性が小上がりの皿などを片付けてくれる。

 「すみません、あたしの仕事なのにね」と言って笑うマスター。
 「今度パート代、一〇〇円くらいもらうからさ」と笑う。

 楽しい居酒屋の会話である。

 「酎ハイもう一杯お願いします。」
 「氷もったいないんで、このままでいいです」
 「でも、一つくらいはね・・・」
 「そうですね、氷溶けますよね」と笑う。
 「玉子焼のニラとネギは日替わりなんですか?」
 「うん、その時によるんですね。」
 「どっちも同じようなものだから。」
 「そうですね、ニラがちょっと強烈なお兄さんって感じですね。」

 ネギがメインの玉子焼、これはいい。私はネギ好きである。
 玉子焼が出てくる。
 食べてみる。
 薄味で出汁が効いて玉子焼が美味しい。

 「おしょうゆいりませんね。」
 「そう。おしょうゆいらない・・・美味しい。」

 マスターの笑顔。

 菊正宗(三〇〇円)を常温でいただく。
 枡にビアタンブラーが入り、そこに注がれる。

 「マスター、御勘定」と並びの方。
 「こんなに早く帰ってどうするの?」とマスター。
 「明日、仕事ですから。」
 「あっ、俺も仕事だ。」とマスター。

 笑わしてもらう。

 刺し盛りを頼んだ女性客がマスターに質問をする。

 「これは何?」と刺し盛りを指刺す女性。
 「ダイコン大葉と、ええと・・・」

 ついつい笑ってしまう。
 それからやっと、
 「ホウボウヒラメと・・・」
 と本当のことをおっしゃる。
 私も刺身を食べてみよう。

 ほうぼう(五〇〇円)を単品で頼むことにした。

 「気になって・・・ほうぼう、お願いします。」
 「そう、気になったんだ・・・作ってみる?」

 そのほうぼうは美味しかった。
 菊正宗(三〇〇円)を追加してしまい、さらに、ピュアブルー酎ハイ(三五〇円)を飲んでしまう。

 御勘定は二九〇〇円。
 午後六時四〇分から八時四〇分まで二時間の滞在。私としては珍しく「長居」であった。
 常連の集まる楽しい一軒。そこは、独りで入ってもだんらんがあった。
 


  

保土ケ谷 居酒屋「だんらん」
住所 神奈川県横浜市保土ヶ谷区岩井町53
電話 045-716-4411
定休日 日曜日
営業時間 17:00~24:00
交通 JR横須賀線・保土ヶ谷駅下車徒歩3分


 
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テーマ : 居酒屋
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保土ヶ谷 居酒屋「浜屋」

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居酒屋探偵DAITENの生活 第599回 2015年10月03日(土)  【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】


 ※2015年10月6日 1,400,000カウント通過。感謝!



 保土ヶ谷 居酒屋「浜屋」 

  ~ 元揚げ物店の居酒屋は【ハムかつ】がうまい ~


  



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 前回のお店、黄金町の甘粕屋酒店さんを出た後、「伊勢佐木モール」を関内方面へ歩き始めた。「かたびら・スペース・しばた。」柴田オーナーと一緒に、御友人の衣料系のお店を二軒ほど挨拶周りしてから広い通りに出てから左へ曲がり、まっすぐに歩いた。
 大岡川にかかる長者橋を渡り、京浜急行の日ノ出町駅から電車に乗って横浜駅へ。横浜で横須賀線に乗り換えてJR保土ヶ谷駅で下車をした。東口側に降りると目の前には東海道(国道一号線)が通っている。保土ヶ谷駅の西側には旧東海道が通っていて、JRの保土ヶ谷駅は新旧の東海道に挟まれた位置にあることになる。
 東海道に出ると、道沿いに幅の狭い歩道がある。歩道沿いにはたくさんのお店が並んでおり、古くからの商店街である。
 歩道へ出て左へ曲がり横浜方面へと歩くと、左手に居酒屋さんの看板を発見した。居酒屋「浜屋」さんである。
 元々は「とんかつ・ラーメン」の看板を上げていたのだけれど、息子さんの代になって居酒屋さんとなったのである。
 
  

 軒先の高い位置に取り付けられたアクリル看板には「大衆酒場・おにぎり 浜屋」と書いてあった。
 柴田オーナーに先導され、紺色の「居酒屋」と書かれた暖簾をくぐる。

 入ると右手に四人がけテーブル一つ。左手の奧側に七人がけのカウンター。カウンターの中は調理場。右手奥が手洗い場。調理場の中に若いマスターの姿。

 四人がけテーブル席に向かい合って座った。
 まずは、酎ハイ(四〇〇円)を二杯頼む。

 「ここはね、前は揚げもの屋さんだったんだよ、だから揚げ物がうまいよ」と柴田オーナー

  ハムカツ(一五〇円)を二枚お願いする。

 酎ハイで再び乾杯をした後、再び、黄金町の映画館「ジャック&ベティ」で見たばかりの大崎章監督作品映画「お盆の弟」の話である。ふと店内を見れば、こちらのお店にも映画「お盆の弟」のポスターが貼ってあった。主演の渋川清彦さんと兄役の光石研さんが二人で並ぶ、このポスターは実に味わいあるものだ。渋川清彦さんが映画の中で見せる笑顔は、名優ロバート・デ・ニーロの笑顔のように思える。
 昔の日本映画は突拍子も無い世界を描くのではなく、小津安二郎監督作品をはじめとして、我々の日常に寄り添う内容であり、そういう作品の中に日本映画の良さがあったはずである。映画「お盆の弟」はそういう作品のひとつである。

 ハムカツが出来上がってくる。食べる。揚げ具合がよい。衣だけでも食べたくなるような揚げ物。元揚げ物店の居酒屋のハムカツはうまい。来店された方は是非お試しを。

 揚げ物だけではない、刺身類もある。マグロブツ(四五〇円)を頼んだ。

 実は、歌も唄える店である。カウンター席に常連の方々が数名。一人の方は歌を唄おうかどうか迷っておられた。
 思えば、まだ午後六時過ぎである。なかなか早い時間は興が乗らないものである。

 爆弾酒(五〇〇円)というものがあった。どういうものなのか聞いてみる。
 
 「焼酎を生ビールで割ったものです」とのこと。

 元気もりもり(三五〇円)というものは何だろうか。

 「元気もりもりって何ですか?」
 「豆腐にきゅうりなどをのせて、ニンニク醤油をかけたものです」

 トマトハイ(四五〇円)は、どんなタイプなのか。

 「トマトハイは炭酸の入らないタイプですか?」

 何やら質問ばかりしている。

 「トマトと焼酎です。」

 好きなタイプである。

 映画を語り、来年からの「かたびら・スペース・しばた。」の運営について語る楽しい酒場でのひとときであった。

 午後六時から七時まで一時間の滞在。
 今日も柴田オーナーと楽しく、様々に勉強になる休日を過ごすことができた。

 外に出る。今日は土曜日である。目の前の東海道を通る車は比較的少ない。
 一九六九年(昭和四四年)まで、この場所には横浜市電保土ヶ谷線が通っており、そこに市電保土ヶ谷駅があった。横浜市電は三年後の一九七二年(昭和四七年)にトロリーバスと共に全廃された。
 私の子供の頃の記憶の中に横浜市電トロリーバスの姿が残っており、わくわくしながらその姿を目で追った思い出がある。

 ※詳しくは横浜市電保存館のサイトへ。
  
 (了)
 

保土ヶ谷 居酒屋「浜屋」
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町54
電話 045-741-3440
定休日 日曜祝日
営業時間 
交通 JR横須賀線保土ヶ谷駅下車徒歩2分


 保土ヶ谷駅徒歩3分に2016年春に完成予定で建設中のカフェ&バー併設のイベントスペース「かたびら・スペース・しばた。」「かたびら」は所在地である帷子町の読み。「スペース」はここで何かをしたい方々に埋めていただくという意味でのスペース=空白。「しばた」はオーナー名。そして、「。」は人々の「輪」を意味しています。音楽・演劇・芸術のイベントも開催。 「貸し会議室」「レンタルスペース」としてもお貸しします。
 公式フェイスブックページはこちら



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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

保土ヶ谷 居酒屋「三河屋」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第589回 2015年03月28日(土) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】




 保土ヶ谷 居酒屋「三河屋」

  ~ コの字カウンターの楽しみ ~

   

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 横浜市の保土ヶ谷区南部には、江戸時代に整備された五街道のうち東海道五十三次の四番目の宿場、保土ヶ谷宿(程ヶ谷宿とも書く)があった。相鉄線の天王町駅付近の江戸見附跡から始まり、まっすぐに伸びてJR保土ヶ谷駅前近くを通り、横須賀線・東海道線の踏切を渡って、現在の東海道(国道1号線)に出たところの旧本陣の前を西に大きく曲がって、現在の保土ヶ谷二丁目バス停辺りにあった上方見附跡までが保土ヶ谷宿だったようである。

 現在の保土ヶ谷は横浜駅から近い場所でありながら静かな住宅街であり、同時に横浜ビジネスパークのようなビジネスの拠点もあるような多彩な町となっている。前回、保土ヶ谷のお店を紹介した時から二年の時がたっている。用事を済ませた後、先輩のyousaku氏と待ち合わせてから前回紹介したお店に向かった。いろいろと呑んで食べて楽しい一時を過ごした。それからyousaku氏とJR保土ヶ谷駅で別れた後、以前行ったことのあるお店がリニューアルされたことを思い出した。
 JR保土ヶ谷駅の改札を出たら左手へ。東海道線と横須賀線が下を通る通路を渡って東口側へ。東口側を通る東海道(国道1号線)を渡る歩道橋には行かず、階段を降りて左に曲がると東海道(国道1号線)が目の前を通っている。右手へ幅の狭い歩道を歩き始めるとすぐに今日の目的のお店はあった。居酒屋「三河屋」さんである。
 外から見ると、一軒間口のガラス戸で大きな暖簾がかかった左側と、小さな暖簾がかかった引き戸一枚の入口がある右側と、一見、二軒のお店があるように見える。しかし、中に入ると間口の広い一軒のお店なのだ。(下写真)

 

 右側の小さな入口から中に入った。やはり、一軒の店である。左側には十五人くらいが座れるコの字カウンターがあった。中央に一人だけ通ることの出来る手前から奥にかけてあるコの字カウンターである。右手側の入ってすぐの場所に六人テーブル、低い衝立の向こうに四人、四人、二人掛けのテーブルがあり、左手奥の調理場には若い男性二人と女性二人の姿が見える。右手奥にお酒を作るコーナー。その奥がトイレになっているようだ。

 コの字カウンターの一番手前の右端に座った。調理場の方を見ると高い位置に液晶テレビが取り付けてある。皆さん調理場の方に向いているので、時々コの字カウンターの方に調理場から出てくるお店の方への注文もしやすい。

 生レモンサワー(三四九円)とポテトサラダ(四一〇円)を頼む。
 ポテトサラダはリンゴが多いタイプである。

 焼き物も頼むことにする。カシラタンナンコツハラミは各一一三円。各一本ずつ頼む。
 タンナンコツが先に来る。ネギが間に一つずつ入っている。
 ナンコツがうまい。
 次にカシラハラミがくる。ハラミだけ間にネギが挟まっていない。

 樽酒初孫(三四九円)を一杯お願いする。
 升にグラスが入っている。そして、升の端に塩がついている。 
 面白い。グラスがあるのに升に塩というのは初めてである。塩を避けて飲むので飲み方がなかなか難しい。
 仕方なく升からグラスに酒を移さず、塩ごと升から呑むことにした。

 ここのコの字カウンターはとても良い。大きさも手頃で、テレビも見やすく、注文もしやすい。
 向かい合う反対側の人と話すことも出来るし、話したくなければそれも良い、そんな距離感が手頃だ。
 ネギ盛り(三〇八円)も気になった。しかし、カリカリチーズ(三〇八円)を頼むことにした。
 出てきたカリカリチーズを見て、ちょっとビックリする。自家製の乾き物といった感じだ。
 珍しいつまみである。なかなか美味しい。
 
 土曜日の「老舗酒場」に流れるゆったりした空気を楽しんだ。
 お勘定をお願いする。

 午後六時二〇分から七時までの四十分の滞在。お勘定は一八六八円であった。

    ※   ※   ※

 追伸 並びの立ちのみ店も気になった。次回はそちらにも入ってみたい。


  

保土ヶ谷 居酒屋「三河屋」
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区岩井町54
電話 045-714-5001
定休 日曜・祝日
営業時間 16:30~22:30
交通 JR横須賀線保土ヶ谷駅下車徒歩2分



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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

保土ヶ谷 やきとり「なか井」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第507回 2013年2月19日(火) 【地域別】  【時間順】  【がっかり集】





※2013年3月1日 1,110,000カウント通過。感謝!

保土ヶ谷 やきとり「なか井」

 ~ K氏のための通夜酒 ~

 
  保土ヶ谷やきとり「なか井」

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 前日メールが届いた。相手は「居酒屋探偵DAITENの生活」にも何度か登場してくださっている城南居酒屋探偵団横浜支団長柴田氏であった。

 十数年前、自分でMacで編集し、版下をで自作、印刷会社に印刷を手配、出版していた同人誌があった。そのメンバーであり、地元の歴史研究団体の先輩メンバーでもあり、様々な意味で「仲間」であった金子氏が亡くなったのである。

 喪服を着て、保土ヶ谷に到着したのは午後5時20分。柴田氏の処へうかがい、保土ヶ谷駅東口のバスロータリーのタクシー乗り場から斎場を目指した。
 思えば、当時の「仲間」の葬儀に出席するのは、これで2回目である。

 通夜の後、再びタクシーに乗り込んで保土ヶ谷駅まで戻ってきた。
 保土ヶ谷駅の東口側を通る東海道(国道1号線)から西口側にある旧東海道までをつなぐ細い道が「かなさわかまくら道」の一部であり、その入口辺りでタクシーを降りた。
 「かなさわかまくら道」とは、東海道五十三次の程ヶ谷宿の金沢横町から金沢の六浦陣屋(現金沢八景駅)へ到る道のことである。
 この道に入り、15両編成の長い列車を2本待って、東海道線と横須賀線が通る踏切を渡ると、そこは帷子川の河川改修工事の現場であった。ここから右にまっすぐ行けば保土ヶ谷駅西口駅前である。すぐに、左へ左へと曲がり、工事現場を回り込むように行くと、再び「かなさわかまくら道」の道筋に出た。そこに、目的のお店、やきとり「なか井」さんがある。

 こちらは柴田氏の行きつけのお店。
 入口の右手に「やきとり」と書かれた提灯がぶらさがっていた。曇りガラスのサッシの戸の前にやきとり「なか井」と書かれた紺色の暖簾が下がっている。
 暖簾をくぐって中に入ると、右手には一直線のカウンター席が続いており、中が調理場になっている。
 左手に四人掛のテーブル席が二つ。入口の左手の棚に荷物やコートを置いて、柴田氏と並んでカウンター席に座った。
 カウンターの中には、マスターとママさんの二人。先客の方はどなたもいなかった。

 まずは、常連の柴田氏の芋焼酎のボトルでお湯割をいただく。銘柄は芋焼酎酔神黒

 マスターがいろいろとおすすめ品を教えて下さる。口調が楽しい。
 最初のつまみは、モツ煮込み(450円)を2つ。モツたっぷりで美味しい煮込みだった。
 次に頼んだのは、マスターおすすめのシメサバ(450円)、これも美味しかった。

 ここで、前述の同人誌歴史研究団体で、やはり同じようにメンバーだった濱也耕誠氏が合流。

 濱也氏は生ビール(550円)とモツ煮込み(450円)を頼まれた。
 3人で献杯である。当然、金子氏の話になる。
 昔、保土ヶ谷の酒屋さんの2階に10人ほどのメンバーが集まって、笹一酒造一斗樽を開けた時の話をする。この時の金子氏の飲みっぷりは凄かった。

 来店時、お店のマスターにすすめられたアスパラサラダ(350円)が三皿並ぶ。丁寧に皮がむかれたアスパラがみずみずしく美味しい。
 さらに、餃子(450円)も二皿。濱也氏は変わらずに健啖家である。

 ここから、ついつい「通夜酒モード」に突入である。
 斎藤酒造の初亀の熱燗二合(700円)を頼み、お猪口を三つもらって、三人で献杯を重ねた。

 ウインナー入りニラ玉(600円)、濱也氏も食べたいということで、シメサバ(450円)も追加。今度は醤油なしで食べる。

 濱也氏は再び生ビール。さらに、キビナゴの唐揚げ(350円)。
 私はホッピー瓶(250円)をもらい、柴田氏の芋焼酎をホッピーで割っていただく。
 さらに、熱燗の追加、また熱燗の追加。ホッピー外の追加が続く。

 ここで、濱也氏は仕事がある為、途中で帰られることになった。ある用事もあって、また、来月お会いする約束をする。

    ※    ※    ※

 テレビに、創業130年を超える老舗「神田藪蕎麦」の火事のニュースが流れた。驚きである。絶句する。

 我が方の芝居の上演会場でもある中目黒「楽屋」のオーナー、MASSIMO氏とジャズ・シンガーの女性たちやベーシスト、そして私の母の可久鼓桃も加わって、楽しい旅行に行った帰り、この「神田藪蕎麦」で食事をした。
 女将さんが独特の歌うような口調で注文を調理場に通すのである。やはり、そのことが話題になった。

 落語好きで、江戸が好きで、浮世絵師の「写楽」の研究家だった金子氏をますます思い出す。私たちの同人誌にも金子氏写楽に関する論文を連載した。
 自分でも落語を作って語っていた金子氏、その通夜の夜に「神田藪蕎麦」が燃えた。もし、金子氏が存命で、一緒にこちらのお店で呑んでいたとしたら、このニュースを聞いて、さぞや嘆き悲しんだであろう。

    ※    ※    ※

 午後9時を過ぎて、常連らしき方々が次々に入ってこられた。

 本来はこちらは「やきとりのお店」である。
 とりかわ(100円)とかしら(100円)を2本づつ焼いてもらった。肉を食べて精進落としである。
 そして、瓶ビールで、柴田氏と最後の献杯をした。

 午後7時30分から10時30まで、3時間ほどの滞在。お勘定は3人で11,950円であった。

 お店のマスターがとても楽しい方で、ママさんとのやりとりも面白かった。
 あまり、しんみりとし過ぎず、よい「通夜酒」となった。
 金子氏は楽しい人だった。
 我が家で酒を呑むと、金子氏はいつも私の母にこういった。

 「おっかさんのうまいツマミで、今日も酒がすすんじゃうなあ」

 その声音が耳に残っている。一緒に呑んでいるような気持ちになれた。
 いや、きっと、一緒に呑んでいたのかもしれない。
 思いの外、酒の減りが早かったような気がするからである。



 保土ヶ谷やきとり「なか井」

保土ヶ谷 やきとり「なか井」
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区帷子町2-69
電話 045-334-2650
交通 横須賀線保土ヶ谷駅西口 徒歩3分


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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