大倉山「大倉山モツ店」「鳥AE’S」

居酒屋探偵DAITENの生活 第51回  2007年11月10日(土) 【地域別】  【時間順】



大倉山大倉山モツ店」~「鳥AE’S」

 「某店」

 今日のワークショップ終了後、一端SAKURAと別れ、それぞれの用事を済ませて、大倉山駅に集合することになった。予定より早めに大倉山駅に到着したのは、午後7時30分頃であった。
 かなり時間があるので、駅周辺で新しい店を開拓することにした。駅の近くの路地に、小さな焼き鳥店を発見。中に入ってみる。7、8人程度座れるL字カウンターが入口にあり、奥にはテーブル席が四つほどあった。思ったよりも狭い店である。早速、ホッピー(400円)と煮込み(500円)を注文。ホッピーがどんな状態で出てくるのか試してみる。すると、小さめのウイスキーのソーダ割のようなグラスに氷が多めに入っており、そこに焼酎とホッピーが入れてある状態で出てきた。ホッピーは瓶の半分も使っていないに違いない。「ホッピー」という飲み物についての知識がまったく無いのかもしれない。焼酎のソーダ割のソーダの代わりにホッピーを入れてみましたという感じである。一瞬にして、この店に対する気持ちが遠のいた。

 カウンター席に座る常連は全員がお互いを知っている様子である。つまみもあまりとらず、一人一品程度がカウンターに並んでいる。食べることよりも飲むことが中心の客筋と言える。出てきた煮込みも500円という値段の割に量が少ない。味もあまりうまいとは言えない。「くたびれた煮込み」とでも言おうか。
 隣の席には、若い客が一人で空のジョッキやサワーグラスを3つも目の前に並べて、携帯をいじりながら飲んでいる。4杯目を注文しようとして、空のサワーグラスを戻すように言われた。それでも戻されたグラスは一つだけ。代わりに片づけてしまいたくなる。狭いカウンターで煙草の灰皿を自分の方にもっていったり、寄せたりするマナーを知らないらしい。灰皿はその若い客よりも私の方に近い位置に置かれている。手を伸ばし私の目線の脇でポンポンと灰を落として見せる。煙が流れてくる。このままだと、何か言ってしまいそうなので、お勘定をして外に出た。1,150円と言われたところを見ると、小皿にもられた小さなお通しは250円という値段らしい。再来店は無いだろう。こういう店を私は「一期一会の店」と呼んでいる。


 大倉山モツ店」

大倉山モツ店


 時間は午後8時を過ぎていたが、まだSAKURAの用事は終わらない。しばらく、路地裏を散策することにした。裏通りを歩くうちに、大倉山駅の北側の一角に飲み屋ばかり7、8軒が建ち並ぶ地域を発見した。居酒屋、定食屋、焼き鳥屋、焼酎バー、そして、養老乃瀧もある。しかし、入りたいと思わされる店は無かった。再び、駅周辺に戻ろうとして、振り返ると、「一の湯」という銭湯の前に、見たことのある看板を発見。以前に昼間このあたりを散策した時に、見つけた看板であった。「大倉山モツ店」とある。昼間で店は開いていなかった。そして、店の雰囲気から総菜としてモツを売る店だと思っていた。もしかしたら、店の前で立ち飲みでもさせるのかなと思い。店の前まで行ってみることにした。

 ずいぶんと古い店構えである。店の脇の看板には「大倉山モツ店」と大書してあるが、建物の上に掲げられた古い看板には「大倉山もつ肉店」と書いてある。店の作りからも解るが、元々はもつ肉の販売店であったようである。
 正面に焼き台があり、その前に若い男性が一人立って、焼き物を焼いている。その左隣の低い位置に鉄板が置かれている。その上でモツを炒めるのだろうか。鉄板の前に三人ほどが座れるようになっており、青年が一人座って生ビールを飲んでいた。彼の奥には、5人ほど座れば一杯の高いカウンター席がある。カウンターには女性一人、男性二人が座っていた。全員が生ビールを飲んでいる。店には扉も無ければ窓もない。外気にそのままさらされている状態である。
 鉄板の前の入口の席に滑り込む。座ると背後はすぐ壁であり、寄りかかることが出来る。奥の席の人が外に出る時は前かがみになって通り道を作ってあげなければならない。

 壁の品書きを見ると飲み物は生ビールと酒だけのようである。生ビール中(550円)を頼んだ。生ビールは他に小350円と大600円がある。奥の3名も大生を飲んでいる。大生がお得な値段設定となっているようだ。
 焼き物は1本から頼むことが出来るようである。はつ(80円)、たん(80円)、かしら(90円)を1本づつ頼んだ。口直しに、ここでも煮込みを食べようか等と考えていたが、品書きをよく見ると、煮込みは水曜日と木曜日限定であるとのこと。一週間のうち煮込みが二日間しか食べることが出来ないというのは珍しい。是非、水曜か木曜に来てみたい思わせる。

 店内を見回すと、古い酒のポスターが貼られている。しかし、今時の「昭和レトロ」の作られたものではなく、本当に数十年前で時間が止まっているような店内なのである。品書きも文字が読みづらいほど古くなっている。おちつく店だ。酒(350円)とおしんこ(200円)をお願いして、じっくり腰を据えることにする。「両関」の熱燗は瓶ごと湯煎されており、まったく待たされず、すぐに出てきた。

 やがて、店内の客は私1人になった。レバ(80円)とネギ(100円)を追加して、営業時間と休業日を確認する。 「一の湯」という銭湯は今日は休みなので、人通りは少ない。それでも若い男女がおみやげでモツ焼きを買ってゆく。閉店間際には、やはり中年の男性が一人入ってきて、おみやげのモツ焼きを10本ほど頼んで、熱燗を飲み始めた。常連である。さきほどまでいた男女の客のことも知っているらしい。

 午後9時になった。約50分ほどの滞在。お勘定をお願いするとパチパチと大きな古いソロバンをはじいて計算してくれる。静かな店内にソロバンの音が響いて、実に良い。お勘定は1,530円であった。

 串飲坊「鳥AE'S」

大倉山とりあえず

 午後9時を過ぎてもまだSAKURAの用事が終わらない。そこで大倉山駅前のスターバックスでカフェラテを飲みながら待つことにする。
 SAKURAがやってきたのは午後9時30分くらいであった。やはり、どこかで飲みたいとのリクエストで、先ほど散策した時に発見した店に行くことにする。
 その店は、大倉山駅の西側の線路沿いの道にある。暗い外観である。外側から中を見ることが出来ない。クリスマス・ツリーに使うイルミネーションが申し訳程度に光っている。一見すると、初めての客には、とても入りにくい外観である。高い位置に看板がある。串飲坊「鳥AE'S」と書かれており、照明が当てられている。この店名は「くしいんぼう・とりあえず」と読むそうである。外観に加えて、名前も難しい店である。

 しかし、中が見えないまま、扉を開いて入ると驚いた。店内はほぼ満席の状態だったのである。正面に10名ほどが座れるカウンターがあり、カウンターの中は調理場である。
 入口の扉からカウンターに至る通路の左右にテーブル席がいくつかある。店内は照明が暗く、今時の和風ダイニングの雰囲気である。これは高いかなと思った。しかし、実際にメニューを見ると価格設定は比較的低い。良心的な価格設定と見た。

 メニューを見ながら最初の飲み物を選んだ。SAKURAはモルツ生(440円)、私は生レモンサワー(400円)を選ぶ。お通しは250円であった。
 つまみは、ボンボチ(100円)、セセリ(100円)を2本づつもらい。キムチ鍋の中(660円)を選んだ。キムチ鍋は大(980円)もある。

 空席が出来るとすぐ次の客が入ってくる。満席の為に断られる人たちもいた。そのたびに丁寧にスタッフが対応していた。東京の中央の繁盛店に時折いる、妙に高飛車な態度のスタッフはここにはいない。

 2杯目の飲み物は、SAKURAはゆず梅酒(480円)、私はサワー(280円)を頼んだ。
 3杯目に有名な焼酎「晴耕雨読(380円)」を呑む。これに合うつまみとして、銀杏(140円)を2本食べた。焼酎「晴耕雨読」は量も多く、380円という価格設定は安い。サワーが280円というのも安い。

 照明を落とした、いわゆる和風ダイニング風の店は、私が滅多に選ばないタイプの店である。たとえ、店に入ることはあっても、このブログに書くことは希である。それでも、今回は混雑する理由がここにはあると思い、例外的に取り上げることにしたのである。

 約1時間ほどの滞在でお勘定をお願いすると、小さなコーヒーゼリーが「お口直しです」という言葉と共に運ばれてきた。特に女性に喜ばれるサービスかもしれない。
 勘定は二人で3,990円であった。


大倉山モツ店
神奈川県横浜市港北区太尾町482
銭湯「一の湯」前
日曜祝日休 営業時間17:00~21:00


串飲坊 鳥AE’S(くしいんぼう・とりあえず)
神奈川県横浜市港北区太尾町226
電話 045-546-4999
月曜休 営業時間17:00~25:00


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら


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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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