荏原中延 もつやき「仲居」第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第464回 2011年12月22日(木) 【地域別】  【時間順】





荏原中延 もつやき「仲居」 第2回


  荏原中延もつやき仲居

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 3連休前の木曜日の夜、荏原中延駅脇の路地にいた。改札を出て右手の交番の前を通り、すぐ右に曲がる。そこにある路地の奥の右手にそのお店はある。
 前回、こちらのお店を紹介したのは、2008年10月24日第153回である。 
 その時にも書いた通り、こらちのお店は交通新聞社の雑誌「散歩の達人」でも紹介されたことがある。さらに、BS-TBSの「吉田類の酒場放浪記」でも放送されている。実は有名な店なのである。

 ガラス引戸を開けて中に入る。まるで霧のように、店内をもつ焼きを焼く煙が充満している。
 マスターと目があう。

 「おひさしぶり」とマスターが笑顔でおっしゃる。
 「どうも」と私。
 「前にいらっしゃいましたよね」
 「はい・・・」
 「そうですよねえ」
 「なかなか機会がなくて・・・」

 真四角の店内のL字カウンターの手前から右手奥の方で、すでに3名の常連の皆さんが楽しそうに飲んでおられる。手前から左手に向けてつづく側にはどなたもいない。左端は焼き台の真ん前なので特に煙い。ゆえに、左端の席には埃がたまっており、どなたも座れないことがよく解る。その手前の焼き台に近い辺りに座る。

 「何を飲まれますか?」
 「はい、クエン酸おねがいします。」
 
 久しぶりの「クエン酸」である。これは、前回も書いた通り、レモンサワーに「クエン酸」と「季節の果物」を絞って追加した、この店のオリジナルの飲み物である。
 
 店内にメニューやお品書きなどは無い。常連の皆さんが焼き物を頼むのに合わせて、一緒に【カシラ】【シロ】をお願いする。もつ焼きは2本ずつである。
 カウンターの上にどなたかが忘れたのか、このお店とはおよそ関係ないfacebookの指南書が置いてあるのが面白い。焼き台の脇では真っ黒な古い扇風機が回っている。プラスチックではなく鉄製である。
 たくさんのもつ焼きが焼かれ、店内の煙はますます凄くなってゆく。店の奥の方のかつて池上線の線路が通っていた側の高窓が開けてある。そこから冷気が入ってくるのだ。

 【カシラ】【シロ】が2本ずつ皿の上に出される。大ぶりである。【シロ】は弾力があり、うまい。この【シロ】は名物である。また、【カシラ】もうまい。
 マスターが大きな換気扇のスイッチを入れる。すると、みるみる店内の煙が消えてゆく。しかし、同時に暖気も外に出て行き、高窓からさらに冷気が入ってくるのだ。 

 次に常連の皆さんとマスターの会話の中に出てきたのが【ナイショ】である。
 常連さんたちの注文にのせてもらう。

 「私にも【ナイショ】をお願いします」
 「めしあがりますか?」
 「はい、お願いします。」

 【ナイショ】をいただくことにする。

 「かんでいて味が抜けないですよ」とマスター。
 「どこの場所なの?」と常連の方。
 「秘密です」とマスター。

 このやりとりが楽しいのである。マスターは一定のトーンで笑顔を絶やさずお話になる。

 クエン酸を飲み終えて、冷え切った身体を温めようと考え、燗酒をお願いした。
 すると、小さな薬缶(やかん)に入ったお酒を直接温めたものが厚手のグラスと共に出てくるのである。熱い。飛び切り燗に近い温度である。寒いのでちょうどよい。

 【ナイショ】は1本のみ。やはり貴重な部位なのである。

 うまいもつ焼きの店では、お客さんが食べた本数が話題になることが多い。こちらのお店でもつ焼きを一人で食べた最高の本数は53本とのこと。こちらの大ぶりのもつ焼きを53本というのは本当にすごいと思う。

 ここで、【ナンコツ】を頼む。【ナンコツ】も2本である。
 銀座からこの【ナンコツ】だけを20本食べにくるお客さんがいる話をうかがう。前回も話してくださった話である。

 「バストない?」と常連の方。
 「今日はないんですよ」
 「それじゃ、【ナンコツ】ね」
 
 店内が煙でいっぱいになる。すると、大換気扇がうなりを上げる。すると煙が消え、冷気が入ってくる。このくりかえしである。

 「マスター、【コブクロ】ね」と常連の方。
 「マスター、【コブクロ】のります」と私。
 「めしあがりますか?」とマスター。
 「はい」と私。すると、マスターがにやりと笑う。

 もつ焼きを焼き、時折煙草をつけて吸うマスター。炭に汚れたマスターの指が素敵である。
 【コブクロ】が2本出てくる。

 二つ目の薬缶酒をお願いする。

 目の前の古い扇風機を眺める。文字が書いてあるけれど、「交流」という文字だけが読める。

 並びの方が串の乗った皿をマスターに渡して「お勘定」の一言。「よいなあ」と思う。
 自分の皿の上の串を数えてみる。9本である。
 
 「マスター、今までに9本食べたんですけど、最後に1本を食べたいんですが、何がおすすめですか?」と聞く。
 マスターは【ハツ】を塩で1本焼いてくれた。この【ハツ】が素晴らしい選択だった。とても美味しく、感動した。私が手を叩く仕草をすると、マスターも笑顔で手を叩く仕草をしてくれた。

 【カシラ】2本、【シロ】2本、【ナイショ】1本、【ナンコツ】2本、【コブクロ】2本、【ハツ】1本。
 食べたもつ焼きの串の本数は10本ちょうどである。クエン酸薬缶酒二つ、御勘定は2,900円であった。午後7時30分から8時50分まで1時間20分の滞在。久しぶりに、ゆっくりと飲むこと出来たような気がする。充実の一時であった。


荏原中延 もつやき「仲居」
住所 東京都品川区中延2-8-14
電話 03-3783-0371
定休日 日曜(?)
営業時間 19:00頃(シャッターが開いたら開店)~
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩1分



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら

実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE

テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

荏原中延 自然旬彩「ふきの灯」

居酒屋探偵DAITENの生活 第441回 2011年8月24日(水) 【地域別】  【時間順】



※2011年8月25日 800,000カウント通過。感謝!

荏原中延 自然旬彩「ふきの灯」



  荏原中延ふきのとう外観

 
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 東急池上線の荏原中延駅の改札を降りると、目の前は商店街になっている。
 左へ行くと、荏原中延駅から東急大井町線の中延駅の近くまで続いている中延スキップロードというアーケード商店街となっている。
 荏原中延駅の建物の右角には交番がある。この交番の角を右に曲がると狭い路地があり、入ってゆくと左手に第362回で紹介した大衆酒場「栄」があり、右手には第153回で紹介したもつやき「仲居」がある。この路地を中心に荏原中延駅周辺には、大衆酒場然としたお店がまだ残っていてくれる。今回は、この路地には入らなかった。
 
 駅前の道を歩いてゆくと、左、右、左と角が続く。3つ目の向こう角、そこに新しくお店が出来たのは、昨年の暮れだったろうか。
 店の外の「緑提灯 地場産品応援の店」と書かれた緑提灯が目印になる。
 店の外壁の上半分は土、下半分は石をイメージした感じの上下ツートーンである。窓は店の側面に1つ、正面側に縦が短く横が広い窓が2つあって、店内がよく見渡せる。正面の2つの窓の間に木製の引き戸があり、この戸にガラス窓はない。入口の上の看板には自然旬彩 ふきの灯という店名が書かれており、薄緑色にライトアップされている。
 店内がよく見えるというのはよい。中が見えない為に入店をためらう方も多いに違いないからだ。
 
 表に、ハイボールとサワー類が半額であることが書かれた手書きの立て看板が置いてあった。
 木製の引き戸を開けて中に入る。店内は思いの外広い。右手のL字カウンターは11席。カウンターの中は調理場である。シェフ服を着たマスターが忙しそうに働いておられる。その奥にママさんらしき女性の方。
 「いらっしゃいませ」の声に迎えられて、カウンターの中央辺りに座る。
 
 左手に四人テーブルが三つ。それぞれ二人ずつに分けることが出来るようだ。L字カウンターの手前側に女性二人が店の奥に向かって座っている。カウンターの一番奥のレジ脇にカップルの方が並んでおられる。
 テーブルは手前が子ども連れ四人家族。真ん中が女性二人。奥が壮年の男性二人。盛況である。

 カウンターの中から出てこられたママさんに「お飲物は?」と聞かれる。
 外の看板に半額セールとあったので、まずは生レモンサワー(380円)をお願いする。半額190円である。
 レモンサワーを飲みながらメニューをじっくりと見る。串揚げがメインらしい。親父向けのものから若い女性に喜ばれそうなものまで種類は豊富である。一緒に出てきたお通しは、カマボコに入れられた切れ目にガーリックのきいた枝豆とクリームチーズを和えた物を入れた一品とイカときゅうりをマヨネーズで和えてさらに酢をきかせた一品が器にのっていた。酢のきいたものは食欲をそそる。なかなかよい。値段は350円だろうか。

 忙しそうに働くママさんの様子を見て、注文の品をテーブルに届けた帰りに声をかけた。1品目は、牛もつの煮込み(460円)をお願いした。
 
 2品目は串あげ5本セット(600円)にして、緑茶ハイ(320円)である。これも半額160円。串あげは、玉葱、椎茸、ねぎ、ソーセージ、なすの5品。

 メニューを見れば、焼酎も日本酒も一通りある。
 3杯目はシークァーサーサワー(350円)。これは、端数切れ捨てで半額170円。最後の1品は、昔ながらの卵焼き(360円)である。

 次々に注文が入り、シェフ服のマスターはとても忙しい。品数が多いのでたいへんである。表情も変えず、一定の速度で仕事をこなしてゆく。

 食事メニューも充実している。新潟十日町蕎麦(630円)、自家製チャーシュー丼(600円)、しおからチャーハン(580円)、あの頃のナポリタン(580円)、魚沼産コシヒカリのあったかご飯(280円)、そして、ご飯セット(430円)もある。ご飯セットは、ご飯、味噌汁、おしんこのセットだ。

 さらに、女性二人が入ってこられた。私の並びのカウンター席に座る。
 これで、一般的には、ほぼ満席である。
 「相席あたりまえの大衆酒場とは違うので、これ以上お客さんが来たらどうなるのかな?」
 などと考えていると、男性二人が入ってきた。
 すると、ママさんが真ん中の四人席を手早く二つに分け、男性二人が座ることができた。

 盛況である。

 小綺麗で清潔感があり、店内がよく見えて入りやすい。いずれにしても、今まで荏原中延にはなかったタイプのお店である。女性客が多いのもうなずける。
 
 午後6時50分から8時まで1時間10分ほどの滞在。御勘定は2,290円であった。

 御夫婦が静かに頑張っているお店。次回は新潟十日町蕎麦が食べてみたい。


  荏原中延ふきのとう看板

荏原中延 自然旬彩「ふきの灯」
住所 東京都品川区中延2-9-7
電話 03-3786-8866
営業時間 17:00~24:00
定休日 第1・第3月曜日
交通 東急池上線荏原中延駅徒歩1分




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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

荏原中延 大衆酒場「栄」

居酒屋探偵DAITENの生活 第362回 2010年8月18日(水) 【地域別】  【時間順】



※2010年8月20日 550,000カウント通過 感謝!


荏原中延 大衆酒場「栄」

  
  荏原中延大衆酒場栄外観

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 東急池上線の荏原中延駅が現在のように地下化したのは平成元年である。地下ホームから階段を登り地上に上がってくると改札口がある。その改札口の向こう側の天井は高くなっている。古い駅舎に手を入れながら使い続けている東急池上線の各駅舎の中にあって、味わいには欠けるけれど、荏原中延の駅舎は最も立派である。
 改札を出た左手には、駅舎の二階部分にある東急ストア荏原中延店への入口があり、その左右に小さなテナントが入っていて、公衆トイレもある。この大空間の高い天井の辺りに、年に一度ツバメが巣を作ることは駅を毎日利用する人は皆知っている。右手には自動券売機が並び、その先には交番がある。
 この交番を回り込むように右に曲がると、駅舎の建物の脇に面した狭い路地がある。この路地は、池上線が地上を走っていた頃、線路際の抜け道であった。少し歩くと何本かの道に枝分かれして、小さな迷路のような飲屋街となっている。
 この道を進むと右手には、第153回で紹介したもつやき「仲居」がある。吉田類の酒場放浪記でも紹介された店だ。
 そのすぐ斜め手前に、1ヶ月ほど前、新しい大衆酒場が出来た。それも昭和レトロ風コンセプトのチェーン酒場ではない、個人営業の店である。昨年廃業してしまった並びの焼き鳥店の後にも今だ何も入っていない。そんな、スナックやカラオケ酒場の多い路地の中にあって、大衆酒場という業態が新しく出来るのは歓迎である。
 
 工事をしている段階で知っていた。開店の日にも前を通った。しかし、出来るだけ開店早々の店には入らないようにしている。新規開店時はお店の方も仕事に馴れておらず、開店祝い的なお客さんも多く、一時的に混み合ったりする。また、他の店からの応援の方が来ていたり、最初だけ良い食材を使っていたり、本来のお店の実力の程が読めない。1ヶ月くらいたって、お店の方々も仕事に慣れ、開店時の緊張感もなくなりつつある頃、新しい店に入るのが一番いいと思っている。
 実際、ある飲食チェーンが始めた酒を売る業態に開店直後に行って、あまりのオペレーションの悪さに驚き、これは続かないなと思ったことがある。事実、数ヶ月を待たずしてその業態は酒を売らない別業態にされていた。

 店名は大衆酒場「栄」。あっさりした名前が良いと思う。懲りすぎた店名はよろしくない。すぐに飽きる。
 外から見れば、焼き台の上から二階の屋根の上まで円い排気筒が上がっている。排気筒真っ赤に塗られ、そこに縦書きで「大衆酒場栄」と店名が書いてある。さらに、ライトアップされているので排気筒そのものが印象的な看板となっている。
 ガラスサッシになっているので、店内がよく見える。カウンターの奥の方に男性3人が座っているのが見えた。
 中に入る。東京は四日連続の猛暑日。ゆえに狭い店内はとても暑かった。右手のカウンターは7席。カウンターの一番手前の席に座る。焼き台が近いのでそこが一番暑いのである。常連らしき3名の方々が奥の方に寄り添って座っている理由が解った。

 カウンターの中の調理場には女性が二人立っておられる。
 「椅子の下にかばんが入ります」と言われる。私の鞄はちょうどそこに入った。
 左手のテーブル席は奥から六人掛け、二人掛け、二人掛け。左の壁際が全部一つの長椅子になっている。右の通路よりは折りたたみ式の小さな丸椅子である。この丸椅子に座ると、カウンターのお客さんと背中が接してしまうかもしれない。

 まずは、酎ハイ(380円)と、牛もつ煮込み(400円)を頼んだ。
 壁に定休日が書いてある。日曜休の他、第3日曜、月曜、火曜が連休というのが面白い。
 煮込みが出てきた。切りこぶの入った煮込みである。

 ご飯セット(400円)もある。ご飯、味噌汁、漬物のセットだ。
 並びの常連の皆さんのお一人が魚を焼いてもらい、一緒に頼んでいた。

 目の前のネタケースの中に、串に刺した肉が並んでいた。
 「これなんですか?」と聞く。
 「牛串です。」とのこと。

 牛串焼サラダ添え(300円)をいただく。更になんこつのたたき(150円)はたれでお願いした。
 2杯目はクリアハイボール(350円)は、サントリーではなくニッカクリアブレンドのハイボールである。

 三杯目はホッピーセット黒(480円)。氷なしで頼んでみる。すると、ちゃんと3冷で出て来た。ただし、値段はボーダーライン400を超えている。
 生ものも食べておこうと思い、タコブツ(400円)もいただく。

 6時50分から7時35分まで45分の滞在。お勘定は計2,460円であった。

 「何時からやってますか?」と聞くと、
 「4時からやってます」とのこと。
 「それは凄いですね」と言ってしまう私。

 早く店を開けるのは良い事だと思う。不景気で仕事が無い為、あるいは仕事はあっても残業代そのものがカットされてしまう為、以前より早く帰るサラリーマンが多いようである。さらに、時間のある高齢者の方も多い。臨機応変に開店時間を早くできるのは、小さな居酒屋の強みかもしれない。

 改札より徒歩1分。駅に近い大衆酒場は寄り易く、仕事帰りの酒飲みには助かる存在である。食事も出来る居酒屋として便利なお店といえる。

  ※  ※  ※

 2011年9月追記 定休日は日曜と木曜。営業時間も5時からに変わったようである。


  荏原中延大衆酒場栄看板

荏原中延 大衆酒場「栄」
住所 東京都品川区中延 2-8-14
電話 ?
定休日 日曜休/木曜休。
営業時間 17:00~23:00
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩1分。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

荏原中延 おでんの店「蒲眞」

居酒屋探偵DAITENの生活 第351回 2010年7月7日(水) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】



荏原中延 おでんの店「蒲眞」


 荏原中延蒲眞外観

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 七夕である。今年も天候が不安定で各地でゲリラ雷雨が頻繁に起きている。今日も雨が降った後の街はひどく蒸し暑い。それなのに、何故か思いついたのは「おでんの店」であった。
 私はおでんが好きである。特に「チクワブ」は大好物。それ自体には何の味も無いのに、おでん汁と周りのおでん材料の旨みを吸い込んで時と共に美味しくなってゆく「チクワブ」に、哲学的憧憬の念さえ抱いているのである。
 しかし、高級な老舗のおでん専門店には、値段が高いので行かないことにしている。街の小さな居酒屋さんでおでんを食べるのが好きなのだ。

 こちらのお店の入口は道路から3メートルほど奥まったところにある。お店の前にテントの屋根がついた広い土間があって、左側で焼き鳥ともつ焼きを焼いており、右側でおでんを煮ている。左右に「やきとり」「おでん」の提灯がぶら下がっているのだ。ちょうど二つの模擬店の間を入ったところに店の入口がある感じになっている。
 こちらのお店は、2007年の暮れにASIMO君と来店している。その時は何故か紹介しなかった。きっと二軒目だったので、記録もとっておらず、記憶もないままになったに違いない。
 
 中に入ると左手に8人ほどが座れるカウンターがあり、右手に4人掛けのテーブル席が三つあった。
 カウンターの奥から二つ目の席に座り、まずは、一番搾り生ビール小(400円)を頼んだ。
 カウンターの中に大将、外に焼き鳥の焼き方らしき男性が1人、それから女将さんもいらっしゃった。店の内と外と両方で同時に営業をしているようなものなので、やはり3人はいないと大変である。

 冷や奴お通し(250円)として出てきた。豆腐半丁にしょうがとねぎがたっぷりのっている。豆腐好きとしてはうれしいお通しである。

 さらに、豚もつ煮込み(300円)を頼んだ。もつ肉がたっぷり入っており、コンニャクと大根もよく煮えていた。

 先客は小さいお嬢ちゃんを連れたお母さんのみである。しばらくして、カップルの方もいらっしゃった。
 お店の中に小さな音で流れるラジオの音が良い。
 
 2杯目は当店特製らっきょエキス焼酎(380円)にした。
 出してくれてから「らっきょエキス薄くないですか」とマスター。
 かわいいお嬢ちゃんが蚊に噛まれると、マスターが蚊取り線香をつけるように女将さんに言う。カップルの女性が箸を落とすと、マスターが音だけで気付き、箸を持って行く。よく気のつくマスターである。

 おでん盛り合わせは580円である。それがお持ち帰りだと470円になる。
 
 やきとりは各150円の中からなんこつつくねをタレ焼きで、もつ焼き各140円の中からかしらを塩焼きで頼んだ。いずれも組み合わせ自由で3本縛りとなっている。

 壁のメニューにライスがある。小150円、中180円、大200円となっている。たしかに食事もできる店である。焼鳥、もつ焼き、おでん、揚げ物と何でも食べることが出来る。刺身はいわしのみであったけれど、焼き魚など魚類もある。おかずには困らないのである。
 
 3杯目は、焼酎の赤ジソのソーダ割り(380円)にした。塩らっきょ(150円)。を頼むと、あまらっきょも少し出してくださる。赤ジソソーダ割りが甘かったので塩らっきょの塩分が助かった。

 お嬢ちゃんがお店のマスターとママさんの似顔絵を描いて渡す。ちょうどお孫さんのような年齢に違いない。お二人とのとてもうれしそうであった。

 ついつい、4杯目も飲んでしまった。焼酎のコーヒー割り(430円)である。水割りにするかロックで飲むか聞かれ、私が迷っていると、気を利かせて焼酎のコーヒー割りをロックで出し、水を一緒につけてくれた。これで、らっきょエキス赤ジソコーヒーと変わり種の焼酎割りを全部飲んだことになる。
 
 カップルの方は芋焼酎がお好きなようで、色々と飲んでおられた。
 黒伊佐錦(400円)、島美人(400円)、大魔王(550円)、三岳(550円)などの銘柄が並んでいる。

 マスターに聞くと、こちらのお店は開店して10年になるそうである。最後に、おでんの盛り合わせを持ち帰りでお願いしてお勘定を頼んだ。
 午後6時50分から8時まで1時間10分の滞在。お勘定は、おでんの持ち帰り(470円)も含めてお勘定は3,200円であった。

 なお、食べ物のラストオーダーは閉店1時間前、飲み物のラストオーダーは閉店30分前なので注意をされたい。

 おでんの袋を下げて家路につく。外はまだ蒸し暑いのだろうけれど、私は少し飲みすぎの状態ゆえにあまり感じなくなっていたのである。


 荏原中延蒲眞看板

荏原中延 おでんの店「蒲眞」
住所 東京都品川区中延2-15-16
電話 03-3782-2591
定休日 日曜
営業時間 平日17:00~23:00 祝日17:00~22:00
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩3分。


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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」

居酒屋探偵DAITENの生活 第269回 2009年10月15日(木) 【地域別】  【時間順】




荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」


  太平山酒蔵荏原中延店外観   ←クリックお願いします。 にほんブログ村 酒ブログ 東京飲み歩きへ  ←クリックお願いします。



 荏原中延駅の裏に「太平山酒蔵・荏原中延店」という居酒屋がある。こちらのお店を訪れたのは、今から7、8年前かもしれない。その時、一緒だったのが第158回の記事で紹介した俳優の博田章敬君であった。当時の博田章敬君の行きつけのお店であり、彼がお店の方と楽しく話をしていた記憶がある。私が目的を持って居酒屋を巡るようになる以前の話なので、あまりお店の記憶はなかった。それ以来、再訪したいと思いながら実現しないでいたのである。

 太平山酒蔵は、どこも照明の入った黄色い大きな看板が印象的だ。長い年月で黄色がやや変色しており、店の左端に掛かる「お気軽にどうぞ」と書かれた提灯(写真)も良い意味でくたびれている。間口は比較的広い。左手は焼き鳥の焼き台が中にあって、右手の入口は格子戸になっている。典型的な古い居酒屋の風情である。

  太平山酒蔵荏原中延店提灯  ←「お気軽にどうぞ」の提灯
 
 格子戸をガラガラと音を立てて入る。入ってすぐ左手にカウンター五席。カウンターの中は調理場。右手に四人テーブルが一つ、その奥の中央が広くなっていて、十人くらいが座れる大テーブルがある。さらに奥には、十数人は座れる座敷もあった。
 中央の大テーブルには、お互い少し離れて常連の皆さんが二人座っておられる。前回、博田君と来たときにもこの大テーブルに座った記憶がある。常連席ということか。
 カウンターの中に、お店と同じように年期の入った女将さんがいて、この方が料理を作る。もう一人の娘さんかお嫁さん位の年齢の女性がそれを運ぶのだ。

 まずは、ホッピー黒(400円)をいただく。お通し(300円)は、きんぴらの煮付けである。黒ホッピーを氷なしでお願いすると、冷えたジョッキに焼酎を入れ、黒ホッピー瓶と一緒のセットが出てきた。
 カウンター席からは3枚の黒板に書かれた、本日のおすすめ商品がよく見えない。
 「店の中をうろうろしてすいません」と、先客の皆さんに言いながら、店の奥の方へ黒板メニューを見に行く。
 決めたのは、つるむらさきのおひたし(250円)と、たこ刺身(250円)である。

 ホッピーを美味しくいただきながら、きんぴらごぼうの突き出しを食べる。しゃきっとした食感があり、とても美味い。つるむらさきのおひたしも、ヌルっとした食感が独特で、量も多く美味い。たこ刺身も250円という価格にしては十分な量。
 たこ刺身を持ってきてくれた時、おてしょうに、お醤油をさしてくれる。そんなちょっとした気遣いがうれしい。

 店の中央の四角い巨大テーブルに、後から常連の皆さんがやってくる。まるで、互いに約束していたようにやってきて声をかけあう。その中で、いかにも江戸っ子という感じの方がいた。声が落語家「八代目 桂文楽」に似ている。久しぶりに「べらんめえ」を聞いた。昔、働いていた日暮里界隈の人たちを思い出す。この「べらんめえ口調」が、私にはまるで音楽のように心地よく聞こえるのである。実に楽しそうだ。私も江戸っ子3代目である母、そして、祖母や祖父の影響を受けて、酒が入ると「べらんめぇ口調」になってしまう。

 2杯目はレモンサワー(350円)。
 再び、店の奥まで行って、かしら串焼き(350円)を黒板メニューの中に発見する。でてきたものは、鉄串に6切れ刺したものが2本。大串である。
 お酒の価格は、サッポロビール大瓶が580円、中生ビールが480円、いいちこと二階堂の一升瓶が4000円、看板の秋田清酒太平山の小どっくりは330円、同じく生酒の300ミリリットル入瓶が650円である。

 柱時計が7時を打った。ゆっくりと時間が流れてゆく。
 店内には、誰かにプロデュースされ、無理矢理作られた「昭和」の雰囲気とは違う本物の何かがある。作ったのではない「時」が蓄積しているのだ。
 秋田清酒太平山一合(350円)を常温でいただいた。いわゆる「ひや」である。桝にグラスが入っていて、つぐときに桝にも少しこぼしてある。
 酒を呑む。美味い。桝の中の酒をこぼさないようにグラスに注ぎながら、呑み散らかす酒飲みではありたくないものだと考えた。しかし、「もし、酔って忘れてしまったら、ごめんなさい」ではある。
 常連の方々は五人に増えていた。皆さん、とても楽しそうだ。

 お勘定をお願いすると、2530円であった。6時25分から50分の滞在。
 常連の皆さんに「お先に」と声をかけると、べらんめえ口調“桂文楽師匠”
 「うるさくてすいませんね。」と、かん高い声でおっしゃる。
 「楽しそうなんで、次回は混ぜてもらいますから・・・」と答えて店を出た。



  太平山酒蔵荏原中延店看板

荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」
住所 東京都品川区東中延1-10-19
電話 03-3787-5983
定休日 ?
営業時間 ?
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩5分。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

荏原中延 もつやき「仲居」

居酒屋探偵DAITENの生活 第153回  2008年10月24日(金) 【地域別】  【時間順】



荏原中延 もつやき「仲居」

   荏原中延もつやき仲居

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 居酒屋を表現する言葉はたくさんある。店の作りもそこにいるお店の方も年季が入っており、新しい店にはとても真似の出来ない独特の雰囲気を持っている店。そんな店を表現する言葉として、「親父系居酒屋」、「ディープ系居酒屋」、「古典酒場」など様々の言葉がある。しかし、今日の店は、簡単に一言では言えない独特の雰囲気を持つ店である。

 午後6時40頃、東急池上線の荏原中延駅のすぐ脇にある古い飲屋街を歩いていた。目的の店はまだシャッターが閉まって開いていない。
 しかし、中には人の気配がある。もう少しで開店なのだなと判断して、しばらく荏原中延の街を散策する。東急池上線の荏原中延駅から東急大井町線の中延駅の近くまで中延スキップロードという商店街がある。この商店街は武蔵小山の商店街と同じように、アーケードのある商店街であり、雨の日も楽に買い物が出来る便利な商店街である。

 しばらくして、荏原中延駅前に戻った。改札口を出て右に行き、交番の前を通ってすぐ右手にある路地に入って行く。左手に古き良き時代の「中華そば屋さん」という風情の店がある。その先が何本かの路地からなる古い飲屋街になっている。荏原中延駅周辺など池上線の一部が地下化する前は、その飲屋街もホームからよく見える場所であり、電車の音が聞こえて活気のある場所であったに違いない。今はひっそりと静かである。
 さらに進むと、目的の店が右手に見えてくる。先ほど閉まっていたシャッターが開いており、古い提灯が出ていて、スッと灯りが入るのが見えた。開店したその店の名はもつやき「仲居」である。

 ガラスの引き戸を開けて中に入る。すぐ目の前はL字カウンター。カウンターには15人ほど座れるだろうか。テーブル席などは無い。カウンターの中は、かなり広い調理場である。その中からマスターがこちらを見る。新しい客であることを確認しているに違いない。少し間合いがあってから「いらっしゃい」と、笑顔になる。左端には焼き台。その斜め前の席に座る。
 カウンターの端は常連が座る場合が多いので、なるべく入口に近い、真ん中あたりの席に座ることにしている。右斜め前のカウンターには、口開けと同時に入ったのか、常連らしきカップルが座っている。

 店内にはメニューらしきものは無い。しかし、飲みたい飲み物はもう決まっている。
 「クエン酸お願いします」と言う。
 マスターがちょっとびっくりしたような顔をして、
 「前にいらっしゃったことありますか?」と言う。
 それから、初めての来店であることを告げ、マスターの質問に答えて、 交通新聞社の雑誌「散歩の達人」で見てから一度入ってみたかったのであるということを伝えた。
 この店の前を何度通ったか解らない。マスターに聞けば、午後6時30分が開店時間らしい。しかし、6時30分に前を通っても開いていたことがない。開いている時間帯に通った時も私自身に時間が無くて入れなかったのである。

 「何を焼きますか?」とマスターが言う。
 「嫌いなものもないんですが・・・」と私が迷っていると、
 「それじゃ、適当に流しますか・・・」と言う。
 「流すと何本ですか?」と聞く。
 「たいしたことないですよ・・・」とマスターが微笑む。

 店内を見まわす、「国本晴美」と書かれた提灯が下がっていた。他にも浪曲師の方の提灯が何本か下がっている。
 ちょっとピンときたので、提灯を指さしながら、
 「たしか、国本晴美さんというのは人気浪曲師の国本武春さんのお母さんですよね」と聞く。その通りであると言う。
 「私も遊びで浪花節の三味線をやっていたんですよ・・・」とおっしゃる。
 「やっぱりそうですか、外に看板が出ていましたものね」と私。
 師範として人に教えられるところまでやっていらっしゃるようで、けっして「遊び」ではないレベルに違いない。事実、一度、国本晴美さんの浪花節の三味線を弾いたことがあるそうである。
 因みに、国本武春という人は、三味線をギターのように弾く独自の奏法で有名になった浪曲師である。従来型の浪曲にとどまらずロック、R&B、ブルーグラス等様々な音楽ジャンルを取り入れて活動。テレビドラマ、バラエティ番組、アニメ番組等に出演されている。

 「まず、レバです」と言いながら、【レバ】を1本出してくれる。タレである。肉と肉の間にネギが2個入っている。「東京城南居酒屋探偵団」の団員である居酒屋ブログ「呑んでたまるか!」croquettepunchさんのおっしゃる通り、このネギ2個が可愛いのである。食べてみる。トロリと柔らかい食感の半生のレバである。うまい。
その次は【カシラ】である。
 「お口にあいますか?」とおっしゃる。「おいしいです」と答える。

 2杯目のクエン酸をお願いする。クエン酸というのはレモンサワーに「クエン酸」「季節の果物」を絞って追加する、この店のオリジナルの飲み物である。作っている所を観察していると、グラスに氷、なにやら液体、粉、焼酎、炭酸、スダチ?の順に入れている。なかなかに手間のかかる飲み物である。
 店内には、様々なものがある。「ローマの休日」のDVDがカウンターの上に置いてあったり、焼き台の脇の壁に「明治学院落語研究会推薦の店」、「立小便禁んず」などの札が掛かっていて面白い。

 次ぎに、【タン】【ハツ】の塩焼きが一緒に出てくる。
 「たんとはつは塩が合いますね。私も塩でしか焼かないんですよ。」とのこと。
 女性のお客さんが「軟骨は出ますよね」と聞く。すると、
 「軟骨は硬いので、よく噛むでしょ、噛むとすぐお腹がいっぱいになっちゃうんで、最後の方に出すんですよ」とおっしゃる。ギャグである。みんなで笑った。
 マスターによれば、銀座からわざわざタクシーで来て、一人で軟骨20本だけを食べるお客さんがいるそうである。他の物は食べないというから凄い話である。

 「次は、【おみそ】です。」と言って、シロっぽい肉の上に味噌ダレを塗ったものが出てくる。
 「シロですか?」と聞くと、そうであるという。味噌ダレのシロは初めてである。

 少しして、マスターの手元などを眺めたりしていると、
 「ごめんなさい、すぐ焼きますから」と言ってくれる。
 「いいですよ、とてもいい間合いです」と答える。
 こちらが一人客であるのに、全部一度に出してくる店が時々あるが、それに比べれば、こうやって少しずつ出してくれる方が理にかなっている。

 こんどは、【シロ】が味噌ではなく、タレで出てくる。
 さらに、【ナンコツ】【コブクロ】と続く。「これで一通りです」とおつしゃる。

 常連の方が一人、また一人と入ってくる。この辺で失礼することにした。
お勘定をお願いする。1,600円であった。
 「お粗末さまでした。また、お寄り下さい。」と言って、マスターが笑顔で送ってくださる。
 午後6時50分から7時50分頃までの1時間ほどの滞在であった。

 店内にはメニューが無い。レバカシラタンハツおみそ(シロ)シロナンコツコブクロの8本のもつ焼き、クエン酸2杯。類推すると、もつ焼きは1本100円、クエン酸1杯400円の計算になる。
 周りの常連の皆さんには出てくる枝豆や糠漬けなどは、私には出てこない。押し付けがましくならないようにしてくれているのである。出来るだけ常連にならないのが「居酒屋探偵DAITEN」のポリシーである。しかし、この店だけは常連になりたい気持ちになってしまった。

 ※  ※  ※

 追伸 店内の様子を写真で見たい方は、croquettepunchさんの居酒屋ブログ「呑んでたまるか!」こちらをご覧いただきたい。

荏原中延 もつやき「仲居」
住所 東京都品川区中延2-8-14
電話 03-3783-0371
定休日 日曜(?)
営業時間 19:00頃(シャッターが開いたら開店)~
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩1分


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荏原中延 居酒屋「ゆめや」

居酒屋探偵DAITENの生活 第74回   2008年2月13日(水) 【地域別】  【時間順】


荏原中延 居酒屋「ゆめや」

  荏原中延ゆめや   にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加。クリックお願いします!

 水曜日である。夕方少し時間が出来たので気になっている地区を歩いてみることにした。
 その場所は東急池上線の荏原中延である。ASIMO君とも歩いたことがあり、記事は書いたことは無いが行ったことのある店もある。
 木造でローカル色満点の駅舎が多い東急池上線の駅の中で、荏原中延の駅舎は比較的新しくきれいで立派である。駅改札を出て左に曲がると、東急大井町線中延駅近くまで続くアーケード商店街「中延商店街」がある。駅前から右にも別の商店街が続いている。さらに、改札正面からまっすぐに続く道もある。この道の地下には東急池上線が通っており、左側の人口地盤の上にドトールコーヒー、ベーカリー、焼肉店、インド料理店など飲食店が並んでいる。道の右側には銀行のATMがあり、この沿線では有名なラーメン店「多賀野」がある。「多賀野」の前を歩いて、100メートルほど行くと、中原街道から国道一号線(第二京浜)へ抜ける道に出る。出たところには以前ASIMO君と入ったことのあるおでんを主に商売をしている居酒屋があり、その斜め前にウナギを主とする立ちのみ店がある。この立ちのみも気になったが、今日はしばらく歩いてみることにした。

 少し行くと、右手に目立たない感じの店がある。以前から知っていたが入る勇気が出ずにいた店である。一度店の前を過ぎてしまい、数百メートル散策してから、またこの店の前に戻ってきた。
 入口は曇りガラスの扉である。ゆえに、中は見えない。メニューなども表には何もない。左側の窓に何か布が掛かっていて、その布を透かして、中がほんの少し見える。数人のお客さんが入っているようである。
 店の外側にある情報といえば、エビスビールと書かれたアクリル製の光る看板。そこに「ゆめや」と書かれてあり、小さな赤提灯に居酒屋と書いてある。他には「ホッピー」の赤い札が一枚入口脇に貼ってある。この「ホッピー」の文字に背中を押されて、やっと中に入ることにした。

 中に入ると、右手には奥に向かってカウンターがあり、一番手前におでん鍋があって、カウンターの中は調理場である。カウンターには8人ほどが座れるだろうか。左手には、2人用のテーブル席が二つ、そして、一番奥に4人用のテーブルがある。4人用のテーブルの上の高いところには、画質の悪いアナログテレビが一台。
 一番入口の2人用のテーブルに1人、次のテーブルに1人、そして、一番奥の4人用のテーブル席に1人と、3人の客全員がそのテレビを見上げている。

 まず、ホッピーを氷無しでお願いした。「氷入れなくてよろしいですか?」ともう一度聞かれる。このお店では氷を入れない人はあまりいないらしい。
 さて、「おまちどおさまです」と、丁寧に出されたホッピーは、冷やされたハイサワーのグラスに、冷えた焼酎が半分まで入っている。ホッピーももちろん冷えている。「やや三冷」である。ホッピーの焼酎が濃いと喜ぶ方々であれば、これは点数が高いと思われる。

 「厚揚げ焼き」(300円)を頼んだ。しかし、今日は無いという。しばらく、考えているうちに、目の前に小どんぶり一杯のつきだしが出された。豆腐、白滝、豚肉などがすき焼き風になっており、半熟卵が一個のっている。それなりの量のつきだしである。周囲を見ると、3人のうち2人のお客さんはこのつきだしだけで飲んでいる様子である。大きな鍋で煮た鍋物というのは、やはりうまい。

 しばらく、つきだしだけでホッピーを飲んだ。周囲の皆さんの会話を聞いていると、全員が常連で、「○○さん」「○○ちゃん」という風に、お店の人から名前で呼ばれており、常連さん同士も全員が顔見知りのようである。
 やがて、従業員の方らしい女性が入ってきた。○○さんと常連の方々が呼んでいるので、女将さんではないと推理できる。

 二杯目にレモンサワー(330円)と、あじ刺し(400円)をお願いする。
 すると、マスターが「お客様、レモンサワーは氷が入ってもよろしいですか?」と聞いてくれた。丁寧である。常連ではない珍しい客に戸惑っているようにさえ思える。しかし、誠実な雰囲気が伝わってくる。私の好感度はどんどん上がっていった。
 マスターの質問に対して、「はい・・・でも、氷少なめでお願いします」と答えた。
出てきたサワーは、サワーグラスに半分以上の焼酎、氷少々、中にレモンが一片入っている。そこにハイサワーの瓶が一瓶ついてきた。これで330円は良心的である。あじ刺しも出てきた。身がしっかりとして、なかなかうまいあじである。

 ここで、4人掛けのテーブルに座っていたお客さんの前にマスターが座りこんでしまった。そして、将棋盤と駒を出して、二人で将棋を始めてしまったのである。他のお客さんが背後から将棋をのぞき込む。

 流れている時間が本当にゆるいのである。テレビは、音量を下げて、NHKのニュースを放送している。それを見ながら、ゆるい時間の中に身をゆだねる。ここで、お茶割り(300円)と、マスターの将棋をじゃましてはいけないので、マスターが作る必要のない簡単なつまみ、 トマト(200円)をお願いする。
 すると、女性が「お塩にしますか、マヨネーズですか」と聞いてくれる。ちゃんと好みを聞いてくれるのである。トマトはおおぶりのもの1コである。あまくてうまいトマトだった。

 将棋は続いている。他に誰もこない。これだけディープな店もない。将棋相手の客が焼酎ウーロン割りを注文すると、マスターが「もっと濃くしろ」と女性に言う。全員が笑う。私もつられて笑ってしまう。この店は「ゆめや」である。なんとなく、本当に夢の中にいるようである。「ホスピタリティー」という言葉が頭に浮かんで、独り笑ってしまう。

 もう1人、すぐに常連客とわかる方が入ってきた。そのお客さんの注文が通って、落ち着いたところでお勘定をお願いする。マスターが将棋の手を止めて、伝票を見ながらざっと計算してくれた。2000円ちょうどであった。おおざっぱである。帰り際にマスターが「ありがとうございました。すいませんね、遊んでて」と言う。思わず笑ってしまう。50分ほどの滞在であった。

 気の短い人、この和みの空間が理解できない人にはおすすめできない。将棋に夢中なマスターの手が空いたら何か注文してほしい。やきとりでも、おでんでも、刺身でもちゃんとある。元々は食事処だったようで、食事メニューも充実しており、ちゃんと食事も出来る。少し疲れた日の夕暮れ時は、あのカウンターに座り、頭をゆるめて、夢の中にまどろんでみたいと思う。



荏原中延 居酒屋「ゆめや」
住所 東京都品川区中延2-13-10
電話 03-3788-4353
定休日 火曜日
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩3分



ホッピー原理主義者とは?
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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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