野方 もつ焼き「秋元屋」

居酒屋探偵DAITENの生活 第58回  2007年12月8日(土)   【地域別】  【時間順】



野方 モツ焼き「秋元屋」

   野方「秋元屋」  
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 前回の第57回からの続きである。
 「いこい」「丸健水産」を楽しんだ私とASIMO君は、赤羽からバスに乗った。赤羽駅東口5番乗り場からである。「国際興業バス」と「関東バス」が同一の路線を走っていて、路線名は「赤31」。土曜ダイヤで1時間に4本ほど走っている。今日のバスは午後3時10分発である。環状7号線沿いを赤羽から高円寺までバスは走る。この路線は、京浜東北線、都営地下鉄三田線、東武東上線、地下鉄有楽町線、西武池袋線、西武新宿線、中央線をまたいでいる。この路線間をつなぐ裏ルートとして使えるバス路線と言える。

 本日の三軒目がどこであるかASIMO君にはまだ伝えていなかった。ちょっとした「サプライズ」である。降車するバス停もASIMO君に伝えないままバスに乗り込み、赤羽のコンビニで買ったミネラルウォーターを飲みながら話した。ASIMO君はバスの通る途中の町に、それぞれ思い出があるとのことで、色々と昔話に花が咲いた。

 途中、豊玉北を抜けた当たりで、降車駅が野方駅北口であることをASIMO君に明かす。野方駅北口で降りたのは午後3時50分、ちょうど40分のバスの旅であった。
 環状7号線脇の道を歩き、西武新宿線のガード下をくぐった。環状7号線の上を通る陸橋を渡り、西武新宿線の線路のすぐ南側の路地に入り、公園の隣にその店を発見する。

 本日の最終目的の店は午後4時開店である。開店5分前に店の前についた。店の前には人の姿はない。4時の開店と共に、私とASIMO君は口開け一番乗りで店に入った。その店の名前は、モツ焼き「秋元屋」である。

 実は、赤羽で酒を飲み、バスで野方に移動して、「秋元屋」に入るというプランは、私のオリジナルではない、有名ブログ「居酒屋礼賛」浜田信郎氏が2004年8月のブログ中で紹介された方法である。今回はこのアイデアを真似させていただいたのである。ASIMO君は十分に驚いてくれた。効果絶大である。

 入口外に、透明ビニールカーテンが貼られ、その中に6人掛けのテーブルが二つある。あまりに混み合う為、後から増設した席らしい。
 6人掛けテーブルの向こう側からが増設前の本来の店内である。中に入ると、コの字カウンターがあり、店の入口から見ると、ちょうどカタカナの「コ」の字に見える。カウンターに15人ほどが座ることが出来る。我々は「コ」の字の下辺の左端に座ることが出来た。左側は壁、ちょうど背後に二人分の壁があり、うしろに寄りかかることが出来るのでとても楽である。この店の特等席かもしれない。カウンターのある空間の向こう、間にトイレをはさんで、奥に別の部屋があり、いくつかのテーブル席がある。

 店に入ってすぐに感じたことは、お店の皆さんが、みんな微笑みながら明るい対応をしてくれることであった。よくあるチェーン居酒屋のように、不機嫌な顔で「喜んで!」と叫ばれても何もうれしくないのである。この店は実に感じが良いのである。

 まず、二人ともホッピー赤(380円)を頼む。ここでは所謂「白」を「赤」と呼ぶのである。ASIMO君が頼んだ氷入りがすぐにやってくる。次に私の頼んだホッピー赤(380円)氷無しがやってきた。フローズン状態のジョッキのホッピーである。完璧に「三冷」である。ASIMO君が「僕も氷無しにすれば良かったなあ」と言う。早速乾杯をする。「三冷」は、やはりうまい。
 他の常連らしきお客さんは「三冷一つお願い」と言っていた。「三冷」という言葉が通じるというだけで、ホッピー原理主義者として実にうれしい。

 さっそく、焼き物を頼んだ。かしら、はらみ、レバを塩で2本づつ頼む。すべて1本100円である。ポテトサラダ(280円)も一つ頼んだ。
 やってきた焼き物を食べると、どれもうまい。質、量、価格設定ともに最高の部類といえる。

 気がつくと店内はたくさんのお客さんで一杯になっていた。やはり人気の店である。
 2杯目は特製ハイボール(300円)を頼む。これがやはり「三冷」で出てくるのである。すっきりとして実にうまい。居酒屋ファンの心の琴線に触れる一杯である。
 さらに、ウインナー(100円)を2本を追加。そして、「明日は休みだから食べちゃいますか?」とのASIMO君の言葉にうながされ、ニンニク串(120円)を2本頼んだ。ニンニク串は、串に5片のニンニクが串刺しにされ焼かれている。ニンニクはホクホクとして、ビリッとした辛みが喉に心地よく、実にうまかった。

 さらに、頼んだのは、ナンコツスライス(200円)である。お店の人が「ナンスラいっちょう!」と言っていた。このナンスラがうまい。薄くスライスされたナンコツと、上にかけられたネギが連携して実に良い味わいであった。
 ASIMO君はキンミヤ焼酎(280円)をロックで飲み始めた。赤カブ漬け(180円)、煮込み(320円)を追加した。煮込みは肉に重きをおいたタイプである。

 レモンハイは340円であるが焼酎をキンミヤにすると、プラス50円で390円になる。ASIMO君はキンミヤのレモンハイである。私はハイッピーレモン(380円)をお願いした。出てきた物は、ジョッキに氷と焼酎が入って、ハイッピーのボトルが付いてくる。瓶には「レモンビア」と書かれている。色は似ているがホッピーと全然別のものである。新しい味わいであった。

 塩らっきょ(100円)を頼み、ちれ(100円)、はつ(100円)を2本づつ追加した。
ここで瓶ビール大瓶(530円)を追加した。出てきたのは「サッポロラガー大瓶」、所謂「赤星」である。ここで「スーパードライ」が出てくれば、さぞや白けたろうと思う。最高の登場である。

 午後4時から6時までのたっぷり2時間、ずっと食べて飲んでいた。我々二人は、目の前の食べ物と酒、そして、この「秋元屋」という店に夢中になっていた。日々の愚痴を言う暇もなかった。これは素晴らしいことである。居酒屋で愚痴を言いながら、まずい酒をチビチビ飲むくらいつまらないことはない。
 お勘定は二人で5,110円であった。ずいぶん食べて飲んでしまった。赤羽での立ち飲み2軒、バスでの長距離移動、そして、「秋元屋」への初お目見え。素晴らしい土曜日の午後であった。
 二人とも満足しながら外に出た。西武新宿線沿線にASIMO君は住んでいる。「秋元屋」は野方駅から徒歩1分の場所にある。
「それにしても困った店を紹介してくれました。こんなに近くにこんなにいい店があるなんて、何度も来てしまいそうで恐ろしいです。」と笑いながらASIMO君が言う。今日の「サプライズ」は大成功であったようである。


野方 もつ焼き「秋元屋」
住所 東京都中野区野方5-28-3
電話 03-3338-6236
定休 月曜日
営業時間 平日17:00~24:00 土曜・日曜・祝日16:00~24:00



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら


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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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