飯田橋「鳥城酒蔵」

居酒屋探偵DAITENの生活 第42回  2007年9月25日(火) 【地域別】  【時間順】



飯田橋「鳥城酒蔵」


 ある飲み会の後、ASIMO君ともう少し呑もうということになった。
 『TOKIO古典酒場 昭和下町和み酒編』にも、デンキブラン酒場として紹介されている「鳥城酒蔵」に行ってみることにする。
 同書に目を通す以前からずっと行ってみたいと思っていた店であった。現在は再開発の為、一時的に場所を移転、旧店舗から見て、巨大な再開発現場を挟んだ裏側の空き地、そこにプレハブ店舗を建てて営業しているのである。

 当初、仮店舗での営業と聞き、今日の候補店からはずすつもりであった。しかし、旧店舗は何十年もの歴史をもっていた。立て替えた後の新店舗も、これから何十年も営業して、やがては古く味わいのある店に変わってゆくのだろう。今の仮設プレハブ店舗の期間はとても短い。それならば、プレハブ店舗で呑むのも良い機会ではないか、と考えを変えてみたのである。
 恵比寿には「プレハブ酒場」と銘打って、最初からわざわざプレハブ店舗で営業している静岡おでんの店さえある。

 飯田橋の駅の東側の地区、線路から見える場所に「鳥城酒蔵」の旧店舗が入っている古いビルが立っている。すでに取り壊される予定の為か、ビル全体は真っ暗で、「鳥城酒蔵」という看板の文字も寂しく暗い。
 ビルの左隣は高い塀で囲まれた工事現場になっている。周囲を少し歩いてみたがプレハブ店舗らしきものは見つからない。しかし、ここであきらめては居酒屋探偵の名が廃る。居酒屋の電話番号満載の我が携帯を使い、「鳥城酒蔵」に電話を入れてみる。店の方の説明で、仮設店舗が工事現場の裏側にあることがすぐに解った。

 すでに、他で生ビールを飲んでいたので、この店ではホッピー(330円)から飲み始める。ASIMO君は氷入り、私は氷無しである。ジョッキは冷えておらず、焼酎とホッピーの二冷、焼酎は多すぎない。レベル5である。そのまま呑むことにした。
 カシラ(130円)とナンコツ(130円)を2本づつと、煮込み(400円)を頼んだ。この店のホッピーの短冊には100円+230円と書かれている。合計で330円、「中230円」、「外100円」であろうか?

 次に、ASIMO君はホッピーの中(焼酎)を頼み、私はレモンサワー(300円)を頼んだ。
 お店の方に、「ナンコツタタキ残ってますか?」と聞くと、冷蔵庫を調べてから「あります」と言う。実はこのお店の「ナンコツタタキ(180円)」は、この店の名物料理で本数に限りがあると聞いていたのを思い出したのである。すでに午後10時をまわっているのに、食べることが出来るのは幸運なことであった。2本お願いする。さらに、新サンマの刺身(500円)もお願いした。

 ナンコツタタキは豚の軟骨のタタキと聞いている。軟骨がミンチ状になっており、コリコリとした食感を楽しむことが出来る。新サンマの刺身もうまかった。切り身は12切れ、これで500円というのはお値打ちである。

 今までASIMO君と二人で探索した居酒屋を色々と振り返った。このブログに紹介していない店も多い。始まりは戸越銀座の裏手にある「ヤマニ」だった。
 ヤマニはホッピーのある店で、ホッピーばかりそれぞれ4、5杯も呑んでしまった記憶がある。「こんなに一緒にホッピーを呑んでくれる相手がいてくれたのか」と、ホッピー好きのASIMO君はうれしかったそうである。また、原点回帰として「ヤマニ」に行ってみようかと言う話をした。

 緑茶ハイ(300円)とお新香(350円)を最後に頼むことにする。
 やってきた緑茶ハイのグラスをASIMO君が指さした。そこに書かれていたのは、亀甲の中に「宮」の字であった。「亀甲宮」のサワーグラスである。
 自由が丘の「かとりや」、大井町の「八幸」「亀甲宮焼酎」との出会いが続いている。ホッピー、サワー類がうまい店は「亀甲宮焼酎」を使っているというのは、今更私が言うまでもないことである。

勘定をお願いしている時、私の椅子の足下に名刺入れを発見。お勘定の時にお店の人に渡した。何度も「ありがとうございました」と言ってくれる。とても、感じの良い対応である。

 さらに、どのくらいで新しい店舗が出来るのかを聞いてみると、1年半から2年かかるという。店を出ると目の前は工事現場、広大な再開発地区である。さきほどは気づかなかった巨大クレーンが夕闇に浮かび上がった。巨大な再開発ビルが建てられ、「古典酒場」が建て替えを余儀なくされる。古いものはどんどん壊されていってしまう。現代の東京を象徴する光景であった。

 午後9時30分から10時50分まで1時間20分の滞在。お勘定は5,270円。

追伸 後で『TOKIO古典酒場 昭和下町和み酒編』に目を通すと、そこに掲載てれていた地図は旧店舗ではなく、現在のプレハブ店舗の「鳥城酒蔵」のものであった。これを見てから行けば探し回る必要はなかったのである。


飯田橋 鳥城酒蔵
東京都千代田区富士見2-7-16
03-3261-2600
日曜休 営業時間16:30~23:00
注.2007年9月26日現在、上記住所ではなく、少し離れた場所の空き地に建てられたプレハブ店舗で営業中。電話は同じ番号である。



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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ホッピー情報
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大井町 信州酒場「浅野屋」もつ焼き「しげ」おでん「八幸」

居酒屋探偵DAITENの生活 第41回  2007年9月19日(水) 【地域別】  【時間順】





大井町 信州酒場「浅野屋」もつ焼き「しげ」おでん「八幸」

 
 
 
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大井町 居酒屋「浅野屋」

 ASIMO君と久しぶりに大井町に行くことにした。大井町駅で待ち合わせの上、まず、東急大井町線の駅の下からガード下にかけて連なる飲食店街「大井サンピア商店街」を散策。本当にたくさんの店が並んでいる。一部には地下街もあり、バーやスナック等がたくさん入っている。これだけ大規模な飲食店街もなかなか無い。

 目的の店は、「大井サンピア商店街」に所属する2軒。一軒目は、いつも参考にさせていただいているブログ「中目黒あたりで呑んでます」で教えていただいた「浅野屋」である。同ブログによれば学芸大学の「浅野屋」とは親戚関係であり、「浅野屋」とラベルに書かれた焼酎のボトルはそちらから回してもらっているらしい。

 入店は午後6時40分。入口を入ると、まず目に飛び込んでくるのが、左右2本並んだカウンターである。左側が6人ほど座れる短いカウンター、右側が十数人座れる奥まで続く長いカウンターになっており、左右のカウンターの真ん中が通路になっている。店の左の壁際に二人席と四人席のテーブルがある。ここで、左側のカウンターに客が着座してしまうと背後に隙間は無くなる。この真ん中の通路を通らなければ、右側のカウンターに座っているお客さんはトイレに行けない。つまり、この店では客はトイレにこっそり行くことは出来ないのである。左右の客に宣伝しながらトイレに行くのである。女性はこのことを覚悟した上で来店していただきたい。

 まずは、キリンビール大(560円)を頼む。つまみは煮込み(400円)、げそ焼き(400円)を頼んだ。煮込みは汁がほとんど無く、モツ主体の煮込みである。学芸大学の「浅野屋」の煮込みとやはり似ている。煮込みほど店によって違う食べ物はない。「浅野屋」のようにほとんど汁が無い店もあれば、まるで具だくさんのみそ汁のような煮込みが出てくる店もある。

 お品書きにホッピーの文字を探したが無い。学芸大学の「浅野屋」にあるホッピーがここには無いのかと思っていると、隣でASIMO君がホッピーを頼んだ。「ホッピーあるんだ」と言うと、ASIMO君が壁の端を指し示した。そこに見慣れたホッピーの短冊を発見。ホッピー390円と書かれている。

 まずは、ASIMO君の頼んだ氷入りのホッピー(390円)がやってきた。ここのホッピーはビールジョッキに、氷と焼酎とホッピーを入れた状態で出てくる。
 次に私の頼んだホッピー氷無しがやってきた。出来上がった状態のホッピーはビールジョッキの七分目程度の量でやってきた。氷の無い分だけ少ないのである。ジョッキは冷えておらず、焼酎も常温のものを入れていた。ホッピー原理主義的に言えば、【レベル7】「一冷」のホッピーである。次回から少な目に氷を入れてもらい、少し待ってから氷を出してしまうという対策をとることにしよう。

 さらに、ニラ玉炒め(380円)を頼んで、次の飲み物はレモンサワー(390円)にする。ASIMO君は2杯目のホッピー白を飲んでいた。
二つのカウンターの真ん中の通路は人がやっと一人通れる程の狭さである。従って、反対側のカウンターに座るお客さんとの距離も普通より近いのである。こちらの会話に反対側のお客さんが反応するのである。この日も色々と世間話に花が咲いた。
 7時20分に外に出た。約40分の滞在でお勘定は二人で3,300円。


大井町 焼き鳥「しげ」

 「浅野屋」を出て、来た道を大井町駅の方へ少し戻る。すると、すぐ左手に今夜の二軒目の店、「しげ」がある。
 入店は7時25分。入口を入ると、右手に焼き台があり、その先に5人ほど座れる短いカウンターがある。
 左側には4人席が4つほど並んでいる。一番奥の壁に「2F」と書かれ、右斜め上を示す矢印が書いてある。2階席があるのである。しかし、どうやら親父さん1人で切り盛りをしている様子。2階席への階段の照明は落とされていた。

 飲み物は、ASIMO君はレモンサワー(400円)、私はカクテル(400円)を頼んだ。
 カクテルとはジンジャーエールで焼酎を割ったものらしい。東急大井町線中延駅近くの「忠弥」というもつ焼き店で、カクテルという飲み物を出している。「忠弥」のそれは焼酎とジンジャーエールにビールを少し入れた物らしく、作り方がおおざっぱで、毎回味が変わるらしい。
 さて、ここの物はどうなのだろうか。私にはよく解らなかったが、少し甘すぎるような気がする。

 焼き物はカシラ(100円)、ぼんじり(130円)、ハツモト(120円)を各2本づつ頼み、他に厚揚げ(300円)も頼んだ。
 客層は、「浅野屋」とは明らかに違う。若い女性たちを連れたカジュアルな服のちょい悪親父風集団。若いサラリーマン客や若いカップルである。バーのように店内の照明を落としている点で、今時のコジャれた店に通じる雰囲気がある。客層の違いはその辺に理由があるのかもしれない。
 2杯目のドリンクは、ASIMO君はレモンサワーお代わり、私はハッサク酎(400円)を選んだ。
 気がつくと店内は満席であった。店を出たのは午後8時10分。約45分の滞在でお勘定は二人で2,630円であった。

大井町 おでん「八幸」

 瓶ビールを飲み、ドリンク4杯づつを飲んでしまった私たち二人はすっかりいい気分になってしまい、三軒目へ行くことにする。
 まずは、大井町駅前まで行き、駅のすぐ東側に見えている「東小路」の入口付近にある「豊後屋」「いさみ寿司」を覗いた。両店とも賑わっている様子。やはり人気店である。
 しかし、三軒目は少し落ち着いた雰囲気で飲みたいという意見で一致。大井町東口側にある老舗のおでん屋さんを目指す。
 駅の東側にある品川区の複合文化施設「きゅりあん」の裏側の地域に出る。昔よく行った居酒屋さんの前まで行ってみたかったのである。すると、まったく違う商売の店になってしまっていた。長く商売をしていた店であったのに、今はもう無い。少し寂しい気分になった。

 「きゅりあん」の裏側を通り、再びJR線の線路と踏切が見える。左手には、JR線の上を池上通りの陸橋が渡っている。その陸橋の北側に位置する一画に、今日の三軒目、おでんの店「八幸」がある。
 
 店の入口には「おでん、小料理、八幸」と書かれた紺色の暖簾が下がっている。暖簾をくぐって中に入ると、右手に4人席が4卓、左手には9名程座れるカウンター席が奥に向かって続いている。カウンターの中は調理場。L字型の調理場は思いの外広い。2年程前に現在の場所に移ってきたそうで、店内はログハウス調、照明も明るく、とても落ち着く雰囲気である。

 まずは、お酒をお願いする。大関きりん山の一合(380円)の燗酒である。
この店はおでんばかりの店ではない。刺身も色々とある。まずは、いさき刺し(580円)をお願いする。「お通しがいさきの酢味噌なんですけど、よろしいですか」と聞いてくれる。気づかいがうれしい。それでも、いさき刺しをお願いした。

 さて、目的のおでんである。白滝、がんも、ちくわぶ、立花屋のおとうふの4種を頼んだ。わざわざ立花屋と書いてある。 「立花屋」とは、品川区東大井3丁目にある豆腐店である。「廣田」という大井町の有名店もここの湯葉と豆腐を使っているらしい。
 「死ぬ前に食べたいものは?」という質問に「ちくわぶ」と答えてしまうほど、実はちくわぶが好物である。ちくわぶは二つお願いした。実においしくて感動的であった。やはりコンビニのそれとはだいぶ違う。

 さらに、二つ黄身のたまご焼き(380円)とお茶割(380円)を頼んだ。
 いやに、おいしいお茶割だなあと思い、作っているところを見ると、焼酎が三重県の宮崎本店「亀甲宮焼酎」であった。おいしいはずである。
 この後、帆立ポテトサラダ(480円)を食べる。
「このポテトサラダはうまいですね」とASIMO君。意見一致である。
 先日の学芸大学・根室食堂の回で創間君と話した時の「居酒屋でポテトサラダを頼むと、その店の料理に対する入れ込み方が解る」という言葉は、この店の為のものかもしれない。
 このポテトサラダは本当にうまかった。

 二人とも、機嫌よく、シークァーサーサワー(380円)、グレープフルーツサワー(380円)などと、次々に飲んでしまった。
 兎角、おでんを出す店は思いの外、勘定が高いところが多い。しかし、「八幸」は、店構えが上品な割には、全体に安い値段設定の店であった。混み合う店であることが解る。店内は終始満席の状態であった。
 午後8時45分から10時15分までの1時間30分の滞在。2人でお勘定は5,070円。

 本日の三軒の合計金額は、ぴったり11,000円。一人5,500円で済んでしまった。三軒の梯子としては安い。大井町には、まだまだ行かなければ店がたくさんある。実は本日の候補店は、私のメモ帳に全部で九軒もあったのである。
 この後、帰る途中でSAKURAと待ち合わせて行ってしまった店については非公式として、ここには掲載しない。久しぶりの飲み過ぎの夜であった。良い店は私を酔わせるのである


大井町 居酒屋「浅野屋」
東京都品川区大井1-1-28
電話 03-3772-1629


大井町 焼き鳥「しげ」
東京都品川区大井1-1-27
電話 03-3771-2272
日曜休 営業時間17:00~23:00


大井町 おでん「八幸」
東京都品川区東大井6-1-5  桐木ハイツ1F
電話 03-3762-3344
日曜祝日休 営業時間17:00~24:00
http://www.go-tanda.jp/hachiko.htm


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自由が丘 鰻串焼き「ほさか」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第40回  2007年9月16日(日)  【地域別】  【時間順】  【がっかり集】



自由が丘 鰻串焼き「ほさか」



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 日曜日のプロジェクトの稽古が中目黒で終わり、少しだけどこかに寄ろうかということになり、SAKURAと向かったのは、また自由が丘である。
 駅前ロータリーのある側の出口に出てから、右手のガード下に出る方の改札を出て右方向に行く。すると、自由が丘に唯一残された「親父空間」に出る。
 そこには、 「金田」「かとりや」「阿波の里」「ほさか」という有名店が存在する。
 今回もまずは「かとりや」を覗いた。今日は満席の様子。仕方なく店の前を離れ、道の真ん中で考えていると、「かとりや」から一人客が出てきた。ここで、躊躇しているうちに、背後からやってきた二人連れが我々を追い越して中に入ってしまった。優柔不断の結果である。

 残っている選択肢は一つ。鰻の串焼きを食べさせる店、「ほさか」である。
 中を覗くとコの字カウンターがある。コの字カウンターの中の女性に指を2本出して、二人であることを示すと「どうぞ」という声が聞こえてきた。
 中に入ると、コの字カウンターの左の中央辺りにちょうど二つだけ空き席がある。左右の皆さんに頭を下げながらすべりこむ。
 まずは、瓶ビール大(600円)を頼む。「キリンですか、アサヒですか」と聞かれる。周囲を見るとスーパードライの瓶が並んでいる。即座に「キリンお願いします」と答えた。

 つまみは鰻である。といっても、お新香以外には、鰻しかない店なので当たり前である。
 からくり焼き(280円)と塩焼き(280円)を2本づつお願いする。
 運ばれてきたキリンラガーをグラスに注ぎ、二人で飲む。うまい。
からくり焼きは甘辛いタレがおいしかった。塩焼きは山葵をつけて食べる。どちらもうまかった。

 店内を見回すと、ほとんどが男性客である。
 その中でも、コの字カウンターの真ん中の部分に並んでいる男性3人組に興味をそそられた。ちょうど祖父、父、息子という年代構成である。顔が似ている。やはり親子三代であろうか。
 やがて、焼酎のウーロン割を頼んだ様子。すると、コップを受け皿に乗せたものが3つ3人の前に運ばれてきた。そこに焼酎「金宮」の一升瓶からなみなみと焼酎が注ぎ込まれ、受け皿の上にこぼれる。次にウーロン茶の350ミリリットル缶が渡され、氷の入ったジョッキが3つやってきた。カウンターの上は、グラスとジョッキと缶で一杯になってしまっている。少し戸惑った様子の「親子三代」。奥行きのあまり無いカウンターなので、一生懸命、皿等をかたづけている。本当に親子三代だとしたら、それは実に幸せであり、微笑ましい光景である。私は幼少期に父親を亡くしているので、父親と杯を酌み交わすようなことも無かった。ましてや、両方の祖父も早く無くなっているので、親子三代で飲むことなど望むべくもない。うらやましい光景であった。
 
 かしら焼き(220円)を追加する。これもおいしかった。ビールも無くなったので、店を出ることにする。25分程の滞在であった。二人で2,150円。
 やはり自由が丘は客筋が良い、新しい客が入ってくれば、自分から席を譲る。大声を出すような者もいない。短い時間だが良い一時を過ごさせてもらった。
 以前は日曜日が休みであったが、店内に「日曜祝日も営業しております。よろしくお願いします」と書いてあった。年中無休になったようである。
 風邪気味の時や、ひどく疲れた時に、焼酎を一杯飲んで鰻を数本食べてさっと帰る。そんな使い方が一番良い店かもしれない。


自由が丘 鰻串焼き「ほさか」
東京都目黒区自由が丘1-11-5
電話03-3717-6538
無休  営業時間 16:30~21:00


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川崎 やきとり・炭火焼「味よし」第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第39回  2007年9月15日(土) 【地域別】  【時間順】


川崎 やきとり・炭火焼「味よし」 第2回

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縄文天然温泉 志楽の湯

 土曜日の午後、SAKURAのバレエのレッスンの帰り、待ち合わせをして温泉に行くことにした。だからといって、我々に泊まりがけで地方の温泉に行く暇はない。向かったのは、川崎市を走るJR南武線の矢向駅である。
 矢向駅で下車する。降り立った矢向駅のホームを歩きながら、まるで地方の小さな温泉街の駅にいるように思えた。古い小さな駅舎の改札を出ると、目の前に小さなロータリーがあって、幟をもった温泉宿の迎えの人が立っていてもおかしくない、そんな雰囲気がある。
 改札を出て左手の踏切を東側に渡って、すぐ左折、行き止まりを右折し直進。駅から徒歩6分で目的地についた。それは「縄文天然温泉 志楽の湯」である。
 入口を入ると、右手にフロントがあり、そこで料金を払う。料金は平日は大人970円、小学生620円。土・日・祝は大人1150円、小学生800円である。
 ここは、小学生未満は入浴出来ないことになっている。小さな子供が駆けずり回る最近の温泉施設に辟易としているので、この点は素晴らしいと思う。多くの温泉施設が学ぶべき点と言える。小学生以下禁止にしても良いくらいである。
 フロントの先を右手に行くと温泉施設、左手が「語らい処」と呼ばれる休息スペースになっている。
 浴場は、露天風呂、御柱風呂(男湯)、蔵石風呂(女湯)、勾玉湯(女湯)、味噌樽風呂、縄文海底蒸し風呂(ミストサウナ・女湯)、ドライサウナ(男湯)、勾玉かけ水などがある。
 御柱風呂には、土蔵の敷石や天然木の柱と安山岩が配置されており、とても広い。さほど大きくない施設に対して、これだけ湯船が広いのはとても良い。周囲を気にせずゆったりと入ることが出来た。
 露天風呂は自然石が配置されており、山間の温泉宿にいるように気にさせてくれる。ただ、遠くにマンションの最上階部分が見えており、少し残念に思えた。さらなる工夫が必要である。湯船への入り口あたりの石の配置に問題があり、滑りやすくなっている。私自身も少しヒヤリとさせられた瞬間があった。お年寄りも多い温泉施設としては、もう少し気配りが必要である。
 泉質は、ナトリウム塩化物強塩温泉(高張性・弱アルカリ性温泉)である。温泉は溶け込んでいる成分の総量(濃さ)によって人体への浸透圧が違ってくるそうで、この志楽の湯は超・高張性であり、体内に成分が入り込みやすく、体内のミネラルなどの成分が濃縮されるという。事実、お湯は今まで体験した塩化物泉の中では一番塩辛いと感じた。目にお湯が入ると、ひりひりとしみた。幼児が入れない理由はこの辺にもあるのかもしれない。大田区、品川区、目黒区あたりの黒湯温泉をほとんど歩いて回ったことがある者として言わせてもらえば、ここのお湯は満足出来るものであった。
 館内の「語らい処」で、総菜料理で生ビールを飲んだ。
 隣にそばレストラン「志楽亭」が併設されており、館内着を着たまま一度外に出て、そちらを利用することも出来る。
 時間が早いせいか大人ばかりで、客筋も良い。リラックスした時間を過ごすことが出来た。

 SAKURAと二人、外に出たのは、午後4時15分であった。
9月中旬を過ぎているのに、外はまだ夏の強い陽差しが残っている。SAKURAが散歩したいというので、電車には乗らず、川崎駅方面まで歩くことにした。
 実は、この散歩には目的地があった。それは、以前に二人で行ったことがあり、揃って感動を覚えた居酒屋である。今回が3回目の訪問だが、期待はふくらみ、歩く速度も自ずと速くなっていった。

川崎 「味よし」

 店の前に到着したのは午後4時45分であった。店に入ると、すぐ右手が焼き台になっている。右側には12、3人が座れるカウンターが奥に向かって伸びており、その中が調理場になっている。左手には4人掛けのテーブルが4卓、その奥には、小上がりがあり、6人と4人の二つの座卓が置かれている。
 中をのぞくと、開店15分後で、すでにカウンターは、七割方は埋まっている状態。カウンター席の入口近くに座るように言われる。

 夏の名残の陽差しの中、1キロ以上の道のりを歩いて二人とものどが渇いている。
まずは、ホッピー(420円)を二つ頼む。前回の訪問時に詳しく書いたが、ここのホッピーは、焼酎とホッピーが別に出てくるのではなく、ジョッキで作ってくれるタイプである。焼酎とホッピーの配分がよく、ホッピーそのものの味わいがある。原理主義ホッピーに近い配分に違いない。もちろん氷などというものは入っていない。小さなレモンの断片が入っているのは「川崎スタイル」だろうか。

 食べ物は、まず、SAKURAがさざえ貝のつぼ焼き(242円)を一つ頼んだ。前回も喜んで食べていた一品である。次にやきとん、焼き鳥を頼む。
 豚肉かしら(115円)、豚タン(105円)、豚ナンコツ(95円)、ヒナ肉シシトウ入(115円)を2本づつ、和牛の串焼き(368円)とギンナン焼き(115円)を1本頼んだ。
 焼き物はどれもうまい。途中で何度も電話で焼き物の注文が入り、持ち帰りで買ってゆく客も多かった。

 ホッピーがおいしかったので、やはりお代わりした。箸休めは、みょうがのおしたし(263円)である。
 カツオ刺し(420円)と、ぬか漬け(294円)を頼んだ。つまみを頼んでしまったので、やはり飲み物を追加、レモンサワー(380円)を二つお願いした。
 このカツオ刺しがうまかった。新鮮でしっかりとした食べ応えのあるカツオだった。ぬか漬けも味、量とも優れており、実に良心的な値段設定である。

 午後6時になって、店内は完全に満席になった。それでも、どんどん客が顔を見せる。
 この店は、マスター、ママ、そして、娘さんらしき若い女性二人で切り盛りされている。
 ここで、元ニューヨーカーであるSAKURAの感想が面白かった。
 「この店の人は全員がCOOLね」と言うのである。
 冷たいとかそういう悪い意味ではない、かっこいいのである。そして、「強制ではなく、暗黙の内に常連客たちが躾けされている」と言う。
 特に美人のママが凄い。手は注文されたニラレバ炒めを作っている。そこへ、焼き物の持ち帰り注文の電話が入り、電話に出る。さらに飲み物の注文が入る。客が店に入ってくると、どこの席に座るかを示す。全部を同時にやっているのである。店全体に気配りがきちんとされている。
 普通、ママが凄いとマスターは焼き台から離れず、客の相手をしないような場合が多い。しかし、ここの店は違う。焼き台にいるマスターも客にきちんと気配りをしている。常連客の冗談にもきちんと答え、店の外で待つ新しい客にも気をつかっている。店に入りきれずに、外の縁台に座って待っている客もいるのである。
 この忙しさの中、全員が「クール」なのである。

 この店では「我がまま」を言ってはゆけない、勝手に自分の好きな席に座る等ということはしてはいけない。良い意味で「躾け」されることを楽しむべきである。
 普通、居酒屋の訪問を繰り返すと、最初の感動が薄らいでゆくものである。しかし、この店は違う。三度目でも実に良い店であった。

 お客さんたちが外で待っていることに気づいて、お勘定をしてもらうことにした。午後6時15分になっていた。1時間30分ほどの滞在で二人で4600円。
 外に出た。縁台で待つお客さんたちが飲みかけのビール瓶を持ちながら中に入っていった。さらに、立って待っている人たちが何人もいた。
 通りすがりの人がつぶやいた。
 「この店はすごいなあ」
 「そうですよ、すごいですよ、この店は」
 私は心の中でつぶやいていた。


川崎・矢向 縄文天然温泉「志楽の湯」
神奈川県川崎市幸区塚越4-314-1 電話 044-533-8888
JR南武線矢向駅徒歩約6分。




川崎 やきとり・炭火焼「味よし」
川崎市幸区中幸町3-14 電話044-533-3210
JR川崎駅西口下車徒歩15分 
定休日 水曜日 営業時間 16:30~22:30


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実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」

テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

公演情報NO.9「嘲笑のオペラ」

咲良舎関連 演劇公演情報NO.9

シアターΧ提携公演
プロジェクト・アルレッキーノ公演

「嘲笑のオペラ」

近松門左衛門作品より
冥土の飛脚・女殺油地獄など

咲良舎の前身である「櫻花舎」の創立メンバーであり、咲良舎公演・シアターコレクティブレパートリー2005で『奴隷島』等、多くの守輪演出作品のに出演してきた博田章敬、そして、シアターコレクティブ・レパートリー2006・21世紀のマリヴォーシリーズ第2弾「試練」に出演した、S.A.P.メンバーの五百蔵久子が出演する公演のお知らせです。

構成・演出 井田邦明

期間 2007年10月2日(火)~4日(木)
劇場 シアターΧ
料金 前売3000円/当日3500円
お問い合わせ「プロジェクト・アルレッキーノ」事務局
TEL/FAX 03-3377-6099
MAIL wingfield-mako@m7.gyao.ne.jp
URL http://www.project-arlecchino.com/

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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」作成

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」作成

ホッピーの状態をレベル別にレベル0からレベル8まで9段階に分類。
レベル4以下の非原理主義的ホッピーを原理主義的に飲むための対策を付加しました。

 ご覧になりたい方はこちらをクリック。よろしくお願いします。

 すべてホッピー原理主義者DAITENが自分の為に作った独善的な基準や対策であり、あくまで個人的なものです。ご笑覧いただければ幸いです。


ホッピー情報
居酒屋ファンの間で売れている三栄書房の「TOKIO古典酒場」でホッピーに関する「ホッピー酒場の南限・北限を探る!」という募集をやってます。【投稿募集期間】2007年8月8日(水)~2007年9月28日(金)。詳しくはこちら

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自由が丘「かとりや」

居酒屋探偵DAITENの生活 第38回  2007年9月9日(日)    【地域別】  【時間順】



自由が丘 「かとりや」

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 都立大学駅近くの稽古場での「プロジェクト」の稽古が終わり、SAKURAと東急東横線に乗る時、SAPメンバーの創間君から「今日は大人しく帰るんですか?」と聞かれる。
「そういう訳ではないけど、都立大学のいい店は日曜日は休みのところが多いからねえ」と答えた。創間君とは別れ、少し自由が丘の街をぶらつくつもりで、自由が丘駅でSAKURAと二人下車した。
 すると、まだ少しも歩かないうちに、SAKURAが「金田はどう?」と言う。しかし、金田は日曜定休である。

 自由が丘には古い居酒屋が集結している地域が一カ所ある。駅前ロータリーのある側の出口に出てから、右手のガード下に出る方の改札を出て右方向に行く。すると、名店と呼ばれる「金田」をはじめ、古い居酒屋が残っている場所に出る。前回、記事を書いた時は、一人で「金田」「阿波の里」に顔を出した。
 しかし、「金田」「阿波の里」も日曜日は休みである。うなぎを食べさせる「ほさか」にも惹かれたが、以前より入りたいと思いながら満席だったりして機会のなかった「かとりや」に入ることにする。場所は「阿波の里」の右隣である。

 午後5時20分頃入店。店は角地に立っており、地形は三角形。店内に入るとL字型のカウンターが目の前にあり、カウンターの中が三角形の調理場になっている。カウンターに15人くらい座れるだろうか。

 三角形の中心に立っている白衣を着た細身の男性が「生?」と聞いてくる。
 一瞬、考えてからSAKURAと二人だったので、瓶ビール大(580円)を一本頼むことにする。
 次に白衣の男性が「適当に焼く?」と聞いてくる。一瞬考えてから「まかせます」と答えた。居酒屋で楽しく過ごすには、まずは店の流儀に合わせ、少しづつ自分を主張してゆくのが一番である。
 さらに、「奴とか厚揚げとか?」と聞かれる。
 周囲を見ると常連さんらしき人々はみんな「奴」を頼んでいる。この店では、「奴」か「厚揚げ」を頼むのが定番らしい。そこで、厚揚げ(280円)をお願いした。

 残暑厳しい夕暮れ時、ビールがうまい。
しばらくして、「おまかせ」の焼き物が出てきた。最初は、たん、はつ、かしら(各100円)が出てくる。続いて鳥ねぎ、砂肝(各100円)である。焼き物は基本的に100円、一回に2本から頼む約束事「二本縛り」になっている。

 焼き物はどれもうまかった。肉は小ぶりだが焼き加減が良い。どれも一本百円である。計算をするのが面倒だからみんな同じ値段なのかもしれない。
 店の右端の方の焼き台の前には、坊主頭で口ひげのTシャツ短パンの親父さんが火に向かって一心に焼き物を焼いている。どこか護摩を焚く僧侶の風情である。

 ビールを飲んでから私はサワー(380円)にした。SAKURAは梅酒サワー(380円)である。この店の焼酎サワーに入れる焼酎はあの「金宮」である。「金宮」といえばホッピーであるが、この店にホッピーは無い、ホッピーを売り物にしている隣の「阿波の里」との棲み分けであろうか。「ダイドー」も置かれていて、どうやら割り方によって銘柄が変わるようである。
 さきほどの白衣の男性はパーマをかけている。焼き台の前の坊主頭の親父さんとは、一見するとまったく違うタイプに見えるが、よく見ると顔が似ている。身体の動きや雰囲気も近いものがある。ご兄弟だろうか。

 完全に男所帯の店内には独特の緊張感が流れている。白衣の男性は常連とギャンブルの話をしている。しかし、少しもうるさくはない。焼き方の親父さんは無口である。カウンターには一目で「水商売」のママさんと店の女性と解る二人客が飲んでいる。サングラスをかけているママさんらしき人は、往年の美人女優淡路恵子さんに似ており、静かな独特の雰囲気を周囲に漂わせている。
 やがて、そのママさんが坊主頭の親父さんに生ビールを振る舞った。親父さんはジョッキを持ち上げ、静かに「礼の形」を示し、少しだけ口をつける。

 エリンギ(100円)と、しいたけ(100円)を2本つづ頼んだ。
飲み物は、チューハイ(380円)を頼んだ。氷が入っているとはいえ、8分目まで「金宮」が注がれる。そこにソーダが少しだけ入れられる。この店のサワー類は濃い。サワーグラスの半分は焼酎に違いない。よくある混ぜる前の上澄みのみが濃く、割り箸で混ぜると、とたんに薄くなってしまうような軟弱なサワーではない。混ぜても焼酎の味が舌を刺激する。

 最後に「かとりや」と書かれたお銚子で出てくる日本酒(300円)をぬる燗にしてもらった。
 SAKURAがこの店を評して「無駄が何もない店ね」と言った。まさに、その通りである。焼き物は100円、サワー類はどれも380円という値段設定といい、カウンターだけの客席、店側は男性二人だけ、必要最低限の接客しかしない。年中無休。実に無駄がない。
 常連客もほとんどが一人客でみな静かである。私たちの隣に座った男性客の前には、何も言わずともチューハイが出てきた。男性客は「レバ、ハツ、タン」と焼き物の名前を口にする。白衣の男性が黙って、「レバ、ハツ、タン」を2本づつ取り出す。黙って親父さんがそれを焼く。しばらくして「レバ、ハツ、タン」と言いながら親父さんが客の目の前に皿を置く。無駄のないやり取りである。

 この店には軽い気持ちで入ってきて欲しくない。独特のこの雰囲気を壊されたくない。店の人も常連客たちもそう思っているに違いない。「子供」には不向きの店である。
 午後6時30分頃に外に出た。1時間15分ほどの滞在、二人で3700円であった。
日曜日の夕方の自由が丘に、ひとつ楽しみが出来た。


 ※  ※  ※

 追記 2010年2月に新装開店。ずいぶんと雰囲気が変わっている。(2010年10月30日)


自由が丘 かとりや
東京都目黒区自由が丘1-12-9
電話03-3718-5505
無休 営業時間 17:00~24:00



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら


ホッピー情報
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学芸大学「根室食堂」夏

居酒屋探偵DAITENの生活 第37回  2007年9月7日(金)    【地域別】  【時間順】



※残念ながら2008年6月11日に閉店。渋谷に移転の上、盛業中。

学芸大学 「根室食堂」 夏

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 今日も東横線沿線学芸大学駅近くで咲良舎の「プロジェクト」の稽古があった。そして、稽古帰りのいつもの三者会談である。今日はSAKURAと創間君と3人で「根室食堂」学芸大学店に向かった。
 「食堂」といっても、定食屋ではない、刺身を食べさせる立ち飲み店である。2005年12月の開店当初から通っている店である。中目黒に本店があり、少し遅れてこの学芸大学店」が出来た。立ち飲みの気軽さと、これだけうまい刺身を安く食べることの出来る店は城南地区にはなかなか無いので、S.A.Pメンバーの間でもお気に入りの店である。ただし、店が狭いので大人数の時は入れないし、長居をするのも無粋である。

 学芸大学駅のすぐ近くであるが、少し解りにくい。まずは改札を出て左側、東横線と直角に交わっている〈西口商店街〉を数メートル歩き、右手にある薬局「薬ヒグチ」の角を右に曲がる。左にやきとりの「鳥勇」があり、その2階には有名な喫茶店「平均律」がある。その先を左に曲がれば、うまい日本酒を飲ませる店「件(くだん)」があり、右に曲がると、狭い路地の右手に「根室食堂」がある。

 入口を入ると目の前に、10名程がやっと立つことの出来る立ち飲みカウンターが奥に向かって伸びている。カウンターには、すでに7名が立っていた。少し詰めてもらい、カウンター中央辺りになんとか三人で滑り込んだ。
 カウンターに立つと、背中がすぐ壁についてしまう。カウンター側に一歩客が踏み込んで通路を作らないと、通ることの出来ない狭さである。
 「根室食堂」は変則的な立ち飲み店といえる。カウンター席の端の左奥に3畳ほどの広さの小上がりがあり、三卓の小さな座卓が置かれているのである。中には箱の上に板を乗せただけの簡単なものもある。このスタイルは「中目黒店」も同じだ。

 まずは、生ビール(390円)を3つ頼んだ。サッポロ黒ラベルの生である。
お通しは「岩もずく」である。この「岩もずく」がとてもうまい。スーパーで売っているプラスチック製容器に小分けされたそれとは大違いである。
 北海タコ刺し(380円)、殻付ツブ貝(450円)、秋鮭の白子(450円)をまず頼む。タコ刺しは茹でてしまったよくあるタコ刺しではない、生タコである。量も多く、これで380円は他に類を見ない。ツブ貝もうまい。身体のことを考えて普段は白子などは食べないようにしているが、この「秋鮭の白子」は誘惑に負けて一つだけ食べてしまった。甘くまろやかでうまい白子であった。

 二杯目の飲み物はホッピーセット(400円)を氷無しで頼んだ。SAKURAは北海道人らしく、ハスカップサワー(300円)を選んでいた。北海道人ならば「ハスカップ」をみんな知っているだろうが、ここは東京である。「ハスカップって何ですか?」と聞かれるのが面倒なのか、ハスカップの後ろに「野いちご」とかっこ書きがしてあった。

 壁に「御一人で御来店の方に刺身盛り合わせ特別サービス〈北の国から〉650円」と書いてある。「一つもらおうか?」とSAKURAが言うので、「御一人で御来店の方に、と書いてあるでしょ」と私は答え、「今度は三人でお互い知らないふりをして、「北の国から」を一つづつもらって、それぞれ食べようか」などと馬鹿なことを言い、笑い合う。

「根室食堂」でうまい魚介類を食べながら、色々と食べ物の話をした。世界的な寿司ブームの為か、刺身などの生の魚を食べる欧米人や他のアジア人が増えているという。しかし、これ以上、欧米人に寿司や刺身のおいしさを覚えてもらっては困るのである。アメリカのテキサスの親父さんにはでかいアメリカン・ステーキを頬張っていただきたい。ドイツの方には、やはり伝統的なソーセージとザワークラウトが一番である。魚はDHAやEPAが豊富だから身体に良いなどと、欧米では報道して欲しくない。雑食動物であり、世界中からの輸入食品のおかげで生きている我々日本人である。食べる魚介類の値段が上がり、やがては口にすることが出来なくなってしまうと、とても困るのである。「世界の皆さん魚を食べないでください」と自分勝手なフレーズが口から飛び出してしまう。身勝手極まりない話である。

三杯目はシークァーサー・サワー(300円)である。この店のサワー類はすべてジョッキで出てくる。それでいて値段は300円であるから、実にリーズナブルである。追加のつまみは甘みのシメサバ(350円)と鮭トバ(250円)を頼む。シメサバはまさに甘みがあり新鮮でうまかった。

鮭トバは日本酒にあうが、そこは我慢をして、最後はレモンサワー(300円)を飲んだ。いささか飲み過ぎと言える。
「居酒屋でポテトサラダを頼むと、その店の料理に対する入れ込み方が解る」という話をすると、「寿司屋の玉子のようなものですね」と創間君が答えた。ポテトサラダ(350円)を最後に頼んだ。出てきたポテトサラダは、刺身用の盛り板の上にベタッと豪快に盛ってある。なかなかにうまい。

1時間45分ほどの滞在、3人で6,130円の会計だった。ずっと立ったままでいた訳であるが、まったく疲れなかった。楽しい一時は早く過ぎるものである。


学芸大学 根室食堂
東京都目黒区鷹番3-8-10
電話03-3710-0305
不定休
営業時間 17:00~24:00


ホッピー原理主義者とは?
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雪谷大塚 大衆割烹「とよだ」

居酒屋探偵DAITENの生活 第36回  2007年9月6日(木)  【地域別】  【時間順】



雪谷大塚 大衆割烹「とよだ」

雪谷大塚とよだ外観

 連れからMAILが入った。用事を済ませた後、今、雪谷大塚「とよだ」で一休みしているという。そこで、私も急いで行くことにした。
 東急池上線の雪谷大塚駅の改札を出て、左に行くと登りエスカレーターと階段がある。階段を降りると駅の東側に出ることができる。右手に踏み切りがあり、左へ行く道、線路沿いを行く道、そして、その間を斜めに行く道がある。「とよだ」はこの道の先にある。

 その道を30メートル程行った右側に「とよだ」があるのだ。
 店の扉の上には、赤い提灯が七つ並んでいる。左から「煮込み」「おでん」「やきとり」と並び、真ん中のやや大きめの提灯に「大衆割烹とよだ」、その右にさらに提灯が「食事処」「炉ばた焼」「酒」と並んでいる。
 この提灯が示す通り、「とよだ」は、居酒屋としてあらゆる物を食べることができる店といえる。刺身、やきとり、おでん、揚げ物、にぎり寿司まである。

 提灯の下をくぐり中に入ると、所謂「コの字カウンター」が目の前にある。入ったすぐ目の前に5人、左側に15人、右側に5人、あわせて30人程が座れる大きなカウンターである。このカウンターの右手奥に調理場がある。
 カウンターの奥に4人掛けのテーブルが4つほどあり、そのさらに奥には座敷がある。この座敷にも30人ほど座ることが出来る。3つの区分された席の構成により、一人客、家族連れや数名のグループ、宴会と、あらゆるパターンに答えることが出来るようになっている。

 連れはカウンター左側中央に座って待っていた。すでにキリンビール中瓶〈500円〉を飲み、寒くなったと言って白鶴の熱燗一合〈350円〉を呑んでいた。つまみはおでん(全100円)である。
 最初にお通しのシューマイ2個が出てくる。まずは、レモンサワー〈300円〉を頼んだ。さらに、するめイカ刺し(450円)、鯖のみりん干し(350円)を頼む。

 「とよだ」は、私たちにとって〈普段使いの店〉と言える。集めると焼酎のボトルがもらえる「ボトル交換補助券」を集めている。このボトル交換補助券は20枚集めると焼酎ビダン1本と交換、25枚集めると焼酎いいちこ1本と交換してくれる。この券は1回の会計金額2000円ごとに1枚くれることになっている。

 この店は、焼酎のボトルキープをしている常連客が多い。周囲を見れば、「いいちこ」か「ビダン」とアイスボックスが並んでいる。水、ウーロン茶、緑茶、ソーダ、サワー、トマトジュースなど、呑み方は様々である。
 客筋も様々である。世代、職種、男女比など、この店の客層は様々であり偏りがない。数年前に近くの旧店舗から移転してきたばかりなのでお店そのものもまだまだ新しく、店内も明るい。その為か、女性の一人客も珍しくない。

 私は後から来たので40分位の滞在であったろうか。料金は2500円。


 雪谷大塚とよだ

雪谷大塚 大衆割烹 とよだ
東京都大田区南雪谷2-15-4
電話03-3720-3338
日曜定休 営業時間 17:00~24:00
東急池上線雪谷大塚駅徒歩1分


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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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