公演情報NO.23 薫風四神プロデュース

咲良舎関連 演劇公演情報№.23

薫風四神プロデュース 公演

『荒木又右衛門』~決闘!鍵屋の辻~

脚本・演出 大畑かおる

咲良舎公演・シアターコレクティブレパートリー2005で『いさかい』『奴隷島』の両作品に出演、シアターコレクティブ・レパートリー2006・21世紀のマリヴォーシリーズ第2弾「試練」にも出演してくださった俳優五森大輔氏が出演される芝居の情報です。

劇場 武蔵野芸能劇場 東京都武蔵野市中町1-15-10 0422-55-3500
JR・東西線三鷹駅北口ロータリーより新宿方面に線路沿い徒歩1分(松屋裏)

上演日程 2008年4月3日(木)~4月6日(日)

4月3日(木) 14:00/19:00
4月4日(金) 14:00/19:00
4月5日(土) 14:00/19:00
4月6日(日) 13:00/17:30

チケット予約・問い合わせ
薫風四神 事務局 03-3929-1611(TEL&FAX) 株式会社築根イメージング内
090-2664-1911(つくね)
前売・当日 3,000円(全席自由)

テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

公演情報NO.22 劇団ハートランド

咲良舎関連 演劇公演情報№.22

劇団ハートランド第12回公演 「ひなあられ」

2006年1月の咲良舎ランチシアター第2弾 『愛のモルナールあえ2』に出演してくださった女優梶原茉莉さんが出演される公演のお知らせです。

劇団ハートランド第12回公演 「ひなあられ」
作・演出=中島淳彦

出演=高橋亜矢子、馬場奈津美、渡辺由紀子、梶原茉莉、保谷果菜子、江原里実、福島まり子、小林美江、久里みほ、大西多摩恵

上演日程:2008年4月17日(木)~4月22日(火)

4月17日(木) 19:30
4月18日(金) 19:30
4月19日(土) 15:00/19:00
4月20日(日) 15:00
4月21日(月) 15:00/19:30
4月22日(火) 19:00

劇場:下北沢ザ・スズナリ 東京都世田谷区北沢1-45-15 TEL 03(3469)0511
小田急線・京王井の頭線「下北沢駅」南口より徒歩5分。
料金: 前売り3,500円(日時指定) 当日3,800円
お問合せ 劇団ハートランド 090-9246-1514



テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

新宿 もつ焼き「きくや」

居酒屋探偵DAITENの生活 第86回  2008年3月18日(火)  【地域別】  【時間順】


※2008年3月22日午前 60000カウント通過 感謝!


新宿 もつ焼き「きくや」

 すでに時間は午後11時近くであった。本日の二軒目、歌舞伎町の「番番」を出た後、OZAKI先生と二人、一度は新宿駅東口を目指した。しかし、靖国通りから大ガードを越えて行った方が小田急線で帰るOZAKI先生の便利が良いということで、西口へ足を向ける。
 ところが、途中にあの新宿で知らない人はいない酒場街、昔はもっと即物的な名称で呼ばれていた「思い出横丁・やきとり横丁」があるのである。

 「もう時間も遅いので一周して見るだけね」と、線路沿いの「やきとり横丁」を通り、新宿駅側から「思い出横丁」の真ん中の路地に入る。
 しかし、歩いているうちに、我慢が出来なくなるのは当然の結果である。
 「それでは、一杯だけね」と言いながら、もう一度「やきとり横丁」に戻り、入ったのはもつ焼きの「きくや」である。
 以前、OZAKI先生が仕事仲間の編集者の方から教わったと言って、私を「やきとり横丁」に連れて来た。
 「たしか、このあたりなんですが・・・」と言いながら入ったのは、どう見ても「名店」とは言えぬ店。酒の価格も高め、つまみもあまりおいしくない。
すると、いつものOZAKI先生の一言。
 「なんだか・・・その・・・間違ったみたいで・・・」を聞かされる。
 こういうことは、以前にも渋谷でもあった。その事は、2007年2月16日の記事に書いている。

 時間が無かったので、その編集者の方に正確な場所と店名を聞いて、再び挑戦することにした。しかし、それからずいぶん時がたってしまっている。
 「先生がその人に連れて来てもらった店は、きっとこの「きくや」さんか、少し先の「第二宝来家」さんのどちらかだと思うよ」と言いながら店に入る。
 入ってすぐに頼んだのは、やはり、元祖酎ハイボール(300円)である。氷入りのジョッキに入って出てくるのは、独自にブレンドしたという焼酎のハイボールである。すっきりとしてうまい。
 夜遅い時間に炭酸類は胃に悪いと躊躇いながら、一杯をゆっくりと飲む。単なる焼酎のソーダ割よりも味わいがあってとてもうまい。
 レモンサワーの元祖は中目黒にあった「ばん」で出されたサワーである。そして、酎ハイの元祖はここ「きくや」の酎ハイボールであると言う。元祖は色々とある。

 お通しはシラス入り大根おろし(280円)である。この辺としては、比較的良心的な価格である。つまみは、もも肉(120円)を2本焼いてもらい、生サバ刺身(680円)である。
 OZAKI先生がメニューの中に「きびなご」を発見した。水道橋の「うけもち」で、七輪で焼きながらうまい「きびなご」を食べたのは数時間前である。
 「一晩に二回も出会うのは珍しいですね」とOZAKI先生。
 「最後の一杯を我慢できなかったね」と私が言う。すると、
 「今日の一杯が明日の百杯に匹敵するかもしれませんよ。今日の一杯を我慢すると、明日の百杯につながってしまうかもしれない。」と、OZAKI先生。
 「たった数メートルの違いで、店と店に格段の差がついてしまう。新宿の街は、当たりとハズレが町中にあふれているね。恐いところだ。」と私が言う。すると、
 「新宿は、まるでルーレットのような街ですね。赤と黒の境目ひとつで大きな違いがある。玉が入れば当たり、入らなければハズレ。」と、OZAKI先生が言う。

 二人ともそれぞれ新宿で若い頃を過ごした。しかし、私は最近あまり来なくなってしまった。歳を重ねると、新宿の喧噪の中を歩くことが億劫になってくる。しかし、それも酒が入れば違ってくる。あの頃のように、人を避けながら縫うように歩くことが出来る。肩が触れ合わぬように。

 約40分ほどの滞在であった。二人でお勘定は2,110円であった。


新宿 もつ焼き「きくや」
東京都新宿区西新宿1-2-8
電話03-3342-5928
無休 営業時間 15:00~24:00
JR「新宿駅」西口より徒歩3分。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

新宿 焼き鳥「番番」

居酒屋探偵DAITENの生活 第85回  2008年3月18日(火) 【地域別】  【時間順】



新宿 焼き鳥「番番」

  焼き鳥「番番」看板写真    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 新宿に向かうJR総武線の中、OZAKI先生と私の二人は実に機嫌が良い。OZAKI先生もいつもより饒舌である。それもそのはず、今日の二軒目の店はOZAKI先生が過去十数回は行ったことのある彼のお気に入りの店なのである。仕事仲間の雑誌編集者の方から何年も前に教えられ、いつも打ち合わせと称して二人で呑んでいるのだそうである。
 OZAKI先生は「DAITENさんの口からあの店の名前が出るとは驚きだなあ。今まで、何故話さなかったのでしょうね」と自分で不思議がっている。
 その店は、新宿は歌舞伎町にある焼き鳥「番番」である。東京の古典酒場を紹介する雑誌「TOKIO古典酒場」の第1号にも掲載された店である。

 午後9時である。JR新宿駅を出て歌舞伎町を目指した。靖国通りを向こう側に渡り、少し歩いてさくら通りという商店街に入るとすぐ左側、地下の店である。

 階段の上の斜めの部分に、白地に赤と青の文字のアクリルの看板が光る。その看板を頭の上に見ながら、地下へ降りる。降りきると、順番待ち用に椅子が数脚ある。右手にガラスの引き戸があり、中が見える。
 OZAKI先生が中を覗く。店内は満席の様子である。OZAKI先生の知っている親父さんに一言伝え、外の順番待ち用の椅子に座って待つことにする。すぐに目の前のカウンターの男性と女性のお客さんが右にずれてくれた。隙間が出来ている。しかし、その真ん中に座る青年は携帯電話に夢中でずれようとしない。周囲を見ていないのである。親父さんが青年に右手にづれるように言ったようである。渋々ずれる青年。

 親父さんに手で呼ばれ、中に入った。ちょうど目の前に巨大なコの字カウンターの中と外を出入りする為に作られた切れ目のところに板が渡っていた。
 「あっちに椅子が一つあるので、持ってきて座ってください」と親父さんがいう。座れるなら文句はない。急いで椅子を持って来て、大きな音を立てて青年のすぐ隣に置く。それでも彼は携帯に夢中である。
 OZAKI先生と二人、窮屈な姿勢で座る。
 ここでは先生に注文を任せることにする。最初は、やはり酎ハイである。酎ハイは250円と安い。
 つまみは、OZAKI先生おすすめの豚バラ(200円)を2本、焼き物は100円がほとんどの中、高い部類に入る。小タマネギ(150円)を2本、生野菜サラダ(350円)も注文した。

 我々が座った店の入口部分は、2つのカウンターの切れ目になっている。左手にはL字形にカウンターがあり、その中にアクリル板で囲まれた焼き場がある。右方向には変則的な形のコの字カウンターが続いている。私たちの座った切れ目の部分から数名分行ったところでカウンターは一度右に曲がり、すぐに左に曲がって、さらに左、もう一度左に曲がって終わっている。店の形に合わせて作ったカウンターである。全部で40人ほどが座れるだろうか。

 ある経緯があり、十代の終わりに歌舞伎町で暮らすことになりそうな時期があった。もし、歌舞伎町で暮らしていたら自分はどうなっていたのか。この店にも常連として来るようになっていただろうか。何より、今まで生きていられたのだろうか。そんなことを考える。

 周りの客筋を見ると、思いの外、男女二人連れが多い、それも男女の年齢差がかなりある。派手な感じの女性もいる。場所が場所だけに、同伴出勤前のお二人であろうか。
 ニンニク焼きを大量に頼んでいる若いカップルもいた。こんなに若いのに、こんなにたくさんのニンニクを食べてどうするのだろうかと、つまらない心配をしてしまう。

 豚バラと小タマネギがやってきた。OZAKI先生によれば、この豚バラの肉片と小タマネギ一片をいっしょに食べるとうまいのだという。「豚バラタマネギ」という商品にして売ればよい、新しいスタイルの「ネギマ」である、等と勝手なことを言い合い笑い合う。
 2杯目は焼酎のお湯割りである。蕎麦焼酎「雲海」のお湯割り(250円)を2つお願いする。昔、同じ職場で働いた頃、雲海をよく呑んだことをOZAKI先生が思い出した。昔話しに花が咲く、去って行った人、たくさんの亡くなった人たちのことを思い出す。焼酎をゆっくりと飲む。

 シシトウ(100円)とシイタケ(100円)を2本ずつ頼む。シシトウもシイタケもうまい。さらに、ぎんなん(400円)、山芋千切り(300円)を追加した。今日のつまみは、最初の豚バラ以外は全て野菜類である。実に健康的だ。胃のことを考えると、遅い時間にはついつい肉を避けてしまうのである。考えてみれば、焼き鳥の専門店である「番番」に来たのに野菜ばかりであった。次回、もっと早い時間に来店して、ぜひ、タン、ハツ、カシラ、煮込みあたりを食べてみたいと思う。

 午後10時を過ぎると、店内のお客さんがどんどん帰って行く。店内が静かになってきた。本当に味わいのある店である。
 約1時間30分ほどの滞在であった。二人でお勘定は4,050円であった。

 噂には聞いていたが、新宿の歌舞伎町にこんな店が残っていたのかと、本当に驚かされた。


新宿 焼き鳥「番番」
住所 東京都新宿区歌舞伎町1-16-12 梅谷ビルB1
電話 03-3200-9354
定休 無休
営業時間 17:00~23:45
交通 JR「新宿駅」東口より徒歩10分。西武新宿線「西武新宿駅」より徒歩5分。



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

水道橋 立ち飲み「うけもち」

居酒屋探偵DAITENの生活 第84回   2008年3月18日(火) 【地域別】  【時間順】


水道橋 立ち飲み処「うけもち」

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 今回、この「居酒屋探偵DAITENの生活」で紹介する100軒目の店に選んだのは、水道橋駅近くにある立ち飲み店「うけもち」である。 因みに、過去の99店舗については【地域別一覧表】 を御覧いただきたい。

 店の名前の由来は日本神話に登場する神様「保食神(うけもちのかみ)」からきているようである。
 この店を初めて知ったのは、交通新聞社刊「散歩の達人」2003年8月号 特集「神楽坂・小石川・後楽園」の誌上である。 「散歩の達人」は自分の好きな町の特集の時には必ず買うようにしている。実に役に立つ雑誌である。

 個人経営の小さな店であること。路地裏に位置すること。さっと飲んでさっと帰ることの出来る立ち飲み店であること。ホッピーがあること。飲物、食物全品300円であること。魚介類中心の店であること。煙草が苦手なので、店のすぐ外でも飲むことが出来ること。「うけもち」は、私にとってかなり理想に近い店といえる。 記念すべき紹介記事100店目に相応しい店である。

 JR水道橋駅西口改札でOZAKI先生と待ち合わせた。OZAKI先生とは、2008年2月2日の「川崎昼酒ツアー島田屋味よし」の後、武蔵溝の口の「かとりや」まで足を伸ばした帰り、溝の口駅で別れて以来である。

 水道橋駅西口から「うけもち」へは徒歩5分ほどである。西口改札を出たら左方向へ、目の前に水道橋西通りが通っている。その通りを南へ数分歩き、三本目の道を左に曲がる。さらに、すぐにあるT字路を右に曲がると右側に「うけもち」がある。
 いつもなら店の前に人集りがあってすぐに解るのだが、表には誰もいなかった。本当に目立たない店である。店の前の小さな台の上に「七輪」が乗っており、中で炭がおきている。近くに小さなカウンターが作ってあり、立つことができる。私にとっては「特等席」である。店内は一杯であった。中年のサラリーマンを中心に、九割方は男性客である。

 OZAKI先生を外に残し、さっそく飲み物と食べ物の買い出しである。店の中に入ると、右側の壁には、普通の四角いカウンターとは違う、長三角の狭いカウンターが2つ並んでいる。左側にはそれぞれ5、6人が立つことのできる高いテーブル席が2つあり、テーブルの真ん中の四角い穴の中に、魚介類を炙る為の「七輪」が据えられている。
 店の一番奥の正面に、客が注文をして、品物を受け取り、前払い代金を支払う為のフロントのような場所があり、その左手には5、6人立てば一杯になってしまう小さなカウンター席がある。

 黒ホッピー(300円)を2つ、OZAKI先生には氷入りを、私にはもちろん氷無しをお願いする。
ジョッキに適度に焼酎が入り、冷えたホッピー瓶がついてくる。これで300円は安い。
支払いを済ませ、ジョッキ2つ、ホッピー瓶2本を持って、OZAKI先生の元に戻り、今度はつまみの買い出しである。
 きびなご、ごろいか、わらさ刺しの3つを頼む。もちろんどれも300円である。支払いを済ませ外へ出る。
 しばらくして、「きびなご」「ごろいか」をお店の人が席まで持ってきてくれた。きびなごは10尾ほど、ごろいかは一匹まるまるである。これを外の七輪の上で、自分の好きな加減で炙りながら食べるのである。初めて来店したOZAKI先生も、このスタイルをずいぶん気に入ってくれたようである。東京で「きびなご」に出会うことはあまりない。適度な苦みと塩加減が秀逸である。いかをはらわたごと干した「ゴロイカ」も実にうまい。疲れた身体に塩分がしみ通ってゆく。本当は「酒」を飲むべきだなと思いながらも、ホッピーをおいしく飲む。

 次の飲み物は、OZAKI先生がホッピーの中焼酎(100円)、私は焼酎緑茶割り(300円)である。この店のホッピー中焼酎は100円である。実に良心的である。最近、ホッピーの中を250円とか350円とかで売りつける店が出てきている。このような店に出会うと、いっそのことホッピー中抜きで飲んでやろうかと思うのである。
 OZAKI先生の為にホッピー中をさらに追加する。ホッピー外1、中3のペースである。ついでに「わらさ刺し」のことを聞く。やはり、忘れられてしまっていたようである。すぐに持ってきてくれた。今日の私は機嫌が良い。
 この「わらさ」の刺身はうまかった。量は少ないとはいえ、良い物を300円で提供してくれることがうれしい。

 OZAKI先生と飲む時は、三軒から四軒のはしご酒は常である。
やはり、「次の店は決まってるんですか?」とOZAKI先生に聞かれた。
 私が提案したのは神田駅のガード下の昼間からやっている親父系酒場の老舗である。しかし、OZAKI先生が小田急線沿線に住んでいるので、お互い比較的帰るのが楽な新宿に出ることにした。ここで提案した店は実はOZAKI先生がもう10回以上は行っている店であるという。
 途端に二人ともその店に行きたくなり、腰が落ち着かなくなってしまった。

 帰ってゆくサラリーマンの男性が「中、空きましたよ」と親切に言ってくれる。
「どうも、でも、ここで飲むのが好きなんですよ」と微笑み返した。

 お勘定を済ませる必要がない。計算してみると、つまみ3品、ホッピー二杯、ホッピー中二杯、緑茶割りでちょうど2000円であった。約50分の滞在時間であった。

 外に出された七輪を使い、魚介類を自分で炙りながら飲む。至福の一時であった。


水道橋 立ち飲み処「うけもち」
住所 東京都千代田区三崎町2-15-2
電話 03-3234-5664
定休日 土曜日曜祝日休
営業時間 平日17:00~23:00
交通 JR水道橋駅下車徒歩5分



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

S.A.P. 発表会 第一回「SAPの輪」

咲良舎関連 演劇公演情報NO.21


S.A.P. 発表会 「SAPの輪」2008

咲良舎アクティングプレイス(S・A・P)では、シーンワークを中心に、演技の基本を問い直し、創造性豊かな演技の探求を続けています。今回はそのレッスンを皆さんに公開でご覧になっていただき、さらに輪を広げたいという願いを込めて「SAPの輪」と名付けました。
私達が、日頃レッスンで取り組んでいる「シーンワーク」をオムニバスの形でまとめました。それぞれ自分達で選んだ短編作品や作品のワンシーンをお届けします☆
お時間がありましたら是非お越しください!お待ちしております!

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SAP本コース発表会
第一回「SAPの輪」

《演目・キャスト》
『天国泥棒』  朝井孝・長屋寿
『死を弄ぶ男二人』  岩山暁臣・納富英生
『人間狩り』   金城大和・栗山竜治・中谷佑一・山村哲也
『ガラスの動物園』  向井弘子・若菜大輔
『ヂアロオグ・プランタニエ』  加藤久美子・玉木由起子・長谷川直子・渡邉梓
『二十日鼠と人間』  石井勇揮・北田浩之
『星降る夜に出掛けよう』  上原響子・高橋健夫
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【日時】 3月24日(月)  18:45開場/19:00開演
【場所】 参宮橋レインボースタジオ
(小田急線参宮橋駅から徒歩4分 渋谷区代々木4-11-3 レインボーコート参宮橋地下1階)
 [MAP]→http://mrd.yahoo.jp/map/07yojz0zubpxon
◆入場無料 (席に限りがございますので、必ずご予約下さい。)
《お問合わせ》s-a-p@sakuranotayori.com
《SAPホームページURL》http://www.sakuranotayori.com

テーマ : 演劇
ジャンル : サブカル

居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第8回/中目黒・金曜日の杞憂

居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第8回    【地域別】 【時間順】 【がっかり集】



中目黒・金曜日の杞憂




 SAKURAと二人向かったのは、居酒屋ファンならば誰でもが知っている中目黒の有名店である。
 ある舞台関係の社長さんからその店を教えていただいたのは、もう十数年前であった。「店は小さいけれど、安くてうまい物を出す居酒屋がある。でも、いつも混んでいるので今日は入れるかどうか・・・」とおっしゃる。行ってみると、やはり満席で入れなかった。
 それを機に、中目黒での稽古帰りに数人で時々寄るようになった。お連れした俳優の皆さんやスタッフも喜んでくれた。裏通りの小さな店なので、ふりの客は少ない。ほとんどが常連客のようであった。それは、お店の方がほとんどのお客さんを名前や愛称で呼ぶのですぐに解った。これがこの店の客との距離感なのだなと思ったものである。それからずいぶんと時が流れた。


 ある金曜日の夜、今日も入れないことを覚悟しながらその店の前までやってきた。しかし、春の嵐とも言える大雨の日であり、すでに午後10時を過ぎているので、少しは空いているかもしれない。
 引き戸を開けてみる。だが、予想に反して、店内はほぼ満席の様子であった。
 普段は通路になっている場所に席を作ってくれ、やっと入ることが出来た。

 瓶ビール大瓶を頼み、のどを潤す。店は十数年前に比べて数倍に拡張されていた。その広い店内が客でいっぱいである。私の座らされた場所がちょうど要の位置なので、私の身体が人通りを止めてしまうのではと心配になる。帰る客がいる。どんどん入ってくる客もいる。すぐ近くのトイレの前に列ができた。とても午後十時過ぎとは思えない盛況ぶりである。
 店内は混乱していた。すでに、品切れとなっているツマミも多かった。ホッピーの氷無しを頼んだのに、氷入りで出てくる。しかし、特に怒ったつもりはないが、反応した私の声が大きかったのか、顔が恐かったのか、すぐに気がついて取り替えてくれた。

 次々に注文が飛び交う。店員が通りかかると、どんどん注文の声がかかる。すでにお客さんたちもずいぶんと酔っているので、自分の注文を通すことだけを考えている。大声で叫ぶ。店員と客のタイミングも合わない。まるで、アメリカのドラマ「ER」の手術シーンを見ているように言葉が飛び交うのである。実に落ち着かない。
 
 やがて、常連客らしい年輩の男性がやってきた。店の人がカウンターの左右の客に声をかけてづれてもらい、そこに椅子を持ってきて、やっと座ることが出来た。
 店内のほとんどが若い客である。女性比率も高い。男女の合同コンパのような雰囲気の団体もいる。会社帰りのサラリーマンらしき集団もいる。ほとんどがグループ客なのである。その中に大声で騒ぐ若い娘がいた。太く雑音の多い声質である。自分の声がどんなに他人にとって耳障りなのか解らないようである。周囲の客がその娘を見る。しかし、本人は気づかない。今時の言葉を使えば「KY=空気が読めない」なのである。こういう女性客はチェーン居酒屋でよく見かける。店の人は無視をしている。やはり、さりげなく注意をするべきである。

 そんな喧噪の中、ボトルキープされた焼酎を飲みながら、窮屈そうに一人座っている常連らしき男性客。昔はこの店の主役は、このような男性の独り客であったに違いない。何かが変わってしまった。
 SAKURAが「あの頃の常連さんは、ほとんどいないでしょうね」と言う。

 今や予約をしないと入れない店になってしまったそうである。30分ほどで外に出ることにした。お勘定をお願いする。価格は昔ほど安くはない。お通しの価格が高かった。

 店の外に出る。ホッとする。
 「金曜日に来たのが失敗だね」と私が言うと、
 「もう私はこの店に来ることはないと思う」とSAKURAが言った。
 もの皆、変わってゆくのである。

 今日の私の一言、「店にとって最大の見方も最大のも客である」

 (了)

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

西小山 やきとん道場・三鶴 第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第83回   2008年3月12日(水) 【地域別】  【時間順】


※2008年6月に近くの新店舗へ移転。


西小山 やきとん道場・三鶴  第2回

  西小山三鶴    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。


 今日は居酒屋の宝庫である武蔵小山の駅近くをしばらく歩いた。駅近くの有名なもつ焼き店はすでに満席で、カウンター席の背後、入口の左右に用意された6、7人分の待機用の席もほぼ満席であった。噂によれば、酒場でのマナーを知らない客がモツ焼きも食べずにおしゃべりをして長居するようなケースが多いらしい。このように背後で待たれた状態で長々と呑めるほど図太い神経を私はもたない。
 しばらく、武蔵小山周辺を歩いて様々な居酒屋を発見する。それから西小山駅を目指して歩くことにした。

 東急目黒線の地下化に伴い、沿線の駅とその周辺地域は様変わりしている。目黒駅から一つ目の駅、不動前駅はすでに工事を終えているが武蔵小山駅と西小山駅は駅前再開発工事がまだ続いている。武蔵小山駅には補助二十六号線から入ることの出来る大きなロータリーが出来る。同じように、次の西小山駅の東側も駅前ロータリーの工事中である。

 街を彷徨ううちに足が向いてしまったのは、西小山駅の西側の地域に残された古い店構えのもつ焼き店「やきとん道場・三鶴」であった。
 「やきとん道場・三鶴」を紹介した第1回の記事は昨年の11月である。駅の西側にあるはずの居酒屋「八十八」の赤提灯を駅の東側の地域で見つけ不審に思い、急いで店の場所を確認に行ってみると、その一角が大きな更地になっていた。再開発されてしまい、店が移転したのであった。

 その更地はさらに拡大していた。そして、その土地に面したT字路当たりに「やきとん道場・三鶴」がある。
 店を正面から見ると、左端と右端にそれぞれ入口がある。自転車を止め男性客が一人中に入って行くところだった。右側の入口から中をのぞくと、その男性客はコの字カウンターの右側に座っている。左側の「常連席」に、もう一人男性が座っているだけで他に客はいない。中に入り、カウンターの手前中央、焼き台近くに座る。
 武闘派系の雰囲気を漂わせるマスターが「何します?」と聞いてくれる。 「ホッピー」と即答する。この店では、ホッピー(400円)に「氷無し」などという無粋な言葉を付け加える必要がない。氷など最初から無いのである。ホッピーを作る様子を見ていると、焼酎の量は下から2番目の星印であり、濃いめである。
 ホッピーが出てきた。今日もうまい。一緒に「玉葱のしょうゆ漬け」が出てくる。それを楊枝を使って食べるのである。焼き物は「なんこつ、かしら」をお願いする。各1本110円を1本ずつ焼いてくれる。

 焼き物はじっくりと焼いてくれる。強い火力で一期に焼いて、焦がしてしまうようなことはない。ホッピーはすぐに無くなってしまい。空のホッピージョッキを前に考え事をしていると、マスターが「ホッピー?」と聞いてくれる。「お願いします」と答える。煮込み(300円)も注文する。
 
 しばらくすると、常連の皆さんが集まってきた。先ほどの方の隣に座り、会話が始まる。マスターが焼き代の焼き物を見ながら常連の皆さんと楽しそうに話している。
 さらに、御夫婦らしき若いカップルもやってきた。
 男性の方が「場所、決まった?」とマスターに聞いている。マスターがニコニコしながら、背後に貼られた紙を示して、「ここだよ」と言う。よく見ると、それは手書きの地図であった。
 地図は西小山駅周辺の略図であり、この店の場所に四角い印が書かれ、もう一つの「新店舗」と文字が添えられた四角には斜線が引かれている。
 地図には「四月下旬から五月」とある。移転の時期に違いない。

 やはり、居酒屋「八十八」に続き、この「三鶴」も移転することになったのである。この味わいのある店が無くなるのだ。予想はしていたがことの成り行きに少し驚いた。
 しかし、マスターも常連客の皆さんも元気である。私のように時々しかやってこない余所者が、勝手なノスタルジーで店が無くなることを悲しむのは、本当は間違っているのかもしれない。
 店を移転することへの様々な思いはあるに違いない。しかし、ここには生活がある。私たちに出来ることは、新しい店に期待することのみである。
 さきほどの御夫婦には子供が生まれるようである。奥さんがウーロン茶を飲んでいる理由が解った。子供が生まれる。そして、この店も移転をして新しく生まれ変わる。一つの時代が終わり、新しい時代がやってくる。

 約40分の滞在で1320円。味わい深い一時であった。


西小山三鶴看板

西小山「やきとん道場・三鶴(みつる)」
住所 東京都目黒区原町1-7-8
電話 03-3716-0008
定休日 日曜祝日休
営業時間 平日17:00~22:00
交通 東急目黒線西小山駅下車徒歩1分


※2008年6月に近くの新店舗へ移転。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第7回/池上線・またひとつ消える灯火

居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第7回    【地域別】 【時間順】 【がっかり集】



池上線・またひとつ消える灯火



 ある日の夕暮れ時、普段乗り降りをしない駅で降りてみることにした。実は、いつも電車の中から線路沿いにあるその店の赤提灯が気になっていたのである。
 赤提灯はかなり年季が入った物のようで、ずいぶんと傷んでおり、店の名前を示す文字もかすれて読みづらい。入口の引き戸もだいぶ傷んでいる。入口の上に「ホッピー」と書かれた小さな赤提灯がいくつか下げてある。

 多少の躊躇いを振り切って、引き戸に手を掛けた。あまり明るくない店内である。右手にカウンターがあり、6、7人が座れるようになっている。カウンターの中は調理場である。すぐ目の前の左手に四人掛けのテーブルが2つ。その奥に小上がりが2卓あり、さらに右手奥には座敷があるようだが、天井の電灯が消してあってよく見えない。
 一番手前の小上がり卓の一つが妙に散らかっている。ソース、しょうゆ、ドレッシングなどが乱雑にならび、時刻表やえんぴつ削り、雑誌、スポーツ新聞等が卓を埋めている。しかし、客が帰った後という訳ではない。その席にマスターらしき初老の方が座っており、タバコを吸いながらテレビを見ている。まるで万年床のように、いつもマスターが控えている場所に違いない。男所帯のアパートにおじゃました気分である。「いらっしゃい」と言いながら、弱々しげに微笑み、マスターが立ち上がる。
 カウンターには二人のお客さんが静かに座っていた。ビールなど飲みながら画面の乱れたアナログ放送を眺めている。

 ホッピーを注文する。後から「氷無しでお願いします」と言ったが、マスターの耳には届かなかったのか、サワーグラスに入って出てきたホッピーは氷入りであった。ホッピー原理主義はまったく通じないようである。突きだしはメカブである。
 マスターは実に丁寧に対応してくれる。しかし、どこか儚げな風情である。私は、ある情報からこの店があと数カ月で閉店であることを知っているのだ。古い雑居ビルの再開発による立ち退きである。もう何かを努力する必要はないのかもしれない。

 「厚揚げ」をお願いした。丁寧に焼かれた厚揚げは、食べやすい大きさに切ってあり、分葱のみじん切りがたくさん掛かっている。実においしかった。レモンサワーも頼んだ。
 マスターは、他のお客さんに何か料理を出す度に、「味つけは辛くありませんか」等と聞いている。とても優しい。しかし、声に力がない。何かが終わっているのだろう。
 マスターは料理を出すと、再びさきほどの定位置に座ってタバコを吸い始めた。

 男が四人。みんなで黙ってテレビを見ている。NHKのニュースである。今日の相撲の結果をニュースが伝える。マスターが相撲の話題をお客さんたちに持ちかける。私も少し言葉を返した。一人の男性客が帰ってゆく。また静かになった。

 やがて、テレビでは独り暮らしの高齢者を扱った番組が始まった。今、独り暮らしに関する本が売れているという。
 マスターとお客さんと私の三人でじっとテレビを見る。さらに静かな時間が流れていった。「子供と同居したいか」という親世代に対するアンケートの答えが示される。1995年は60.9バーセント 。2006年は40.1パーセントであるという

 四十分ほどの時間が過ぎた。お勘定をお願いする。紙に数字を書いてくれた。その数字が1380円に見えた。他の客に金額が解らないようにという心遣いであろうか。小銭を用意して、1380円をテーブルに並べた。すると「1300円です」と言う。「字が汚くてすいませんね」と微笑むマスター。私も微笑み返した。

 今回の「がっかり録」は、この店そのものにがっかりしたから書いたのではない。この人がやっているこの店があと数カ月で消えることに、とてもがっかりしたから書くことにしたのである。

 帰り道、家の近くの書店で〈ヴィレッジブックス刊 リディア・フレム/著 友重山桃/訳「親の家を片づけながら」(1260円)〉という本を見つけ、購入した。

「親の家を片づけながら」

書籍紹介には次のように書かれていた。
 「父亡きあと、ひとり暮らしをしていた母が逝った。ひとり娘の私に残されたのは、両親の思い出に満ちたこの一軒の家だ。私は途方に暮れた。あまりにも多くの「物」が、ここにはある。今までは触ることすら禁じられていた両親の大切な私信や思い出の品々。しかたなく片づけるうち、やがて姿を現したのは、まったく知らなかった両親の素顔と、ふたりが生涯抱えていた深い心の傷だった―。」

 古い酒場の灯火が消える時、私たちの中の何かも、またひとつ消えてゆくのである。

 (了)

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都立大学 居酒屋「安兵衛」

居酒屋探偵DAITENの生活 第82回   2008年3月9日(日) 【地域別】  【時間順】



都立大学 安兵衛

  都立大学「安兵衛」看板


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 この「居酒屋探偵DAITENの生活」も本稿で第八十二回である。大規模チェーン系居酒屋は紹介しない、居酒屋としての機能も兼ね備えた一部の中華料理店等を除いて「古典酒場」以外は紹介しない、きれいでしゃれた店も紹介しない、少ない小遣いの中からサラリーマンや学生、できれば俳優やミュージシャンなどを目指す若者たちが飲み代を出せるような店のみ紹介したい、という風に「採用基準」を作ってしまっている。ゆえに、なかなか紹介できる店が増えないのである。入ってみたが紹介しなかった店もとても多い。そんな中、今回でやっと店の数も九十九軒となった。そんなたくさんの店と比べても本当に珍しい一軒を今回は紹介する。

 本日もMIプロジェクトの稽古場帰りである。演出のSAKURA、演出助手の創間元哉君と3人で打ち合わせである。打ち合わせ場所が決まったら連絡することにして、ちょっとした手続業務に行く創間君と都立大学の駅前で別れた。
 都立大学の改札を出て左、東横線のガード沿いを自由が丘方面に戻る。呑川緑道をまたぐと、いつも行く台湾料理の店「味中味屋台」が右手に見える。本日はその前を通過、少し歩いてみる。すぐそこに鰻屋さんの看板が見えた。そのあたりに居酒屋さんがあるはずなのだが見あたらない。ふと、足元を見ると、電信柱の脇に電気の消えたアクリル製の看板がある。
 「安兵衛」と書かれている。その電信柱の裏の位置に木の古びた看板を発見。看板には、右肩に「おにぎり、お茶漬け、やきとり」と書かれ、上に「のんべい」、真ん中に大きく「安兵衛」と書かれている。一瞬、安兵衛を「のんべい」と読ませる為のルビではないかとも思う。大きく矢印が書かれ、「この奥」と書いてある。営業時間のところには、「よる~あさ」と書いてある。夕方から深夜早朝までやっているという意味だろうか。

 「この奥」と書かれた矢印の示す通りに見る。雑草が生えた建物と建物の間の隙間である。路地というよりも隙間というのが正しいのである。夕暮れ時、あたりは薄暗い。生ビールの立て看板があった。店の看板は無いので、この立て看板がなければ、古い普通の家の勝手口にしか見えない。
 入口にはセルロイドをはさみで切ったような暖簾のようなものが掛かっている。雨よけに下げてあるのだろうか。「勝手口」の明かり取りには曇りガラスがはめ込んであり、中から灯りがもれている。思い切って扉を開いてみた。

 「あの今日はお休みですか?」と言いながら中を覗く。女将さんらしき人が一人、中にいらっしゃる。
 「入ってもいいですか?」
 「どうぞ」
 「日曜日は休みじゃないんですか?」
 「日曜は休みなんですけど・・・知り合いの人が来るんで・・・」
 緩い会話が続く。外に書いてあるように、営業時間は「夜から朝」。定休日も不定休。女将さんがお店にいて、どうぞと言ってくれれば営業日であるということだろうか。

 SAKURAも私も荷物が多い、鞄やビデオの機材などを持って入ってきたのを見て、女将さんが親切に荷物を置く場所を作ってくれる。
 こちらの店はカウンター席だけである。「L字」というよりも、「くの字」のカウンターだ。カウンターの中が調理場である。カウンター席の背後には焼酎の一升瓶が並んでおり、キープボトルなのかそれぞれに名前が書いてある。棚の上には阪神タイガースの旗が貼ってあった。自由が丘の駅近くにもそういう店があるが、ここも熱烈なタイガースファンの店のようである。常連の集まる小さな居酒屋で「政治、宗教、野球」の話は禁物であると言われる。ここでも野球の話はやめておいた方がいいと思う。

 SAKURAはお湯割りである。「芋はありますか?」と聞くと、「麦しかないんですよ」と、女将さんはすまなそうである。「それでいいですよ」と答えるSAKURA。
 私が「レモンサワーありますか?」と聞くと、「レモンサワーって・・・」と考えてしまう。それから、私たちの背後の棚を眺め、炭酸の瓶を一本発見。「これ一本しかないんですよ、買ってこなかったから・・・焼酎をこれで割って、レモン入れた奴でいいですよね」とおっしゃる。つまり業務用の「ハイサワー」で焼酎を割ったものはないと気にされているのに違いない。「それで十分ですよ」と答える。サワーを作る途中、レモンを1個見せながら「レモンの輪切り入れます?」と聞いてくれる。「切るのがたいへんだからいいですよ」と言うと、「入れた方がいいですよ、せっかくだから」とおっしゃる。「お願いします」と答える私。出来上がったのは「分厚いレモン輪切り入りの酎ハイ」である。なんだか、楽しくなってくる。

 SAKURAのお湯割りと、分厚いレモン輪切り入りの酎ハイで乾杯をする。酎ハイが濃い。「混ざっていないのかな?」と思い、割り箸で混ぜてみたが濃いままであった。本当に濃いのである。サワーグラスの半分は焼酎が入っているようである。

 「突きだし」は、小さく切った豆腐の煮付けである。壁に小さなホワイトボードがかかっている。そこに今日の出来るものが8種類ほど書いてある。値段は書いていない。実際には、出来るものが書いてあるのではなく、出来る可能性のあるものが書いてあるのである。焼き魚の中からSAKURAが「あじ」を注文する。「あじ」はちゃんとあったのである。

 後から来る創間君に、店の場所が解るかどうか二人で心配する。電話が掛かってきたら、私が迎えにゆくことにした。
 しばらくして、常連客の方が入ってきた。壁に並ぶ焼酎の一升瓶の中から自分がキープしているものをサッと選び、カウンターの上に置く、女将さんが氷の入ったサワーグラスと緑茶の2リットル入りのペットボトルを渡す。なんの躊躇いもない、スムースな動きである。その常連の方は「とんそく」を頼んだ。気になっていた品物である。

 SAKURAに北海道の演劇関係の方から「携帯電話」に連絡が入り、SAKURAは外に出ていった。もちろん、周囲に迷惑をかけないようにする為であるが、電波の状態もあまり良くないので、外の通りまで出なくてはいけないのである。
 常連の方のところに「とんそく」がやってきた。大きな豚足が大皿の上にごろごろとのっている。凄いボリュームである。常連の方は器用にしゃぶりついている。
 一人取り残された私は、テレビを見ながら女将さんや常連の方の会話に少しだけ参加させていただく。

 10分ほどして、SAKURAが創間君と一緒に戻ってきた。創間君が携帯電話を掛けているSAKURAを発見したのだという。店の場所を教える手間が省けたのである。
 創間君は生ビールを頼んだ。あじがやってくる。ホワイトボードに書いてある「めかぶ」を頼むと、女将さんが冷蔵庫を見て、「あっ、買ってきてなかったわ、もずくならありますけど」とおっしゃる。そこで「もずく」をお願いした。

 「これお願いします」と、チューハイのグラスを持ち上げて、二杯目を頼んだ。「レモンもったいないからこのままでいいですよ」と言うと、「せっかくだから・・・」と新しいレモンの輪切りと取り替えてくれた。
 もう一人、常連客の方が入ってきた。前の方と同じように、焼酎の一升瓶を棚から取り、サッと出されたサワーグラスに焼酎を入れ、ペットボトルから緑茶を注いで飲み始める。

 ホワイトボードの中から「ウインナ串」を頼む。「何本焼きますか」と言う。「一串がウインナソーセージ四本刺してあるんですけど」と見せてくれる。3人であるので、割り切れる本数にして出してくれた。細かい気配りがうれしい。近所のお宅に勝手口から入り、台所で一杯飲ませてもらっている気分である。
 お一人目の常連の方が帰られた。潔く適量を飲んで帰られたようである。私たちのように色々な店を歩く「遊牧民のような客」よりも、毎日のようにやってきてサッと飲んで帰ってくれる常連の方々が居酒屋さんにとって一番貴重なお客様であるに違いない。
 創間君は2杯目の生ビールである。私とSAKURAは日本酒の熱燗である。

 そろそろ帰ろうとトイレに立つ。すると、女将さんの指示で、お二人目のお客さんが立ち上がり、トイレに入ってハイタンクの水を一度流してくれる。「古いトイレなんで、一回目はこうしないと駄目なのよ」と女将さん。意味が解らないまま、お礼を言って中に入ると、木製のタンクが高い位置にあり、鎖のついたレバーを引いて水を流すようになっていた。
 約1時間30分の滞在。お勘定の明細は不明、3名で合計4,450円であった。
 女将さんと常連のお客さんにお礼を言って外にでる。狭い路地を一列になって歩いて行く。道路に出たところで、他に用事のある創間君と別れ、都立大学駅に向かった。

 この後、前述のトイレに関するやりとりについて、住宅設備機器のプロの方に聞いてみたところ、古いハイタンクの場合、中の「ボールタップ」がうまく戻らない時があり、水が入っていない時があるとのことであった。この事情を解らない新参者の私がタンクに水が入っていないことに気づかず、トイレを済ませてしまい、流れずに狼狽えるようなことがないよう、先に流してチェックしてくれたのである。常連の方は水がタンクに入っていなければ、皆さん、それなりに対応出来るのであろう。

 常連の皆さんがあるルールの元に居心地よく過ごしている店に、事情を知らない新参者が入ってゆく時は、それなりの覚悟が必要であることを改めて思い知らされた。この場所で20年以上も営業をされているという。
 最近よくある意図的なコンセプトで「入りにくくしてある」ような店ではない、長い年月を越えても今なおこの形なのである。本当に常連の皆さんの店であることが再確認した。良い店である。しかし、努々覚悟無しに御来店の無きよう。



都立大学「安兵衛」看板

都立大学 居酒屋「安兵衛」
住所 東京都目黒区中根1丁目6-10
電話 03-3724-9705
定休日 日曜日(女将さんの許可で変動)
営業時間 よる~あさ(看板にこのように表記)




ホッピー原理主義者とは?
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日ノ出町 大衆酒場「お秀」

居酒屋探偵DAITENの生活 第81回   2008年3月6日(木)【地域別】  【時間順】



日ノ出町 大衆酒場「お秀」

  日ノ出町お秀外観

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 yousaku氏と二人、「第一亭」を出た後に向かったのは、すぐそばの大衆酒場「お秀」である。お秀の場所は日ノ出町駅からすぐ目の前の大きなX型交差点、日ノ出町一丁目交差点を西側から東側に渡ってすぐの一画にある。交差点を渡り、桜木町や野毛方面に向かって歩き出し、最初の路地を右に入ってすぐ「大衆酒場お秀」と書かれた看板を発見できる。

 店の前までゆくと、「準備中」の小さな札がかかっている。しかし、中からは人の声がたくさん聞こえてくる。誰かのいたずらか、ただ単にお店の方が忘れたのか、すぐに表に返して中に入った。ちゃんと営業をしている。
 左手には、5、6人が座れるカウンター、中は調理場になっている。右手には4人掛けのテーブルが3つ。カウンター席に2人分の席が空いていた。右手奥の4人席もあいていたが、この店は繁盛店であり混むことも多いので、おとなしくカウンター席に座ることにした。カウンターの中では、年配の女性が料理をしている。厨房と客席を二人の女性が行き来して活発に立ち働く。
 
 すでに生ビールを飲んでいるので、お酒にする。お酒を飲みたいと言うと、肌の色つやの良い女性が微笑みながら、「あまり種類はないんですが・・・」と言い、7種類ほど書かれた今日の酒のメニューを持ってきてくれる。
 そして、三つのくぼみのある皿のくぼみに一点づつのつまみが乗った「突き出し」が厨房の中から出される。まさに語源通り突き出されたのである。笑顔とやさしい言葉付の実に上品な「突き出し」であった。
 こちらの「お秀」の良い点は、グラス一杯480円という安い価格で良い酒を色々と飲めることだろう。開運無濾過純米(480円)を2杯注文する。受け皿の上にグラスが置かれ、一升瓶のラベルを見せてくれた後、お酒が静かに注がれる。純米酒はうまい、やはり自分の身体には純米酒が合うとつくづくと思う。
 
 左耳でyousaku氏の話を聞きながら、右耳では周囲の方々の話を聞いている。右隣は、帽子をかぶりサングラスをして、派手なジャケットを着た男性客である。髪は白髪であるのだが声は若い。年齢不詳である。静かにキープされた焼酎を飲んでいる。品の良い話ぶりで競馬の話をされる。「当たり馬券についてママに見識を伺いたい」などとおっしゃる。面白い。背後には外国人の男性客二人が座っている。ママと呼ばれた女性と、流ちょうな日本語で他のお客さんの噂などしている。
 次々に入ってくるお客さんたちも何となく品がある。「大衆酒場」という看板、日ノ出町という場所柄、そのイメージとはまったく違う雰囲気の客筋であった。

 2杯目は、にごり系の酒が呑みたくなった。
 実は、先日、川崎の地酒専門店「地酒や たけくま酒店」さんで、高知の濱乃鶴酒造の酒「美丈夫 吟醸 うすにごり(微発砲)」を購入、SAKURA、俳優であり、SAKURAの演出助手である創間元哉、私の母である可久鼓桃と4人で一緒に呑んだのである。その酒のうまさには本当に感動した。
 日本人は祝宴で、西洋のシャンパンなど呑まず、「美丈夫 吟醸 うすにごり(微発砲)」のような酒を呑めば良いのではないだろうかと思う。そのように華やかな酒であった。

 2杯目に選んだのは、秋田の沼舘酒造のたてのい純米おりからみ(480円)である。
 「うすにごり」「おりがらみ」系の酒を呑むと、横浜市の保土ヶ谷に住んでいた頃に開いた花見の宴を思い出す。我が家の前の坂に咲く桜の花にライトアップをして、YOUSAKU氏をはじめ、多くの皆さんと夜桜を楽しんだのである。その時、地元の酒店の店主であり、ビデオ制作会社社長のH氏が福島の酒「自然郷うすにごり」を持ってきてくれた。他にもうまい酒を皆さんが持ち寄ってくださり、ほんとうに楽しい宴となった。

 ぶり照り焼き(520円)を注文する。もつ煮(380円)もお願いしたが品切れであった。残念である。やがてやって来た「ぶり照り焼き」は、柔らかくとてもおいしかった。御飯が欲しいと思った。御飯が食べたくなる肴は、純米酒に合うという。それが真実であることを確認する。

 お勘定をお願いすると、「以前にお会いしたことありますよね」と女性に言われた。私はよく「前に会ったことがありますよね」と言われる。「誰かに似ていると良く言われるんです」と言って外に出た。以前から来てみたいと思っていた店は、やはり良い店であった。YOUSAKU氏もお気に召したようである。
 午後8時から9時までの約1時間の滞在。二人で3,820円であった。

 ※この後、大岡川を渡り、長者町まで行き、濱也耕誠氏あるお店で待ち合わせをした。yousaku氏と三人で楽しい時を過ごした。なかなかに特徴的な美点もあり、素晴らしいことに完全禁煙で、食べるものもおいしく良い店ではあった。しかし、〈大衆酒場〉を紹介することを目的としているこのブログ「居酒屋探偵DAITENの生活」で紹介するには、やはり高級店に入る店であり、今回は紹介はしなかった。


日ノ出町お秀看板

日ノ出町 大衆酒場「お秀」
住所 神奈川県横浜市中区日の出町1-15
電話 045-231-4541
定休日 土日祝日
営業時間 18:00~24:00
交通 京浜急行日ノ出町駅より徒歩2分
http://plaza.rakuten.co.jp/nogeohide/



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日ノ出町 中華料理「第一亭」

居酒屋探偵DAITENの生活 第80回   2008年3月6日(木) 【地域別】  【時間順】



日ノ出町 中華料理「第一亭」

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 本日、訪問する街は横浜の京浜急行線日ノ出町付近である。この京浜急行線の日ノ出町駅とJR根岸線桜木町駅の間の地域は、古い居酒屋やバーなどが残る歓楽街である。古典酒場の街の代名詞である「野毛」もこの地域の中に入る。

 今日は親しくおつきあいさせていただいている横浜の先輩お二人との飲み会。まずは、午後7時30分にYOUSAKU氏と待ち合わせである。そして、もう一人の先輩濱也耕誠氏とは後ほど合流することになっている。
 時間より30分以上早く到着してしまった為、周辺を散策することにした。日ノ出町駅前にはX型に交わる日ノ出町一丁目という交差点がある。その交差点に面した西側にやきとりの名店がある。しかし、ここは、お店側の指定した順番でやきとりが出てくるのを待たなければならない。複数の店を廻りたい時や時間に余裕がない時は入ることができない。

 本日の候補店を数軒回ってみた。そのうちの一軒の前で携帯カメラを構えて撮影を済ませ、振り返ったところで女性連れの強面の男性と目が合ってしまった。こちらはグレーのハンチングをかぶり、長いコートを着て、マスクにメガネの怪しい姿である。そんな奴が店の外観を撮影しているのだ。「こいつ興信所か? それとも地上げ屋か?」という言葉が顔に書いてあるような気がする。足早に立ち去り振り返ると、やはりその男女はそのお店に入っていった。「今、おたくの店の写真撮ってる変な奴がいたよ」等と今頃言っているかもしれない。今日のところは、この店は避けることにしよう。私はせっかく楽しんでいるお客さんの邪魔をしたくないので、居酒屋の店内は絶対に撮影しない主義であるが、たとえ店の外観を撮影する時にも通行人のいない瞬間を狙って撮影することにしている。自分がされて楽しくないことは人に対してもしないことにしているのだ。本日は失敗であった。反省をする。

 約束の5分前になってしまった。急いで日ノ出町駅に戻ると、YOUSAKU氏が待っていてくれた。腹が空いたのでちゃんと食べたいとのこと。そこで、日ノ出町一丁目のX型交差点の東側に位置する「第一亭」を提案する。すると、YOUSAKU氏が「その店は何度か来たことがあるよ」と言う。これで話は早くなる。
 交差点を渡り、東側に歩くとすぐに大岡川が流れている。目の前は長者橋だ。交差点から二本目、長者橋沿いの道より一本手前の路地を入ると、すぐ右手に「第一亭」がある。

 中に入ると左手に10人ほどが座れるL字カウンター。カウンターの中は調理場である。右手は二人掛け1つ、四人掛け2つのテーブルがあり、奥は広い小上がり席が四卓。一番奥には大きめの窓があり、外は大岡川に面した細い道で、川の向こうの灯りが見える。
 まずは、キリン一番搾り生ビール中(650円)を2杯注文する。ビールがスーパードライではないのでホッとする。うまい。
 つまみは、ホルモン炒め(600円)、青菜炒め(500円)、餃子(500円)の三点をお願いする。さすが中華料理の炒めものは早い。数分で三点がそろった。青菜炒めは塩味が少しきついがビールがすすむ味である。餃子もおいしい。しかし、なによりもこの店はモツの炒めものが有名な店である。このホルモンのプリプリとした食感が良い。
 他にも、様々な部位のモツの炒めものがあり、豚足、豚耳も置いている。そして、「有名な裏メニュー」という自己矛盾した言葉で表現される「バタン」という茹でた太麺にニンニクをまぶした「メニュー」があるが、明日も仕事なのでこれ以上ニンニクを摂取するのは控えることにした。

 最近、YOUSAKU氏もBSデジタル放送のBS-Iが放送している「吉田類の酒場放浪記」にはまってしまい、毎日必ず見ているのだそうである。この番組はハードディスク・ビデオで録画して私もよく見る。「古典酒場」ファンがまた一人増えてしまったことになる。今後、横浜の古典酒場探検のパートナーはYOUSAKU氏になりそうである。

 さて、空腹もおさまったところで、次の店に移動することにする。午後7時35分から午後7時55分までの滞在時間はわずか20分。お勘定は二人で2,900円であった。



日ノ出町 中華料理「第一亭」
住所 神奈川県横浜市中区日の出町1-20
電話 045-231-6137
定休日 火曜日
営業時間 11:00~24:00
交通 京浜急行日ノ出町駅より徒歩2分


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居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第6回/下町・名居酒屋の街の「一期一会」の店

居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第6回   【地域別】 【時間順】 【がっかり集】



下町・名居酒屋の街の「一期一会」の店



 ある芝居を東京の下町の小さなホールで見た帰りのことである。芝居そのものはとても質の高いものであり、SAKURAと二人上機嫌で外に出た。
 その街の名前を聞いただけで、居酒屋ファンならば「店選びが楽しくてしょうがない」という気分になるような街が周囲にたくさんある地域である。私は色々と情報を得て、行く店もある程度決めていた。しかし、SAKURAは早く呑みたいと言う。そのホールから2ブロックほど歩いたところで、名店にたどり着く計画はすぐに消えてしまった。

 すぐ目の前にある割烹料理の店をSAKURAが指さす。「居酒屋探偵」にとって、良い居酒屋を探すことは「狩猟」に近い。「狩猟」の楽しみを知らない人に、それを理解してもらうのは、なかなかに難しい。寒い冬の山道を獲物求めて延々と歩くハンターの気持ちは、ハンティングをしない人には解らないのと同じである。

 その店の外観を見ると、いわゆる魚に力を入れている割烹料理の店に見える。それほど古くもなく小綺麗な雰囲気である。しかし、外に「本日のおすすめ」の板も出ていない。値段も書いていない。少しだけ嫌な予感がした。その予感をうち消し、「刺身でも少し食べてすぐ外に出よう」と思いながら、店に入ることにした。

 入ると左手には7、8人が座れる白木のカウンターがある。カウンターの上の段に大皿がいくつか並び煮物らしき物が盛られている。右手は小上がりである。四人席が二つ、奥の方は少し広くなっており、六人程度が座れる席になっている。

 カウンター席の入口近くに七十歳くらいの御老人。その隣に連れらしき年輩の女性が座っている。少し奥のカウンターには、やはりお年寄りのご夫婦。その向こうに、ちょっと品の良いお婆様が一人座っている。カウンターの中にはエプロンをかけた女性が一人。その女性が「いらっしゃい」と言う。すると、入口近くの御老人の連れの女性が立ち上がる。よく見るとエプロンをしている。「この人も店の人なのか」と思う。店のどこにも白衣を着た板前さんの姿はない。

 瓶ビールを頼み、さっそく乾杯をした後、メニューを眺める。刺身類を頼もうとしたが無い。メニューに書いてある煮物を頼む、すると、「煮物は盛り合わせ出来ます、その方がお得ですよ」と言われる。「郷にいらば郷に従え」のたとえもある。その通りにした。

 さきほどのカウンター上の大皿から大きめの皿に煮物を取り、すぐに持ってきてくれた。甘辛い味付けである。ビールを飲みながら先ほどの芝居の話などする。周囲の皆さんを観察すると、異様に平均年齢の高い店内であるのに、全員がずいぶんと酔っている。
 入口の御老人が楽しそうに話している。身内だったら、「もう止めておいた方が身体によいですよ」と忠告したくなるような酩酊状態である。エプロン姿の年輩の女性がずっとその隣で話を聞いてあげている。二人の身体は妙に密着している。その様子を見て、SAKURAが「お酒以外のサービスもあるのね」と小声で言う。
 老人は「酒もう一本」と言う。「飲み過ぎよ」と言いながらも、300ミリリットル入りのいわゆる「生酒」の瓶をすぐに持ってくる。「もっと小さい方が良いのでは」と心配してしまう。

 店に入ってから私たち以外のお客さんがつまみを頼む様子を見ていない。酒だけはどんどん注文される。この店は、御老人たちの社交の場なのである。お年寄りなので、つまみは煮物程度で十分に違いない。
 「こういう店もあるのか・・・」と改めて思った。店の造りを見ながら勝手な想像を巡らせる。あのカウンターの中の女将さんの御主人が腕のいい板前で、数年前まではこの店もちゃんとした割烹料理店として営業していた。しかし、ギャンブルと酒が好きな御主人は、身体を壊してしまい、六十歳の若さで他界。跡取りもいない中、やはり早く夫を失い未亡人となっている妹と二人、生きる為に店を続けることにする。人情のある下町である。同情した周囲の人々が集まり、営業を続けることが出来た。時は流れ、まるで公共施設としてよくある「老人憩いの家」のような店が出来上がった・・・。誠に失礼極まりない勝手な想像ではあるが、当たらずとも遠からずではないだろうか。

 お勘定をお願いする。安くはない。高くもない。忘れてしまう程の金額である。店の外までエプロン姿で見送ってくれた。明るく元気である。まさに「一期一会の店」である。ゆえに、もう来ることはないに違いない。名居酒屋の街だからといって、すべてがそうであるというはずもない。「未亡人たち」の幸せを祈って夜の街を歩く。もう一軒店を探すには時間も遅く、帰り道も遠い。急いで地下鉄の駅を目指す二人であった。

 (了)

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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新岳大典作小説リンク
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