川崎 立ち飲み「天下」新店舗 第3回

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第498回 2012年11月24日(土) 【地域別】  【時間順】  【がっかり集】


※2012年12月6日 1,070,000カウント通過。感謝!

※第500回まであと2回

川崎 立ち飲み「天下」 新店舗 第3回


  川崎立ち飲み「天下」

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 川崎駅西口に久しぶりに行った。

 生まれ故郷である。
 生まれた場所に・・・また、立ってみた。
 すぐそばの床屋さんに入った。

 思い出す。

 小学校に入ってすぐ、床屋さんに行きたいと騒いでいるうちに、我が家の梯子のような急な階段から落ちた。
 下で待っていたのはコンクリートの床。
 何故か救急車が出動されず、パトカーで病院に運ばれた。
 頭蓋骨にヒビが入っていた。

 死にかけた。

 「動けば死ぬ」と言われ、動かずに我慢をした。

 おかげ様で、今、生きている。死にかけた場所の近くに立っている。
   


 私の生まれた川崎駅西口側と東口側をつなぐ自由通路のうち、駅の西側にある歩道橋を使って、西口側から東口側に行こうとした。
 ふと、歩道橋の上から下を見ると、取り壊し中の建物が見えた。

 川崎駅西口駅前廃墟

 JR東日本の「旧変電所」だった。私が子供の頃からあったはずの建物である。
 解体されつつあるその建物は、私にはあまりにも無惨で悲しい姿に見えた。

 
 急いで、歩道橋を渡り、JR川崎駅東口側に渡った。駅前では、若い男性ばかりのグループがダンスを踊りながら歌っていた。
 ますます、いたたまれなくなり、急いでその前を通り過ぎ、馴染みの立ち飲み店を目指した。
 JR川崎駅東口前から京急川崎駅前を通り過ぎ、砂子一丁目の交差点を過ぎて、次の十字路で左に曲がった。
 次のT字路、その先の十字路と過ぎて、次の十字路の方に向かうと、手前右手にいつもの店がある。

 立ち飲み「天下」である。

 店内に入る。左手のL字カウンター。その左端に先客の方が一人立つ。その先に二人。右手の壁際に入口近くから奥にかけてあるカウンターの側にも男性が二人立っている。
 全員が店の奥を向いて立っているのは、このお店の特徴である。皆さん、一番奥の高い位置のテレビを見ているのだった。

 入ってすぐ、マスターが私に気づいてくれる。
 
 「まいど、どうも、いらっしゃいませ」という笑顔のマスターの声が響く、わずかに先客の皆さんがこちらを見る。

 財布の中から千円札を出して手に持つ。こちらは品物とお金を交換する販売形態である。
 最初に頼んだのは、中生ビール(380円)である。
 ところがちょうどビールが終わってしまった、マスターがタンクを付け替える。

 「すいません」と何度も言いながら、マスターが生ビールを注ぎ、手渡してくれた。
  あい変わらず律儀なマスターである。
 同時に、ポテトサラダ(240円)も頼む。

 店の奥の液晶テレビでは、競馬中継である。
 後で調べてみると、テレビ東京「ウイニング競馬」のようである。
 私の並びに立つ男性客はラジオのイヤホンを耳に入れ、テレビの画面を見ながら、時折、手に持っている競馬新聞に目を通されている。
 1レースが終わった。すると、一人の方が帰られた。

 店内は静かである。競馬放送を見ているのに誰も騒ぐことはない。
 駅の向こうのラゾーナ川崎の喧騒が嘘のようである。

 壁に貼ってある休みや営業時間の紙を見ると、定休日祭日のみになっていた。日曜日に営業してくれるのはうれしい。

 御高齢の男性、中高年のカップルが入ってこられる。

 2杯目は、チューハイ(300円)。
 つまみは、衣かつぎ(240円)。
 大ぶりの衣かつぎが四個、店内に入ってすぐに目をつけていたものである。

 ポテトサラダ、衣かつぎ・・・考えてみれば芋類ばかり食べている自分がいる。
 午後4時、次のレースが始まった。アナウンサーの声が店内に響く。しかし、静かである。

 ここで、女将さんが登場された。

 お店を出る人がいると、律儀にマスターが送ってくださる。
 
 「いつもすいません、ありがとうございます」

 と、言われ、外に出た。

 店の並びに、前回は建設中だった建物が出来ていた。川崎市の駐輪場があった。

 その前に立ててある「登り」の文字が駐輪場ではなく、競輪場に見えた。

 午後3時20分から午後4時まで40分の滞在。支払ったのは1160円。安い。


 床屋さんに行きたいと騒いでいるうちに、我が家の階段下で死にかけた。
 床屋さんの漫画が読みたかったのだ。
 そのことを噂で聞いた床屋さんの御主人が漫画をたくさんくれた。

 しばらくすると、何故か漫画が嫌いになり、小説ばかり読む子供になっていた。
 

 (了)


 


川崎 立ち飲み「天下」 新店舗
住所 神奈川県川崎市川崎区宮本町2-4
電話 ?
定休日 祝日
営業時間 平日14:00~22:00 土曜14:00~21:00
交通 京浜急行京急川崎駅徒歩5分・JR川崎駅徒歩8分



ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
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鹿島田 居酒屋「すずかづ」第2回

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第497回 2012年11月2日(金)  【地域別】  【時間順】  【がっかり集】




※2012年11月15日 1,060,000カウント通過。感謝!

鹿島田 居酒屋「すずかづ」 第2回

 ~ 何も知らずその名物料理を頼んでしまい絶句する人々 ~

 鹿島田すづかず

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 久しぶりにRAM元帥と会うことになって、待ち合わせをしたのは南武線鹿島田駅である。
 すでにお店は決まっていたので、そのまま直行。後からメールでやりとりしながらRAM元帥の飲み友達のTT女史も合流することになった。
 電話で話した時、RAM元帥もそのお店なら知っていると言っていた。解りにくい場所のお店なのに、よく知っているなと感心する。

 鹿島田駅の東側に出ると、左手、南武線と踏切と交叉する道の向側に、「ルリエ新川崎」という神奈川県住宅供給公社の建物が見える。3階から上は住宅となっており、1階はスーパーマルエツが入っていて、2階及び1階の一部に飲食店が入っている。

 駅から建物の東側に回り込んでみると、その一画に地下へ降りる小さな階段がある。向き合うように二つある狭い階段のどちらかを降りてゆくと2軒の店が並んでいる。その一番左側のガラス扉の中が今日の目的の店、居酒屋「すずかづ」である。前は鉄の扉だったものが改装されて中の見えるガラス扉になっていた。

 店の入口に立ち、RAM元帥は自分の記憶が間違っていたという。隣のお店と勘違いしていたそうであった。
 居酒屋「すずかづ」は、その料理のボリュームで、南武線沿線で知られた店である。私はRAM元帥の驚く顔が見たかったのだ。

 こちらのお店を初めて紹介したのは、2011年6月19日第432回である。

 その時も盛況であったけれど、今日も店内は満席のようであった。入って左手のカウンター席、その奥の靴を脱いで上がるようになっているフローリングの座敷席もいっぱいであった。ただ、一番奥の右手の四人席だけが奇跡的に空いていたのである。

 店の真ん中に立つ名物マスターに「どうぞ~」と言われ、席に座る。

 まずは、瓶ビール大瓶(530円)を頼む。ママさんが瓶ビールを無造作に置いてゆく。お通しは枝豆である。

 刺身メニューの中からマグロコハダ(550円)を選び、煮込み(350円)、はらす焼き(350円)、ナス焼(300円)と一期に頼む。煮込み好きのRAM元帥の要望により、煮込みは二つ頼んだ。

 瓶ビールで乾杯。それぞれに忙しすぎる二人の友人同士が久しぶりに会って乾杯が出来た。
 うまい。至福の時である。

 店内は、盛り上がっていた。男性、女性、壮年、中年、青年。家族連れ。年代も様々である。
 煮込みはどんぶり一杯の量。RAM元帥は美味しそうに食べている。
 マグロコハダがやってくる。赤身のマグロは巨大であった。切り身の大きさが違う。
 刺身を箸で持ち上げて、重いと思ったのは初めてであった。

 隣は中高年の男性客四人組。どうやら、名物のあの料理を頼んでしまったようである。
 私は遠くであの料理が調理場を出てくる様子を見て一人笑う。

 運ばれてくる。

 60代の皆さんであろうか。その四人の真ん中に、あの料理が置かれる。
 その料理の姿を見て、若い人たちなら驚愕の叫びになるのであろうが・・・その方々は絶句してしまっていた。
 それは、巨大なメンチカツであった。すごい。本当に凄い大きさであった。
 まさに、フライパンの丸い部分の大きさそのままである。
 
 そこへRAM元帥の飲み友達のTT女史が登場。
 乾杯をしてから隣のテーブルに置かれたままのメンチカツを指さす。

 「なんですか? あれは・・・」
 「メンチかつ」
 「すんごーい」

 ビールの後の飲物は、男性2人はウーロンサワー(300円)、TT女史カルピスサワー(300円)である。
 このサワーの焼酎が濃いのである。しかもジョッキ。値段は300円。驚愕である。一緒についてきたアイスペールから氷をどんどん入れて混ぜて薄める。濃すぎて飲めないからである。

 次に頼んだのは、ハムやさい(400円)、アジフライ(400円)、大きなハムが野菜の上に盛りつけてある。
 出てきたアジフライは、なんと8匹。たべやすくカットしてある。

 この後、私は牛乳サワー(300円)を飲んでみた。焼酎が濃いので胃のことを考えて牛乳サワーにしたのだけれど、やはり焼酎は濃い。
 この後、「濃い濃い」と文句を言いながらウーロンサワーを二人とも頼んでしまった。

 マスターがアイスクリームを持って「女性だけね」といいながら配っていた。
 我が方のTT女史もとても喜んだ。

 マスターは、注文された食べ物を届けたり、注文を受けたりしながら、店の中央に立って何かジョークを飛ばす。すると、店全体が一帯となって笑う。この雰囲気は一朝一夕には出来ないものだと思う。実に楽しい。

 御勘定をお願いする。3人で5,200円。

 午後7時15分から午後9時15分まで2時間の滞在。

 お腹一杯で、外に出る。

 RAM元帥は喜んでくれた。

 TT女史「こんないいお店があるなんて知りませんでした・・・よく知っていますね」と感心してくれた。

 居酒屋探偵冥利である。




 (了)


 


鹿島田 居酒屋「すずかづ」
住 所 神奈川県川崎市幸区新塚越136
電 話 044-522-9285
定休日 ?
営業時間 16:00~23:00
交通 JR南武線鹿島田駅下車徒歩3分。



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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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