平沼橋 魚河岸料理「浜昇」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第630回 2016年10月27日(木) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
平沼橋 魚河岸料理「浜昇」
~ カツオゲソ揚げポテサラな夜 ~

前々回、平沼橋の駅東側のお店を紹介した際に、「平沼橋駅周辺は横浜というターミナル駅の次の駅でありながらとても静かである。夜になると、駅周辺だというのに人通りも少ない。」と書いた。このことは西側も同じで、静かな住宅街なのである。
平沼橋駅の改札階から西側にエレベーターで降り、駅脇の路地を横浜駅方面へ歩く。左に曲がり右に曲がりまっすぐ行くと小さな橋に出た。見上げれば大型車も行き交う大きな平沼橋。小さな橋を渡って、そのまま、まっすぐ歩けば、三ツ沢方面、第3京浜入口へ向かう大きな道の側道となる。三本目の道を左に入ってみる。そこに今日の目的の店、魚河岸料理「浜昇」さんがある。

アクリル看板が入口の上にかかげられ、その下にかかる古い暖簾をくぐって中に入った。
今まで、何度か中をのぞき、カウンター席に空きが無い為入らなかった店なのである。いつもなかなか盛況の様子。
入って正面にカウンター席が六席、カウンターの中が調理場である。調理場にマスター、入口近くにママさんらしき方。
左手には五人テーブル一つ、四人テーブル一つ、六人テーブル一つの計三つのテーブル席があった。
四人テーブルと五人テーブルに人生の先輩たち九名様の団体。
カウンター席手前に男性一人、カウンターの一番奥の端に座った。落ち着く場所だ。
まずは、キリン瓶ビール大瓶(六三〇円)、ちなみに中瓶ならスーパードライもある。
調理場の中の手書きメニューを見て、上かつお刺(六三〇円)とポテトサラダ(三五〇円)を頼んだ。お通しとおしぼりが出てきた。お通しはローストビーフと三つ葉玉ねぎなどを刻んで合えたもの。
ビールを飲みながら店内を見回す。
「お知らせ カウンターは禁煙です」の文字。これは助かる
食材についてのマスターとママの会話が面白い。
テーブル席の九名様の団体の皆さんは日本シリーズの話である。野球の話は酒場の花形。盛り上がっている。
全員がベイスターズファン。さすがは横浜である。
並びの常連らしき男性がカウンターの中のマスターに向かって聞いた。
「今日のあん肝のあぶらはどう?」
答えが無い。代わりに女性が聞く。
「今日のあん肝はどう?」
「いい時しか出さない。」とマスターの一言。
「じゃ、それ」
必要最小限の会話である。
「失礼します、ポテトサラダどうぞ」と言って、ママさんがポテトサラダを持ってきてくれた。
そこで、ゲソ揚げ(四〇〇円)とウーロンハイ(三〇〇円)を頼んだ。
お客様へのママさんの静かな気遣いが素晴らしい。
近くの大通りを渡れば、横浜駅の西側に広がる歓楽街。
そこから逃げるように道を渡り、この静かな場所のお店にやってくる気持ちが解る気がする。
また、男性客が入ってこられた。ボトルを自分で棚から出すお客様。その方もカツオを注文した。
ママさんは、お客様の飲み方を覚えてくれて、何も言わなくてもいろいろと用意している。
それが、常連酒場の機能である。
先客の方が小声で会計を頼む。
「○○ちゃんお会計。」とママさん。
親密な感じが伝わる。そして、計算。
団体の方々が帰ってゆくと、男性と女性の一組。客足は絶えない。
ゲソ揚げをママさんが持ってきてくれる。
「中のイカが外の衣より熱いのできおつけてください」と親切な一言。
女性連れの男性が何か注文した。
「れんそうバター、ひとつ」とママさん。
「連想バターって何だろう」と思う。
ほうれん草バターのことであることがやっと解る。
我ながら鈍いと思う。連想力が弱くなっているのだ。
男性客が入ってきて、さきほどの男性の座っていた席に座る。常連席なのである。
そして、やはりカツオ刺、そして、ゲソ揚げ、さらに、ポテトサラダと頼まれた。
私とまったく同じものを注文したのである。面白い。
「カツオを食べて元気になりたい」という気持ちは男性一人客の共通の気持ちか。
午後七時から八時まで一時間の滞在。二六一〇円。単価は税込。
元気が出てきたようだ。夜道を急ぐ足が軽い。
平沼橋 魚河岸料理「浜昇」
住所 横浜市西区岡野1-9-13
電話 045-312-5082
営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜日
交通 相模鉄道平沼橋駅下車徒歩3分/JR横浜駅下車徒歩7分。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
居酒屋探偵DAITENの生活 第630回 2016年10月27日(木) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
平沼橋 魚河岸料理「浜昇」
~ カツオゲソ揚げポテサラな夜 ~

前々回、平沼橋の駅東側のお店を紹介した際に、「平沼橋駅周辺は横浜というターミナル駅の次の駅でありながらとても静かである。夜になると、駅周辺だというのに人通りも少ない。」と書いた。このことは西側も同じで、静かな住宅街なのである。
平沼橋駅の改札階から西側にエレベーターで降り、駅脇の路地を横浜駅方面へ歩く。左に曲がり右に曲がりまっすぐ行くと小さな橋に出た。見上げれば大型車も行き交う大きな平沼橋。小さな橋を渡って、そのまま、まっすぐ歩けば、三ツ沢方面、第3京浜入口へ向かう大きな道の側道となる。三本目の道を左に入ってみる。そこに今日の目的の店、魚河岸料理「浜昇」さんがある。

アクリル看板が入口の上にかかげられ、その下にかかる古い暖簾をくぐって中に入った。
今まで、何度か中をのぞき、カウンター席に空きが無い為入らなかった店なのである。いつもなかなか盛況の様子。
入って正面にカウンター席が六席、カウンターの中が調理場である。調理場にマスター、入口近くにママさんらしき方。
左手には五人テーブル一つ、四人テーブル一つ、六人テーブル一つの計三つのテーブル席があった。
四人テーブルと五人テーブルに人生の先輩たち九名様の団体。
カウンター席手前に男性一人、カウンターの一番奥の端に座った。落ち着く場所だ。
まずは、キリン瓶ビール大瓶(六三〇円)、ちなみに中瓶ならスーパードライもある。
調理場の中の手書きメニューを見て、上かつお刺(六三〇円)とポテトサラダ(三五〇円)を頼んだ。お通しとおしぼりが出てきた。お通しはローストビーフと三つ葉玉ねぎなどを刻んで合えたもの。
ビールを飲みながら店内を見回す。
「お知らせ カウンターは禁煙です」の文字。これは助かる
食材についてのマスターとママの会話が面白い。
テーブル席の九名様の団体の皆さんは日本シリーズの話である。野球の話は酒場の花形。盛り上がっている。
全員がベイスターズファン。さすがは横浜である。
並びの常連らしき男性がカウンターの中のマスターに向かって聞いた。
「今日のあん肝のあぶらはどう?」
答えが無い。代わりに女性が聞く。
「今日のあん肝はどう?」
「いい時しか出さない。」とマスターの一言。
「じゃ、それ」
必要最小限の会話である。
「失礼します、ポテトサラダどうぞ」と言って、ママさんがポテトサラダを持ってきてくれた。
そこで、ゲソ揚げ(四〇〇円)とウーロンハイ(三〇〇円)を頼んだ。
お客様へのママさんの静かな気遣いが素晴らしい。
近くの大通りを渡れば、横浜駅の西側に広がる歓楽街。
そこから逃げるように道を渡り、この静かな場所のお店にやってくる気持ちが解る気がする。
また、男性客が入ってこられた。ボトルを自分で棚から出すお客様。その方もカツオを注文した。
ママさんは、お客様の飲み方を覚えてくれて、何も言わなくてもいろいろと用意している。
それが、常連酒場の機能である。
先客の方が小声で会計を頼む。
「○○ちゃんお会計。」とママさん。
親密な感じが伝わる。そして、計算。
団体の方々が帰ってゆくと、男性と女性の一組。客足は絶えない。
ゲソ揚げをママさんが持ってきてくれる。
「中のイカが外の衣より熱いのできおつけてください」と親切な一言。
女性連れの男性が何か注文した。
「れんそうバター、ひとつ」とママさん。
「連想バターって何だろう」と思う。
ほうれん草バターのことであることがやっと解る。
我ながら鈍いと思う。連想力が弱くなっているのだ。
男性客が入ってきて、さきほどの男性の座っていた席に座る。常連席なのである。
そして、やはりカツオ刺、そして、ゲソ揚げ、さらに、ポテトサラダと頼まれた。
私とまったく同じものを注文したのである。面白い。
「カツオを食べて元気になりたい」という気持ちは男性一人客の共通の気持ちか。
午後七時から八時まで一時間の滞在。二六一〇円。単価は税込。
元気が出てきたようだ。夜道を急ぐ足が軽い。
平沼橋 魚河岸料理「浜昇」
住所 横浜市西区岡野1-9-13
電話 045-312-5082
営業時間 17:00~23:00
定休日 日曜日
交通 相模鉄道平沼橋駅下車徒歩3分/JR横浜駅下車徒歩7分。
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