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蒲田 大衆酒場「晩杯屋 蒲田西口店」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第645回 2016年5月17日(水) 
【横浜市】 【池上線】 【その他】 【時間順】 【がっかり】


 蒲田 大衆酒場「晩杯屋 蒲田西口店」


  ~ 「蒲田行進曲」の名場面のような階段をあがるとそこはハイテク酒場だった ~

  
  
 東京で急成長を続ける激安居酒屋チェーン「晩杯屋」の一号店(本店)を紹介したのは、居酒屋探偵DAITENの生活の第254回 2009年9月2日(水)の記事であった。実に八年前のことである。その時の一号店の小さな店構えから現在の発展を想像することなど誰ができたろうか。
 晩杯屋を展開する株式会社アクティブソースさんのサイトで見ると店舗数は30店となっている。
 それを成し遂げた人、金子源社長のインタビュー記事を日刊ゲンダイに見つけた。(転載御容赦)

 

 そして、私が第254回で紹介した一号店は武蔵小山駅前の再開発に伴い、今は無く、近くに大箱の仮店舗の本店が出来ている。株式会社アクティブソースさんの公式サイトのトップ画像としても残っている、あの狭い路地奥の一号店の外カウンターが懐かしく思い出され、極寒の中、凍えながら熱燗を外で吞んだ思い出がよみがえる。

 そんな晩杯屋が東京城南地区の大衆酒場の街、蒲田に出店したと聞いてやってきたのである。
 周辺をパートナーのsakuraと探すも看板はあれども店舗を見つけられない。

 目星をつけていた立ち飲み「銀次郎」の側に行ってしまい、うろうろしている内に、並びのビルの二階に晩杯屋があることに気づくも入口がみつからない。
 「城」に雇われた測量士Kが、いつまで経っても「城」の中に入ることができずに翻弄される様子を描いたカフカ小説「城」を思い出す。

 やっと、駅側に面した方に戻ってビルの狭い入口を入ってゆくと、そこに階段を発見した。さらに、階段下のビル南側にも広い入口があったのである。その階段下周辺の一階はこれから何か入る予定らしく空店舗になっていた。暖簾の「いらっしゃいませ」の言葉がうれしい。(写真)

 

 
  ここは蒲田である。左右からたくさんの黄色い提灯に照らされ、やや急な一直線の階段を上がりながら、映画「蒲田行進曲」の名場面の階段落ちのシーンが思い出してしまったのは私だけに違いない。なにしろ、三十五年前、一九八二年公開の映画である。

 

 
  階段を上がりきると、思いの外広い空間になっていた。たくさんのテーブルがあり、すでに多くの方が吞んでいる様子。
 右手のレジにいた外国の女性の方に聞かれた。

 「立ちですか、座りですか」

 その言葉で階段の左手の空間を振りかった。そこは立ちのみ専用の場所となっていた。二十人ほど立てるL字カウンターが右手にある。その中は調理場。前述の大階段を囲むようにできた空間に四人くらい立てる立ちのみテーブルが五個。
 迷わず、立ちのみを選んだ。
 お客様もお店の方も、皆さんこちらを見ていない間に、一枚だけ店内写真を撮らせてもらう。御容赦である。

 

 
 さて、これでお願いしますと示されたのが下のタブレット端末。

 
 
 
  タブレット端末の注文を味気ないと感じる方もいるかもしれない。しかし、使ってみるとこれがよく出来ているのである。
 大手チェーンがずいぶん前に導入した頃の使い勝手の悪さとはかなり違う。
  酎ハイは二五〇円と安く、ホッピーセットバイスセットハイッピーセットはいずれも三七〇円という設定。大衆酒場ファンが好きなホッピーバイスハイッピーがいずれも用意されており、ホイスまであるのだ。
 
 


 まずは、私はホッピーセット(三七〇円)、sakuraはトマト割り(二九〇円)を選び、タブレット端末を押す。皆さん、スマートホンに慣れているので、タッチすることに抵抗は無いと思う。
 つまみは、晩杯屋といえば安いマグロ刺しである。マグロ刺し(二〇〇円)をタッチして、続いて、ブリ刺し(二〇〇円)をタッチする。

 

 タッチしてからすぐに、調理場側の小さなプリンタから注文伝票が出てくる。
 働く外国の女性たちと調理場の間でおきそうな注文ミスもこれで少なくなるに違いない。そして、本当に刺身がすぐに出てきた。

 注文が楽しくなってくる。煮込み(一三〇円)、たくあん(一一〇円)、ポテサラ(一三〇円)とつづけてタッチしてしまう。値段も安く、ついつい押してしまう自分がいる。

 二杯目はsakuraはグレープフルーツサワー(二九〇円)、私は生青みかんハイ(二九〇円)を選ぶ。揚げギンナン(一五〇円)も追加する。

 タブレット端末にもなれ、いろいろなページを見ているうちに、ホッピー外バイス外ハイッピー外が並ぶページを発見。いずれも一五〇円。外、つまり、それぞれの割り物の瓶を注文しやすくなっているのはうれしい。
 昔よくあった、ホッピーの外だけを後から追加注文したい人とお店の方との意思相通の失敗を見てきたので、これは実に便利である。
 そして、三冷ホッピーを発見、やはり、タッチしてしまった。

 「三冷ホッピーまであるよ」と私。
 「良かったわね」とsakura。
 「遠慮しながら、あの~ホッピーの氷いらないんですけど・・・と言わずにすむよ」と私。
 
 氷を断った時の怪訝そうな店員の方の顔を何度見てきたろうか。気の弱い私にとって、それはそれで苦痛なのである。

 


 うれしそうに【注文へ】という文字をタッチする私をsakuraが笑いながら観ている。

 

 そして、何も言わずとも三冷ホッピー(三七〇円)はやってきたのである。
 
 


 安くて注文する相手を探す必要もなく、注文したものがすぐに出てくるので、ついつい頼みすぎてしまうという可能性はある。
 しかし、ちゃんと、注文履歴を振り返るページもあるので、時折、内容をみてみるのがコツかもしれない。

 

 メニューの中に晩杯屋の有名なメニュー、ロマネコンティもタッチパネルに存在。
 値段は二〇五万七〇〇〇円である。
 これを間違って押してしまった時、何かが起こるようにプログラミングされているのだろうか。すんなり、出てきてしまうとは思えない。
 
 三冷ホッピーがストレスなく頼めるのがうれしかった。
 そして、安さ。

 飲み物五杯、つまみ、六品で税込み二五三〇円であった。一人一二六五円。

 立ち吞み店として成長した晩杯屋チェーンの中で、祐天寺、秋葉原、そして、この蒲田西口にと増殖する大衆酒場を冠した晩杯屋は、周辺の居酒屋にとって驚異であり、安く吞みたい大衆酒場ファンにとっては助かる存在である。

 追記 2017.7.28
 
 2017年7月27日の日本経済新聞ネット版の記事によると、うどん店「丸亀製麺」を運営する株式会社トリドールホールディングスが「晩杯屋」を運営する株式会社アクティブソースの株式を取得し、グループ化するとのこと。ハイテク酒場化は、これから始まる「晩杯屋」の全国展開への布石だったのか。なお、「晩杯屋」は外食アワード 2016を受賞とのこと。



蒲田 大衆酒場「晩杯屋 蒲田西口店」
住所 東京都大田区西蒲田7-29-5 ニューカマタビル2階
電話 03-6428-7479
定休日 年中無休
営業時間 平日15:00~23:30/土日祝13:00~23:30
交通 東急池上線・東急多摩川線蒲田駅下車徒歩1分、JR京浜東北線蒲田駅下車徒歩2分




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 演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」

 街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。

蒲田

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