横浜 立ち飲み「お酒とお米 おちよこ」第2回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第661回 2018年4月14日(土)
【横浜市】 【池上線】 【その他】 【時間順】 【がっかり】
横浜 立ち飲み「お酒とお米 おちよこ」第2回
~ 静かな路地裏に三〇〇円銘酒立ち吞み酒場 ~

横浜駅西口から五百メートルほど南西に歩いた岡野町の交差点辺りは、気がつけば日本酒を吞ませる店が多くなっている。
日本酒が吞みたくなると横浜駅西口から岡野町方面に向かって歩いてしまっている。
私が知っているだけで四軒の日本酒に力を入れている店がある。
岡野町の交差点から岡野公園の方に歩いてすぐ二本目の路地を左に曲がるとすぐ、そこに、純米酒立ち飲み「お酒とお米 おちょこ」がある。
午後3時少し前。開店まで五分であった。店の外に並ぶ男性客一人。そして、私がその後ろに立つと、私の後ろにもう一人の方が立つ。開店時に三人のお客様が待っている。人気店である。先に立っていた方と少しお話をする。開店前に列ができることはこちらの店では普通なことである。去年の夏、はじめて来た時も真夏の暑い中、私の前に先客の方がいた。
開店となり、女将さんに迎えいれられ中に入ってゆく。頭の中は何を吞むか。それだけである。
一杯六〇ミリで三杯ののみくらべセット(六〇〇円)は八種類ほどから選べるようになっている。
「のみくらべでお願いします。」
「五、六、七でお願いします」
「はい、五番、六番、七番ですね。」
今日の五番、六番、七番は次の銘酒であった。
長野:県大町市の北安醸造の「居谷里」、
奈良県御所市の千代酒造株式会社の「篠峯」、
山口県岩国市の「酒井酒造株式会社」の「五橋」の三種類である。
居谷里は「いやり」と呼びます、北安醸造さんのサイトを見ても何故か「居谷里」の紹介は出てきません。篠峯は「しのみね」と呼び、千代酒造さんの蔵のすぐ西に聳える葛城山の別称とのこと。五橋は「ごきょう」と呼び、岩国市に流れる錦川にかかる五連の反り橋「錦帯橋」に由来するとのこと。
つまみは、ホタルイカ醤油漬け(三〇〇円)。ホタルイカは好物であり、何よりも酒のつまみになると思っている。
さて、次の三種の飲み比べは、二番、三番、四番である。
「そきほどのをはずして・・・二番、三番、四番お願いします。」
女将さんが再び、一升瓶を三本目の前に並べてくれる。
宮城県気仙沼市の株式会社角星の「水鳥記」、
秋田県湯沢市の両関酒造株式会社の「翠玉」、
茨城県日立市の森島酒造株式会社の「大観」の三種。
水鳥記は「みずとりき」と呼びます。株式会社角星(かくぼし)という社名が面白かったので調べてみる。
公式サイトには次のようにあったので転載させていただく。
〈社名でもある屋号「角星」は、初めて酒が出来上がった時、その新酒を新しい枡に入れ折壁村室根神社に献上、ますます佳き酒が出来ますようにと夜を徹して祈願したところ、明けの明星が御神鏡に映り、その光が献上の酒枡に円やかに輝いたところから吉兆とばかり喜び、早速屋印を(角星)としたと言われている。〉
吉兆を示す社名「角星」が縁起良く、「水鳥記」という酒名は文学的である。
「翠玉」は「すいぎょく」と読む。両関は昔から有名な馴染み深い秋田の酒蔵で、両関の普通酒の一升瓶が私には懐かしい。
日立市の森島酒造は数々の受賞暦のある酒蔵で、この「大観」という酒名は、四代目の社長さんと、茨城県出身の近代日本画の巨匠横山大観先生が深い交友があり、大観先生自らによる命名とのこと。
常連の皆さんのお話は、新潟県新潟市のDHC酒蔵はビールも作っていることが話題になった。
DHC酒蔵という酒蔵名も面白いが、さらに、「嘉山」というお酒を東京・多摩市の地酒専門店「小山商店」や神奈川県の地酒専門店「長谷川越後屋酒店」の社長に頼まれて「嘉山」を作ったそうである。このお店にいると、女将さんや常連の方からいろいろと教えてもらえる。
最後に飲み比べではなく、単品で頼もうと思う。
メニュー七番の「五橋」は、さきほどの分で完売とのこと。
そこで、栃木県宇都宮市の株式会社虎屋本店の「七水」(三〇〇円)にする。
本日のごはん(二〇〇円)を今日もいただくことにする。つや姫を炊いたごはんで、野沢菜とじゃこでいただく。
お店の口開けを待った午後3時から午後4時10分までの滞在。ちょうど二〇〇〇円で七種類の素晴らしい日本酒をいただき、美味しいご飯とホタルイカ。幸せである。日本酒を飲むとどうしてこんなに幸せ感があるのか。
それから次に行こうと思っていた「日本酒センター横浜」の場所を常連の方から教えていただく。ブライアンという外国の方が営業する店である。帰りにその場所を確認する。小さなビルの二階だった。次回行きたいと思う。
入る時は三人。帰るときは六人の方々。皆さん良い方ばかり。また来ようと思う。
横浜 純米酒立ち飲み「お酒とお米 おちよこ」
住所 神奈川県横浜市西区岡野1-11−8
電話 045-883-1761
定休日 月曜日
営業時間 火曜日~金曜日16時00分~22時30分/土曜日15時00分~22時00分/日曜日15時00分~21時00分
交通 横浜駅下車相鉄口より徒歩7分/相鉄線平沼橋より徒歩7分
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
居酒屋探偵DAITENの生活 第661回 2018年4月14日(土)
【横浜市】 【池上線】 【その他】 【時間順】 【がっかり】
横浜 立ち飲み「お酒とお米 おちよこ」第2回
~ 静かな路地裏に三〇〇円銘酒立ち吞み酒場 ~

横浜駅西口から五百メートルほど南西に歩いた岡野町の交差点辺りは、気がつけば日本酒を吞ませる店が多くなっている。
日本酒が吞みたくなると横浜駅西口から岡野町方面に向かって歩いてしまっている。
私が知っているだけで四軒の日本酒に力を入れている店がある。
岡野町の交差点から岡野公園の方に歩いてすぐ二本目の路地を左に曲がるとすぐ、そこに、純米酒立ち飲み「お酒とお米 おちょこ」がある。
午後3時少し前。開店まで五分であった。店の外に並ぶ男性客一人。そして、私がその後ろに立つと、私の後ろにもう一人の方が立つ。開店時に三人のお客様が待っている。人気店である。先に立っていた方と少しお話をする。開店前に列ができることはこちらの店では普通なことである。去年の夏、はじめて来た時も真夏の暑い中、私の前に先客の方がいた。
開店となり、女将さんに迎えいれられ中に入ってゆく。頭の中は何を吞むか。それだけである。
一杯六〇ミリで三杯ののみくらべセット(六〇〇円)は八種類ほどから選べるようになっている。
「のみくらべでお願いします。」
「五、六、七でお願いします」
「はい、五番、六番、七番ですね。」
今日の五番、六番、七番は次の銘酒であった。
長野:県大町市の北安醸造の「居谷里」、
奈良県御所市の千代酒造株式会社の「篠峯」、
山口県岩国市の「酒井酒造株式会社」の「五橋」の三種類である。
居谷里は「いやり」と呼びます、北安醸造さんのサイトを見ても何故か「居谷里」の紹介は出てきません。篠峯は「しのみね」と呼び、千代酒造さんの蔵のすぐ西に聳える葛城山の別称とのこと。五橋は「ごきょう」と呼び、岩国市に流れる錦川にかかる五連の反り橋「錦帯橋」に由来するとのこと。
つまみは、ホタルイカ醤油漬け(三〇〇円)。ホタルイカは好物であり、何よりも酒のつまみになると思っている。
さて、次の三種の飲み比べは、二番、三番、四番である。
「そきほどのをはずして・・・二番、三番、四番お願いします。」
女将さんが再び、一升瓶を三本目の前に並べてくれる。
宮城県気仙沼市の株式会社角星の「水鳥記」、
秋田県湯沢市の両関酒造株式会社の「翠玉」、
茨城県日立市の森島酒造株式会社の「大観」の三種。
水鳥記は「みずとりき」と呼びます。株式会社角星(かくぼし)という社名が面白かったので調べてみる。
公式サイトには次のようにあったので転載させていただく。
〈社名でもある屋号「角星」は、初めて酒が出来上がった時、その新酒を新しい枡に入れ折壁村室根神社に献上、ますます佳き酒が出来ますようにと夜を徹して祈願したところ、明けの明星が御神鏡に映り、その光が献上の酒枡に円やかに輝いたところから吉兆とばかり喜び、早速屋印を(角星)としたと言われている。〉
吉兆を示す社名「角星」が縁起良く、「水鳥記」という酒名は文学的である。
「翠玉」は「すいぎょく」と読む。両関は昔から有名な馴染み深い秋田の酒蔵で、両関の普通酒の一升瓶が私には懐かしい。
日立市の森島酒造は数々の受賞暦のある酒蔵で、この「大観」という酒名は、四代目の社長さんと、茨城県出身の近代日本画の巨匠横山大観先生が深い交友があり、大観先生自らによる命名とのこと。
常連の皆さんのお話は、新潟県新潟市のDHC酒蔵はビールも作っていることが話題になった。
DHC酒蔵という酒蔵名も面白いが、さらに、「嘉山」というお酒を東京・多摩市の地酒専門店「小山商店」や神奈川県の地酒専門店「長谷川越後屋酒店」の社長に頼まれて「嘉山」を作ったそうである。このお店にいると、女将さんや常連の方からいろいろと教えてもらえる。
最後に飲み比べではなく、単品で頼もうと思う。
メニュー七番の「五橋」は、さきほどの分で完売とのこと。
そこで、栃木県宇都宮市の株式会社虎屋本店の「七水」(三〇〇円)にする。
本日のごはん(二〇〇円)を今日もいただくことにする。つや姫を炊いたごはんで、野沢菜とじゃこでいただく。
お店の口開けを待った午後3時から午後4時10分までの滞在。ちょうど二〇〇〇円で七種類の素晴らしい日本酒をいただき、美味しいご飯とホタルイカ。幸せである。日本酒を飲むとどうしてこんなに幸せ感があるのか。
それから次に行こうと思っていた「日本酒センター横浜」の場所を常連の方から教えていただく。ブライアンという外国の方が営業する店である。帰りにその場所を確認する。小さなビルの二階だった。次回行きたいと思う。
入る時は三人。帰るときは六人の方々。皆さん良い方ばかり。また来ようと思う。
横浜 純米酒立ち飲み「お酒とお米 おちよこ」
住所 神奈川県横浜市西区岡野1-11−8
電話 045-883-1761
定休日 月曜日
営業時間 火曜日~金曜日16時00分~22時30分/土曜日15時00分~22時00分/日曜日15時00分~21時00分
交通 横浜駅下車相鉄口より徒歩7分/相鉄線平沼橋より徒歩7分
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演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。