横浜 角打「キンパイ酒店」(1階店舗復活)
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第665回 2018年11月6日(火) 【地域別】 【時間順】 【池上線】 【がっかり集】
横浜 角打「キンパイ酒店」(1階店舗復活)
~ まるで時間が止まったような場所 ~
店主の方が病気療養中となり、さらに、お亡くなりになられて、合わせて3年近く休業されていた「キンパイ酒店」さんが少し前に店を再開したと聞いた。
横浜駅で降りて、JR南改札口を出てからみなみ東口方面へ歩き、階段を上がって、みなみ東口から地上に出ると、右手に横浜中央郵便局がある。そして、道の向こうには崎陽軒本店の立派な入口が見えた。崎陽軒本店のビル脇を歩いてゆく。すると、左手にキンパイ酒店ビルがあるのだ。
前回の第610回に紹介した時は閉まっていたシャッターが開いていて、ビル1階のキンパイ酒店に入ることが出来るようになっていた。

ふと、見上げれば洒落たイラストが大きく描かれた看板。
看板の下の部分に小さく株式会社キンパイ酒店と書いてある。

店内に入ると、左手から奥にかけてカウンターのような台がある。しかし、そこはいわゆる立ち飲みカウンターではない。台の上にダンボールがかぶせてあって、そこに飲み物を置いて吞んだりしてはいけないのである。間違えて置くと注意される。
お酒を右手の冷蔵庫の中から選んで、左手の台のレジへ持ってゆき、レジに立つ男性の方の前に置く。つまみ類はレジ脇に置いてあるので、そこから選んで買うのだ。
まずは、タカラ焼酎ハイボール(二五〇円)、さつま揚(九〇円)、チーズかまぼこ(一〇〇円)を購入。
入口の辺りへ缶とつまみを持ってゆく。樽の上に、かなり古い書き込みがあった。
「ここは禁煙です。タバコは店奥で」と書いてある。
昔から分煙だったようだ。

タカラ焼酎ハイボールを開ける。「プシュ」という良い音がすると、一日の仕事で張ってしまった気持ちが弛むのである。のどをうるおし、店内を見回す。
角打酒店「キンパイ酒店」は面白い注意書きが店内にたくさん貼ってあるお店として有名であった。
「酒店は酒の味を確かめるところ。ダラダラぐずぐずするところではない。生活時間を大切に」とか、
「おしゃべり、なが居は喫茶店でやってくれ! 1時間で熱海まで行ける時代だよ」
といった紙がたくさん店内に貼ってある。このことは、第610回の【「横浜 角打 「キンパイ酒店」(居酒屋クラーテル内)~休店中の老舗角打酒店は店主のお嬢さん姉妹によって継続されていた~】の記事に書いたことでもある。
上記のような面白い客への指示を探して壁を見ているうちにみつけたのは、次のような言葉だった。
「ちょこちょこ 休んでゴメンナサイ 丈夫で長もちするために 家も車も手入れ第一、まだまだ、いけるぜ!」

店主が病気になって、時々お店を休むようになり、そのことを謝っている言葉であろう。
それを見て、会ったことのない、もはや会うことの出来ない店主の人柄を知ることができたように思え、心が動かされる。
キンパイ酒店の店名の由来であろう「金盃」の大きく黒く汚れた文字に時を感じた。

「酒店では、グッとのみほし、グッとバイ、お互い、きもちよく」の言葉。勉強になるのだ。
その言葉につられたように、二杯目は、日本酒、金盃ゴールドカップ上撰(二九五円)を買った。
壁の時計も止まったまま、カレンダーもずっと前からそのままになっているようだ。
まるで、時間が止まったようであるとはこのことである。
三杯目は、北海道生搾り(一九五円)、つまみは、チーズあられ(八〇円)にした。

長居は無用。亡くなった店主に怒られる。
酒三杯、つまみ三品、値段は一〇一〇円。いわゆるセンベロである。
午後六時三〇分から七時十分まで四〇分ほどの滞在。
まるで、昭和博物館のような店内の様子が何よりのつまみだ。
横浜 立ち飲み・角打 「キンパイ酒店」
住所 神奈川県横浜市西区高島2-13-6 キンパイ酒店ビル1F
電話 045-441-8514
定休日 日曜
営業時間 16:00~21:00
交通 JR京浜東北線横浜駅東口徒歩1分/東急東横線・みなとみらい線横浜駅東口徒歩1分/京浜急行線横浜駅東口徒歩1分/相鉄線横浜駅東口徒歩1分。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」
居酒屋探偵DAITENの生活 第665回 2018年11月6日(火) 【地域別】 【時間順】 【池上線】 【がっかり集】
横浜 角打「キンパイ酒店」(1階店舗復活)
~ まるで時間が止まったような場所 ~
店主の方が病気療養中となり、さらに、お亡くなりになられて、合わせて3年近く休業されていた「キンパイ酒店」さんが少し前に店を再開したと聞いた。
横浜駅で降りて、JR南改札口を出てからみなみ東口方面へ歩き、階段を上がって、みなみ東口から地上に出ると、右手に横浜中央郵便局がある。そして、道の向こうには崎陽軒本店の立派な入口が見えた。崎陽軒本店のビル脇を歩いてゆく。すると、左手にキンパイ酒店ビルがあるのだ。
前回の第610回に紹介した時は閉まっていたシャッターが開いていて、ビル1階のキンパイ酒店に入ることが出来るようになっていた。

ふと、見上げれば洒落たイラストが大きく描かれた看板。
看板の下の部分に小さく株式会社キンパイ酒店と書いてある。

店内に入ると、左手から奥にかけてカウンターのような台がある。しかし、そこはいわゆる立ち飲みカウンターではない。台の上にダンボールがかぶせてあって、そこに飲み物を置いて吞んだりしてはいけないのである。間違えて置くと注意される。
お酒を右手の冷蔵庫の中から選んで、左手の台のレジへ持ってゆき、レジに立つ男性の方の前に置く。つまみ類はレジ脇に置いてあるので、そこから選んで買うのだ。
まずは、タカラ焼酎ハイボール(二五〇円)、さつま揚(九〇円)、チーズかまぼこ(一〇〇円)を購入。
入口の辺りへ缶とつまみを持ってゆく。樽の上に、かなり古い書き込みがあった。
「ここは禁煙です。タバコは店奥で」と書いてある。
昔から分煙だったようだ。

タカラ焼酎ハイボールを開ける。「プシュ」という良い音がすると、一日の仕事で張ってしまった気持ちが弛むのである。のどをうるおし、店内を見回す。
角打酒店「キンパイ酒店」は面白い注意書きが店内にたくさん貼ってあるお店として有名であった。
「酒店は酒の味を確かめるところ。ダラダラぐずぐずするところではない。生活時間を大切に」とか、
「おしゃべり、なが居は喫茶店でやってくれ! 1時間で熱海まで行ける時代だよ」
といった紙がたくさん店内に貼ってある。このことは、第610回の【「横浜 角打 「キンパイ酒店」(居酒屋クラーテル内)~休店中の老舗角打酒店は店主のお嬢さん姉妹によって継続されていた~】の記事に書いたことでもある。
上記のような面白い客への指示を探して壁を見ているうちにみつけたのは、次のような言葉だった。
「ちょこちょこ 休んでゴメンナサイ 丈夫で長もちするために 家も車も手入れ第一、まだまだ、いけるぜ!」

店主が病気になって、時々お店を休むようになり、そのことを謝っている言葉であろう。
それを見て、会ったことのない、もはや会うことの出来ない店主の人柄を知ることができたように思え、心が動かされる。
キンパイ酒店の店名の由来であろう「金盃」の大きく黒く汚れた文字に時を感じた。

「酒店では、グッとのみほし、グッとバイ、お互い、きもちよく」の言葉。勉強になるのだ。
その言葉につられたように、二杯目は、日本酒、金盃ゴールドカップ上撰(二九五円)を買った。
壁の時計も止まったまま、カレンダーもずっと前からそのままになっているようだ。
まるで、時間が止まったようであるとはこのことである。
三杯目は、北海道生搾り(一九五円)、つまみは、チーズあられ(八〇円)にした。

長居は無用。亡くなった店主に怒られる。
酒三杯、つまみ三品、値段は一〇一〇円。いわゆるセンベロである。
午後六時三〇分から七時十分まで四〇分ほどの滞在。
まるで、昭和博物館のような店内の様子が何よりのつまみだ。
横浜 立ち飲み・角打 「キンパイ酒店」
住所 神奈川県横浜市西区高島2-13-6 キンパイ酒店ビル1F
電話 045-441-8514
定休日 日曜
営業時間 16:00~21:00
交通 JR京浜東北線横浜駅東口徒歩1分/東急東横線・みなとみらい線横浜駅東口徒歩1分/京浜急行線横浜駅東口徒歩1分/相鉄線横浜駅東口徒歩1分。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」