番外編 居酒屋探偵旅第2.5回「野毛・桜木町ぴおしてぃ探検」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 番外編 2019年4月28日(日) 【横浜市内地域別】 【時間順】 【池上線】 【がっかり集】
番外編 居酒屋探偵旅第2.5回「野毛・桜木町ぴおしてぃ探検」
~ 落語・大道芸・餃子・立ちのみのやりすぎ旅 ~

以前は探偵事務所と呼んで週に一回は顔を出していた東急池上線の雪谷大塚駅近くのBAR「OVAL」のMマスターとは、いつも居酒屋やBARの情報を交換している関係だ。
久しぶりにうかがった時、今度の日曜日に横浜で吞みましょうということになって、ちょうど今応援している落語家さんの寄席が横浜の野毛であるので御一緒する提案をさせてもらった。
日曜日の昼時、Mマスターと京浜急行日ノ出町駅で待ち合わせ、日ノ出町の大きな交差点を渡り西へ、そばを流れる大岡川にかかる長者橋を渡って二つ目の十字路の向う角に立つビルに入った。
そのビルの三階のライブハウス「セ・ラ・ヴィ」で、落語家絵書家筆之輔さんの定例会が開かれるのである。

エレベーターを上がり、ライブハウス「セ・ラ・ヴィ」に入ると左手にステージがあり、奥の窓際から右手にかけてテーブル席があった。だいたい三十人ほどは入れるだろうか。我々はテーブル席に座らず、ステージ前に作られた客席に座った。生ビールを飲みながら始まるのを待つ。
まずは、ゲストの笹屋伝三郎さんの手品。なじみのあるみかんの手品で笑わせてもらい、ロープを使う手品に驚かされ、人柄からくるその芸は実に和むのである。
客席はかなり前からビールやお酒をいただき、盛り上がっている方もいらっしゃって、ステージに声をかけたり参加してしまっている方もいらっしゃった。
今日は、実は日ノ出町から野毛にかけて昼間から酔った方が街中にあふれる特別に日であったことを思い出す。
←笹屋伝三郎さん
そして、応援している落語家、絵書家筆之輔さんの今日の一席は、「動物園」。上方落語として作られ、動きが多いためか英語や韓国語やイタリア語の落語も作られている。大好きな演目だ。
←絵書家筆之輔さん
さて、生ビールを二杯吞み、手品と落語を楽しんだMマスターと私はほろよい気分で野毛の街に行ってみることにした。
ライブハウス「セ・ラ・ヴィ」さんの脇の道を北上すると、こんな店があった。ビートきよしさんプロデュースのお店らしい。
焼肉だいにんぐ「よしなさい」という店名は、ツービートとして漫才をやっていた頃、ビートたけしさんのマシンガントークが続く間、ビートきよしさんは、この「よしなさい」という突っ込みの一言だけを言い続けていたことからきている店名にちがいない。

さらに歩くと、再び大岡川に出る。そこには、先ほどの長者橋の下流にある宮川橋。
宮川橋を渡ってすぐの橋の袂(たもと)から次の都橋まで。大岡川の西岸にカーブした独特の形をした二階建てのビルがある。様々な映画やテレビのロケに使われる有名な都橋商店街だ。
ビルの二階にあがり、大岡川に面した有名なホッピー専門のバー「ホッピー仙人」さんの場所をMマスターにお教えする。
そして、都橋の辺りから野毛本通りに入ってゆく。道はすべて車両侵入禁止となっており、大規模な歩行者天国となっていた。
前述した、昼間から酔った方が街中にあふれる特別に日というのは、「第44回野毛大道芸」が日ノ出町前から桜木町駅前にかけて、4月27日(土)と28(日)の二日間開催されており、大道芸見物の客相手のお酒や食べ物を売る屋台や店が開店している特別な日ということである。

すでに44回も開催されていることに驚いた。私はたくさんの客を集める表通りでの派手な芸よりも、裏道でしずかに行われている、パントマイム系の芸が素晴らしいと思った。

野毛本通りから野毛小路へと右に曲がり、有名居酒屋のガイドをする。
焼き鳥「末広」、トモ、若竹、酒蔵けんちゃんなどの有名店をお教えする。しかし、銘店はどこも早い時間にはやっていない。
ぎょうざで有名な北京料理「萬里(ばんり)」さんに入ることにした。
餃子と五目野菜炒めとビール。お勘定は一四二〇円。

野毛小路を出てからまっすぐに歩いて、新横浜通りに出ると、そこに建つビル桜木町ぴおしてぃが目の前に見えた。階段を下りて地下道をくぐり、桜木町ぴおシティの地下一階へ行き、さらに地下二階へと下りた。

そこは、有名な酒場街である「桜木町ぴおシティ地下二階飲食街」である。
中華酒場「風来坊」、大衆酒場「ホームベース2」、立ち飲み処「ふくふく」、立飲み酒場「国民酒場 じぃえんとるまん桜木町店」、そば処「 じんや」、匠の焼鳥「和んず」、和風居酒屋「 あきよし」、酒処「すずらん」、立呑処「桜木町 はなみち」、軽食喫茶「花壇」、立呑処「酒蔵 石松」、魚菜酒房「IKKYU」、寿司処「かぐら」、中華料理「横浜飯店」、煮込み・もつ焼「ゴールデンもつ」の十五軒がある。

刺身類など魚料理で有名な立呑処「桜木町 はなみち」は日曜日が定休日。好きな店なので残念だ。
昔は「第三酒寮キンパイ」という店名だった。店内にある古い燗酒の自動販売機も有名である。

最近、とても人気があり、いつもいっぱいで入れない新興勢力の立ち飲み店の一つ、立ち飲み処「ふくふく」はすでにいっぱいで外で待つ人たちも多かった。

そして、Mマスターと入ったぴおシティの一軒目は、地下二階飲食店街で一番古い立ち飲み「石松」さんである。大きな赤提灯が外にあり、その左右にオレンジ色の暖簾が下がっている。一番左手辺りに二人で立てそうな場所を発見。すべりこんだ。私もMマスターも梅サワー(三五〇円)を選ぶ。モツ煮込み(四〇〇円)をつまみにする。酒昆布巻きの価格は失念。

次は国民酒場「じぃえんとるまん」桜木町店。
今日もとても混んでいる。なんとか左手に二人分だけ空いた場所に立つことができた。
サッポロビール赤星大瓶(四〇〇円)で乾杯である。

「相変わらずの人気です」と私。
「ずいぶん混んでますよね」とMマスター。
「私がよく行くのは相鉄線の天王町駅の近くのじぃえんとるまんさんなんですがね、横浜では有名な立ち飲みチェーンなんですよ・・・ええと、相鉄線が天王町、二俣川、三ツ境でしょ、それからここ桜木町と戸塚と横須賀中央にもあって、新杉田にもある。それから上大岡がもともとあったお店ですね」
「東京でいえば晩杯屋さんみたいな感じですか」
「その通り・・・何よりも飲み物と食べ物の値段が安い・・・あっ、そうだ、じぃえんとるまんは蒲田にできるらしいです」
「蒲田ならうちからも近いなぁ」
「じぃえんとるまんが蒲田に出来ると、激安立ち飲みチェーンがついに直接対決になりますね。」
たしかに、Mマスターのお店、BAR「OVAL」さんは蒲田始発の池上線の雪が谷大塚駅の近くである。
酒呑み同士の典型的会話である。
一品目は馬ユッケ(三五〇円)。なかなかにうまい。

二品目はまぐろ三昧(五八〇円)。バチまぐろ、びんちようまぐろ、そして、ネギトロの三種類が楽しめる。

今日は、落語を楽しみ、大道芸を見て、中華を食べて、そして、ワンフロアに立ち飲みや様々な形態の店が集中する「桜木町ぴおしてぃ」を巡って歩いた。帰りがけにもういちど店名の表示を眺めてみる。

中華酒場「風来坊」、大衆酒場「ホームベース2」、立ち飲み処「ふくふく」、立飲み酒場「国民酒場 じぃえんとるまん桜木町店」、そば処「 じんや」、匠の焼鳥「和んず」、和風居酒屋「 あきよし」、酒処「すずらん」、立呑処「桜木町 はなみち」、軽食喫茶「花壇」、立呑処「酒蔵 石松」、魚菜酒房「IKKYU」、寿司処「かぐら」、中華料理「横浜飯店」、煮込み・もつ焼「ゴールデンもつ」。
次回はどこへ行こうか迷うのであった。
Mマスターと二人、桜木町駅から電車に乗った。
【番外編 居酒屋探偵旅第2.5回「野毛・桜木町ぴおしてぃ探検」~落語・大道芸・餃子・立ちのみのやりすぎ旅~】という題名通りの盛りだくさんになってしまった。
しかし、まだ時間は早い、このまま帰るわけもない二人である。
(了)
※今回は第2回と第3回の記事を掲載した後で、掲載予定に無かった記事を掲載するために2.5回という不思議な回数表記になってしまいました。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
演出家守輪咲良の劇集団「咲良舎」と演技私塾「櫻塾」
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
居酒屋探偵DAITENの生活 番外編 2019年4月28日(日) 【横浜市内地域別】 【時間順】 【池上線】 【がっかり集】
番外編 居酒屋探偵旅第2.5回「野毛・桜木町ぴおしてぃ探検」
~ 落語・大道芸・餃子・立ちのみのやりすぎ旅 ~

以前は探偵事務所と呼んで週に一回は顔を出していた東急池上線の雪谷大塚駅近くのBAR「OVAL」のMマスターとは、いつも居酒屋やBARの情報を交換している関係だ。
久しぶりにうかがった時、今度の日曜日に横浜で吞みましょうということになって、ちょうど今応援している落語家さんの寄席が横浜の野毛であるので御一緒する提案をさせてもらった。
日曜日の昼時、Mマスターと京浜急行日ノ出町駅で待ち合わせ、日ノ出町の大きな交差点を渡り西へ、そばを流れる大岡川にかかる長者橋を渡って二つ目の十字路の向う角に立つビルに入った。
そのビルの三階のライブハウス「セ・ラ・ヴィ」で、落語家絵書家筆之輔さんの定例会が開かれるのである。

エレベーターを上がり、ライブハウス「セ・ラ・ヴィ」に入ると左手にステージがあり、奥の窓際から右手にかけてテーブル席があった。だいたい三十人ほどは入れるだろうか。我々はテーブル席に座らず、ステージ前に作られた客席に座った。生ビールを飲みながら始まるのを待つ。
まずは、ゲストの笹屋伝三郎さんの手品。なじみのあるみかんの手品で笑わせてもらい、ロープを使う手品に驚かされ、人柄からくるその芸は実に和むのである。
客席はかなり前からビールやお酒をいただき、盛り上がっている方もいらっしゃって、ステージに声をかけたり参加してしまっている方もいらっしゃった。
今日は、実は日ノ出町から野毛にかけて昼間から酔った方が街中にあふれる特別に日であったことを思い出す。

そして、応援している落語家、絵書家筆之輔さんの今日の一席は、「動物園」。上方落語として作られ、動きが多いためか英語や韓国語やイタリア語の落語も作られている。大好きな演目だ。

さて、生ビールを二杯吞み、手品と落語を楽しんだMマスターと私はほろよい気分で野毛の街に行ってみることにした。
ライブハウス「セ・ラ・ヴィ」さんの脇の道を北上すると、こんな店があった。ビートきよしさんプロデュースのお店らしい。
焼肉だいにんぐ「よしなさい」という店名は、ツービートとして漫才をやっていた頃、ビートたけしさんのマシンガントークが続く間、ビートきよしさんは、この「よしなさい」という突っ込みの一言だけを言い続けていたことからきている店名にちがいない。

さらに歩くと、再び大岡川に出る。そこには、先ほどの長者橋の下流にある宮川橋。
宮川橋を渡ってすぐの橋の袂(たもと)から次の都橋まで。大岡川の西岸にカーブした独特の形をした二階建てのビルがある。様々な映画やテレビのロケに使われる有名な都橋商店街だ。
ビルの二階にあがり、大岡川に面した有名なホッピー専門のバー「ホッピー仙人」さんの場所をMマスターにお教えする。
そして、都橋の辺りから野毛本通りに入ってゆく。道はすべて車両侵入禁止となっており、大規模な歩行者天国となっていた。
前述した、昼間から酔った方が街中にあふれる特別に日というのは、「第44回野毛大道芸」が日ノ出町前から桜木町駅前にかけて、4月27日(土)と28(日)の二日間開催されており、大道芸見物の客相手のお酒や食べ物を売る屋台や店が開店している特別な日ということである。

すでに44回も開催されていることに驚いた。私はたくさんの客を集める表通りでの派手な芸よりも、裏道でしずかに行われている、パントマイム系の芸が素晴らしいと思った。

野毛本通りから野毛小路へと右に曲がり、有名居酒屋のガイドをする。
焼き鳥「末広」、トモ、若竹、酒蔵けんちゃんなどの有名店をお教えする。しかし、銘店はどこも早い時間にはやっていない。
ぎょうざで有名な北京料理「萬里(ばんり)」さんに入ることにした。
餃子と五目野菜炒めとビール。お勘定は一四二〇円。

野毛小路を出てからまっすぐに歩いて、新横浜通りに出ると、そこに建つビル桜木町ぴおしてぃが目の前に見えた。階段を下りて地下道をくぐり、桜木町ぴおシティの地下一階へ行き、さらに地下二階へと下りた。

そこは、有名な酒場街である「桜木町ぴおシティ地下二階飲食街」である。
中華酒場「風来坊」、大衆酒場「ホームベース2」、立ち飲み処「ふくふく」、立飲み酒場「国民酒場 じぃえんとるまん桜木町店」、そば処「 じんや」、匠の焼鳥「和んず」、和風居酒屋「 あきよし」、酒処「すずらん」、立呑処「桜木町 はなみち」、軽食喫茶「花壇」、立呑処「酒蔵 石松」、魚菜酒房「IKKYU」、寿司処「かぐら」、中華料理「横浜飯店」、煮込み・もつ焼「ゴールデンもつ」の十五軒がある。

刺身類など魚料理で有名な立呑処「桜木町 はなみち」は日曜日が定休日。好きな店なので残念だ。
昔は「第三酒寮キンパイ」という店名だった。店内にある古い燗酒の自動販売機も有名である。

最近、とても人気があり、いつもいっぱいで入れない新興勢力の立ち飲み店の一つ、立ち飲み処「ふくふく」はすでにいっぱいで外で待つ人たちも多かった。

そして、Mマスターと入ったぴおシティの一軒目は、地下二階飲食店街で一番古い立ち飲み「石松」さんである。大きな赤提灯が外にあり、その左右にオレンジ色の暖簾が下がっている。一番左手辺りに二人で立てそうな場所を発見。すべりこんだ。私もMマスターも梅サワー(三五〇円)を選ぶ。モツ煮込み(四〇〇円)をつまみにする。酒昆布巻きの価格は失念。

次は国民酒場「じぃえんとるまん」桜木町店。
今日もとても混んでいる。なんとか左手に二人分だけ空いた場所に立つことができた。
サッポロビール赤星大瓶(四〇〇円)で乾杯である。

「相変わらずの人気です」と私。
「ずいぶん混んでますよね」とMマスター。
「私がよく行くのは相鉄線の天王町駅の近くのじぃえんとるまんさんなんですがね、横浜では有名な立ち飲みチェーンなんですよ・・・ええと、相鉄線が天王町、二俣川、三ツ境でしょ、それからここ桜木町と戸塚と横須賀中央にもあって、新杉田にもある。それから上大岡がもともとあったお店ですね」
「東京でいえば晩杯屋さんみたいな感じですか」
「その通り・・・何よりも飲み物と食べ物の値段が安い・・・あっ、そうだ、じぃえんとるまんは蒲田にできるらしいです」
「蒲田ならうちからも近いなぁ」
「じぃえんとるまんが蒲田に出来ると、激安立ち飲みチェーンがついに直接対決になりますね。」
たしかに、Mマスターのお店、BAR「OVAL」さんは蒲田始発の池上線の雪が谷大塚駅の近くである。
酒呑み同士の典型的会話である。
一品目は馬ユッケ(三五〇円)。なかなかにうまい。

二品目はまぐろ三昧(五八〇円)。バチまぐろ、びんちようまぐろ、そして、ネギトロの三種類が楽しめる。

今日は、落語を楽しみ、大道芸を見て、中華を食べて、そして、ワンフロアに立ち飲みや様々な形態の店が集中する「桜木町ぴおしてぃ」を巡って歩いた。帰りがけにもういちど店名の表示を眺めてみる。

中華酒場「風来坊」、大衆酒場「ホームベース2」、立ち飲み処「ふくふく」、立飲み酒場「国民酒場 じぃえんとるまん桜木町店」、そば処「 じんや」、匠の焼鳥「和んず」、和風居酒屋「 あきよし」、酒処「すずらん」、立呑処「桜木町 はなみち」、軽食喫茶「花壇」、立呑処「酒蔵 石松」、魚菜酒房「IKKYU」、寿司処「かぐら」、中華料理「横浜飯店」、煮込み・もつ焼「ゴールデンもつ」。
次回はどこへ行こうか迷うのであった。
Mマスターと二人、桜木町駅から電車に乗った。
【番外編 居酒屋探偵旅第2.5回「野毛・桜木町ぴおしてぃ探検」~落語・大道芸・餃子・立ちのみのやりすぎ旅~】という題名通りの盛りだくさんになってしまった。
しかし、まだ時間は早い、このまま帰るわけもない二人である。
(了)
※今回は第2回と第3回の記事を掲載した後で、掲載予定に無かった記事を掲載するために2.5回という不思議な回数表記になってしまいました。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。