大船 立ち飲み「ヒグラシ文庫大船店」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第688回 2023年8月25日(金) 【地域別】【時間順】【池上線】【がっかり集】
大船 立ち飲み「ヒグラシ文庫 大船店」
~ 湘南の入口の酒飲み文化図書館 ~

金曜日の夕暮れ時、JR横須賀線に乗っている時、こんな気分になりました。最近、よくなります。
「このまま遠くへ行ってしまいたい」
目的の駅では下りず、そのまま横須賀線に乗り続けました。そうはいってもそんなに遠くには行けません。
気がつけば東海道線と横須賀線・湘南新宿ラインが止まる大船駅でおりました。
大船駅には湘南モノレールの始発駅もあります。鎌倉方面へも行けます、茅ヶ崎や平塚へも行けます。
いわば、「湘南」の入口です。
改札を出て外へ出ます。大船は思いの外、「居酒屋」の多い街です。その中でも気になっていた店を探すことにしました。でも、すぐには行けません。いくつもの路地に入ってみたり、30分ほど大船駅の東側を探します。

ある路地を曲がって右手にビルを発見。スナックなど、小さな飲食店がいろいろと入ったいわゆる雑居ビルです。

そして、通路へは入ってゆきます。右手の床に看板を発見。

そして、みつかったのが「ヒグラシ文庫 大船店」さんです。鉄扉と二重構造のドアになってます。 新しいお店を探す時のわくわく感がたまりません。

中に入ると、正面に6人ほどが立てるカウンターがあり、その中が調理場の様子。左手の壁際に3人ほどが立てる小さなカウンターがあり、その壁に本棚があります。右手には、何人かが囲めるように立てるように、壁から突き出すように工夫されたカウンターテーブルが三つほど。
正面のカウンターの右端に立ちました。その右手にも本棚があります(写真)。
「キャッシュオンデリバリーでお願い致します。」と壁に貼ってあります。
お二人いる女性の方の一人が来てくれたので正統レモンサワー(450円)を頼み、お金を払います。
まかないレモンサワー(400円)もあるとのことなので、お店の方に質問してみました。
すると、小さめなグラスですが焼酎が濃いものとのこと。

正統レモンサワーを呑みながら、壁の本棚に並んでいる本を見ます。鎌倉市を舞台にした多くの作品を残した作家立原正秋についての高井有一氏による評伝がありました。ソルジェニツインがあり、岡本かの子があり、藤沢周平の作品があります。知らぬ他人の本棚を見るのは楽しいことですが、それがここは酒場なのです。
古い演劇のポスター、様々なチラシ、本、オブジェがあり、店の歴史と奥行きを感じさせます。様々に混在するものが楽しいのです。

正統レモンサワーと一緒に頼んであったあっさりモツ煮込み(350円)が来ました。名前通り、根菜などが多く入っていてあっさりしたモツ煮込みです。

最近はどこのお店に入っても日本酒を頼みます。だんだんにお酒が弱くなってくると、強い酒を呑む気持ちにはならず、サワーや焼酎を何杯も呑む気持ちは無くなってきます。一杯ずついろいろな銘柄を呑める日本酒は最適です。
宮城県大崎市の酒造会社、株式会社一ノ蔵さんの一の蔵無鑑定(550円)をいただきました。
お店の方が「お水いりますか?」と聞いてくれます。日本酒には水を同量以上呑む、これは日本酒呑みの鉄則かもしれません。身体の為でもありますが水を呑んで口を洗い、次の銘柄を呑みたいからでもあります。
写真でも解りますが酒の盛りが良い。升の中のグラスを入れてそこへ酒を入れる。もっきりというこの酒の提供の仕方は世界でも日本だけなのでは、ゆえに、酒好きはグラスから升に多くこぼしてくれると笑顔になります。「こぼすなよ」などと言って怒る人はいません。
店内を見渡せば、お店の女性たちとお客様たちとの会話がはずみ。明らかに、私以外は全員が御常連です。普通ならば、アウェイ感が満載でしょうがそうではありません。とりあえず受け入れてくれている様子。

ホロホロ手羽先のスパイスカリー&バスマティライス(600円)を食べました。
カレーも美味しいのですがこのお米がまた美味しいのでした。
この他、様々な料理が提供されるヒグラシ文庫さん、次の訪問が楽しみです。
お勘定をお願いしないでも「キャッシュオンデリバリー」なので、サッと帰る事ができる。人と人の間を抜けて、「ご馳走様」と言って帰る。この呑み方はいさぎよくて好きです。

帰りに外の看板をよく見てみました。すると、看板に書かれた住所がこの場所ではありません。実は、「ヒグラシ文庫」さんには鎌倉店もあり、その住所は鎌倉店さんのものでした。
次回は、「ヒグラシ文庫」さんの鎌倉店に行ってみたいと思います。副題は「歴史の街鎌倉の酒飲み文化図書館」でしょうか。
少し商店街を彷徨い、酒場の数の多さに改めて驚き、それでもどこにも入らず、大船駅へ行き、湘南新宿ライン宇都宮行に乗りました。ガラガラなので四人が向かい合う事ができるボックス席に独り座ります。駅の売店で買った一缶が旅の友です。隣のホームに先発の横須賀線が入線してきましたがあえて乗らずにいます。自分がどこに居るのか分からない、そんな感覚に久しぶりになりました。元々、気持ちはいつもデラシネです。
湘南新宿ラインは、かなりの時間を経て大船発として走りだし、隣の戸塚駅を出ると凄い音を立てて、左右に工場が並ぶ地区を列車は爆進します。
窓外は暗いのですが心には少し灯火が点る。そんな夜でした。
(了)
大船 立ち飲み「ヒグラシ文庫 大船店」
住所 神奈川県鎌倉市大船1丁目19-3 昌和ビル102
定休日 無休
営業時間 月曜から金曜16:00~23:30
交通 JR東海道線・湘南新宿ライン・横須賀線大船駅から徒歩4分
居酒屋探偵DAITENの生活 第688回 2023年8月25日(金) 【地域別】【時間順】【池上線】【がっかり集】
大船 立ち飲み「ヒグラシ文庫 大船店」
~ 湘南の入口の酒飲み文化図書館 ~

金曜日の夕暮れ時、JR横須賀線に乗っている時、こんな気分になりました。最近、よくなります。
「このまま遠くへ行ってしまいたい」
目的の駅では下りず、そのまま横須賀線に乗り続けました。そうはいってもそんなに遠くには行けません。
気がつけば東海道線と横須賀線・湘南新宿ラインが止まる大船駅でおりました。
大船駅には湘南モノレールの始発駅もあります。鎌倉方面へも行けます、茅ヶ崎や平塚へも行けます。
いわば、「湘南」の入口です。
改札を出て外へ出ます。大船は思いの外、「居酒屋」の多い街です。その中でも気になっていた店を探すことにしました。でも、すぐには行けません。いくつもの路地に入ってみたり、30分ほど大船駅の東側を探します。

ある路地を曲がって右手にビルを発見。スナックなど、小さな飲食店がいろいろと入ったいわゆる雑居ビルです。

そして、通路へは入ってゆきます。右手の床に看板を発見。

そして、みつかったのが「ヒグラシ文庫 大船店」さんです。鉄扉と二重構造のドアになってます。 新しいお店を探す時のわくわく感がたまりません。

中に入ると、正面に6人ほどが立てるカウンターがあり、その中が調理場の様子。左手の壁際に3人ほどが立てる小さなカウンターがあり、その壁に本棚があります。右手には、何人かが囲めるように立てるように、壁から突き出すように工夫されたカウンターテーブルが三つほど。
正面のカウンターの右端に立ちました。その右手にも本棚があります(写真)。
「キャッシュオンデリバリーでお願い致します。」と壁に貼ってあります。
お二人いる女性の方の一人が来てくれたので正統レモンサワー(450円)を頼み、お金を払います。
まかないレモンサワー(400円)もあるとのことなので、お店の方に質問してみました。
すると、小さめなグラスですが焼酎が濃いものとのこと。

正統レモンサワーを呑みながら、壁の本棚に並んでいる本を見ます。鎌倉市を舞台にした多くの作品を残した作家立原正秋についての高井有一氏による評伝がありました。ソルジェニツインがあり、岡本かの子があり、藤沢周平の作品があります。知らぬ他人の本棚を見るのは楽しいことですが、それがここは酒場なのです。
古い演劇のポスター、様々なチラシ、本、オブジェがあり、店の歴史と奥行きを感じさせます。様々に混在するものが楽しいのです。

正統レモンサワーと一緒に頼んであったあっさりモツ煮込み(350円)が来ました。名前通り、根菜などが多く入っていてあっさりしたモツ煮込みです。

最近はどこのお店に入っても日本酒を頼みます。だんだんにお酒が弱くなってくると、強い酒を呑む気持ちにはならず、サワーや焼酎を何杯も呑む気持ちは無くなってきます。一杯ずついろいろな銘柄を呑める日本酒は最適です。
宮城県大崎市の酒造会社、株式会社一ノ蔵さんの一の蔵無鑑定(550円)をいただきました。
お店の方が「お水いりますか?」と聞いてくれます。日本酒には水を同量以上呑む、これは日本酒呑みの鉄則かもしれません。身体の為でもありますが水を呑んで口を洗い、次の銘柄を呑みたいからでもあります。
写真でも解りますが酒の盛りが良い。升の中のグラスを入れてそこへ酒を入れる。もっきりというこの酒の提供の仕方は世界でも日本だけなのでは、ゆえに、酒好きはグラスから升に多くこぼしてくれると笑顔になります。「こぼすなよ」などと言って怒る人はいません。
店内を見渡せば、お店の女性たちとお客様たちとの会話がはずみ。明らかに、私以外は全員が御常連です。普通ならば、アウェイ感が満載でしょうがそうではありません。とりあえず受け入れてくれている様子。

ホロホロ手羽先のスパイスカリー&バスマティライス(600円)を食べました。
カレーも美味しいのですがこのお米がまた美味しいのでした。
この他、様々な料理が提供されるヒグラシ文庫さん、次の訪問が楽しみです。
お勘定をお願いしないでも「キャッシュオンデリバリー」なので、サッと帰る事ができる。人と人の間を抜けて、「ご馳走様」と言って帰る。この呑み方はいさぎよくて好きです。

帰りに外の看板をよく見てみました。すると、看板に書かれた住所がこの場所ではありません。実は、「ヒグラシ文庫」さんには鎌倉店もあり、その住所は鎌倉店さんのものでした。
次回は、「ヒグラシ文庫」さんの鎌倉店に行ってみたいと思います。副題は「歴史の街鎌倉の酒飲み文化図書館」でしょうか。
少し商店街を彷徨い、酒場の数の多さに改めて驚き、それでもどこにも入らず、大船駅へ行き、湘南新宿ライン宇都宮行に乗りました。ガラガラなので四人が向かい合う事ができるボックス席に独り座ります。駅の売店で買った一缶が旅の友です。隣のホームに先発の横須賀線が入線してきましたがあえて乗らずにいます。自分がどこに居るのか分からない、そんな感覚に久しぶりになりました。元々、気持ちはいつもデラシネです。
湘南新宿ラインは、かなりの時間を経て大船発として走りだし、隣の戸塚駅を出ると凄い音を立てて、左右に工場が並ぶ地区を列車は爆進します。
窓外は暗いのですが心には少し灯火が点る。そんな夜でした。
(了)
大船 立ち飲み「ヒグラシ文庫 大船店」
住所 神奈川県鎌倉市大船1丁目19-3 昌和ビル102
定休日 無休
営業時間 月曜から金曜16:00~23:30
交通 JR東海道線・湘南新宿ライン・横須賀線大船駅から徒歩4分