長原 炭火焼「どっこい」
※2011年7月、閉店。
長原 炭火焼「どっこい」

東急池上線の長原駅の改札口を出て、左に歩き、すぐに左に曲がると環状7号線に出る。そして、改札口を出て右に向かって商店街を歩くと中原街道に出る。長原駅は環状7号線と中原街道が交わる地域にあるのだ。改札口を出て中原街道に出る少し手前に今日の目的の店がある。店名は炭火焼「どっこい」である。私が知っている15年前の時点でも、この位置に、たしか居酒屋があったように思うが、以前とは異なる店のようである。
午後6時50分入店。客の姿は店内に無い。12人ほどが座れるL字カウンターが左手にある。カウンターの中は調理場である。店の間口は狭いのでカウンターが埋まると背後を通り難いようである。入ってすぐ右手には階段、二階は座敷席になっているようだ。
客の姿は店内にまだ無い。そこで、L字カウンター手前の左端に座ることにした。調理場の中も外も働いている人は若い人たちである。若い店員さんからメニューを渡される。「スーパー酎ハイ」という言葉が気になり、横で待つ青年に「スーパーって何がスーパーなの?」と質問をする。ちょっと困ったように「普通よりすっきりしている酎ハイです」という。
お通しのマグロ煮と一緒にやってきた「スーパー酎ハイ」(350円)を飲む。特に何も〈スーパー〉ではない、焼酎が濃い訳でもないし、全体の量が多い訳でもない。炭酸が強いということもない。なにも「スーパー」な感じはうけないのである。
こちらは、本来モツ鍋と鳥料理の店であるが、最近になって焼きとんも始めたとようである。一人きりなのでモツ鍋という訳にもゆかず、この店では豚串呼んでいる豚モツ焼きを食べることにした。のど(100円)、レバー(100円)、しろ(100円)を各1本ずつ頼む。さらに、牛ハラミ(250円)と手ごねつくね(220円)も1本ずつ追加した。
メニューを眺める。豆腐、揚げ物系の一品料理は600円位の高めの価格設定だ。
飲み物は、ビールからサワー類、焼酎、日本酒と幅広い。ホッピーまである。しかし、ホッピーを500円の価格設定にするのは、若い経営者の感覚だろうか。店内には、ポップミュージックが流れ、同時にテレビもついている。
焼き物がやってくるまで時間がかかる。全部、一度に出てくる。前半と後半の二回に分けて出してくれた方がよいのではないだろうか。一度に出されると冷めてしまうからである。特にナンコツに似た食感の「のど」がうまかった。肉そのもののサイズはやはり小さい。しかし、どれを食べてもおいしかった。「芝浦まで足を運び、新鮮な材料を選びました」とメニューに書いてある。
ホッピーを氷無しで頼むことにする。注文をとった青年が去ると、調理場の中の青年が「ホッピーが冷えてないのですが・・・」と言う。「ジョッキは冷えているの?」と聞くと、「ジョッキは冷えてます」と答える。生ビール用に冷やしてあるに違いない。「仕方ないから氷を少しだけ入れてね」と答える。
調理場の青年の手元を見ていると、ホッピーに使う焼酎は三重県四日市の宮崎本店の「亀甲宮」、所謂「キンミヤ」を使っていた。ちゃんとしているではないか。ただし、常温である。焼酎は氷で少し冷やすことが出来るのでなんとかなる。これでホッピーさえ冷やして出してくれれば欠点が無くなる。惜しい、実に惜しいのである。
氷と焼酎の入った冷えたビールジョッキと常温のホッピーがやってくる。ここで、注文を取りに来た青年がサワーグラスの回収をしようとする。「氷を捨てるところが必要だから」と回収を断った。ホッピーを原理主義的に呑む為には、氷を捨てる場所が必要なのである。
少したって、氷を全部ジョッキの中から取りだし、サワーグラスに捨てる。それから、常温のホッピーを冷えたジョッキに投入。惜しい、実に惜しい。最近、ホッピーそのものが小売で20円ほど値上がりしているので仕方がない面もあるが、500円という値段も実に惜しい。やはり、親父たちに好まれる「古典酒場」ではないことが解るのである。私はホッピーの値段を良い古典酒場であるかどうかの基準としている。
メニューを眺めていると、豚レバカツタルタルソース(500円) 、親子丼(750円)、鶏皮ポン酢(550円)などの鶏料理が豊富である。どれもおいしそうである。しかし、価格設定が高めである。外観、内装は古典酒場的な雰囲気であるが、実際には「鳥料理ダイニング的な店」のようである。
午後6時50分から7時30分まで約45分の滞在。お勘定は1,960円であった。
長原 炭火焼「どっこい」
住所 東京都大田区上池台1-1-15
電話 03-5499-0938
定休日 日曜・祝日 営業時間 17:00~25:00
交通 東急池上線長原駅徒歩1分
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」
Re: タイトルなし