祐天寺 もつ焼き「ばん」第2回
祐天寺 もつ焼き「ばん」 第2回


土曜日の午後である。気温は30度を超え、真夏の暑さである。野暮用を済ませたのが午後4時。場所は祐天寺駅近く。
「そうだ、たしか、あの店は午後4時開店ではなかったか」という考えが浮かぶ。
歩いてものの3分とかからずに到着したのが、駒沢通り沿いにあるあの店である。言わずと知れたもつ焼きの名店、祐天寺 もつ焼き「ばん」である。
中目黒駅の近くにあった中目黒「ばん」は47年もの長い間営業していた。その「ばん」が再開発の為に閉店。数年後の平成17年3月1日に祐天寺の駒沢通り沿いで再開店したのである。さらに、平成19年1月に店舗拡張。中目黒にあった名店「ばん」の閉店後、名実ともに優れた唯一の後継店がここ祐天寺 もつ焼き「ばん」である。前回、祐天寺 もつ焼き「ばん」を紹介したのは、この店舗拡張の直後、2007年1月26日であった。
店内を覗くと、開店間もないというのに、満席に近い盛況である。駒沢通りに面した拡張後の新しい入口から中に入ってみる。すると、「はるさん」から拡張前の古い方の入口に回るように指示を受けた。そこで、店舗左端の路地に面した古い方の入口から入ろうとした。すると、すでにそちら側に数人のお客さんたちが立っている。どうやら4時からの宴会予約の人達らしい。間をすり抜けて中に入り、存在を示す。この店では、ボヤボヤしていると、後から後からお客さんが入ってきて座れなくなる。
すでに、10人ほどが座れるカウンター席は一杯である。奥のテーブル席もさきほどの宴会予約の皆さん6人が入って、ほぼ満席である。ばんは4時の開店時から始める宴会のみ予約が可能であるという。
入って左手の壁際に酒ケースを積み上げて作った仮設カウンターがある。そこに座るように言われる。すぐに仮設カウンター右端の位置に滑り込んだ。ラッキーであった。この仮設カウンターも左端の入口前に一人座り、さらに中央の通路を塞ぐように一人が座って、すぐにいっぱいになってしまった。この後に入って来た人は、入口でじっと空くのを待っている。それも店の人から声を掛けてもらえるように静かな自己アピールが必要なのである。さらに、店内をグルグル巡りながら滑り込むスペースを探している人もいた。
あふれかえる客と客の間を縫うように通ってゆく女性に、すかさず声を掛け、サワー(250円)を頼む。私の位置はちょうど壁に掛けてある伝票に店の人が受けた注文を記入に来るので、声を掛けやすいのである。同じ仮設カウンターでも左端の入口の場所の人は、注文するのもままならない様子であった。
サワーの瓶1本、氷と焼酎の入ったジョッキ、二つ割のレモンを搾り器に乗せたものがセットでやってくる。これで250円は本当に安い。無料サービスのお通しとしてキュウリと大根のぬか漬けが来る。
さて、つまみである。煮込み(300円)と、タン(100円)、ハツ(100円)、カシラ(100円)の定番品、レバかつ(130円)を1本頼んだ。何しろ混んでいる。一期に頼まないと時間がたつばかりである。
最初に煮込みがやってきた。モツと野菜が入っているタイプの煮込みである。うまい。味が良いので汁まで飲んでしまった。
次にモツ3本がやってくる。相変わらず大ぶりで食べ応えがある。本数の「縛り」がないのが一人客の場合はとても助かるのである。肉が大きいので「2本縛り」だともつ焼きだけでお腹がいっぱいになってしまう。プリプリとした食感と共に、肉汁が口に広がる。今日も実にうまい。
2杯目はホッピー(380円)を頼んだ。もちろん氷無しだ。ジョッキは冷えていないがホッピーと焼酎は冷えている。
ここでレバかつがやってきた。ウスターソースという調味料の究極の使い方は、レバカツかもしれない。かみ切る時に広がるウスターソースの酸味が舌に心地よい。
3杯目はホイス(320円)、本日も自分で定番と決めている飲み物三種を飲んだことになる。かつお刺し(380円)というメニューが目に付いた。カウンターのお客さんのところに運ばれてくる現物を見ると、分厚く切られたそれは、本当にうまそうである。夕食を食べる予定が無ければ、絶対に頼んでしまったに違いない。
本当に店内は混んでいる。新しい方の入口辺りは広いので、そこで立ったまま飲み食いしている人がいる。入口の外には、炎天下立って待っている人もいた。
壁に「外税です、席料、お通し代なし。」と書いてあった。「毎週火曜日玉子の日」とも書いてある。火曜日に来るとお通しのお新香と一緒にゆで卵が出てくるのである。素晴らしいサービスだ。このゆで卵を煮込みに入れて食べるのである。
午後4時から45分間。お勘定は1680円プラス消費税であった。
外では真夏の暑さの中、険しい表情で入店を待っている人がいた。すんなり入店出来、比較的快適な場所に座れた自分の幸せを思う。

祐天寺 もつ焼き「ばん」の前の路地を祐天寺駅方面に少し入ると、銭湯がある。平日の夕暮れ時、銭湯帰りに祐天寺 もつ焼き「ばん」で一杯出来たら良いなあと本当に思う。小さな幸せがここにある。
祐天寺 もつ焼き「ばん」
住所 東京都目黒区祐天寺2-8-17
電話 090-4706-0650
定休日 日曜・祝日 営業時間 16:00~23:00
(ラストオーダー22:30。閉店と同時に強制退去となるので注意。)
交通 東急東横線「祐天寺」徒歩5分
http://www.running-dog.net/ban/
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
こちらクリックお願いします→ FC2 Blog Ranking
こちらクリックお願いします→ 人気blogランキングへ
実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」
予約ではなく常連顔パス