FC2ブログ

新宿ボルガ~加賀屋

居酒屋探偵DAITENの生活 第16回 2007年3月29 日(木)   【地域別】  【時間順】



  新宿 ボルガ~加賀屋



 「もしもパンティになれたなら・・・」

 今日は、SAKURA、ASIMO君と3人で待ち合わせ、新宿はゴールデン街へ向かう。しかし、酒をのむ為ではない、咲良舎の俳優創間元哉が客演した芝居を新宿ゴールデン街劇場で見る為である。その公演とは、THE PAR★KING AREA 第1回公演【もしもパンティになれたなら・・・】である。

 当然の如く、新宿に向かう山の手線の中では、これから見る芝居の話が始まる。でも、これほど話すのに困る芝居も珍しい。場所や時間を確認しようと、ハガキ大の公演チラシを出そうにも恥ずかしくて出すに出せない。何故なら、パンティをはいた女性のヒップがアップになっている写真が大きく載っているのである。そして、題名の「もしもパンティになれたなら・・・」も困る。それで、「もしパン」という短縮名で言うことにした。キャストやスタッフたちもこの呼び名を使っているらしい。それに 「もしパン」ならば、「蒸しパンの間違い?」くらいに思ってもらえるかもしれない(?)。

 創間君から今日は楽日であり、予約している人数が多く混雑が予想されるので早めに劇場に来て欲しいと言われていた。しかし、新宿駅に向かう電車の中、急病人が出てしまい、電車が代々木駅で5分間停車した。新宿駅に着いた。たった5分の停車時間であっても、午後6時45分の新宿駅ホームは、たいへんな混雑になっていた。これでは東口まで構内を歩いていては間に合わないと判断して、迂回ルートを使い、東南口に出て新宿ゴールデン街を目指す。
 東南口から歓楽街を抜け、ビアホールの「ライオン」前を歩いて、新宿通りに出ると、目の前に「紀伊国屋書店」がある。さらに歩いて靖国通りに出て、新宿区役所交差点を渡って、ゴールデン街に至る緑道の入口に至る。緑道を歩き、路地を抜け、ゴールデン街の東端にある「ゴールデン街劇場」に到着したのは、開場時間の午後7時ちょうどであった。

 我々が最初の受付、この公演でも制作助手をしているS.A.Pメンバーの塔門あきおが忙しく働いていた。創間君からのアドバイス通り、みるみる劇場内は観客でいっぱいになって行く。

 舞台は幅5メートル弱、奥行は2メートルである。
 その舞台に向かって、五段のひな壇上の客席。客席の幅は舞台より少し狭い。1段に本来は8名程度、上の2段は調光室がある為、半分の幅しかない。ゆったり普通に座って30名の劇場といえる。それが、この日はまる椅子を1段分増設。立ち見を入れて、60名以上入っただろうか。内輪情報によれば、劇場の観客動員の記録を塗り替える盛況だったらしい。

 登場人物は5人。取り調べられる犯人役1人、所轄の刑事1人、本庁の刑事1人、婦人警官1人、被害者役1人の計5名の出演者である。5名の出演者であるためなのか、出演者の氏名はドリフターズのメンバーの名前をもじって付けてある。創間の役は、所轄の刑事、加藤茶輔刑事である。創間の同僚の婦人警官・碇谷真央役を演ずるのは、俳優原田芳雄氏の娘さんである原田麻由さんであった。

 パンティを愛し、パンティを盗む犯人を追い続ける。時にはパンティの為に涙する「まじめ?」な刑事である。創間の演技は明らかに周囲の俳優さんたちとは異質であった。テンションも違う。日常レベルの延長のような質の今時の演技スタイルより、一歩踏み込んだ「リアリティある人物」を見せて欲しいと思う。それは、「キャラクター」を作って演じて欲しいという訳ではない。「リアリティある人物」を演じて欲しいというと「日常的に存在しそうな人」を演じてしまう。私は、「本気」に見える演技が見たい、「本当に変な人」を感じされて欲しいのである。
 創間元哉は私の期待通りの怪優ぶりを発揮してくれたと思っている。いずれにしても、今回の公演は彼にとって良い経験であったと思う。この経験を今後の咲良舎の舞台で生かして欲しいと思う。


 新宿の歴史遺産ボルガへ

 ゴールデン街劇場を後にしたDAITEN、SAKURA、ASIMO君の3人は、新宿駅西口側に向かい、やきとり横町思い出横町(いわゆるしょんべん横町)からなる「新宿西口商店街」に向かう。
 モツ焼きの有名店第二宝来屋に入ろうとするが満席、小田急ハルク裏の居酒屋かんちゃん本店に向かう。途中、モツ焼き「ボルガ」の建物をSAKURAとASIMO君に見せたくて、その山小屋風の外観を見学に行く。ASIMO君が「渋いですね」と驚いている。せっかくだから中に入って少しだけ飲むことにする。話の種である。

 戦後の闇市時代(昭和20年代)には、今の思い出横町にあったらしいが、昭和30年代に小田急ハルク裏に移ったらしい。古い建物である。
 「ボルガ」とは、ロシア連邦の西部を流れる川で、ヨーロッパ最長の川、ロシア主要部を水系に含む、所謂「母なる川ボルガ」である。

 安保闘争の時代、新宿西口という場所で、当時のソビエトの川の名前をつけた店があった訳である。酒を呑み、モツ焼きを食べながら、革命と思想を語り、文学を論じた人々がいた。その時代を感じさせる数少ない場所である。30年近く前に私が来た時にも「ボルガ」は「ボルガ」であった。今も「ボルガ」は古いままそこにある。

 しかし、DAITENとASIMO君は「論じる」前にホッピーのことで頭の中はいっぱいであった。故に、すぐに移動を開始。ポテトサラダ(500円)、チューハイ(500円)2杯、ワイン(400円)、そして、モツ焼きを少々、3人で合計2500円。
 ホッピーを置いている店として調査済み、ボルガから数十メートルしか離れていない居酒屋かんちゃん本店に向かうが満席。木曜日の午後10時に満席とは、さすがは新宿駅前である。

 ホッピーが飲みたくて加賀屋へ

 ホッピーを目指して、靖国通りを渡り、小滝橋通りを少し北上してから、斜め左の裏通りに入り、少し歩いて到着したのは「加賀屋西新宿店」である。
 ホッピーが飲みたくて、特定の店が見つからないときは「加賀屋」を探す。
都内に40店舗あるというが、今時のチェーン居酒屋が苦手な私の中で、「加賀屋」に対してチェーン店という認識はない。「喜んで!」などとマニュアル然としたことも言わないし、出てくるツマミに「変な名前」もついておらず、普通に「うまい」。一軒一軒、雰囲気も違うし、ツマミも基本的な物は同じだが様々である。オヤジにとって落ち着ける独立した「居酒屋」として便利に使わせてもらっている。
 さっそくホッピー(350円)をもらい乾杯。
 つまみは、カツオ刺身(650円)、大根手羽先煮(400円)、塩らっきょ(320円)、イカ丸(570円)、せり胡麻和え(380円)、ニラ玉(420円)などをもらう。ナンコツとカシラは一人前三本で350円であった。
 さらに、レモンハイ(350円)もいただく。ここのレモンハイは、氷と焼酎の入ったタンブラーに瓶入りのサワーがついてくるスタイル。好きなタイプである。
 約1時間半の滞在で3人で5430円。一人1810円である。安い。

 芝居を見てから、居酒屋を梯子。芝居を語り、ホッピーも飲めた。居酒屋探偵DAITENらしい充実した夜であった。

新宿 ボルガ
東京都新宿区西新宿1-4-18
03-3342-4996
定休日 日曜・祝日 営業時間17:00~23:00

新宿 加賀屋西新宿店
東京都新宿区西新宿7-15-12布施ビル1F
03-3364-4194
定休日 日曜 営業時間17:00~23:00


実力派俳優になりたい人は→ 咲良舎/櫻塾





新宿

Comments 0