西馬込 焼鳥「千成」

居酒屋探偵DAITENの生活 第214回  2009年5月22日(金)   【地域別】  【時間順】 



西馬込 焼き鳥「千成」

   西馬込千成外観     にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 夏のような日がここ数日続いていた。金曜日の夕暮れ時、風が吹いて前日よりもだいぶ気温が下がっていた。そんな日は赤提灯が恋しくなる。都営地下鉄浅草線に乗って、終点の西馬込駅まで行った。以前、散歩の時に見つけ、その渋い外観が気に入って、目を付けておいた店を目指したのである。
 西馬込駅の南口改札を出ると、目の前は国道一号線。改札脇の道へは曲がらず、食品ストア「文化堂」の前を通って、次の角を右に曲がる。緩い坂を下りながら商店街をまっすぐに進み、三つ目の十字路を右に曲がると、左手にその赤提灯(写真)が見えた。
 店を正面から見る。比較的間口が広い。左側に焼き台、右側に入口がある。その右手に赤提灯が下がっている。焼き台から入口にかけて縄のれんがかかり、右側の入口には暖簾がかかっている。

   西馬込千成提灯

 中に入ると、左手の焼き台前から始まり、左奥で右に曲がり、右のトイレ前で終わるカウンターがある。いわば、調理場が客席を囲むような逆側L字カウンターだ。入って右手には、四人掛けテーブルが二つ。私は逆側L字カウンターの右端に座った。カウンター席の左縦列側に男性客が三人、少し離れて座って話している。カウンターの中は大将と女将さんの二人。
 レモンサワー(380円)をお願いする。おしぼりもちゃんとついてきた。レモンが一片入っているレモンサワーを一口飲んでから、焼き物をお願いした。なんこつ、若鳥、たんを塩で各1本ずつ、1本から頼めるのがうれしい。各1本100円である。さらに、シメサバ(380円)も頼んだ。
 新しく入ってこられる方もいる。入れ替わりに帰ってゆく方もいる。席を移動して寄り添う方々もいる。だんだんに集まってくる常連の皆さんがお互いに譲り合いながら席につく。互いを気遣う雰囲気がとても良い。

 2杯目は、茜(あかね)茶割り(400円)をいただいた。上品な甘さがある。女将さんに聞くと小豆の甘さであるという。後ほど調べてみた。茜茶とは、オーガニック小豆と天然水で作ったものらしく、天然カリウム、ミネラル、ポリフェノールを摂取できる健康に良い飲料であることが解った。

 焼き台の後ろの壁を見ると、営業日と営業時間が書いてあった。日曜と月曜が休みである。毎週の日曜月曜が連休というのは珍しい。営業時間は火曜から金曜が午後5時30分から午後10時まで、土曜日は午後5時30分から9時までと短い。
 三杯目は、芋焼酎「白金の露」お湯割(400円)にした。さらに、冷奴(300円)も頼む。
 気がつけば、満席に近い状態になっていた。それでも、常連の方達の会話はうるさくない。適度な音量であり、かえって心地よいくらいである。
 カウンターのお客さんがトイレに立った。カウンターの一番端の私が少し身体を引かないと通れない。「すみません」と言って、その方が通って行った。その様子を見ていた女将さんが離れたテーブルのお客さんに、「ありがとうございます」と言った。女将さんと私の目が合う。「あちらのテーブルの方が・・・通れるようにテーブルを引いてくれたんですよ」とおっしゃる。女将さんが小声で「みんなやさしい・・・」と言う。私も思わず微笑んでしまった。人気(じんき)が良い店とはこういう店のことかもしれない。
 
 初めて入った店で、ゆったりとした心地よい一時を過ごすことが出来た。この幸福に感謝である。

 午後6時15分から7時15分までの1時間の滞在。お勘定は2,160円であった。

 帰る途中、商店街の外灯に「馬込文士村商店会」と書いてあるのを見つけた(写真)。
 大正末期から昭和初期にかけて、現在の南馬込から大森駅近くの山王にかけての地域に多くの文士や芸術家が住み、互いの家を行き来して交流を深めた話は有名である。その為、この辺りを「馬込文士村」と呼ぶようになったのである。詳しくは「馬込文士村へようこそ」というサイトがあるのでご覧頂きたい。

    馬込文士村商店会

 この後、買い物を済ませ、夜の町をほろ酔い気分で歩いた。少し酒が入っていると、歩くことが苦にならなくなるから不思議である。そんな中、住宅街の真ん中を歩いているというのに、角を曲がる度に赤提灯を探している自分に気づいて、思わず笑ってしまった。まさに「居酒屋探偵」である。

   西馬込千成看板

西馬込 やきとり「千成」
住所 東京都大田区南馬込5-26-14
電話 03-3774-4764
定休日 日曜・月曜休
営業時間 火曜から金曜 17:30~22:00 土曜 17:30~21:00
交通 都営地下鉄浅草線西馬込駅下車徒歩5分・ 東急バス西馬込駅前停留所から徒歩5分

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急に元気になるんです

croquettepunch様

居酒屋探偵DAITENです。
そうなんです。
sakuraにも、
「さっきまで元気なく歩いていたのに、角を曲がって、
赤提灯をみつけたとたん、急に元気になって走り出す」
と言われます。
さらに、
「趣味の域を出て、最近は居酒屋探しの
プロみたいになってきた」とも言われます。

赤提灯の灯りほど心和むものはありませんね。





無意識に赤提灯...

さすが,団長ですね.
実は私もそうなんですです!
だって,誇り高き探偵団員ですもの,うふふ.

で,住宅街にポツンと灯るのを見つけた時なんかは,
感極まっちゃうんですよねえ.

それはそれは

chami様

居酒屋探偵DAITENです。

そうですか、chamiさんは「馬込文士村」の住人だったのですね。
もしも大正時代にchamiさんが文士村に住んでいたら、
きっと、文士たちの人気を集めていたでしょうねえ。
文士たちを惑わす新劇女優・・・いいですね。

こちらのお店、ゆっくり出来る良いお店でした。
五反田から蒲田まで大きくカーブする東急池上線に
抱かれるようにある地域、城南ハートランドと私が勝手に
言っておりますこの辺り。さらに南側の呑み川沿いにも
渋いお店がございます。
そのうち是非ハートランド探訪でもいたしますか。


西馬込

以前、2年くらい住んでました。
その時、ここのお店 何度か行ったことあります。
なんだか、懐かしい〜!

機会つくって、通ってた西馬込の鮨屋とか焼鳥も行きたいのでした。
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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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