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居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第14回/ときめかないお店

居酒屋探偵DAITENの「がっかり録」第14回   【地域別】 【時間順】 【がっかり集】



 ときめかないお店


 私鉄沿線の駅の近くのある店に入った。出来て間がない様子なので、外観はとてもきれいである。特に取材をしたいとも思わず中に入った。
 照明は暗めである。照度が低いという訳ではなく、天井から下がった照明器具が低い位置まで下りてきているので、天井に近い部分が暗いのである。店内には、やや大きめにバラード系のアメリカン・ポップスが流れている。棚には焼酎の一升瓶が並んでいて、カウンター廻りの壁を埋め尽くしている。つまみは、まさに和風創作料理系という雰囲気。よくあるスタイルの店だ。サワー類は私の好きな古典酒場系の店より全体に100円ほど高い。ホッピーを置いているのは良い。しかし、なぜか、セットで550円といった高い価格設定になっている。ホッピーセットの価格を高くするという考え方は、どこから出ているのであろうか。氷を入れたジョッキには多めの焼酎を入れてある、ホッピー瓶を添えて、サワーなどに比べ焼酎も多いから高い設定ということだろうか。

 この手の店に来るといつも同じある感慨をもつ。
 一人きりで音楽を聴きながら、和風のつまみで静かに飲むというのは、実はとても落ち着くのである。しかし、ときめかないのである。
 ときめかない理由は、この手の店には「歴史」や「背景」を感じないからである。店が古くなり、やがて味わいが出てくる前に、閉店してしまうか、またはリニューアルしてしまうであろうことが最初から解るからである。いわば、今まで付き合い、これからも付き合うであろう「友」ではなく、やがて去ってゆく、「行きずりの人」のようなのである。
 
 古くなってしまった壁の味わいある短冊。時の流れの中、自然に飴色に変色した竹製の壁や天井が裸電球の明かりに照らされて淡く輝いている様子。無理矢理照明を落として暗くしているのではない自然で適度な明るさ。そういう味わいはここにはない。

 この手の店のカウンターに時々いる「店主の友人」のようなお客さんも気になる。一段高い位置から他の客や店の従業員を見ているその様子。「自分は違う」という姿勢が見えてしまう時がある。 
 私のような新参者に、その店のローカル・ルールを教えてくださる「古典酒場」の先輩たちとその人たちは違う。何が違うといえば、少し高めの価格設定の店に来られる方の「きどり」かもしれない。
 長く続いている良い店は、客との「距離」を適度に保っているように思う。「店主の友人」的客と店主が話し込んでしまい、料理への気配りが心配になるような店もある。

 もう、私は「今時」には、ときめかないのである。それは歳のせいばかりではないように思う。
 「個性」「ときめき」も必要無い、とても疲れた日の夕暮れ時、記事のことも考えず、自分独りになりたい時、こういった店に入ることにしている。そして、同じ店に繰り返し来店して顔を覚えられたりしないように気を配り、「店主の友人」のようにならないように注意するのである。すぐに仲良くなりたいと思う、自分の本来の性格を知っているので、それを隠して飲むのである。

 (了)


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Comments 11

DAITEN

ありがとうございます。

はちはな様

居酒屋探偵DAITENです。

>  自分で見るだけでなく知り合いにも進めていますが、大変講評です。ところで、何人かの友人から「とてもブログはおもしろいのだが、背景が暗くて字が読みずらい」との感想をもらいました。
>  高齢者が多いことも一因かとも思います。ご参考までに報告いたします。

ご意見をいただきありがとうございます。
私もシンプルで印刷にも適したデザインに変更しようと思っておりました。
さっそく、一番シンプルなタイプを選んで変えてみました。いかがでしょう。

これからもよろしくお願いいたします。

はちはな

 最近、DAITENさんのブログにすっかりはまってしまった「はちはな」と申します。
http://hachihana.blog.ocn.ne.jp/hachihana/2009/09/post_0f6b.html
 自分で見るだけでなく知り合いにも進めていますが、大変講評です。ところで、何人かの友人から「とてもブログはおもしろいのだが、背景が暗くて字が読みずらい」との感想をもらいました。
 高齢者が多いことも一因かとも思います。ご参考までに報告いたします。

  • 2009-10-04 (Sun) 23:22
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

なつかしい

caappy様

居酒屋探偵DAITENです。

昔、湘南へ向かう街道の途中のドライブインとかに、
普通にジュークボックスがありました。
そこで、外国のポップスを日本の歌手が歌うレコードが
かかっていました。
クリームソーダを食べながらジュークボックスの曲を聴く。
「アメリカングラフィティ」的世界が日本にもあったわけですね。



chappy

旗の台・美つ

さすがはDAITENさんです。ご承知でしたか。
美つはいつまでもあのままであって欲しいものですが、
半年先には2010年にならんとする今日、
古を伝える貴重なお店の運命は儚いのかも知れません。
それにしてもあの古いジュークボックス凄いですね。
真空管式で現役稼動なんて・・・。
アンビリーバブルとしか言いようがありません。

居酒屋探偵DAITEN

またまた失礼しました

taka様

居酒屋探偵DAITENです。
今度は本文中で「takta様」という訳の分からないタイプミス・・・。
粗忽者で申し訳ありません。
それでは、失礼します、taka様。

  • 2009-06-20 (Sat) 20:57
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

失礼しました。

taka様

居酒屋探偵DAITENです。
お名前読み間違えました。
take様ではなくtakta様でした。
本当に失礼しました。
改めて、今後もご愛顧のほど、よろしくお願いします。

  • 2009-06-20 (Sat) 20:52
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

独り酒が多くなりますね

take様

居酒屋探偵DAITENです。
最近は、仲間と飲む場合はあまり「記事」に書かなくなってきましたね。
独り酒の方が頭が動きます。それから独りの方が常連の方から声を
かけていただき、いろいろと教えてももらえる。
酒場での何気ないやりとりの中に、地域の貴重な情報がある。
ありがたいことです。
夕暮れ時、城南のどこかの駅の近くで何かを探す様子の怪しい
親父がいたら、それは私かもしれません。
今後ともよろしくお願いします。

  • 2009-06-20 (Sat) 20:10
  • REPLY
taka

いいですね。 西大井のも。 
そこに身を置いて独りもの思ってるのが伝わってくる。 
ちょっと済まないけど、初めていいと思いました。
おそらくご近所、ぼくは上池台だから、これからもまだ見ぬ人の背中を楽しく追うことにしましょう。

  • 2009-06-20 (Sat) 18:34
  • REPLY
DAITEN

Re: 旗の台・美つ

chappy様

居酒屋探偵DAITENです。

そのお店、もちろん存じております。
蒲田方面の改札を出て右、最初の十字路を左の方へ行った場所ですね。
ジュークボックスのある店ですね。ある時点で時間が止まっている。
そんな曲の数々・・・。




  • 2009-06-20 (Sat) 16:29
  • REPLY
居酒屋探偵DAITEN

ありがとうございます

dejavuewords様

コメントありがとうございます。
共感の言葉、うれしく思います。
400円がボーダーラインというのは、
ホッピーを愛する酒場ファンの皆さんの多くが
持つ感覚でしょうね。

蒲田は東京城南地区の居酒屋聖地。
もっともっと紹介しなければいけませんね。

dejavuewords

まったくその通りですね

私も立ち飲みにたまに行きますが、ホッピーが550円なんて店は入りません。
せいぜい400円がいいところだと思ってるからです。
「半兵衛」の爪の垢でも飲ませたいもんですね。
私のテリトリーである蒲田には立ち飲みがたくさんあり、値段もまちまちですが、いつ行ってもいいのは東口の「かるちゃん」です。
ご存知だと思いますが、昔ながらの店内がなんともいえません。
リンクさせていただきますので、宜しくお願いします。