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恵比寿「陣や」「筑紫」「たつや」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活  第23回 2007年5月25日(金)   【地域別】  【時間順】




恵比寿「陣や」「筑紫」「たつや」


 恵比寿 「炉ばた陣や~恵比寿本陣~」

 本日の集合は恵比寿駅の大エスカレーター下である。
 SAKURAの演出する最近のマリヴォー作品3本すべてに出演してくださっている俳優の五森大輔氏とSAKURAと3人で会うことになったのである。五森氏が作・演出した楽屋ランチシアター「きずな」の本番が終わり、ちょうど身体が空いたとのことなので、久しぶりに芝居話に花を咲かせようということで集まった。

 静かにじっくり話したい、だからいつもの「騒々しいディープ系の店」ではだめであるというSAKURAのリクエスト。しかも、場所は新宿、渋谷近辺というカセもきいている。そして、今日は25日の給料日の金曜日である。恵比寿といえば「和風ダイニングで恋人とまったりしている芸能人が帰り道、芸能写真誌に見つかる町」である。高い価格設定の「和風ダイニング」の数は多い、しかし、その手の店は好きになれない。待ち合わせ1時間前の時点でチェーン系居酒屋の個室は満席。だいたいにおいて、チェーン系居酒屋には私が行きたくない。なによりも私自身がホッピーが呑みたいという自己欲求を満足させたい。しかも、静かに話が出来る個室がいい。これをみつけるのは離れ業である。
 しかし、居酒屋探偵としては、依頼者のリクエストに応えられないのは恥である。恵比寿で個室があって、ホッピーが飲める店、みつけました。

 少し遅れるというSAKURAからの連絡が入った為、五森氏と二人で向かったのは、「炉ばた陣や~恵比寿本陣~」である。
 恵比寿駅東口から直進すると、五叉路がある。信号を渡り左斜めに入ってゆくと、すぐ左に、先日行った「梅暦酒店」があり、次の十字路の先に「ほりこし亭」が見える。この十字路を右折して、丁字路にぶつかる。その左角にあるのが「陣や」である。入口に店名に因んでかがり火が灯されている。

 かがり火の間を通り、店の中に入ると、目の前に15人ほど座れるカウンターがあり、カウンター席の左奥にテーブル席がある。予約していたので、すぐに通されたのは、掘りごたつになっている個室である。個室の脇には、数段あがった所に4人ほどが座れる席がおり、そこからは店内が見渡せる。私たちの通された個室は、掘りごたつを真ん中に左右に3名づつ、計6名が座れるようになっており、奥に明かり取りのような障子のはられた窓がある。左側にも細長いガラスの入った明かり取りがあり、店内の天井が見える。狭い個室の圧迫感を軽減するためのデザインに違いない。

 まずは、五森氏はウーロンハイ(380円)、私は黒樽生ホッピー(390円)を頼む。
すると、そこへSAKURAから連絡が入り、途中まで迎えにゆく。SAKURAを連れて店に戻り、SAKURAも黒樽生ホッピーをたのみ、3人でようやく乾杯をする。
 つまみは、牛スジの土手焼き(100円)、鶏レバー(150円)、鶏ハツ(120円)、ぼんじり(120円)等を3本ずつと、ホッケ(650円)、焼き空豆(480円)を頼む。

 ホッピーを飲みながら、近況などを聞いていると、突然、さきほどの明かり取りが開いた。びっくりである。「焼き物などはここからお出しします」と言われる。一種の「サプライズ」なのかもしれない。
 驚きとともに登場したのは「土手焼き」である。濃い味付けの味噌ダレの中で煮られた牛スジの土手焼きは、肉がやわらかくなるまで煮てある。まずまずである。
 次に鶏レバー、鶏ハツ、ボンジリがやってくる。どれもうまい。ホッケも半身であるが肉厚で大きかった。皮ごと焼いた空豆を大きな器にもっている様子、焼き物のサイズなど、出てくるものにボリューム感をもたせようとしているのが解る。「陣や」という名前から言っても「男らしさ」を出したいのかもしれない。
 私は2杯目にマッコリ(450円)を飲んだ。SAKURAはジャスミン茶ハイ(380円)を飲んでいた。

 酒の価格は恵比寿という場所にしては、安めに抑える努力をしている。裏通りの店であり、客を動員する為に色々と、努力と演出のあとが見えて好感がもてた。、しかし、私のようなディープ系、古典酒場系の居酒屋が好きな人間としては、今回は例外的選択といえる。個室には2時間の時間制限があった。チャージ料一人300円が必要。3人で合計は6,670円であった。

 恵比寿 居酒屋「筑紫」

 五森氏より、「DAITENさんの行く店なら、もっとディープな居酒屋かと思いましたよ。」と言われ、そういう意味でもっともディープな店に案内することにする。
 「陣や」を出てすぐに右に曲がり、十字路に出ると、右手に「ほりこし亭」の看板が見え、左に「梅暦酒店」が見える。その十字路をすぎて、通りに出る手前右手にあるのが居酒屋「筑紫」である。

 店に入ると、右手にカウンターがあり、中は調理場である。左手に4人掛けのテーブルが2つ。2つのテーブルは先客で満席であった。さらに、右奥は一段高くなっていて、四畳半ほどの座敷があるが、今日は空席であった。
 「3人なんですが・・・」、ちょっと強面のマスターがカウンターを示す。カウンターは我々3人でいっぱいになった。
 3人共、焼酎お湯割り(300円)をもらう。つまみはタコ酢(500円)と高菜炒め(450円)である。SAKURAのみお湯割りに梅干し(50円)を入れる。
 「まるでドラマのセットみたいですね」と話すと、五森さんも同意してくれた。
ドリフターズのコントに出てくる「小さな居酒屋」の簡単なセットのようでもある。

 先客の皆さんはずいぶん前からのんでいる様子で、だいぶ出来上がっている。狭い店なので、トイレに行く時は、四人掛けテーブルの一人のお客さんにどいてもらわなければならない。時折、マスターが座敷に座って、常連客と話している。午後9時に入店、午後10時30分の閉店時間までいた。お湯割りを3杯づつ飲んで、合計4,200円であった。

 恵比寿 もつ焼き「たつや」駅前店

 まだ話し足りないというSAKURAと五森氏の要望により、次の店を探す。すでに閉店時間になってしまっている店も多いので、こういう時は、朝5時までやっているあの店に向かう。「たつや」駅前店である。
 本当は一階席が良いのだが、やはり今日も地下に通される。ほぼ満席の中、やっと狭い通路沿いの席に入り込む。

 SAKURAと私はホッピー(430円)、五森氏はレモンハイ(430円)である。すでにお腹がいっぱいであり、一軒目でモツ焼きを食べているので、シイタケ(180円)、ギンナン(180円)、そして、ハラミ(170円)を2本づつもらい、串から外してつまむ。
 狭い通路沿いの席なので、背後をトイレに行く人が何度も通り、落ち着かない。しばらくして、「カウンター席が空いたので、そちらへどうしぞ」と言われ移動する。

 五森氏は本当に芝居を愛している俳優さんである。今日も熱く熱く語り、とても時間が足りなくなってしまい、あっという間に1時間が過ぎて、時計の針は午前0時を回っていた。
 1時間15分ほどの滞在、合計3,380円であった。
 本日の飲み代の総計は3軒3人で14,250円、1人4,750円。
 再会を約束して、恵比寿駅の山手線ホームで、それぞれ外回りと内回りに別れて電車に乗った。


恵比寿 「炉ばた陣や~恵比寿本陣~」
東京都渋谷区恵比寿1-15-4メゾン115 1F
03-3443-0577
無休 月~木 17:00~03:00 金 17:00~04:30 土・日 17:00~03:00

恵比寿 居酒屋「筑紫」
東京都渋谷区恵比寿1-6-5
03-3444-4401

恵比寿 もつ焼き「たつや」駅前店
渋谷区恵比寿南1-8-16 電話03-3710-5844(地下店)
定休日 日曜 営業時間 08:00~05:00(20時間営業)




実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」
恵比寿

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