新宿 酒蔵「かんちゃん」西口2号店
居酒屋探偵DAITENの生活 第322回 2010年2月23日(火) 【地域別】 【時間順】
新宿 酒蔵「かんちゃん」西口2号店
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初台の新国立劇場の小ホールで行われた新国立劇場演劇研修所(NNTドラマ・スタジオ)の3期生修了公演「友達」を見た。同公演にはsakuraの以前からの教え子である若菜大輔君が出演している。作品は安部公房が1967年に発表した不条理劇「友達」。「友達」は、我がs.a.pの前身である桜塾として上演したこともある作品である。因みに、同公演の上演劇場は新国立劇場が面している甲州街道を西に少し西に向かった場所のキッド・アイラック・ホールであった。
3年間の研修生活を終えた今、これからの彼の活躍に期待したいと思う。
昨年の6月、同じく新国立劇場演劇研修所(NNTドラマ・スタジオ)の発表会公演「美しきものの伝説」を見た時もそうであったように、芝居を見た後、新国立劇場から新宿方面に向かって甲州街道を歩くことにした。その時のことは、第224回の記事に書いている。
約1キロメートルほどの距離を歩いて、新宿の飲食店や居酒屋などが集中している地域に向かった。実は、十数年前、この地域の一階と二階が居酒屋が入っている雑居ビルの3階に稽古場があったのである。その雑居ビルには今でも一階にその居酒屋が入っている。しかし、二階と三階はずいぶんと洒落たバーになっていた。
我々がそんな洒落たバーなどに行くわけもない。向かったのは稽古帰りに役者たちと行った居酒屋、酒蔵「かんちゃん」西口2号店であった。
酒蔵「かんちゃん」は、古い雑居ビルの中二階のような場所にある。店の様子を下から見あげると、「酒」「蔵」「か」「ん」「ち」「ゃ」「ん」という風に、文字ごとに別れた提灯が下がっており、「かんちゃん」と書かれた赤提灯もある。主だったメニューも掲げてある。何やり、お祭りの山車を見上げるような雰囲気だ。その脇にある少し急な階段を上がり、引き戸を開けて中に入る。目の前に大きなテーブルがある。その奥にテーブルがいくつかあり、さらに奥に店は続いている。右手はカウンター席が十席ほど、その左手は座敷席になっている。
入ってすぐのテーブルに二人並んで座った。
まずは、瓶ビール大(580円)を頼む。銘柄はスーパードライ。私はレモンサワー(350円)にする。しかし、一杯目のビールは二人で飲んだ。突き出し(150円)は蓮の煮物である。
つまみは、なす田舎煮(370円)と、さつま揚げ(370円)。最近は淡泊なものばかり頼んでしまう。
飲みながら昔のことを話す。新宿のど真ん中に稽古場があるというのは、はたして役者にとって良い環境だったのか? 稽古帰りの誘惑が多すぎるのである。当然、打ち合わせは居酒屋になる。演劇人は議論好きだ。もりあがり過ぎて毎回深夜になる。ただでさえ金が無いのに酒代がかさむ。少し金が入るとまた飲んでしまう。稽古が続くのでバイトも出来ない。借金が増える。そういった話しは枚挙にいとまがない。
「どうしてあんなに飲んだのかなあ」というsakuraの一言が面白い。店一軒で、大瓶の瓶ビールを二人で10本飲むなんてこともあった。
昔の役者たちは酒をよく飲んだ。ある日、「かんちゃん」で飲んでいた時、近くのサラリーマングループが大声で話すので、こちらの会話が成り立たないことがあった。すると、役者たちは声を切り替えた。舞台モードである。すると、サラリーマングループの声は聞こえない。しかたなく黙ってしまっていた。長く続けばケンカになる。そばで見ている私は冷や冷やであった。
酒の失敗話、ケンカ沙汰、武勇伝も多い。今はそれがあまりない。若い役者たちは稽古の後もちゃんと帰ってゆく。たとえ飲んだとしても終電に間に合うように帰るのだ。
私はホッピーセット(360円)。sakuraは白波お湯割(340円)にした。芋焼酎は甘さが良い。店内に流れる「若者避け」の演歌が心地よい。演歌をかけておくと若者が店にあまり入ってこないと聞く。「演歌バリア」という言葉を思いついた。
午後9時半から10時15分まで45分ほどの滞在。お勘定は2,350円であった。春近し。来週はもう3月である。
← 酒蔵「かんちゃん」西口2号店前の道

新宿 酒蔵「かんちゃん」西口2号店
住所 東京都新宿区西新宿1-15-1 さくらぎビル
電話 03-3342-5328
定休日 ?
営業時間 ?
交通 JR新宿駅西口下車徒歩3分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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新宿 酒蔵「かんちゃん」西口2号店



初台の新国立劇場の小ホールで行われた新国立劇場演劇研修所(NNTドラマ・スタジオ)の3期生修了公演「友達」を見た。同公演にはsakuraの以前からの教え子である若菜大輔君が出演している。作品は安部公房が1967年に発表した不条理劇「友達」。「友達」は、我がs.a.pの前身である桜塾として上演したこともある作品である。因みに、同公演の上演劇場は新国立劇場が面している甲州街道を西に少し西に向かった場所のキッド・アイラック・ホールであった。
3年間の研修生活を終えた今、これからの彼の活躍に期待したいと思う。
昨年の6月、同じく新国立劇場演劇研修所(NNTドラマ・スタジオ)の発表会公演「美しきものの伝説」を見た時もそうであったように、芝居を見た後、新国立劇場から新宿方面に向かって甲州街道を歩くことにした。その時のことは、第224回の記事に書いている。
約1キロメートルほどの距離を歩いて、新宿の飲食店や居酒屋などが集中している地域に向かった。実は、十数年前、この地域の一階と二階が居酒屋が入っている雑居ビルの3階に稽古場があったのである。その雑居ビルには今でも一階にその居酒屋が入っている。しかし、二階と三階はずいぶんと洒落たバーになっていた。
我々がそんな洒落たバーなどに行くわけもない。向かったのは稽古帰りに役者たちと行った居酒屋、酒蔵「かんちゃん」西口2号店であった。
酒蔵「かんちゃん」は、古い雑居ビルの中二階のような場所にある。店の様子を下から見あげると、「酒」「蔵」「か」「ん」「ち」「ゃ」「ん」という風に、文字ごとに別れた提灯が下がっており、「かんちゃん」と書かれた赤提灯もある。主だったメニューも掲げてある。何やり、お祭りの山車を見上げるような雰囲気だ。その脇にある少し急な階段を上がり、引き戸を開けて中に入る。目の前に大きなテーブルがある。その奥にテーブルがいくつかあり、さらに奥に店は続いている。右手はカウンター席が十席ほど、その左手は座敷席になっている。
入ってすぐのテーブルに二人並んで座った。
まずは、瓶ビール大(580円)を頼む。銘柄はスーパードライ。私はレモンサワー(350円)にする。しかし、一杯目のビールは二人で飲んだ。突き出し(150円)は蓮の煮物である。
つまみは、なす田舎煮(370円)と、さつま揚げ(370円)。最近は淡泊なものばかり頼んでしまう。
飲みながら昔のことを話す。新宿のど真ん中に稽古場があるというのは、はたして役者にとって良い環境だったのか? 稽古帰りの誘惑が多すぎるのである。当然、打ち合わせは居酒屋になる。演劇人は議論好きだ。もりあがり過ぎて毎回深夜になる。ただでさえ金が無いのに酒代がかさむ。少し金が入るとまた飲んでしまう。稽古が続くのでバイトも出来ない。借金が増える。そういった話しは枚挙にいとまがない。
「どうしてあんなに飲んだのかなあ」というsakuraの一言が面白い。店一軒で、大瓶の瓶ビールを二人で10本飲むなんてこともあった。
昔の役者たちは酒をよく飲んだ。ある日、「かんちゃん」で飲んでいた時、近くのサラリーマングループが大声で話すので、こちらの会話が成り立たないことがあった。すると、役者たちは声を切り替えた。舞台モードである。すると、サラリーマングループの声は聞こえない。しかたなく黙ってしまっていた。長く続けばケンカになる。そばで見ている私は冷や冷やであった。
酒の失敗話、ケンカ沙汰、武勇伝も多い。今はそれがあまりない。若い役者たちは稽古の後もちゃんと帰ってゆく。たとえ飲んだとしても終電に間に合うように帰るのだ。
私はホッピーセット(360円)。sakuraは白波お湯割(340円)にした。芋焼酎は甘さが良い。店内に流れる「若者避け」の演歌が心地よい。演歌をかけておくと若者が店にあまり入ってこないと聞く。「演歌バリア」という言葉を思いついた。
午後9時半から10時15分まで45分ほどの滞在。お勘定は2,350円であった。春近し。来週はもう3月である。


新宿 酒蔵「かんちゃん」西口2号店
住所 東京都新宿区西新宿1-15-1 さくらぎビル
電話 03-3342-5328
定休日 ?
営業時間 ?
交通 JR新宿駅西口下車徒歩3分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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