雑色 もつ焼き「ジャンボ大塚」

居酒屋探偵DAITENの生活 第330回 2010年3月13日(土) 【地域別】  【時間順】




雑色 やきとり「ジャンボ大塚」



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 前回の人気店では、遅い時間の入店の為、食べ物の種類が残り少なかった。それゆえに、満足とまではいかない気持ちをいだきながら外に出た。次回に期待したいと思う。
 その店の前の十字路に立ち、廻りを見廻してから北東方向へと歩いた。二つ目の十字路を左に曲がり進む。すると、右から左へと斜めに走る道に出た。ちょうど変形五叉路のようになっており信号がある。バス通りだ。辺りには、寿司店、そば店、酒屋、居酒屋などが集まっていた。そのまま、バス通りを斜めに歩き始める。すると、左手に「ジャンボ大塚」と書かれた看板を発見。「ジャンボ」というとタコ焼き店やラーメン店を私は思い出す。しかし、所謂「やきとりと看板に書かれたもつ焼き店」であることがすぐに解った。

 路地を曲がると何かが待っているかもしれないという予感。いや、前に進む為にその予感がつくってしまうのかもしれない。その作られた予感の通りに現実がなったのである。
 うれしくなって、入口を開ける。初めての店に入る時のこの気持ちは独特である。入口が開くとHAPPY BIRTHDAY TO YOUが流れた。独り笑ってしまう。誕生日の日に来店した人はうれしいかもしれない。

 入ると右手すぐが焼き台になっており、その先のカウンター席は六人掛け。左手には四人テーブルが三つ並ぶ。一番奥のテーブル席に野球帽の男性二人。人生の先輩の方々である。カウンター席の中央辺りに男性客一人。
 客席の一つに座っていたママさんが立ち上がり私を見る。

 「いらっしゃい」
 「1人なんですが・・・」
 「どうぞ、そちらへ」
 カウンターの一番手前の席に座る。ママさんも人生の先輩である。

 ママさんにトマトサワー(400円)を頼んだ。トマトサワーは好きである。
 「何かできるまでつまんでね」と言って、ママさんがマグロのぶつ切りを出してくれる。このマグロが美味いのだ。
 
 トマトサワーを飲みながら店内を見る。
 「内臓料理でスタミナつけて元気になろう、ママより」と目の前のカウンターに書いてある。

 店の奥の高い位置にブラウン管アナログテレビがある。静かな店の中で音を抑えたテレビの音が心地よい。まだマグロしか食べていないのに少しずつ元気が出てくる。
 カウンターには無造作にティッシュが置かれ、みつかん味ぽんの瓶もある。

 「焼き物いいですか?」とママさんに聞いてみた。
 「どうぞ」とのこと。なんこつたんはつ。各90円を一本ずつ頼んだ。塩でお願いする。
 うずら焼き(120円)もあった。うずらは前の店にもあった。もつ焼き店がうずらを置くのはこの辺りの地域性なのであろうか。
 
 焼き台から聞こえる団扇の音が静かな店内に響く。
 アルマイトの皿へ最初に焼けた一本を乗せて持ってきてくれ、次々に焼けた物から少しずつ出してくれる。このやり方は雑色流なのだろうか? ここは肉がおおぶりである。やはり、このくらいの大きさは欲しいものだ。味も美味しい。そういえば、店の外に貼ってあった紙に「中身で勝負」という言葉があったことを思い出す。

 やがて、テレビでは定番の夕方の釣り番組が始まった。
 常連の皆さん同士の話が面白い。知らないふりをして、話を聞かせてもらっているだけでも楽しい。
 釣りに行く時の弁当や競艇の会場での食事でも梅干しは食べては駄目なのだそうである。一種の「験担ぎ」である。
 
 昔なつかしいハイボール(400円)をお願いする。
 川崎や羽田や多摩川での釣り談議がさらに続く。話が一区切りついたところで、モロキュウ(150円)をママさんにお願いした。
 それほど、有名店ではない、しかし、実に落ち着くのである。元は屋台で営業していたそうである。

 帰り際に営業時間を聞くと、なんと昼の12時から夜9時までの営業とのこと。定休日は日曜・祭日。
 「トサツバに合わせて休んでいるんですよ」とママさん。

 ママさんに優しく送り出してもらったのは午後6時ちょうどであった。午後5時20分の入店であるから40分の滞在であったろうか。お勘定は1,420円。計算するとお通しのマグロぶつは200円ということになる。安い。
 外はすっかり暗くなっていた。しかし、心は明るい。満たされなかったものは、思いの外すぐ近くで満たされた。今日一番の収穫であったかもしれない。
 

 すぐそばにあった京浜急行バス・東六郷一丁目のバス停に立つ。通っている路線は蒲41蒲42蒲43蒲45の4つである。ちょうど来た蒲43・18時9分のバスで蒲田へ向かった。座席に座り、車窓から外の灯りを追う。バスの中は暖かい。緩くなった瞼が灯りを明滅させ、やがて、気づかぬまま、ひとときの闇が訪れた。
 
 ※  ※  ※

 蒲田を少し歩いた。某名店が今日は営業していた。店の前を通りながら中をのぞく。相変わらず入り憎い雰囲気。今日は時間が無いので我慢をして帰ることにした。

 ※  ※  ※

 追記

 こちらのお店はあくまで地元の皆さんのお店であることを痛感した。このゆったりとした雰囲気を壊さないようにしたいものである。これは酒場巡りをする者の一人として、やはり考えなければならない点である。



 雑色やきとりジャンボ大塚赤提灯

雑色 やきとり「ジャンボ大塚」(もつ焼き)
住所 東京都大田区東六郷1-25-11
電話 03-3734-7873
定休日 日曜・祝日
営業時間 12:00~21:00
交通 京浜急行京急雑色駅下車徒歩7分


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

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Re: 良い感じですね。

はまちゃん様

居酒屋探偵DAITENです。

確かに入りづらいです。私もそうでした。
でも、入ってしまえば緩い雰囲気の中にひたれます。
このお店の前の道をそのまま西に進んで第一京浜を渡り、
仲六郷1丁目の交差点を右にどんどんあるけばすぐに蒲田ですね。
歩くのは楽しいことです。


良い感じですね。

ここも気になる所です。

でもちょっと入りづらいかも。
一度勢いつけてチャレンジですね。
ここいらで飲んでぷらぷら蒲田辺りまで歩くのもいい感じですね。

Re: No title

fatricefarm 様

居酒屋探偵DAITENです。

> こんにちわ。
> こちらのママさんはほんわかしていていつも優しいです。
> 3月半ば、まんねん→三平→ジャンボ大塚でいい時間でした。
> 雑色は、早い時間からいい飲み屋さんがやっているいい街です。

コメントありがとうございます。
ママさんとってもいいですね。同感です。
雑色駅近くの立ち飲みまんねんさんは先日テレビ朝日の「お願いランキング」で
紹介されていましたね。
雑色は良いお店がたくさんですね。





No title

こんにちわ。
こちらのママさんはほんわかしていていつも優しいです。
3月半ば、まんねん→三平→ジャンボ大塚でいい時間でした。
雑色は、早い時間からいい飲み屋さんがやっているいい街です。
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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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