雪谷大塚 BAR「OVAL」
※BAR「OVAL」は、地域の再開発の為、2012年1月19日に閉店。一時、自由が丘に移転した後、2012年8月より雪谷大塚に戻って再開することになりました。
移転の経過、移転先などの情報は、公式ブログ「楕円生活の方法」をご覧下さい。
雪谷大塚 BAR「OVAL」
~ 味わいある○杯横町にて その2 ~

前回の第339回の記事で訪問した中原街道沿いの小さな飲み屋街「乾杯横丁」を再び訪れた。「乾」の字のネオン管が消えている入口のアーケードをくぐり中に入る。前回紹介したやきとり「京太」の外観を見ながら右に曲がる。今日は、やきとり「京太」のマスターから勧められたBARに来てみたのである。路地の奥の方を見ると、今日は休みのお店が多いらしく看板の灯が全て消えていた。路地の入口の建物の表に面した側にはかつて何軒かのお店が入っていたことが解る。その建物の奥側に扉があり、扉の上に小さな灯りが一つだけある。(写真)

さらに、入口の扉の前の地面には、「OVAL」という店名がプロジェクターで灯影されている(写真)。

地面の文字を眺めていると、突然、扉が開いた。スーツを着た男性の方である。お客さんが外に出て来られたのである。入れ違いに中に入る。始めての店で「勇気をふるって扉を開く」という過程が一つ省略されたことになる。
バーらしく照明は暗い。右手に8人ほど座ればいっぱいのカウンター。左手に四人席が一つ。カウンターの中にメガネをかけたマスターが立っておられた。カウンター席には先客の女性一人。先ほど出て行かれた方の連れの方のようである。隣の席のカウンターに煙草の箱が置いてあるのですぐに戻ってこられるのが解る。
ビニールケースに入ったメニューが出てくる。少し喉が渇いているので、1杯目はトムコリンズ(500円)を選んだ。
目が慣れてくる。カウンター席の上に太い排気ダクトが通っており、大きな吸気口が二つある。ダクトは店の一番奥までいって、低い位置で壁に消えている。銀色の太いダクトが光って目立つ。不思議な造りのバーである。左手のテーブル席の奥は、手洗い場とトイレになっていた。
扉が開いた。先ほどの方が戻ってきたのかと思うと、別の男性であった。さらに、カップルの男性も戻ってくる。店内が急に賑やかになった。テレビではサッカーの日韓戦が流されている。そういえば、中原街道沿いの歩道に出してあった、こちらの店の立看板に「サッカー中継」を流していることが書かれていた。
マスターはそれぞれのお客さんと話されている。皆さん常連のようである。
2杯目のカクテルはマティーニ(500円)にした。
「マティーニはドライにする方が多いのですけど・・・どうされます?」と聞かれる。
「あまり格好をつけないほうなので・・・ベルモットをちゃんと入れてください」と言う。
「それじゃ、僕がマティーニだと思うのをひとつ・・・」とおっしゃる。
カクテルを作る過程を見るのが好きである。しかし、ここでは作り方については触れない。それぞれのバーテンダーの方の企業秘密であると思うからである。
マティーニを飲みながら、お店のことをいろいろと聞いた。開店したばかりのお店で開店の苦労話などを聞くのは興味深いことである。それぞれの方の人生を垣間見られるからだ。こちらの店が入る前、ほんの短い期間焼肉店であった時があり、太いダクトやカウンターの上の吸気口はその時の名残りであるという。ゆえに、結果的に「OVAL」さんは、珍しく「換気のとても良いバー」ということになったのである。他の人の煙草が気になる場合、マスターに言えばスイッチをオンにしてくれるに違いない。バーカウンターの上にゆっくりとただよう煙草の煙が美しいという時代でも無くなってきているようにも思える。
カップルの方が帰られ、もう一人の常連の方が一番奥の席に移られた。このお客さんを含め、マスターと3人でいろいろとお話をする。
マスターのおすすめに従い、3杯目はモンキーショルダー(800円)を選んだ。マスターの話によれば、グランツ社の3つの蒸留所のシングルモルトをブレンドして作ったウイスキーとのこと。つまり「トリプルモルト」なのである。ボトルの肩のところに小さな3匹のモンキーがのっている。面白いボトルである。
ストレートにチェイサーの水を付けてもらう。口に含む。香りを残して消えて行く感じが良い。
「強いシングルモルト好きの方には物足りないかもしれません」とはマスターのご意見。
ここで食べ物をお願いした。さきほどの会話の中で自家製の燻製をいろいろ作っているという話を聞いていたので、それを試してみることにする。今日はレバーの燻製があるそうだ。
「痛風がちょっと怖いので、ハーフとか出来ますか?」と聞くと、特別に200円分を出してくれた。添えられたクラッカーと共にいただく。うまい。これは良いつまみである。
燻製は他にスナギモを使う場合もあるという。テバナカ、カレーとナンなども提供できるとのこと。
バーを紹介することは今までまったくなかった。その理由は比較的高いお店が多いからである。チャージを取る店も多く、結果的に一人単価5000円以上になる場合が多い。そうなると、「ごく普通の人が日々通えるお店しか紹介しないというポリシー」から外れてしまう。しかし、今回のBAR「OVAL」はノーチャージであり、若いサラリーマンやOLの方がお小遣いの範囲で1、2杯飲んで帰ることが出来るお店として紹介することにしたのである。もちろん、まるで「都市遺産」のような味わいある「乾杯横丁」という場所の為もある。
チェックをお願いする。2000円ちょうどであった。
午後8時45分から9時45分まで約1時間ほどの滞在。
※ ※ ※
追記 その後、こちらお店の居心地が良く、ついつい馴染んでしまい、行く度にマスターや常連の皆さんとお話をする機会も多くなっている。この店には「物語」が集まってくるのである。(2010.06.11)
※ ※ ※
追記 マスターには何やら企画中の面白い秘策がある様子。これからの「乾杯横丁」がちょっと楽しみである。(2010.07.06)
※ ※ ※
追記 古いエド・サリバンショーのDVDを見せてもらいながらマスターとまた色々とお話をする。また、雪谷大塚駅近くの雪谷商店街の盆踊りイベントがあり、これに合わせて、以前から企画されていた外飲みイベントを2010年7月24日(土)と7月25日(日)の夜に乾杯横丁で行うとのこと。私も顔を出すつもりである。(2010.07.23)
※ ※ ※
追記 日常的によく顔を出すようになっている。夕方の一時、または、真夜中。マスターと話をすると癒されるのである。この日は、久しぶりに作ったというマスターの手作りのレバの燻製がうまかった。いつもある訳ではないけれど、おすすめである。(2010.09.13)
※ ※ ※
追記 追記した日以外でも週に1回から2回は顔を出すことが多くなっている。すっかり、探偵事務所である。(2010.10.07)
※ ※ ※
追記 いつも、BAR「OVAL」に顔を出すと食べてしまうのが下記の写真のもの。ピザに見えるがそうではない。本当は違う名前があるのに、私だけ勝手に「定食」と呼んでいる。それくらいいつも食べてしまう。詳しくはマスターに聞いてみてほしい。うまいのである。
「生ビールに定食ください」
いつも、そういうのである。(2011.09.09)

※ ※ ※
※BAR「OVAL」は、地域の再開発の為、2012年1月19日に閉店。一時、自由が丘に移転した後、2012年8月より雪谷大塚に戻って再開することになりました。
移転の経過、移転先などの情報は、公式ブログ「楕円生活の方法」をご覧下さい。
(2012.8.6)
雪谷大塚 BAR「OVAL」
住所 東京都大田区雪谷大塚町7-13 → 東京都大田区南雪谷2丁目18-2
電話 ?
定休日 日曜日
営業時間 18:00~01:00
交通 東急池上線雪谷大塚駅下車徒歩3分。TSUTAYA脇路地内。
公式ブログ「楕円生活の方法」→ http://daenseikatsusha.blog.fc2.com/
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
こちらクリックお願いします→ FC2 Blog Ranking
こちらクリックお願いします→ 人気blogランキングへ
実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」
Re: 新生OVALさん