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矢口渡 やきとり「とりぎく」

居酒屋探偵DAITENの生活 第346回 2010年6月12日(土) 【地域別】  【時間順】


2010年閉店

※2010年6月16日 510,000カウント通過 感謝!

矢口渡 やきとり「とりぎく」


 矢口渡やきとり「とりぎく」外観

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 前回の店を出ると、東急多摩川線の矢口渡駅脇の踏切を多摩川駅方面の改札側から蒲田駅方面の改札側へと渡った。そのまま踏切脇の十字路を過ぎて歩いてゆくと、広い道に出た。その道は環八通りである。環八通りと東急多摩川線は新丸子武蔵新田矢口渡の三つの駅の間では、ほぼ平行に並んでいる。
 環八通りを渡り、そのまま歩くとバス通りに出る。そこには、蒲田駅前田園調布駅前をつなぐ東急バスの「蒲12」系統が通っている。その通りを右に曲がり、三角地の角のガソリンスタンドの向こう隣、矢口渡というバス停手前に今日の二軒目の店、やきとり「とりぎく」がある。前回のお店は、元々やきとり店であった店舗に居抜きで入りながら、焼き台があってもやきとりは出さないお店であった。ゆえに、やきとりは別のお店で食べてみようと思い立ったのである。

 オレンジ色のテントに平仮名で「やきとり とりぎく」と書いてある。格子状になっているガラスの引き戸を開け、中に入った。右手に10人程が座れるL字カウンターがあった。一番右手前が焼き台になっている。年輩の大将が黙って焼き鳥を焼いている。店の一番奥には四人掛のこあがり席がある。左手の手前の方はトイレである。カウンターの中の調理場には小柄な女将さんが一人。
 カウンター席の一番手前の焼き台に近い席に座った。私の並びに男性の方が一人。その向こう側、2席ほど空けて男性客一人。L字カウンターの向こう端に年輩の男性客の方が座っておられる。
 
 「何を食べようか・・・」と考えながら、目の前の高い位置に貼ってある短冊メニューを見て驚いた。やきとり60円なのである。今時60円というのは珍しい。全体に安い価格である。長い間、常連客の皆さんの為に値上げをせずに頑張ってきてくれたに違いない。
 やきとり(60円)3本を塩焼きで、それからいか刺し(300円)をもらった。飲物は御酒(200円)を常温で頼む。濱小町という銘柄の150ミリリットル入りのかわいい瓶である。

 やきとりを大将が丁寧に焼き始める。焼き物はやきとりのみというのが潔くて良い。大田区の西側地区はもつ焼きよりも若鶏焼という看板を上げた鳥料理の店が多いように思う。
 
 テレビではさだまさしが歌っていた。フジテレビの音楽番組「MUSIC FAIR」の今日のゲストである。「私は犬に叱られた」「片恋」「主人公」と曲は続く。
 やがて女性客が一人登場。並びの先客の男性の隣に座った。酔っておられる様子の奥の年輩の男性が「かわいいね」と声をかける。すると、女将さんがやんわりとたしなめる。

 やきとりがやってくる。皿に添えられた辛子でいただく。焼き加減が最高に良い。これで60円は安い。

 2杯目は酎ハイ(300円)にした。
 カップルとなった左隣のお客さんが玉子焼き(300円)は頼んだ。大将が材料を取り出し、静かに玉子焼きを作り始める。その様子が良い。かっこいいのである。やがて、美しい色の玉子焼きがお隣の方々の前に出された。すぐには食べない。
 「もったいないなあ、熱々なうちに食べれば良いのに・・・」などと思う。大きなお世話である。
 今日のところは注文するのを控えたけれど、次回は絶対に食べたいと思わせる一品であった。

 短冊メニューとは別に小さなホワイトボードにも何品か書いてあった。その中にあった焼餅(200円)を大将にお願いした。昔、焼き台のある店ではよく餅を焼いて食べさせてくれた。しかし、最近は珍しい。丁寧に焼いてくれる焼餅は最高である。
 出てきた焼餅はなんと3切れもあった。海苔で巻いてある。これは究極の締めの一品かもしれない。

 店全体に流れる静かで緩い空気は土曜日ならではのものであろうか。普段は違うのかもしれない。私は土曜の夕方の早い時間、日が落ちる前の静かな酒場が好きである。お店の方もリラックスしていてお話もしやすい。しかし、今日のところは何も話さなかった。それが一番良いと思ったからである。
 
 最後の一個の餅に、いか刺しで残ったわさびをつけて食べてみた。これがまたうまい。

 心もお腹も満たされた。

 午後6時から6時50分まで50分の滞在。お勘定は1,180円であった。

 常連客の皆さんの為に長年やってきた貴重な店、「ブログに書くことを躊躇わせる店」をまた一軒紹介してしまった。少し後悔している。
 ただ、私はグルメ探偵ではなく、味わいある店物語のある店を探し回る居酒屋探偵であることを言い訳として付け加えておきたい。


 ※  ※  ※

 追記 2011年1月13日

 2011年の新年、蒲田から田園調布を結ぶ東急バスの車窓からお店が変わってしまっていることに気づいた。そこで、この日、用事で矢口渡駅に行った帰り、お店の前まで行って、まったく違うお店になってしまっていることを確認した。残念である。



矢口渡 やきとり「とりぎく」
住 所 東京都大田区東矢口2-19-2
電 話 03-3757-4856
定休日 日曜祝日
営業時間  17:00~22:00
交通 東急多摩川線矢口渡駅下車徒歩3分・東急バス蒲12系統矢口渡駅下車徒歩5秒。


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ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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矢口渡

Comments 2

居酒屋探偵DAITEN

Re: No title

happy_thursday様

居酒屋探偵DAITENです。

> >「ブログに書くことを躊躇わせる店」をまた一軒紹介してしまった。
> >少し後悔している。
> >ただ、私はグルメ探偵ではなく、味わいある店、物語のある店を
> >探し回る居酒屋探偵であることを言い訳として付け加えておきたい。
>
> 店内の描写以上に、この部分を読み、行ってみたいと
> 思ってしまいました。
> それにしても、蒲田中心のエリアというのは、血が騒ぐような
> 酒場の宝庫ですね。
> またひとつ、行ってみたい酒場が増えて嬉しいです。

ありがどうございます。
このあたりは本当に酒場の宝庫ですね。
マスコミがとりあげない地域である為でしょうか。
味わいあるお店が残っています。下町の方は良いお店が多いのですが、
すでに有名になってしまい、変わってしまったお店も多いと聞いています。
「酒場保護区」として考え、城南地区の良い酒場を大事にしていきたいですね。

お店の存続には是非お客さんに来ていただきたいと思います。
でも一時的に多くなってもお店の方が消耗してしまいますから・・・。
ゆえに、書くことを躊躇う時もあるのです。
この辺のことは近々に書く「がっかり録」で発表したします。

  • 2010-06-21 (Mon) 11:13
  • REPLY
happy_thursday

No title

こんにちは。

>「ブログに書くことを躊躇わせる店」をまた一軒紹介してしまった。
>少し後悔している。
>ただ、私はグルメ探偵ではなく、味わいある店、物語のある店を
>探し回る居酒屋探偵であることを言い訳として付け加えておきたい。

店内の描写以上に、この部分を読み、行ってみたいと
思ってしまいました。
それにしても、蒲田中心のエリアというのは、血が騒ぐような
酒場の宝庫ですね。
またひとつ、行ってみたい酒場が増えて嬉しいです。