矢口渡 立ち呑み「さこちゃん」第2回
居酒屋探偵DAITENの生活 第349回 2010年6月27日(日) 【地域別】 【時間順】
矢口渡 立ち呑み「さこちゃん」 第2回

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前回の店を出てから東急多摩川線の南側の住宅街を歩いた。やがて、蒲田から東急多摩川線で一つ目の駅、矢口渡駅の南口から始まる商店街にぶつかった。途中には入ってみたいと思う古い居酒屋が何軒かあった。しかし、いずれも日曜日は休みのようである。
また、駅の手前には第259回で紹介したお店があり、持ち帰りの焼き鳥が焼けるのを待つ人の列が出来ていた。
駅前の改札からすぐの踏切脇の路地を覗いてみる。立ち飲み「さこちゃん」の灯りがついていた。前回来たのは6月12日(土)である。これだけ間を空けずに、一軒のお店を続けて紹介するのは「居酒屋探偵DAITENの生活」では珍しい。今まで売っていなかった「もつ焼き」を近々に売り始めると、その時にママがおっしゃっていたので気になっていたのだ。ずいぶん古くからある「店名も定かでないもつ焼き店」の後に居抜きで入ったお店なので、当然もつ焼きがあると思って入ってくるお客さんも多いに違いない。
店の入口の暖簾をくぐった途端、外向きに作られた幅の狭いカウンターの左手に、焼き上がったもつ焼きが並んでいることに気づいた。ママさんと目が合う。覚えていてくれたようだ。
右手の入口から入ろうとする。すると、ちょうど帰られる方がお勘定を待っているところであった。その方が出られるのを待って中に入り、入って左手すぐの場所に立った。
目の前の「前金入れ」と書かれたプラスチックの皿に千円札を入れ、お茶ハイ(280円)とポテトサラダ(250円)をお願いした。
店内の様子については、前回の記事を読んでいただきたい。
左手の入口側からはいったところのカウンターに2人の方が立っておられた。右手の入口側のカウンターには私のみ。右手の入口側のカウンターに立っていると、トイレに行くのに一度外へ出て左の入口から入らなければならない。左手カウンターの方がトイレが近いので便利である。
もつ焼きの中からカシラ(100円)とナンコツ(100円)を頼むと、焼き台で暖めてくれる。そして、白い木の葉型の皿に乗せ、辛子と共に出してくれた。おおぶりでなかなかうまいではないか。
ママさんが常連の方に「昨日の忘れ物」を渡している。本当に毎日のように来られる常連の方が多いようだ。
ウイスキー(350円)の水割りを頼む。ゲキ塩シャケ(350円)とホワイトボードに書いてあるのが気になった。
「ゲキ塩シャケのゲキって何ですか?」
「塩辛いんです」
「激しく塩辛いからゲキ塩?」
「そう・・・」
ゲキ塩シャケが出てくる。キュウリが少し添えてある。食べてみた。
「あっ」と思わず言ってしまう。ママがふりかえる。
「塩辛い?」
「ええ、激しく!」
「チェイサーできゅうりをどうぞ」
きゅうりが添えてあるのは本当に正しい。
私の立っている場所のカウンターの上に紫陽花の入ったビールグラスが置いてある。やはり、女性が切り盛りする店は良い。
静かに入ってきて、洗い物をしているママさんを背中からおどかす常連の方がいた。お茶目である。
どこかで見覚えのある方だと思う。しかし、思い出せない。
3杯目は燗酒(300円)を飲みたくなってしまった。
「火を落としちゃったんで、ちょっと時間かかりますけど・・・」
「待ちます、申し訳ない・・・」
さらに別の方が入ってきて、「椅子つかっていい?」とおっしゃり、「どうぞ」と言われてから座られた。
たしかに壁際に折りたたみ椅子は置いてあるけれど、一言声を掛けて座るのが立ち飲み店では礼儀である。
素敵な気づかいであった。
燗酒はチロリで出てきた。コップに注いで飲む。
「めんどくさくてごめんなさいね、ゲキ塩シャケでお酒も飲みたくなってしまって・・・」と言い訳する。
外から聞こえてくる多摩川線の電車の通過音、そして、踏み切りの警報音。だんだんに外は暗くなってゆく。
先ほど入ってこられた方がどなたであるかを思い出した。私にこの「さこちゃん」が入る前の「店名も定かではないもつ焼き店」の存在を教えてくださった方である。その時のことは、第311回の記事で紹介している。
しばらくして連れの女性もいらっしゃった。その時にも御一緒した方に違いない。
冷奴(150円)とウーロンハイ(280円)も頼んでしまった。4杯目である。皆さん楽しそうに話されている。思いの外飲んでしまった。
トイレに行く。和式便所の高い位置にオリハラというメーカーのハイタンクがあった。渋い。実に渋い。
御代は「前金入れ」を使って、その都度払っている。少し記憶が曖昧であるが2,160円だと思う。
ここでさきほどの方にお声をかけて帰ることにした。お二人とも覚えていてくださった。奇遇である。やはり、酒場には小さな物語がある。
(了)

矢口渡 立ち呑み「さこちゃん」
住 所 東京都大田区多摩川1-19-1
電 話 ?
定休日 なし
営業時間 16:00~22:00
交通 東急多摩川線矢口渡駅下車徒歩30秒
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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矢口渡 立ち呑み「さこちゃん」 第2回




前回の店を出てから東急多摩川線の南側の住宅街を歩いた。やがて、蒲田から東急多摩川線で一つ目の駅、矢口渡駅の南口から始まる商店街にぶつかった。途中には入ってみたいと思う古い居酒屋が何軒かあった。しかし、いずれも日曜日は休みのようである。
また、駅の手前には第259回で紹介したお店があり、持ち帰りの焼き鳥が焼けるのを待つ人の列が出来ていた。
駅前の改札からすぐの踏切脇の路地を覗いてみる。立ち飲み「さこちゃん」の灯りがついていた。前回来たのは6月12日(土)である。これだけ間を空けずに、一軒のお店を続けて紹介するのは「居酒屋探偵DAITENの生活」では珍しい。今まで売っていなかった「もつ焼き」を近々に売り始めると、その時にママがおっしゃっていたので気になっていたのだ。ずいぶん古くからある「店名も定かでないもつ焼き店」の後に居抜きで入ったお店なので、当然もつ焼きがあると思って入ってくるお客さんも多いに違いない。
店の入口の暖簾をくぐった途端、外向きに作られた幅の狭いカウンターの左手に、焼き上がったもつ焼きが並んでいることに気づいた。ママさんと目が合う。覚えていてくれたようだ。
右手の入口から入ろうとする。すると、ちょうど帰られる方がお勘定を待っているところであった。その方が出られるのを待って中に入り、入って左手すぐの場所に立った。
目の前の「前金入れ」と書かれたプラスチックの皿に千円札を入れ、お茶ハイ(280円)とポテトサラダ(250円)をお願いした。
店内の様子については、前回の記事を読んでいただきたい。
左手の入口側からはいったところのカウンターに2人の方が立っておられた。右手の入口側のカウンターには私のみ。右手の入口側のカウンターに立っていると、トイレに行くのに一度外へ出て左の入口から入らなければならない。左手カウンターの方がトイレが近いので便利である。
もつ焼きの中からカシラ(100円)とナンコツ(100円)を頼むと、焼き台で暖めてくれる。そして、白い木の葉型の皿に乗せ、辛子と共に出してくれた。おおぶりでなかなかうまいではないか。
ママさんが常連の方に「昨日の忘れ物」を渡している。本当に毎日のように来られる常連の方が多いようだ。
ウイスキー(350円)の水割りを頼む。ゲキ塩シャケ(350円)とホワイトボードに書いてあるのが気になった。
「ゲキ塩シャケのゲキって何ですか?」
「塩辛いんです」
「激しく塩辛いからゲキ塩?」
「そう・・・」
ゲキ塩シャケが出てくる。キュウリが少し添えてある。食べてみた。
「あっ」と思わず言ってしまう。ママがふりかえる。
「塩辛い?」
「ええ、激しく!」
「チェイサーできゅうりをどうぞ」
きゅうりが添えてあるのは本当に正しい。
私の立っている場所のカウンターの上に紫陽花の入ったビールグラスが置いてある。やはり、女性が切り盛りする店は良い。
静かに入ってきて、洗い物をしているママさんを背中からおどかす常連の方がいた。お茶目である。
どこかで見覚えのある方だと思う。しかし、思い出せない。
3杯目は燗酒(300円)を飲みたくなってしまった。
「火を落としちゃったんで、ちょっと時間かかりますけど・・・」
「待ちます、申し訳ない・・・」
さらに別の方が入ってきて、「椅子つかっていい?」とおっしゃり、「どうぞ」と言われてから座られた。
たしかに壁際に折りたたみ椅子は置いてあるけれど、一言声を掛けて座るのが立ち飲み店では礼儀である。
素敵な気づかいであった。
燗酒はチロリで出てきた。コップに注いで飲む。
「めんどくさくてごめんなさいね、ゲキ塩シャケでお酒も飲みたくなってしまって・・・」と言い訳する。
外から聞こえてくる多摩川線の電車の通過音、そして、踏み切りの警報音。だんだんに外は暗くなってゆく。
先ほど入ってこられた方がどなたであるかを思い出した。私にこの「さこちゃん」が入る前の「店名も定かではないもつ焼き店」の存在を教えてくださった方である。その時のことは、第311回の記事で紹介している。
しばらくして連れの女性もいらっしゃった。その時にも御一緒した方に違いない。
冷奴(150円)とウーロンハイ(280円)も頼んでしまった。4杯目である。皆さん楽しそうに話されている。思いの外飲んでしまった。
トイレに行く。和式便所の高い位置にオリハラというメーカーのハイタンクがあった。渋い。実に渋い。
御代は「前金入れ」を使って、その都度払っている。少し記憶が曖昧であるが2,160円だと思う。
ここでさきほどの方にお声をかけて帰ることにした。お二人とも覚えていてくださった。奇遇である。やはり、酒場には小さな物語がある。
(了)

矢口渡 立ち呑み「さこちゃん」
住 所 東京都大田区多摩川1-19-1
電 話 ?
定休日 なし
営業時間 16:00~22:00
交通 東急多摩川線矢口渡駅下車徒歩30秒
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