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蓮沼 居酒屋「しってる」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第380回 2010年11月3日(水) 【地域別】  【時間順】  【がっかり集】




蓮沼 居酒屋「しってる」

 
  蓮沼居酒屋しってる外観

 
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 午後5時頃である。川崎駅に到着してすぐ、いつもと様子が違うことに気づいた。改札へ行くため階段を上がる。目の前を歩く紺色の制服の背中には、地方の県の名前が書かれている。どうして、川崎駅にこんな遙か地方の紺色制服組がいるのか不思議だった。改札を抜けて外に出る。人出はいつものように多い。左手へ歩いてゆく。まっすぐ行けばそのままラゾーナ川崎プラザの2階広場に続いている。手前を左に曲がると、巨大な歩道橋が27階建の高層ビルミューザ川崎まで伸びている。歩道橋の上から下を見た。路線バスに混ざって、大きな灰色の車両が止まっている。鉄の網で守られた特殊な車両である。そこにも紺色の制服が歩いていた。横浜で行われる国際的イベントの為に全国から集められたに違いない。アルファベット4文字で表記されるそのイベントで何かが起こるかもしれないからである。ここでは、そのイベント名は表記しない。それらしい単語も使わない。考えすぎと言われるかもしれないけれど、本当に今は何が起こるか解らない。歴史の転換期のように思えるのだ。

  ※  ※  ※

 横浜方面へと向かうバスがなかなかやってこない。列の後ろに並んだ。列はどんどん長くなってゆく。20分以上遅れてバスがやってきた。乗客を乗せ切れない。乗ってからも国道1号線に出るまでずいぶんとかかった。歩いた方が早いくらいである。バスに乗ったことを後悔してもすでに遅かった。

 ある用事を済ませ、再び川崎駅に戻ったのは午後7時過ぎであった。JR京浜東北線に乗り、隣の蒲田駅で降りた。西に向かって歩き始める。いつも行くあの店の前を通った。かなり混み合っているので遠慮する。さらに、近くの不思議な店名の謎のお店の前まで行ってみた。店内のカウンターは満席のようである。今日も入れないまま通り過ぎる。その隣の古い店はもっと入りにくい。もう何年も前を通るだけである。

 同じように何年も前を通ってみるだけで中に入ることのなかったお店に、ついに行ってみることにした。
 東急池上線の蓮沼駅から1分もかからない場所。蓮沼駅の蒲田方面の改札を出たら右へ、最初の十字路を右に曲がり、次の路地を左に入る。すると、左手にその店はあった。
 数年前、このお店の前を通った時、店名を見て面白いと思った。そして、すぐ隣の看板にも目が行った。(下写真参照)

  蓮沼ちゃんと看板 蓮沼居酒屋しってる看板 ← 続けて読むと・・・
 
 左には「ちゃんと」という店がある。そして、右側に「しってる」という店がある。2軒の店名を続けて読むと「ちゃんとしってる」になるのである。
 「ちゃんと」の方ではなく、今日は「しってる」の方に入った。 
 入ると右手にL字カウンターが12席ほど。他に席は無い。間口は狭く、カウンターから少しでも離れて座ってしまうと、その人の背後を人が通れなくなってしまう。
 一番手前の右端に座った。先客は男女1組と年輩の男性1人のみ。カウンターの中に大将。手伝いの男性が奥の方に立っている。カウンターを回り込んで向側に行くと、座敷とトイレがある。
 
 まずは、ホッピー(350円)を氷無しで頼む。ホッピーのみを冷やした「一冷」である。ジョッキの中に焼酎と共にレモンの輪切りが入る「川崎スタイル」である。
 つまみは、タコ刺し(580円)。焼き物は、ぼんじりかしらつくねをそれぞれ塩で頼む。ポテトサラダ(480円)は今日はなかった。
 
 右手の奥にあるテレビでは日本シリーズ第4線中日対ロッテである。今年の日本シリーズは、実に渋い組み合わせだ。小さなテレビなので私の席からはあまりよく見えない。有線放送であろうか、小さく「演歌」も流れている。

 タコ刺しは丁寧に切られている。焼き物も少し塩が強めであるが美味しい。
 男性と女性のお客さんが入ってこられ、奥の方へ行きたい様子。入口近くの方が気づき、椅子を前にずらして、お二人は通れた。

 トイレに立った。カウンターの皆さんに「すみません」と声を掛けながら背後を通らせてもらう。
 居酒屋ではトイレに情報がよくある。しかし、今回は情報はまったく無かった。トイレから出て、そこにいたお店の方に、角ハイボール(350円)を頼んだ。

 年輩の方は帰られ、別の常連らしき方が左隣に座られた。気がつけば、私を入れて7人となっていた。
 ちょうど、大将が近くに来られたので燗酒を一合お願いした。
 「一番さん、燗酒一本」と大将が手伝いの方に伝える。
 やがて、お銚子が目の前に置かれた。よく見かける大関のお銚子だ。とても熱いのでカウンターの上の段からおしぼりを使って降ろす。電子レンジの出現以前はお銚子の首を持てば、燗酒を運ぶことができた。これも一つの時代の変化であろうか。

 隣の常連らしき方がお店で働く男性を苗字で呼ぶ。そして、ホッピーの中身の三回目を頼んだ。快調なペースである。「中焼酎」を頼むたびに量が増えるのがおもしろい。
 ちょうど注文が出そろい、マスターは黙って煙草を吸っている。

 「うなぎある?」と左隣の方が聞く。大将は煙草を消して仕事にかかる。

 カウンターの二組のカップルは御夫婦かもしれない。休日の夜に御夫婦が多く来店する店は信用できると私は思っている。何故なら家計をあずかる女性は、お店の料理の量と質、そして、価格にシビアであるからだ。

 午後7時半から8時15分まで45分の滞在。お勘定は2,090円であった。千円札二枚と小銭で払いたかった。しかし、財布を見ると小銭がない。仕方なく千円札三枚を出して、「すみません」と言う。お釣りの小銭を受け取り外に出た。

 「しってる」というちょっと変わった店名をつけているので、独特の雰囲気を持ったマスターがやっているのではないか、そんな想像をしていた。しかし、実際には、普通に焼き鳥と魚類を食べさせてくれるオーソドックスな居酒屋であった。また来ようと思う。
 外に出る。少し歩いて振り返った。二つの看板を見比べる。

 「ちゃんと・・・しってる」。口にだして読み上げた。一人笑ってしまう。

 それから、また思う。

 「・・・何を知ってるんだ・・・俺は・・・」。真顔になる。



  蓮沼居酒屋しってる看板

蓮沼 居酒屋「しってる」
住所 東京都大田区西蒲田7-16-8
電話 03-5703-0561
定休日 ?
営業時間 ?
交通 東急池上線蓮沼駅下車徒歩1分。

ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら

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蓮沼

Comments 4

居酒屋探偵DAITEN

Re: 不思議な名前のお店

kimimatsu様

居酒屋探偵DAITENです。

> お会計があまりいかない時、ママが「ちっ!」と舌打ちすることがあるようです(笑) ま、それも味のうちってことで。メニューによってご夫婦の担当が別になっています。

細かい情報ありがとうございます。
舌打ちですかあ(笑)ちょっと引きますね。でも恐いもの見たさというのもございますね。

ついつい躊躇する癖があり、もっと勇気を出して、
突入記事(笑)を増やしてゆきたいと思っております。

  • 2010-11-15 (Mon) 12:08
  • REPLY
kimimatsu

不思議な名前のお店

お会計があまりいかない時、ママが「ちっ!」と舌打ちすることがあるようです(笑) ま、それも味のうちってことで。メニューによってご夫婦の担当が別になっています。

  • 2010-11-13 (Sat) 18:03
  • REPLY
新岳大典

Re: 不思議な店

南武侍様

居酒屋探偵DAITENです。

> “不思議な”外観と店名の居酒屋さんの餃子がオススメです。

解りました。そうですか、あのお店では餃子が美味なんですね。
試してみます。
外観と店名が合わない、あのお店ですね。

南武侍

不思議な店

“不思議な”外観と店名の居酒屋さんの餃子がオススメです。

  • 2010-11-10 (Wed) 23:16
  • REPLY