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川崎 立呑「柏屋酒店」

居酒屋探偵DAITENの生活 第381回 2010年11月4日(木) 【地域別】  【時間順】




川崎 立呑「柏屋酒店」


 ※今回は写真撮影せず。


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 店に入る前にネクタイを外し、ハンチングを脱いだ。その場所に溶け込む為である。いつもの雰囲気で飲みたい方々に無用な気づかいをさせない為である。出来れば地味なジャンパーを着て、球団名などが入っていない野球帽や釣用の帽子が良いのかもしれない。
 中に入ってみる。やはり皆さんカジュアルな格好である。

 入って左手には、長方形の立呑みテーブルが三つ並んでいる。それぞれに7、8人が立てるであろうか。一番手前の窓際のテーブルに男性二人と女性一人。真ん中のテーブルには男性3人の方、一番奥の冷蔵ケースの前に男性が二人。皆さん、店の外の方を向いて立っている。
 左の壁側は酒類の陳列棚になっている。陳列棚の一番奥に引き戸。店の奥の方へ行く引き戸もある。右手の乾き物などつまみ類の並べられた棚の裏側にカウンターがある。立って飲むのではなく、注文をしたり、お酒や食べ物を受け取ったり、お金を支払う為のカウンターである。カウンターの中では、マスターが忙しそうに働いていた。カウンターの前にお客さんが一人、次の注文をする為に待っている。私もその後ろで待つことにした。

 私の順番が来た。まずは、燗酒(210円)と冷や奴(120円)を頼んだ。
 待っている間に目をつけてあった場所は、それぞれの人数配分を考えて、一番奥の立ちのみテーブルの左端である。そこに行って待つ。同じテーブルの先客のお二人は、かなり出来上がっている様子。

 やがて、奥から登場したママさんが燗酒と器に入った冷や奴を四角いトレイに乗せて持ってきてくれた。燗酒

 隣はかなりの大先輩。マスターがその方の前にウーロンハイを置く。
 そして、「もう最後にしたほうがいいですよ」と小声で言ってから微笑む。

 その向こう隣では小銭を数え続ける方がいる。ポケットから小銭を全部出して、テーブルの上に並べて数えている。酔っているのでなかなか答えが出ない様子である。

 急に店内が静かになった。
 私の近くに置かれたCDカセットレコーダーの音楽が終わったのである。マスターがやってきて、中に入っていたCDを取り替える。

 次のCDは、桂 銀淑(けい・うんすく)であった。ハスキーな声が印象的な韓国の女性歌手、「スズメの涙」や「北空港」などヒット曲も多い。現在はある理由から韓国に帰国したままである。
 これをきっかけにカウンターの中の店番は、マスターからママさんに変わっていた。交代時間のようである。

 つまみ類の棚から6Pチーズ(70円)を取り、再びカウンターの所に行って、小瓶の黒ビール(240円)を注文、両方を受け取って席に行く。

 大先輩が興が乗ってしまったのか小銭の方にサンマの缶詰を御馳走されていた。二人とも身体が揺れている。そのうち、小銭の方がちょっとはしゃぎ過ぎてしまい。男気のある雰囲気の方が叱りつけていた。私の知らない事情もあるようだ。
 「みんな楽しく飲んでるんだから・・・」という言葉が印象に残る。叱られた方の方も素直に謝って、それから大人しくなってしまった。
 大先輩の身体も大きく揺れている。右手を背後に持ってゆき、何度も何かを探すような仕草をする。
 「無意識で椅子を探しているんだな」と思った。しかし、椅子は無い、倒れそうになったらいつでも支えようという気持ちで身構えていた。

 やがて、やっと帰る気持ちになってくれたのか身体を左右に揺らせながら外に向かって歩いてゆく。背広の方が気づかっている。しばらくして、背広の方がタクシーに乗ったことを私に教えてくれる。その方も私も同時に安心の笑顔になった。小銭の方が「今日初めて会うんですけどねえ・・・」と私に言う。

 半酎ハイホット(150円)というのを飲んで帰ることにした。炭酸が入っている酎ハイを温めてあるわけではなく、焼酎が半分の量に押さえてある焼酎のお湯割りのことである。

 7時45分から8時30分まで45分ほどの滞在。背広の方をはじめ皆さんに「お先に失礼します」と言って店を出た。結局支払った金額は790円であった。

  ※  ※  ※

 川崎駅に戻った。
 JR京浜東北線が乗り入れているJR根岸線の関内駅で人身事故があった。JR京浜東北線のホームは人であふれ、いつ来るとも解らない電車を待つ。苛立ちが辺りを満たしている。いたたまれなくなって、すぐ隣に見えるJR南武線のホームへ向かってしまった。ちょうどやって来た電車に乗り込み、座ることができた。
 誰かがまた「悲しい選択」をしてしまったようだ。まっすぐに帰る気持ちが萎えてゆく。また、酒を飲む理由を作ってしまった。会ったこともない人の通夜酒である。
 それにしても、あの大先輩はまっすぐに帰れただろうか?。父が生きていれば、ちょうど同じくらいの年齢に違いない。
 何故か南武線の車内が薄暗くなったような気がした。私の目が光量を必要になってきただけかもしれない。

 
 (つづく)



 ※今回は写真撮影せず。


川崎 立呑「柏屋酒店」
住所 神奈川県川崎市川崎区本町2-8-13
電話 044-222-5017
定休日 日曜日
営業時間 08:00~21:00
交通 京浜急行京急川崎駅下車徒歩5分。

ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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川崎

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