学芸大学「根室食堂」夏
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第37回 2007年9月7日(金) 【地域別】 【時間順】
※残念ながら2008年6月11日に閉店。
学芸大学 「根室食堂」
今日も東横線沿線学芸大学駅近くで「プロジェクト」の稽古があった。そして、稽古帰りのいつもの三者会談である。今日はSAKURAと創間君と3人で「根室食堂」の学芸大学店に向かった。
「食堂」といっても、定食屋ではない、刺身を食べさせる立ち飲み店である。2005年12月の開店当初から通っている店である。中目黒に本店があり、少し遅れてこの「学芸大学店」が出来た。立ち飲みの気軽さと、これだけうまい刺身を安く食べることの出来る店は城南地区にはなかなか無いので、S.A.Pメンバーの間でもお気に入りの店である。ただし、店が狭いので大人数の時は入れないし、長居をするのも無粋である。
学芸大学駅のすぐ近くであるが、少し解りにくい。まずは改札を出て左側、東横線と直角に交わっている〈西口商店街〉を数メートル歩き、右手にある薬局「薬ヒグチ」の角を右に曲がる。左にやきとりの「鳥勇」があり、その2階には有名な喫茶店「平均律」がある。その先を左に曲がれば、うまい日本酒を飲ませる店「件(くだん)」があり、右に曲がると、狭い路地の右手に「根室食堂」がある。
入口を入ると目の前に、10名程がやっと立つことの出来る立ち飲みカウンターが奥に向かって伸びている。カウンターには、すでに7名が立っていた。少し詰めてもらい、カウンター中央辺りになんとか三人で滑り込んだ。
カウンターに立つと、背中がすぐ壁についてしまう。カウンター側に一歩客が踏み込んで通路を作らないと、通ることの出来ない狭さである。
「根室食堂」は変則的な立ち飲み店といえる。カウンター席の端の左奥に3畳ほどの広さの小上がりがあり、三卓の小さな座卓が置かれているのである。中には箱の上に板を乗せただけの簡単なものもある。このスタイルは「中目黒店」も同じだ。
まずは、生ビール(390円)を3つ頼んだ。サッポロ黒ラベルの生である。
お通しは「岩もずく」である。この「岩もずく」がとてもうまい。スーパーで売っているプラスチック製容器に小分けされたそれとは大違いである。
北海タコ刺し(380円)、殻付ツブ貝(450円)、秋鮭の白子(450円)をまず頼む。タコ刺しは茹でてしまったよくあるタコ刺しではない、生タコである。量も多く、これで380円は他に類を見ない。ツブ貝もうまい。身体のことを考えて普段は白子などは食べないようにしているが、この「秋鮭の白子」は誘惑に負けて一つだけ食べてしまった。甘くまろやかでうまい白子であった。
二杯目の飲み物はホッピーセット(400円)を氷無しで頼んだ。SAKURAは北海道人らしく、ハスカップサワー(300円)を選んでいた。北海道人ならば「ハスカップ」をみんな知っているだろうが、ここは東京である。「ハスカップって何ですか?」と聞かれるのが面倒なのか、ハスカップの後ろに「野いちご」とかっこ書きがしてあった。
壁に「御一人で御来店の方に刺身盛り合わせ特別サービス〈北の国から〉650円」と書いてある。「一つもらおうか?」とSAKURAが言うので、「御一人で御来店の方に、と書いてあるでしょ」と私は答え、「今度は三人でお互い知らないふりをして、「北の国から」を一つづつもらって、それぞれ食べようか」などと馬鹿なことを言い、笑い合う。
「根室食堂」でうまい魚介類を食べながら、色々と食べ物の話をした。世界的な寿司ブームの為か、刺身などの生の魚を食べる欧米人や他のアジア人が増えているという。しかし、これ以上、欧米人に寿司や刺身のおいしさを覚えてもらっては困るのである。アメリカのテキサスの親父さんにはでかいアメリカン・ステーキを頬張っていただきたい。ドイツの方には、やはり伝統的なソーセージとザワークラウトが一番である。魚はDHAやEPAが豊富だから身体に良いなどと、欧米では報道して欲しくない。雑食動物であり、世界中からの輸入食品のおかげで生きている我々日本人である。食べる魚介類の値段が上がり、やがては口にすることが出来なくなってしまうと、とても困るのである。「世界の皆さん魚を食べないでください」と自分勝手なフレーズが口から飛び出してしまう。身勝手極まりない話である。
三杯目はシークァーサー・サワー(300円)である。この店のサワー類はすべてジョッキで出てくる。それでいて値段は300円であるから、実にリーズナブルである。追加のつまみは甘みのシメサバ(350円)と鮭トバ(250円)を頼む。シメサバはまさに甘みがあり新鮮でうまかった。
鮭トバは日本酒にあうが、そこは我慢をして、最後はレモンサワー(300円)を飲んだ。いささか飲み過ぎと言える。
「居酒屋でポテトサラダを頼むと、その店の料理に対する入れ込み方が解る」という話をすると、「寿司屋の玉子のようなものですね」と創間君が答えた。ポテトサラダ(350円)を最後に頼んだ。出てきたポテトサラダは、刺身用の盛り板の上にベタッと豪快に盛ってある。なかなかにうまい。
1時間45分ほどの滞在、3人で6,130円の会計だった。ずっと立ったままでいた訳であるが、まったく疲れなかった。楽しい一時は早く過ぎるものである。
学芸大学 根室食堂
東京都目黒区鷹番3-8-10
電話03-3710-0305
不定休
営業時間 17:00~24:00
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい人は→ 咲良舎/櫻塾
居酒屋探偵DAITENの生活 第37回 2007年9月7日(金) 【地域別】 【時間順】
※残念ながら2008年6月11日に閉店。
学芸大学 「根室食堂」
今日も東横線沿線学芸大学駅近くで「プロジェクト」の稽古があった。そして、稽古帰りのいつもの三者会談である。今日はSAKURAと創間君と3人で「根室食堂」の学芸大学店に向かった。
「食堂」といっても、定食屋ではない、刺身を食べさせる立ち飲み店である。2005年12月の開店当初から通っている店である。中目黒に本店があり、少し遅れてこの「学芸大学店」が出来た。立ち飲みの気軽さと、これだけうまい刺身を安く食べることの出来る店は城南地区にはなかなか無いので、S.A.Pメンバーの間でもお気に入りの店である。ただし、店が狭いので大人数の時は入れないし、長居をするのも無粋である。
学芸大学駅のすぐ近くであるが、少し解りにくい。まずは改札を出て左側、東横線と直角に交わっている〈西口商店街〉を数メートル歩き、右手にある薬局「薬ヒグチ」の角を右に曲がる。左にやきとりの「鳥勇」があり、その2階には有名な喫茶店「平均律」がある。その先を左に曲がれば、うまい日本酒を飲ませる店「件(くだん)」があり、右に曲がると、狭い路地の右手に「根室食堂」がある。
入口を入ると目の前に、10名程がやっと立つことの出来る立ち飲みカウンターが奥に向かって伸びている。カウンターには、すでに7名が立っていた。少し詰めてもらい、カウンター中央辺りになんとか三人で滑り込んだ。
カウンターに立つと、背中がすぐ壁についてしまう。カウンター側に一歩客が踏み込んで通路を作らないと、通ることの出来ない狭さである。
「根室食堂」は変則的な立ち飲み店といえる。カウンター席の端の左奥に3畳ほどの広さの小上がりがあり、三卓の小さな座卓が置かれているのである。中には箱の上に板を乗せただけの簡単なものもある。このスタイルは「中目黒店」も同じだ。
まずは、生ビール(390円)を3つ頼んだ。サッポロ黒ラベルの生である。
お通しは「岩もずく」である。この「岩もずく」がとてもうまい。スーパーで売っているプラスチック製容器に小分けされたそれとは大違いである。
北海タコ刺し(380円)、殻付ツブ貝(450円)、秋鮭の白子(450円)をまず頼む。タコ刺しは茹でてしまったよくあるタコ刺しではない、生タコである。量も多く、これで380円は他に類を見ない。ツブ貝もうまい。身体のことを考えて普段は白子などは食べないようにしているが、この「秋鮭の白子」は誘惑に負けて一つだけ食べてしまった。甘くまろやかでうまい白子であった。
二杯目の飲み物はホッピーセット(400円)を氷無しで頼んだ。SAKURAは北海道人らしく、ハスカップサワー(300円)を選んでいた。北海道人ならば「ハスカップ」をみんな知っているだろうが、ここは東京である。「ハスカップって何ですか?」と聞かれるのが面倒なのか、ハスカップの後ろに「野いちご」とかっこ書きがしてあった。
壁に「御一人で御来店の方に刺身盛り合わせ特別サービス〈北の国から〉650円」と書いてある。「一つもらおうか?」とSAKURAが言うので、「御一人で御来店の方に、と書いてあるでしょ」と私は答え、「今度は三人でお互い知らないふりをして、「北の国から」を一つづつもらって、それぞれ食べようか」などと馬鹿なことを言い、笑い合う。
「根室食堂」でうまい魚介類を食べながら、色々と食べ物の話をした。世界的な寿司ブームの為か、刺身などの生の魚を食べる欧米人や他のアジア人が増えているという。しかし、これ以上、欧米人に寿司や刺身のおいしさを覚えてもらっては困るのである。アメリカのテキサスの親父さんにはでかいアメリカン・ステーキを頬張っていただきたい。ドイツの方には、やはり伝統的なソーセージとザワークラウトが一番である。魚はDHAやEPAが豊富だから身体に良いなどと、欧米では報道して欲しくない。雑食動物であり、世界中からの輸入食品のおかげで生きている我々日本人である。食べる魚介類の値段が上がり、やがては口にすることが出来なくなってしまうと、とても困るのである。「世界の皆さん魚を食べないでください」と自分勝手なフレーズが口から飛び出してしまう。身勝手極まりない話である。
三杯目はシークァーサー・サワー(300円)である。この店のサワー類はすべてジョッキで出てくる。それでいて値段は300円であるから、実にリーズナブルである。追加のつまみは甘みのシメサバ(350円)と鮭トバ(250円)を頼む。シメサバはまさに甘みがあり新鮮でうまかった。
鮭トバは日本酒にあうが、そこは我慢をして、最後はレモンサワー(300円)を飲んだ。いささか飲み過ぎと言える。
「居酒屋でポテトサラダを頼むと、その店の料理に対する入れ込み方が解る」という話をすると、「寿司屋の玉子のようなものですね」と創間君が答えた。ポテトサラダ(350円)を最後に頼んだ。出てきたポテトサラダは、刺身用の盛り板の上にベタッと豪快に盛ってある。なかなかにうまい。
1時間45分ほどの滞在、3人で6,130円の会計だった。ずっと立ったままでいた訳であるが、まったく疲れなかった。楽しい一時は早く過ぎるものである。
学芸大学 根室食堂
東京都目黒区鷹番3-8-10
電話03-3710-0305
不定休
営業時間 17:00~24:00
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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