平間 居酒屋「はっちゃん」
平間 居酒屋「はっちゃん」




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駅前商店街は味わい深い暗さとなっていた。
前回のお店を出て、右手へ歩いて行くと、左手に平間駅の唯一の改札口がある。改札口の前を通り過ぎると変則的な形の交叉点に出る、右手へ行けば多摩川を東京側へ渡ることの出来るガス橋がある。右斜めに入る細い道は、南武線の次の駅宿河原駅まで続いている。左手の南武線の踏切を渡った。まっすぐ行けば府中街道に出る。踏切を渡ると、右斜めに入る道の入口にセブンイレブンがあった。
そのセブンイレブンの向こう隣に魅力的な光景(写真)を発見。赤い地に白い抜き文字で「居酒屋はっちゃん」とある。店の入口の上の白いアクリル看板にも「居酒屋はっちゃん」と大きく書いてある。
以前からここに居酒屋さんがあることは知っていたのだけれど、夜間、徒歩で前を通るのは初めてであった。紺色に白抜きの「はっちゃん」暖簾をくぐって、曇りガラスの引き戸を開けて中に入った。
「いらっしゃいませ」と元気な声で迎えられた。
中は思いの外広い。入って右手にレジがある。レジの先の右手には四人テーブルが四つ並ぶ。左手に7人掛けのカウンター。カウンターの向は調理場、冷蔵ケースなどで調理場の中はあまりよく見えない。壁に向かって座る感じである。入ってすぐ左手に二人テーブル席が一つある。カウンターとテーブル席の真ん中に12人掛けの大テーブルがあり、満席となっていた。店の奥の大画面テレビがよく見える位置なので、ここが常連席に違いない。
7人掛けカウンターの真ん中辺りに座る。カウンターの左端と二人テーブル席に1人客の男性がそれぞれ座っている。
女性がすぐに来てくれる。「お飲物は?」と聞かれ、「ハイサワーお願いします。」と答える。
ハイサワー(350円)がやってきた時、かつお刺身(400円)もお願いする。
メニューは、魚料理を中心にとても豊富である。
2杯目は、珍しいので奈良のどぶろく小徳利(400円)にする。因みに大徳利は600円である。
お客さんが帰るとお店の方が全員で声を出して送ってくれる。でも、それがマニュアル的ではないので、気持ち良い。お店の方が客席をよく見ていてくれる。だから、注文がきちんと通るのである。
奈良のどぶろくは甘くない、酸味がさわやか、癖になる味わいであった。
2皿目のつまみは、にがうり豚肉みそ炒め(400円)、白い御飯を頼みたくなる甘辛い味わいである。
お店の女性が空いた皿を持ってゆく時も、しずかに「失礼します」と言ってくれる。お店の方の連携もよい。
うなぎの注文が入った。今日は土用の丑の日である。私もまた昼間うなぎ弁当を食べたことを思い出す。
3杯目は、岩手の菊の司酒造の純米七福神(350円)というお酒。
常連の方が私の並びのカウンター席に座った。あちらこちらから「○○ちゃん」と、声がかかる。
お店の方が「今日はあったかいお茶がいい?」と聞く。
そして、お店の方にすすめられ、やはり、うなぎを注文されていた。
午後10時近くなると、お勘定を済ませ、大テーブルの常連さんたちが一人また一人と去って行く。これは、お互いに声を掛け合う「日々日常」の光景に違いない。だんだんに人が減って行くと、なんとなくもの寂しい。
帰る前にトイレに立った。トイレは小便器二つと個室があり広い。トイレの充実は売上につながると思う。
午後9時30分から10時15分まで45分ほどの滞在。きづかいのあるお店だった。やがて、自分も1人暮らしになった時、このようなお店を見つけたいと思う。いや、そういう店のある町で暮らしたい。
レジでお勘定をする、1,900円であった。1000円札2枚を出して、お釣りの100円玉を東北への義援金ペットボトルに入れ、再び暖簾をくぐり外に出た。
途中まで歩いて帰ることする。月は低く、赤い。ガス橋を使い、多摩川を渡っている時、風が心地よいと感じることができた。酔いが様々なことを忘れさせてくれているのだった。
(了)
平間 居酒屋「はっちゃん」
住所 神奈川県川崎市中原区北谷町1-1
電話 044-544-9597
定休日 日曜
営業時間 16:30~23:00
交通 JR南武線平間駅下車徒歩1分
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ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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Re: こんばんわ