千鳥町 居酒屋「じゃんぼ」
千鳥町 居酒屋「じゃんぼ」




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探偵事務所で捜査会議
探偵事務所と呼んで週に何回か顔を出している東急池上線の雪谷大塚駅近くのBAR「OVAL」のMマスターとは、毎回、城南地区の居酒屋やBARの情報を交換している。
現在上映されている映画「探偵はBARにいる」が作られる前から居酒屋探偵はBARにいたのである。
先日も、毎回食べるので勝手に「定食」と呼んでいるある食べ物(写真)を食べ、うまい生ビール(レーベンブロイ)を飲みながら常連の皆さんを交えて、城南地区のいろいろなお店の話になった。

そのうち、お互いに一度行ってみたいと話し合いながらまったく訪問が実現できなかったお店の話になる。Mマスターも私も、過去に何度もそのお店の前までそれぞれ行ってみたのである。
春の気候の良い頃に、入口が少し開けてあって、中をのぞくことが出来た。午後の2時頃の話である。ところが昼間から満席で入れそうもなかったのである。Mマスターも同じようなことがあったと聞いていた。
「千鳥町に日曜日の昼間からやっている居酒屋がある」という話は、ずいぶん前から聞いていた。
ついに、その現場へ行ってみることになったのである。
※ ※ ※
そして、現場へ
数日後の日曜日である。Mマスターと待ち合わせたのはBAR「OVAL」の最寄駅雪谷大塚の改札であった。
池上線の蒲田方面の電車に乗り、三つ目の千鳥町駅で降りた。蒲田方面の改札を出ると、踏切を渡らず、前の道を渡り、次の池上駅に向かって大きく左にカーブする線路沿いを歩くと、すぐ左手にその店はあった。
黄色いテントの下に「味自慢居酒屋」と書かれた青い暖簾。「呑み処、食べ処、居酒屋」と書かれた赤提灯。外の白いアクリル看板には「酒処じゃんぼ」とある。
思い切って表の戸を開けてみた。L字カウンター席が左手前から右手奥にかけてある。9人くらいが座れるだろうか。カウンターの左端2人分空席があった。右手の方の席にたくさんの方が座っていらっしゃる。さらに、右手の壁際に二人用テーブル席が二つ。そのテーブル席も満席であった。
カウンターのカップルの方が右に一つ動いてくださり、カウンターの左端にMマスターと二人並んで座った。
L字カウンターの中は調理場。そこにママさんらしき方がいらっしゃる。さらに、もう一人の女性。その女性がおしぼりを出してくれた。
飲物は、私がレモンサワー(350円)、Mマスターが生ビール(450円)を頼んだ。お通し(300円?)は事前情報の通り、「カレー」であった。ジャガイモや人参が入った家庭的なカレーである。御飯を別に注文したくなる。壁を見るとライス(200円)という短冊が貼ってあった。
入って右手の液晶テレビの下辺りにホワイトボードのおすすめメニューがある。その中から選んだ。
「豚バラチャーシューとなすみそ、お願いします?」とMマスター。
「なすみそ?、そんなのあったかなあ」とママさん。
「書いてありますよ」
「あっ、本当だ。」
店内大爆笑である。ここからママさんの調理をしながらの「トーク・ショー」が始まった。
豚バラチャーシューもなすみそも価格は350円であった。
豚バラチャーシューがすぐに出てくる。量もあってよいつまみになる。
さらに「ああ、あったわ」といいながら見せてくれたのは「しろなす」というナスであった
巨大である。コダマスイカくらいのサイズであろうか。
ビニール袋に入ったそのしろなすをテーブル席の常連の方が立ち上がって手にとる。
「すごいねえ」といいながら他の常連の方々に見せ、手元に置いて、そのまま話に夢中になってしまう。
すると「返してよ!」とママさん。また大爆笑である。
調理が始まった。鍋の中で炒められているのが解る。
「どんな感じに出来るの、みせてよ」
「だめ~」
「注文すればいいんだよなあ」
「だって、1個しかないもん」。また大爆笑である。
「にんにく入れますかあ?」と聞かれる。
「どうします?」とMマスターが私に聞いてくれる。
「今日は休みの前の日なので、是非入れてください」と私。
「キスしないんなら大丈夫だよ~」。どなたかが定番ギャグをおっしゃる。
「日曜日は何時くらいからやってるんですか?」とMマスターがママさんに聞く。
「8時くらいからかなあ」
「すごいですねえ・・・」。Mマスターと二人で顔を見合わせる。
女性が私の手元を見ていて、私がカレーで少し手を汚すと、追加のおしぼりを出してくれる。
ママは「カレー辛くなかったですか?」と気にしてくれる。
常連客同志の会話も面白い。
Aさん「明日はどうするの?」
Bさん「明日はCちゃんとデート」
Cちゃん「そうなんだあ、知らなかったあ~」
また、爆笑が起きる。こんな感じである。
2杯目として、シークァーサーサワー(350円)を頼んでみると、ちょうど切らしてしまったそうで、かぼすサワー(350円)にした。Mマスターは、うめサワー(350円)である。
チューハイに生の「かぼす」が付いてくるのだが、これがもしかしたら「すだち」かもしれないそうである。
「どっちだか解らないよ~」とママが言うと、また爆笑である。
なすみそが出てきた。お皿に山盛りのすごい量である。
皿をもちあげて、店内の皆さんに見せた。また盛り上がるのである。
「そりゃ、量が多すぎるよ」
「半分でいいんじゃないの」
なすみそ一皿でずいぶんと盛り上がった。
普通のなすとは違い、ウリに近い感じである。食べごたえがあって美味しかった。
残念なのは、量が多すぎて他のものが食べられなくなってしまったことだろうか。
こちらのお店のメニューは全体的に量が多いようである。
「それで、店名がじゃんぼなんですかねえ?」とMマスター。
午後3時近くなった。お店の女性の方が帰る時、「また、どうぞ~」と声を掛けてくれる。
そこへ、こちらのお店のマスターが帰ってこられた。大きな人である。因みに常連の女性は、パパさんと呼んでおられた。
何しろ、今日は朝8時からやっていたのである。ママさんはここで交代だ。
「今度きたら、また頼んでくださいねえ」と声をかけてくれる。
ここで、ママさんのトークショーは終了。
すると、それまでいた方々が区切りをつけて帰ってゆかれる。
静かなマスターと、後からやってくる常連の方々とで、また違う雰囲気のお店となった。
3杯めは、Mマスターがウイスキーのハイボール(400円)、私はマッコリ(350円)にした。
2時15分から3時30分まで1時間15分ほどの滞在。お勘定をお願いすると、2人で3,550円であった。
また、日曜朝の楽しい「ママさんのトークショー」に来てみたいと思う。
外に出た、お店の外でMマスターが言った。
「マスターがでかいので、店名がじゃんぼなんですかねえ?」
「どうですかねえ・・・」
「本人に聞けませんよね」
「そりゃ、聞き難いでしょ」
さて、それから向かったのは、Mマスターの馴染みの街であった。
(つづく)

千鳥町 居酒屋「じゃんぼ」
住所 東京都大田区千鳥1-19-10
電話 03-3752-6188
営業時間 月曜・火曜・木曜~土曜/17:30~24:00 日曜 朝方~24:00
定休日 水曜日
交通 東急池上線千鳥町駅より徒歩1分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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Re: タイトルなし