立会川「たつみ」大井町「八幸」
居酒屋探偵DAITENの生活 第46回 2007年10月19日(金) 【地域別】 【時間順】
立会川「たつみ」~大井町「八幸」
立会川「たつみ」
咲良舎のプロジェクトで毎週金曜と日曜が忙しくなってしまった為、ずっと中断していた金曜のASIMO君との居酒屋巡りを再開することが出来た。
今日の二軒は、共に住所は東大井である。しかし、1軒目はJR大井町駅よりも京浜急行の立会川駅に近いのである。
立会川駅改札を出て、右方向に階段を降りると小さな商店街がある。その商店街を歩いて抜けると第一京浜に出る。第一京浜を渡った向こう側に、こちらの商店街の続きのような商店街が見えた。その商店街の南側に立会川が流れていて、その立会川の上を第一京浜が渡っているのである。橋を渡ってすぐに右に曲がると川沿いの道が続いている。20メートル程歩いた左側に「鳥勝」というレバ刺しや牛刺しで有名な店がある。少しだけ寄っていこうかということで、中に入ってみるがすでに満席。仕方なく、本来の目的の店に行くことにする。
立会川沿いをそのまま西に向かって歩いてゆくと、立会川は右に、我々が歩く道は左にと別れてしまう。やがて、道は二手に分かれる。そこで右斜めに曲がると、右側に「なか」という渋い飲み屋さんがある。我々と一緒に歩いていた3人組が「ひさしぶりだな」といいながら入っていった。
「この辺はなかなか渋い店がありますねえ」とASIMO君。
さらに、その先を歩いてゆくと、再び立会川に出会った。そこにかけられた橋を渡って向こう側が本日の目的の店「たつみ」である。

店の外には男性のイラストが描かれた看板がある。店に入ってすぐ気づいたのであるがこのイラストの男性はこの店のマスターである。うまく特徴をとらえたイラストである。
店に入ると、左側に10人程が座れるL字カウンターがあり、その中が調理場になっている。右側は広い座敷が一つ、その奥にも一つ。二つの座敷の間の襖は開けられていて、奥の座敷が見える。合わせて40人以上座れる広さであろうか。
すでに、奥の座敷は宴会が始まっている。我々と同じ座敷に二人客が座っている。カウンター席のすぐ後ろ、手前座敷の上がってすぐの場所に二人で座った。
まず、ホッピーを二つお願いする。ASIMO君は氷り有り、私は氷り無しである。このお店ではホッピーは調理場で作ってきてしまうタイプ。それも氷有りが定番のようで、氷無しを頼むと、ホッピージョッキで上から3センチほど少ない量のホッピーが出てくる。ホッピーをフルボトル使っていないのかもしれない。また、ジョッキも冷えていない。焼酎も冷えていないようである。ホッピーのみは辛うじて冷えているらしい。冷えていないジョッキに常温の焼酎と冷えたホッピーを入れると、このくらいの温度かなと思わせる。
レベル7、1冷=非原理主義ホッピーである。2杯目ならば、氷少なめでもらい、少し待って氷を出してしまうのであるが、1杯目でもあり、我慢してそのまま呑んでしまった。初めての店ではなかなか原理主義的に呑むのは難しい。
まず、焼き物はカシラ(100円)、ハツ(100円)、牛ハラミ(180円)を2本づつもらい、煮込み(480円)も追加注文した。
煮込みがやってきた。汁少なめ、かかっているネギ以外に野菜の姿はない、モツそのものを煮込んで食べてもらうというタイプである。臭みもなく、食感もよく、なかなかうまい煮込みであった。
塩で頼んだ、カシラとハツは肉も大振りの物が3個串となっており、弾力のある食感でおいしかった。肉2個、ネギ2個からなる牛ハラミは、店の方のすすめでタレにしたが、私にはこのタレは甘すぎるように思えた。
メニューを見ると「名物くさや」とある。この店では、「くさや」が名物で価格は680円。嫌いではないが今日のところは遠慮することにした。
飲み物をレモンサワー(380円)に切り替え、つまみはニラ玉(480円)にする。
ここで、ASIMO君とニラ玉談義である。ニラ玉というものは、本当に店によって違う食べ物である。卵焼きにニラが入っているようなタイプ、オムレツにニラが入っているようなタイプ、だし汁に入って出てくる時もあり、様々である。
この店のニラ玉の短冊には「中国五千年の味」と書かれていた。出てくるまで期待が高まる。やがて出てきたのは、皿からはみ出るほど大きいオムレツタイプであった。ニラの量もたくさん使っており、とても満足感のあるものだった。しかし、「中国五千年の味」の意味は不明なままであった。
さらに、印刷されたメニューに書かれていた「酎ハオ(380円)」をお願いする。「酎ハオお願いします」とASIMO君が言うと、「誤植なんです。酎ハイの間違いです」と、予想通りの答え。しかし、持ってくる時は「はい、酎ハオです」と言って持ってきてくれた。定番のギャグ的対応である。
最後に頼んだつまみは、厚揚げ豆腐(480円)であった。量が多い。この店はつまみのボリュームがある。ご飯をもらえば、そのまま定食になる量である。事実、隣の座敷では、中年の女性客がおかず2品できちんと食事をとっている姿があった。
そして、サワー類の焼酎が濃い。最後の酎ハイなどは、私にはあまりに濃すぎるので、半分ASIMO君に呑んでもらったほどである。
「たつみ」での滞在は午後7時15分から8時15分までの1時間。
お勘定は二人で4,810円であった。
大井町「八幸」
外に出ると雨が降っている。「たつみ」を出た私とASIMO君は、一路大井町駅方面を目指す。
「たつみ」の少し先から立会川は暗渠になってしまう。その立会川に蓋をした上に出来た緑道を10分程歩くと、JR線と池上通りが交差する陸橋の近くに出る。すると、陸橋の下を抜けた向こう側に、次の店、おでんの「八幸」がある。このブログには書かなかったが、前回、9月19日にASIMO君と来た後、RAM元帥とも「八幸」で飲んだのである。その時入れたキンミヤ焼酎のボトルが残っていて、そのボトルを呑んでしまうようにとのRAM元帥からの指令が出た。
窓から中をのぞくと、雨の為か今日の「八幸」は空いている。「おでん、小料理、八幸」と書かれた紺色の暖簾をくぐって中に入ると、左側のカウンターも、右のテーブル席も空いている。そこで、カウンターの手前の端に座った。
さっそく、キンミヤ焼酎900ミリリットルのスリムで美しいボトルが出てきた。ラベルの色も美しい。キンミヤのラベルは本当に美しい色だと思うのである。呑み方は、氷(100円)と炭酸(100円)。キンミヤはすっきりとしているので、炭酸割や水割も合う。半分残っているボトルを空けるというミッション。これは、絶対に今日は酔ってしまいそうである。
おでんを頼む。「竹輪麩でしょ?」とASIMO君。私の竹輪麩好きは、周囲の人々はみんな知っている。太ることを心配しなければ、「竹輪麩残り全部」とか一度注文してみたいほどである。でも、そんなことをすれば、他の「隠れ竹輪麩好き」の皆さんに申し訳ないので実現したことはないのである。
おでんは、竹輪麩(100円)、焼き竹輪(150円)、しらたき(100円)を頼んだ。刺身を食べたいというASIMO君の意見に同意して、そい刺し(550円)を追加注文。
ここから、ゆっくりとキンミヤ呑みに突入。この店にホッピーがあれば、キンミヤを割って呑むのであるが、残念ながら無い。炭酸の後は水(100円)をもらって水割りである。そして、そこにシークァーサー原液(100円)をほんの少し垂らす。今回で3回目の来店であるが、この店ではこの呑み方が定番のようであった。
一つ気がついたことであるが、この店の箸が面白い。割り箸ではない。そして、箸置きに穴が空いていて、そこに箸がささった状態で出てくる。割り箸を使わないのは、エコロジーの時代にマッチしている。
さらに、割り箸とは違い、きちんとした重みのある箸であるから、床に落とすと独特なはじけるような音がするのである。すると、かなりうるさい店内であるのに、その音を店の女性が聞きつけ、黙っていても新しい箸を持ってきてくれるのである。前回、RAM元帥と来たときも3回、今回も2回その光景を目にした。「客商売というのは凄いなあ」と思わされる瞬間であった。
酒飲みらしいつまみということで、なめろ(480円)と、いかの塩辛(380円)を頼んだ。これが両方ともうまいのである。特に、なめろには感心した。味噌味がきつくなく、素材のアジの味が生きている。プリプリとした食感も残っていて、今まで食べた「なめろ」の中で一番ではないかと思えた。
すでに、たつみで「ニラ玉」を食べているのに、卵好きの我々二人は、2つ黄身のたまご焼き(380円)を、前回の来店に引き続き、頼んでしまう。
さて、午後8時30分に入ってから、ふと気がつくと午後10時50分になっている。1軒2時間30分の滞在というのは、我々二人にとって、珍しい長居である。その結果、RAM元帥からのミッションも、見事完遂することが出来て、ボトルは空。
うまい酒にうまいつまみ。今日も楽しい夜であった。お勘定は二人で3,810円である。

立会川「たつみ」
東京都品川区東大井6-16-9
電話03-3766-0294
京浜急行「立会川」400メートル 徒歩8分
月曜休 営業時間 18:00~25:00
大井町 おでん「八幸」
東京都品川区東大井6-1-5 桐木ハイツ1F
電話 03-3762-3344
日曜祝日休 営業時間17:00~24:00
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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