中延 もつ焼き「牛太郎」第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第465回 2011年12月28日(水) 【地域別】  【時間順】





中延 もつ焼き「牛太郎」 第2回


  中延もつ焼き「牛太郎」外観

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 2011年(平成23年)という年は、日本という国の長い歴史の中でも大きな区切りの年になるに違いない。果たしてそれがさらなる「減衰」への始まりであるのか、「覚醒」への第一歩になるのか。古い確執や既得権を捨てて、「前」に進まなければならないのは確かである。
 しかし、人の心は弱いものだ。時には、過去をふりかえり、「ノスタルジー(郷愁)」に身をゆだねる夜も必要なのである。

 新しい年を迎える準備に忙しい中延商店街を抜け、東急大井町線中延駅前の通りを歩いて、商店街の外れにあるそのお店に久しぶりに入ってみた。もつ焼き「牛太郎」さんである。
 前回、紹介したのは2009年2月18日第180回である。今回は第465回だ。3年近くの時が経った。「居酒屋探偵DAITENの生活」をこんなに長く続けられたことに、我ながら驚く。

 「牛太郎」と書かれた暖簾が下がっている。曇りガラスの向こうから楽しそうな人々の笑い声が聞こえてくる。楽しく飲んでいる常連の皆さんの雰囲気に、常連ではない自分の登場が水を差すであろうことは重々承知している。でも、自然体でお店に入ってゆくしかない。
 曇りガラスの引き戸を開けた。女将さんがこちらを見る。やはり、常連の皆さんの会話が止まる。

 「あんまり、ないですけど、いいですか」と女将さん。素材があまり残っていないということである。
 「はい、大丈夫です」と私。
 L字カウンターの手前から奥にかけて四名の皆さん、手前左端に男性の方が一人、その方に、「すみません」と言って、右手端の焼台前に座る。
 右端の席の辺りに脱いだダウンジャケットや荷物を置いて、右から二番目の席に座った。

 まずは、白波お湯割り(350円)をお願いする。
 調理場内の壁にかかるもつ焼きの部位を示す板は、半分以上が裏返っている。表のままの板の文字も消えかかってよく見えない。やはり、「たたき(つくね)」の文字が気になる。前回食べて美味しかったことを思い出す。

 お湯割りを飲み、気持ちを整えてから煮込み(450円)を頼む。煮込みを食べ、お湯割りを飲み終えた頃には、冷え切っていた身体はすっかり温まって、暑くなってきた。
 常連の皆さんと女将さんとの会話の区切りを狙って声をかける。
 
 「ハイサワーお願いします」
 「こんどは、ハイサワーですかあ」と女将さん。
 「暑くなっちゃって・・・」

 20センチ角ほどの氷が出され、小ぶりのタライの中で、女将さんがそれを割る。チェーン居酒屋の製氷機から出てくるキューブ氷と、氷屋さんが造って納めている氷とはやはり違う。
 その氷で作ったハイサワー(400円)を飲む。使われている焼酎は、何気なく「キンミヤ」である。
 
 常連の皆さんが女将さんを「お母さん」と呼ぶ。
 次々に話題は変わってゆく。女将さんは手を動かしながらその話題の一つ一つに答え、時折、辛口のギャグで返す。そのやりとりが面白い。
 どうやら、今日が今年の最後の営業日のようである。
 いらっしゃった五人の方々のうち、一人の男性が挨拶をして帰ってゆかれ、また、さらに挨拶をされて別の方が帰ってゆく。

 年齢層の高い酒場では、やはり健康に関するお話が多い。「ゴボウ茶」の作り方を話されている女性もいた。健康の話題が一通り終わったところで、女将さんに声をかける。

 「何が・・・焼いてもらえますか?」
 「コブクロ、カシラ、つくねですね・・・」
 「つくねとカシラお願いします」
 「タレですか塩ですか?」
 「つくねはタレで、カシラは塩で2本お願いします」
 
 たたき(つくね)(160円)を1本、カシラ(130円)を2本である。

 やはり、つくねがうまい。団子状ではなく、串に手で練り付けた手作りである。カシラも美味しい。

 比較的若い世代の男性の方が入ってこられた。やはり、常連さんである。その方も白波のお湯割りを頼まれた。

 それをきっかけに、御勘定をお願いする。午後7時20分から8時10分まで50分ほどの滞在。支払った金額は1,620円。

 「お好きなのがなくてすみませんねえ。」と女将さん。
 「いいえ、ごちそうさまでした。」

 心の中で「好きなのを・・・ちゃんといただきました」と思う。

 暮れの夜に立ち寄り、今年をふりかえり、挨拶をして、帰ってゆく。それもまた、行きつけの酒場を持つ楽しみの一つである。



  中延もつ焼き「牛太郎」提灯

中延 もつ焼き「牛太郎」
住所 東京都品川区中延4-2-3
電話 03-3786-2069
定休日 木曜日(日曜日に休む場合もあり)
営業時間 17:30~22:00
交通 東急大井町線中延駅下車徒歩3分、東急池上線荏原中延駅下車徒歩6分、都営地下鉄浅草線中延駅下車徒歩4分。


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら

実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE

テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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