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久が原「やきとり・城」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第48回 2007年10月30日(火) 【地域別】  【時間順】  【がっかり集】



 久が原「やきとり・城」


    久が原城外観

 妙に暖かい神無月も終わりに近づいた火曜日である。【2年かがりの「愛と偶然の戯れ」ワークショップ】も佳境に入ってきた。11月19日には両国の劇場、シアターΧで発表会を行うことになっている。今日のワークショップが終わった後、東急池上線の久が原駅の改札口でSAKURAと待ち合わせをした。

 東急池上線の駅は、踏切を挟んで上りと下り別々の改札があり、それぞれのホームから乗車するようになっている、そんな昔ながらのスタイルの駅が多い。戸越銀座、旗の台、石川台、御嶽山、久が原、千鳥町、蓮沼の7駅がそうなっている。
 久が原駅に到着したのは、午後7時少し前であった。SAKURAが来る前に、目的の店を確認することにする。蒲田方面の下り改札口で降りると、踏切を渡り、五反田方面の上り改札口側に行く。踏切を渡ってそのまま直進すれば商店街が続いている。

 五反田方面の改札口の向こう側に線路と平行に通っている道がある。左に曲がり、その道に入って蒲田方面に戻るように歩いてゆくと、左側に書店がある。その書店の向こう隣に今日の目的の店、「やきとり・城」の看板が見えた。白い提灯に明かりが点り、「城」の文字がまず目に入る。かけられた暖簾も白く、「城」の一文字が潔い。店の前には自転車が並んでいた。しばらくして、四人組のお客さんたちが店から出てきた。そのうちの二人が自転車に乗って帰ってゆく。地元在住の常連客も多いようである。

 さきほどの踏切まで戻り、五反田方面の改札の前に立ち、上り方面に顔を向けると、線路沿いに古びた赤提灯が見えた。以前に情報を得ていた店である。前まで行ってみた。ホッピーの提灯もある。次回、行ってみたい店がまた増えた。

 蒲田方面の改札に戻ると、最初に来た電車にSAKURAが乗っていた。さっそく二人で「やきとり・城」へ向かう。渋い外観に期待が高まる。中に入ると、最初に目につくのは右手奥にあるL字カウンターである。手前に横に3人、奥に向けて縦に5人が座ることが出来る。カウンター奥に男性二人、女性一人の先客がいた。
 入口を入って右手に二人席が1つ、その向こう、カウンターとの間に四人席が1つある。左側には四人掛けのテーブルが2つある。そして、カウンターの中にマスターらしき男性一人。

 奥から出てきた女性に「二人です」と告げると、左手奥側の四人席に座った。店内には何故かオールド・ポップスが静かに流れている。店の造りからすると、以前は演歌がかかっていたに違いない。そういえば、自由が丘の「かとりや」にもオールドポップスがかかっていた。今時の居酒屋で酒をのむ世代は、演歌よりもオールド・ポップスを好む世代になって来たのかもしれない。

 最初に頼んだ飲み物は二人ともレモンサワー(三八〇円)である。実は、SAKURAは恵比寿でビール1杯とワインをやってきたそうである。ゆえに、最初のビールは省略である。
 事前の情報を得ていた評判のつまみ二つを頼む。一つはゴーヤチャンプル(五〇〇円)。もう一つは牛モツ煮込み(四五〇円)である。
 レモンサワーが出てくるのに少し時間がかかった。しかし、出てきたサワーを一口飲んで納得した。手間がかかっている。レモンがたくさん入っており、とても酸っぱく、うまい。
 次にお通しが二つやってきた。女将さんらしい女性が「昆布お嫌いじゃないですか?」と聞いてくれる。「大好きです」と思わず答えた。実際食べてみると、これがうまい。
 SAKURAが「おいしいねえ」と言う。お通しがうまい店は信用できる。

 SAKURAが恵比寿で買ってきたハロウィン用のプラスチックの小さなカボチャをテーブルの上に出した。目鼻をしめす切り込みがあり、中で豆電球が点灯するようになっている。
 やきとり屋さんのテープルにハロウィンのカボチャ。ミスマッチである。実は芝居の稽古に使う小道具なのである。

 そこへ、牛モツ煮込みがやってきた。食べてみる。少し甘口であるが、モツが柔らかく煮えていて、これがうまい。
 「汁を全部飲んでしまいたくなる煮込みって初めてだわ」とSAKURAが言う。同感である。さらにやってきたのは、この店の名物料理であるという「ゴーヤチャンプル」である。マスターは沖縄県名護市出身らしい。ゴーヤと卵に、何か別の肉類でごまかすのではなく、ちゃんと「スパム」が入っている。スパムの塩分がきいていて、酒がすすむ。値段も500円と安い。最近、あちらこちらに増えている沖縄料理の店は、どうも高い値段設定の店が多い。そんな沖縄料理店よりも、ここのゴーヤチャンプルはうまいと思った。
 
 さて、ここで焼き物を頼む。女将さんに聞くと、1本づつ頼んでよいという。【2本縛り】がないのである。好きな物を好きなだけ食べる自由、それがあるだけで、とてもうれしくなる。タン(一二〇円)、ハツ(一二〇円)、ナンコツ(一二〇円)、つくね(一五〇円)を各1本づつお願いした。
 やがてやってきた焼き物は、肉質に張りがあるというか、どれも歯触りがよくうまかった。変な言い方であるが「タンはタンらしく、ハツはハツらしい」のである。鳥ナンコツは、にじみ出る油がうまかった。つくねは、叩いたミンチ肉が2本の串に固められている。肉汁が甘く、少し入った骨がよい歯触りを産み出す。

 カウンター席には、常連らしき男性客が次々にやってくる。女将さんが隣にきて、ビールをグラスに注いであげると、うまそうに呑んでいる。口もなめらかになってゆく。その常連客の為にやってきたマグロ刺身(六〇〇円)もうまそうであった。次回は刺身も食べてみたい。
 良い意味で【普通な店】である。言いかえれば【真っ当な店】とでも言えば良いだろうか。そんな店が存在していることがうれしい。
 午後8時となった。SAKURAと再訪を約束して、お勘定をお願いした。約50分程の滞在、二人で三一五〇円であった。


やきとり城看板
久が原「やきとり・城(しろ)」
東京都大田区南久が原2-6-6
電話03-3757-1779
東急池上線久が原駅 五反田方面改札下車徒歩30秒
日曜休 営業時間 平日17:30~23:30 祝祭日 17:30~22:00


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久が原

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