向ヶ丘遊園 焼鳥「昭和横丁 よ古山」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第495回 2012年10月28日(日) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
向ヶ丘遊園 焼鳥「昭和横丁 よ古山」

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日曜日の午後、雪谷大塚の屋台のあるバー「OVAL」のMマスターと一緒に南武線の登戸まで行った。
Mマスターとこの街に来るのは2回目である。Mマスターの買い物につきあっての来訪であった。
まずは、第458回で紹介したクラフトビア「ムーンライト」へ行く。
周辺は、次々に再開発が進み、マンション予定地となっていた。古い宿場街の名残りを残す登戸の雰囲気が加速度的に変わってゆくのであった。その様子は、屋台のあるバー「OVAL」のブログを御覧いただきたい。
前回(第458回)の時は、登戸駅に戻って、第459回で紹介した立ち呑み「盛田屋」さんに入った。
今回は、登戸で南武線と交叉する小田急線の向ヶ丘遊園駅まで歩いてみることになった。Mマスターのおすすめの店へ連れていってくれるそうである。
踏切を渡り、しばらく歩いてゆく。角地の古い建物の壁を「OVAL」のMマスターが指さす。
「ここですよ」
ただのモルタルの建物があって、急な階段があり、店の入口らしきものもなく、古いアパートのようにしか見えない。
不思議に思いながら建物の角を右に曲がってみると、さらに不思議な感じになっていた。

2本の路が出会った角に建てられており、敷地は三角形の一番とがった側を切り落とされたような台形である。
ビールの入ったグラスや焼き鳥などのイメージ写真の看板が貼られ、午後5時から7時まで「はっぴーあわー」で生ビール1杯350円であることを示す、宣伝看板が立てかけてある。さらに、回り込んださきほどとは反対側に入口があった。入口脇に赤いビールケースの上に焼き台が乗っているので、焼きながら売るのかもしれない。
まだ、午後4時頃である。やっているかどうか心配になる。
入口の上の看板には、「地鶏 備長炭火 やきとり」と書いてあり、その右に角印の印影のデザインで「昭和横丁」とある。建物の上の方に付けられた看板には「焼鳥 よ古山」と書いてあるので、店名は「昭和横丁 焼鳥 よ古山」のようである。看板の下には黄色い提灯が下げられ、灯りも点いているので、中に入ってみた。
店内は薄暗い。台形の建物を利用した台形のカウンターが中心の厨房を囲んでいる様子が壮観である。左手にまっすぐ進んだ側、6,7人が座れる側の奥、カウンターの端に二人で並んで座った。その席からカウンターの向側の席のお客さんと顔を合わせることになるが向側のカウンターは斜めなので、気まずい感じで正面になることはない。
席に座ると、「焼き鳥は五時半からなんです、すいません」と、若いマスターに言われる。
その代わり、こちらのお店は土曜と日曜は午前11時30分の開店から途中のお休み時間を入れずに営業しており、隠れた「昼間から飲める店」ということになる。休日の昼酒店を探しているので、これは発見であった。
まずは、Mマスターは緑茶割(390円)、私はレモンサワー(390円)をいただく。まだ4時でハッピーアワーには早い。まあ、クラフトビア「ムーンライト」で、すでに2杯いただいているので、いずれにしても生ビールは飲まなかった。
店内を見廻す。
壁に「現金仕入れの為売掛御免」と書いてある。なにやら懐かしさすら感じる。
私達の座るカウンターの左端の壁に、古いパロマの瞬間湯沸器が取り付けてある。
使われてる様子はないけれど、不思議な感じである。
照明が暗いので最初は気づかなかったのだけれど、よく見るとカウンターの上の天井に近い位置に、全国の観光地でおみやげとして売っている、あの小さな提灯がたくさん飾ってある。
焼き鳥も5時半からなので、京風おでん盛(600円)を頼んだ。
内容は、大根、こんにゃく、ちくわぶ、うずら、あつあげ。
焼きなす(120円)も2本お願いする。
2杯目は、Mマスターはレモンサワー、私はコップ酒(400円)をいただく。
チロリで暖めたお酒がカウンターの上の段に置かれた受け皿の上の小さなコップに注がれる。
「お迎えに行かないとダメですね」と私。
「そうですね」と、お店の若いマスター。
私は、立ち上がり、首を伸ばして一口呑んだ。
それから、受け皿にこぼれた酒を受け皿からコップの中に移して、コップを手元においた受け皿にのせる。
これは、酒場のひとつの作法である。馴れていない若者が周囲の人から呑む方法を教えてもらっている様子を目撃したことがある。
そんなコミュニケーションが生まれるのも小さな酒場の良さである。
若いマスターが5時半から焼かれる焼き鳥の為の炭をおこしている様子を眺める。
店内が暗いので、とりわけその火が美しく見えた。
午後5時になった。
「こちらはこのくらいにしますか」とMマスター。
お勘定をお願いする。二人で2,210円である。
若いマスターに聞いてみれば、焼き鳥店になったのは2年前であるけれど、酒場としては47年の歴史があるそうであった。さらに、その前は野菜を扱っていたそうである。
向ヶ丘遊園駅からバスで行ける地域に住んでいたことがある。
そして、父の死をきっかけに、中学生の私と母はそこから流転の日々へと旅だった。
こちらのお店が出来てすぐの40年前、私はこのお店の脇を歩いていたかもしれない。
Mマスターと二人、すぐそばに見える向ヶ丘遊園駅から小田急線に乗った。
この時点では、次にどこへ行くのか何も決めてはいなかった。
(つづく)
向ヶ丘遊園 焼鳥「昭和横丁 よ古山」
住所 神奈川県川崎市多摩区登戸2698
電話 044-933-9815
定休日 木曜定休
営業時間 月~金 11:30~15:00/17:00~23:30 土・日・祝 11:30~23:30
交通 小田急線向ヶ丘遊園駅南口下車徒歩3分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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Mマスターとこの街に来るのは2回目である。Mマスターの買い物につきあっての来訪であった。
まずは、第458回で紹介したクラフトビア「ムーンライト」へ行く。
周辺は、次々に再開発が進み、マンション予定地となっていた。古い宿場街の名残りを残す登戸の雰囲気が加速度的に変わってゆくのであった。その様子は、屋台のあるバー「OVAL」のブログを御覧いただきたい。
前回(第458回)の時は、登戸駅に戻って、第459回で紹介した立ち呑み「盛田屋」さんに入った。
今回は、登戸で南武線と交叉する小田急線の向ヶ丘遊園駅まで歩いてみることになった。Mマスターのおすすめの店へ連れていってくれるそうである。
踏切を渡り、しばらく歩いてゆく。角地の古い建物の壁を「OVAL」のMマスターが指さす。
「ここですよ」
ただのモルタルの建物があって、急な階段があり、店の入口らしきものもなく、古いアパートのようにしか見えない。
不思議に思いながら建物の角を右に曲がってみると、さらに不思議な感じになっていた。

2本の路が出会った角に建てられており、敷地は三角形の一番とがった側を切り落とされたような台形である。
ビールの入ったグラスや焼き鳥などのイメージ写真の看板が貼られ、午後5時から7時まで「はっぴーあわー」で生ビール1杯350円であることを示す、宣伝看板が立てかけてある。さらに、回り込んださきほどとは反対側に入口があった。入口脇に赤いビールケースの上に焼き台が乗っているので、焼きながら売るのかもしれない。
まだ、午後4時頃である。やっているかどうか心配になる。
入口の上の看板には、「地鶏 備長炭火 やきとり」と書いてあり、その右に角印の印影のデザインで「昭和横丁」とある。建物の上の方に付けられた看板には「焼鳥 よ古山」と書いてあるので、店名は「昭和横丁 焼鳥 よ古山」のようである。看板の下には黄色い提灯が下げられ、灯りも点いているので、中に入ってみた。
店内は薄暗い。台形の建物を利用した台形のカウンターが中心の厨房を囲んでいる様子が壮観である。左手にまっすぐ進んだ側、6,7人が座れる側の奥、カウンターの端に二人で並んで座った。その席からカウンターの向側の席のお客さんと顔を合わせることになるが向側のカウンターは斜めなので、気まずい感じで正面になることはない。
席に座ると、「焼き鳥は五時半からなんです、すいません」と、若いマスターに言われる。
その代わり、こちらのお店は土曜と日曜は午前11時30分の開店から途中のお休み時間を入れずに営業しており、隠れた「昼間から飲める店」ということになる。休日の昼酒店を探しているので、これは発見であった。
まずは、Mマスターは緑茶割(390円)、私はレモンサワー(390円)をいただく。まだ4時でハッピーアワーには早い。まあ、クラフトビア「ムーンライト」で、すでに2杯いただいているので、いずれにしても生ビールは飲まなかった。
店内を見廻す。
壁に「現金仕入れの為売掛御免」と書いてある。なにやら懐かしさすら感じる。
私達の座るカウンターの左端の壁に、古いパロマの瞬間湯沸器が取り付けてある。
使われてる様子はないけれど、不思議な感じである。
照明が暗いので最初は気づかなかったのだけれど、よく見るとカウンターの上の天井に近い位置に、全国の観光地でおみやげとして売っている、あの小さな提灯がたくさん飾ってある。
焼き鳥も5時半からなので、京風おでん盛(600円)を頼んだ。
内容は、大根、こんにゃく、ちくわぶ、うずら、あつあげ。
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2杯目は、Mマスターはレモンサワー、私はコップ酒(400円)をいただく。
チロリで暖めたお酒がカウンターの上の段に置かれた受け皿の上の小さなコップに注がれる。
「お迎えに行かないとダメですね」と私。
「そうですね」と、お店の若いマスター。
私は、立ち上がり、首を伸ばして一口呑んだ。
それから、受け皿にこぼれた酒を受け皿からコップの中に移して、コップを手元においた受け皿にのせる。
これは、酒場のひとつの作法である。馴れていない若者が周囲の人から呑む方法を教えてもらっている様子を目撃したことがある。
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店内が暗いので、とりわけその火が美しく見えた。
午後5時になった。
「こちらはこのくらいにしますか」とMマスター。
お勘定をお願いする。二人で2,210円である。
若いマスターに聞いてみれば、焼き鳥店になったのは2年前であるけれど、酒場としては47年の歴史があるそうであった。さらに、その前は野菜を扱っていたそうである。
向ヶ丘遊園駅からバスで行ける地域に住んでいたことがある。
そして、父の死をきっかけに、中学生の私と母はそこから流転の日々へと旅だった。
こちらのお店が出来てすぐの40年前、私はこのお店の脇を歩いていたかもしれない。
Mマスターと二人、すぐそばに見える向ヶ丘遊園駅から小田急線に乗った。
この時点では、次にどこへ行くのか何も決めてはいなかった。
(つづく)
向ヶ丘遊園 焼鳥「昭和横丁 よ古山」
住所 神奈川県川崎市多摩区登戸2698
電話 044-933-9815
定休日 木曜定休
営業時間 月~金 11:30~15:00/17:00~23:30 土・日・祝 11:30~23:30
交通 小田急線向ヶ丘遊園駅南口下車徒歩3分
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ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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