蒲田 居酒屋「源氏酒蔵」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第503回 2013年1月18日(金) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
蒲田 居酒屋「源氏酒蔵」
~ 不思議な形のテーブル ~

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2013年1月14日。本州の南海上を低気圧が急速に発達しながら通過して、太平洋側の広い範囲で雪が降った。
首都圏では東京都心で8センチ、横浜で14センチ、千葉で8センチの積雪を観測、7年ぶりの大雪となり、転倒事故が多発、道路・鉄道・空の交通機関に大きな影響を及ぼした。
その後も気温は上がらず、4日たっても街には汚れた雪が残されたままだった。
ほんの少し時間を作ることが出来た。JR蒲田駅西口側に降り立ったのは午後7時前くらいであった。
目の前のロータリーに立つと、右斜め方向の道から東急バスがやってきて、目の前で大きく曲がり、駅からまっすぐに伸びる広い通りに向かって入ってゆくのが見える。そのロータリーを渡ると、すぐ目の前に路地の入口があり、のぞけば、そこがお酒を飲ませてくれる店が集まっている路地であることがわかる。
路地に入ってゆくと、右手には、第395回で紹介したお店、居酒屋「赤穂」さんがある。
そのすぐ斜め前に、本当に地味な外観のお店があった。何の情報もないまま入るのには、ちょっと勇気が必要なお店かもしれない。
暖簾が無いのである。二間ほどの間口のうち、右手の一間分がガラス格子になっている引き戸である。左手は壁、そこに縦長のメニュー看板が出ている。その左手に「源氏酒蔵」と書かれたアクリル製看板が置いてあった。
ガラス格子から中を少し覗いてから思い切って中に入ってみる。
入ってすぐ左手に二人掛けのテーブルが一つ。そのさらに左手には、手前から奥にかけて、四人掛のテーブル席が三つ並んでいる。思いの外、お店の中は広い。
しかし、このお店の特徴は右手側の「ホームベース状テーブル席」にある。
入口から見て手前側と奥側に2つあるそのテーブルは、右の壁から始まって、お店の中央の通路側にかけて伸びており、上から見ると通路側の端が山型になっていて、長すぎる野球のホームベースのようである。
そして、通路側に山型に突きだした部分には、ちょうど二人が少し斜めに寄り添うように座ることが出来て、テーブル全体では8人が座れるようになっている。
また、このテーブルの上には真ん中に顔の高さくらいの衝立が立っており。手前側と奥側に座ったお客さんが気兼ねなく座ることができるのだ。つまり、周りを囲むように座るカウンターのような大テーブルが二つあるのである。
店の一番奥の方には調理場がある。調理場の手前はカウンターにはなっておらず、配膳口となっている。調理場の中に大女将らしき女性、手前の調理場の外に女将さんらしき女性の方がたっていらっしゃる。
まずは、「酎ハイお願いします」と言った。
それから、「ポテトサラダお願いします」と付け加える。
まずは、酎ハイ(280円)が出てくる。
酎ハイを飲みながら店内を見回す。
2つある「ホームベース状テーブル席」の入口に近い側に男性1人客が2人座っていらっしゃる。私の座っている奥の側にも、やはり、男性1人客が3人座っていらっしゃり、私が4人目の客である。
お酒は1階で作られ、洗い物は1階の調理場内にいらっしゃるもう一人の女性がするのであろうか。
しかし、調理場で料理を作ってる様子がない。料理はインターホンで2階へ注文するようになっているのだった。
2階で調理された料理はダムウェーター(昇降機)で降りてくる。
やがて、ポテトサラダ(400円)がやってきた。
「ホームベース状テーブル席」がカウンター席の役目を担っているので、私のような一人客は助かるのである。
酎ハイを飲み終えて、次はお酒にしてみた。男山(400円)である。
お酒にあうつまみとして、イカ納豆(300円)を頼んだ。
女将さんがインターホンのところへ行く。
「いか納豆いち願います」
なにやら、それを聞いているだけで気分が良い。
「いいなあ・・・」とつぶやく。
テレビはNHKである。番組はクローズアップ現代。テーマは「家族葬」である。
黒い升の中に入ったグラスに一升瓶でついでくれる。
続いて、いか納豆が出てきた。酒にイカ納豆、日本の味である。
同じテーブルの男性が静かに「あお、くれる」と女将さんにおっしゃる。
すると、「あおですね」と答えた。
少しして、燗酒の徳利が出てきた。徳利が青い色のものであった。
「ああ、だから、あおと呼ぶんだなあ」と心の中でつぶやく。
「ホームベース状テーブル席」の真ん中にある低い衝立状の仕切には、亀甲形の穴がいくつか空いており、向側の人の気配が伝わってくる。
男山を飲み終え、角ハイボール(350円)を飲んでみようと思う。
これに合うツマミを選ぶ。若鶏もも串焼(350円)である。
「もも串焼き、願います」の声。
ハイボールを飲む。これが効いてしまった。一期に酔いがやってきた。
もも串焼きは、竹串ではなく金串にささって出てきた。肉は大ぶりである。美味しくいただく。
そこへ、新年会帰りらしき方々が入ってこられた。
女将さんが席を2つくっつける。常連の方々であろうか。
皆さん、酔いが回り楽しそうである。
午後7時15分から8時まで、45分ほどの滞在。御勘定は2,080円であった。
やはり、独り酒が一番である。
「何者でもない自分になれる場所」をまた一カ所見つけることが出来たようである。

蒲田 居酒屋「源氏酒蔵」
住所 東京都大田区西蒲田7-46-2
電話 03-3731-2837
定休 日曜・祝日
営業時間 17:00~24:00
交通 JR蒲田駅西口下車徒歩2分・東急池上線蒲田駅下車徒歩2分・多摩川線蒲田駅下車徒歩2分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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蒲田 居酒屋「源氏酒蔵」
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2013年1月14日。本州の南海上を低気圧が急速に発達しながら通過して、太平洋側の広い範囲で雪が降った。
首都圏では東京都心で8センチ、横浜で14センチ、千葉で8センチの積雪を観測、7年ぶりの大雪となり、転倒事故が多発、道路・鉄道・空の交通機関に大きな影響を及ぼした。
その後も気温は上がらず、4日たっても街には汚れた雪が残されたままだった。
ほんの少し時間を作ることが出来た。JR蒲田駅西口側に降り立ったのは午後7時前くらいであった。
目の前のロータリーに立つと、右斜め方向の道から東急バスがやってきて、目の前で大きく曲がり、駅からまっすぐに伸びる広い通りに向かって入ってゆくのが見える。そのロータリーを渡ると、すぐ目の前に路地の入口があり、のぞけば、そこがお酒を飲ませてくれる店が集まっている路地であることがわかる。
路地に入ってゆくと、右手には、第395回で紹介したお店、居酒屋「赤穂」さんがある。
そのすぐ斜め前に、本当に地味な外観のお店があった。何の情報もないまま入るのには、ちょっと勇気が必要なお店かもしれない。
暖簾が無いのである。二間ほどの間口のうち、右手の一間分がガラス格子になっている引き戸である。左手は壁、そこに縦長のメニュー看板が出ている。その左手に「源氏酒蔵」と書かれたアクリル製看板が置いてあった。
ガラス格子から中を少し覗いてから思い切って中に入ってみる。
入ってすぐ左手に二人掛けのテーブルが一つ。そのさらに左手には、手前から奥にかけて、四人掛のテーブル席が三つ並んでいる。思いの外、お店の中は広い。
しかし、このお店の特徴は右手側の「ホームベース状テーブル席」にある。
入口から見て手前側と奥側に2つあるそのテーブルは、右の壁から始まって、お店の中央の通路側にかけて伸びており、上から見ると通路側の端が山型になっていて、長すぎる野球のホームベースのようである。
そして、通路側に山型に突きだした部分には、ちょうど二人が少し斜めに寄り添うように座ることが出来て、テーブル全体では8人が座れるようになっている。
また、このテーブルの上には真ん中に顔の高さくらいの衝立が立っており。手前側と奥側に座ったお客さんが気兼ねなく座ることができるのだ。つまり、周りを囲むように座るカウンターのような大テーブルが二つあるのである。
店の一番奥の方には調理場がある。調理場の手前はカウンターにはなっておらず、配膳口となっている。調理場の中に大女将らしき女性、手前の調理場の外に女将さんらしき女性の方がたっていらっしゃる。
まずは、「酎ハイお願いします」と言った。
それから、「ポテトサラダお願いします」と付け加える。
まずは、酎ハイ(280円)が出てくる。
酎ハイを飲みながら店内を見回す。
2つある「ホームベース状テーブル席」の入口に近い側に男性1人客が2人座っていらっしゃる。私の座っている奥の側にも、やはり、男性1人客が3人座っていらっしゃり、私が4人目の客である。
お酒は1階で作られ、洗い物は1階の調理場内にいらっしゃるもう一人の女性がするのであろうか。
しかし、調理場で料理を作ってる様子がない。料理はインターホンで2階へ注文するようになっているのだった。
2階で調理された料理はダムウェーター(昇降機)で降りてくる。
やがて、ポテトサラダ(400円)がやってきた。
「ホームベース状テーブル席」がカウンター席の役目を担っているので、私のような一人客は助かるのである。
酎ハイを飲み終えて、次はお酒にしてみた。男山(400円)である。
お酒にあうつまみとして、イカ納豆(300円)を頼んだ。
女将さんがインターホンのところへ行く。
「いか納豆いち願います」
なにやら、それを聞いているだけで気分が良い。
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テレビはNHKである。番組はクローズアップ現代。テーマは「家族葬」である。
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続いて、いか納豆が出てきた。酒にイカ納豆、日本の味である。
同じテーブルの男性が静かに「あお、くれる」と女将さんにおっしゃる。
すると、「あおですね」と答えた。
少しして、燗酒の徳利が出てきた。徳利が青い色のものであった。
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「ホームベース状テーブル席」の真ん中にある低い衝立状の仕切には、亀甲形の穴がいくつか空いており、向側の人の気配が伝わってくる。
男山を飲み終え、角ハイボール(350円)を飲んでみようと思う。
これに合うツマミを選ぶ。若鶏もも串焼(350円)である。
「もも串焼き、願います」の声。
ハイボールを飲む。これが効いてしまった。一期に酔いがやってきた。
もも串焼きは、竹串ではなく金串にささって出てきた。肉は大ぶりである。美味しくいただく。
そこへ、新年会帰りらしき方々が入ってこられた。
女将さんが席を2つくっつける。常連の方々であろうか。
皆さん、酔いが回り楽しそうである。
午後7時15分から8時まで、45分ほどの滞在。御勘定は2,080円であった。
やはり、独り酒が一番である。
「何者でもない自分になれる場所」をまた一カ所見つけることが出来たようである。

蒲田 居酒屋「源氏酒蔵」
住所 東京都大田区西蒲田7-46-2
電話 03-3731-2837
定休 日曜・祝日
営業時間 17:00~24:00
交通 JR蒲田駅西口下車徒歩2分・東急池上線蒲田駅下車徒歩2分・多摩川線蒲田駅下車徒歩2分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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