中目黒 居酒屋「串八」第5回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第505回 2013年1月20日(日) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
※2013年1月22日 1,090,000カウント通過。感謝!
中目黒 居酒屋「串八」 第5回
~ ちくわぶとちくわぶとちくわぶ ~

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渋谷駅の近くで買物を済ませた時、SAKURAからメールが入った。
「稽古の後、中目黒の串八でGAIと少し飲んでいる」とのこと。
東急東横線の渋谷駅正面口改札へと向かった。
駅に構内放送が流れていた。元住吉駅で人身事故があり、すべての電車が各駅停車の武蔵小杉止まりになっているという。迷わず一番早い電車に飛び乗った。走り出した電車の車窓から外を見る。山の手線の上を渡る陸橋の脇に建つ渋谷清掃工場の煙突が見える。昨日この東横線の陸橋下を歩いたことを思い出す。
日曜日の夕暮れ時、広大な車両基地に隣接する元住吉駅の長いホームの端に立つ孤独な人影が頭に浮かんだ。
中目黒駅で降りる。渋谷方面の改札を出た。目の前は山手通りである。左手へ歩き、すぐに左に曲がりガード沿いの道へ入る。少し歩けば右手に「串八」さんがあった。
正面から見て、右と左に一つづつ入口がある。全面ガラスなので中がよく見える。コの字カウンターの右手には常連らしき方々が座っていらっしゃった。入口辺りもお客さんが入っている。左手の奥の方にSAKURAとGAIの姿を発見した。
左手のカウンター席にも談笑する方々。その背後の一部が柱の為に狭くなっているので、後ろを通らせてもらうのは申し訳ないと考え、裏技を使うことにした。
お店は雑居ビルの1階。左側の階段ホールの通路からも鉄の扉を開けて、お店の真ん中辺りに入ることが出来る。そんな裏技を使って店内に入り、背後からGAIに声を掛けた。
とても驚いていた。まさに、予想外だったわけである。
カウンターの左端からSAKURA、GAI、私の順で座る。
中目黒串八といえば、1340円の「晩酌セット」である。
酒3杯・料理3品で1,340円という驚異的リーズナブルなセットである。
二人とも「晩酌セット」を頼んで、すでにそれぞれ2杯目にかかっていた。
お魚の箸置きが私の前に置かれる。1杯目は生ビールを頼んだ。
そして、1品目に頼んだつまみは、天然北海道かんぱち刺し(600円)。
の、はずだった。
ところが、私の口から出てきた言葉は何故か天然勘八刺し(600円)であった。
演出家と役者が稽古帰りに飲んだいるのだから当然といえば当然だけれど、二人は芝居の話に夢中である。
私は店内の様子を眺める。日曜日のゆったりした雰囲気のお客さんたちで店内はいっぱいであった。
店内左手奥のテレビでは、大相撲初場所8日目の放送が流れていた。
2杯目は熱燗をお願いする。桝の中に入れたグラスに注がれる燗酒を飲む。暖まる。
つまみは、おでんにしようかと考える。
「おでんにしようかな・・・」
「ちくわぶとちくわぶとちくわぶってたのめよ」とGAIが言う。
「いやあ・・・ちくわぶとちくわぶとちくわぶなんて、言えないなあ」と私。
「代わりに頼んでやろうか・・・ちくわぶとちくわぶとちくわぶって」
だんだんな可笑しくなってくる2人である。
お店の女将さんがやってきた。
「おでんは・・・好きなものを頼んでいいんですよね」と私。
「どうぞ~」と言って女将さんは行ってしまう。
「おでんお願いします」と私。
「はい、どうぞ」と女性が注文を待っていてくれる。
やはり「ちくわぶとちくわぶとちくわぶ」とは言えない。遠慮してしまう。
「あの、ちくわぶ二個とがんもお願いします」
ところが、おでん鍋の前へ行った女性がこうおっしゃる
「ちくわぶ、一つしかなくて、他に何か」
「何がありますか?」
「そうですね、フランクフルトとか、ええと・・・」
「俺はフランクフルト好きだなあ」とGAI。
「それじゃ、フランクフルトお願いします」
「ちくわぶ最後の一つだったのか・・・」と私。
「運がいいじゃないか」とGAI。
ちくわぶが一つしかなくて、結局おでんは、ちくわぶ、フランクフルト、がんもの3品となった。
良かった。最後のちくわぶだったのだ。ちくわぶ一つで幸せになれるのである。
たった一つある4人掛テーブル席のグループ客の皆さんの間で面白いやりとりがあった。
ホッピーセットを4本頼んで、実際にホッピー瓶が出てくると、一人の女性がホッピーを全員のジョッキについであげているのであった。
親切心からのことで、以前にも他で見かけたことがある。
他の女性が何が間違っているかを笑いながら教えてあげていた。
ホッピーは他人についではいけないのである
演出家と役者は演劇論。探偵は独りの世界。助かるのである。
3杯目は、焼酎お湯割にした。3品目は、あぶりしめ鯖(500円)である。
コの字カウンターの私達とは反対側の端からカウンターの中に入り、カウンター内を通って、お店の方用のカウンター下の口をくぐり、SAKURAの背後のトイレに入っていった常連の女性の方がいた。面白い。
最後に瓶ビールを1本飲むことにした。キリン一番搾り大(500円)である。
GAIは今、チェーホフの戯曲『煙草の害について』に取り組んでいる。名作独り芝居である。
まさに、「GAIの『煙草の害について』」である。公演の際は是非御観劇を。
そろそろ帰ることにして、お勘定をお願いした。5時から6時45分までの滞在。ゆっくりと時間を楽しむことが出来た。
SAKURAは、お湯割りの焼酎2杯を二階堂にしていたので、50円増×2杯で1,440円。
ガイは1,340円。私は1,840円である。
中目黒駅は駅耐震化工事の中、今までの渋谷寄りにあった改札口と反対側の横浜よりにも改札口が出来た。
その新しい改札口でGAIと別れた。
SAKURAがバスに乗りたいという。
実際にバス停まで行くと歩きたいという。
寒い。でも、歩き始める。言いなりである。
中目黒 串揚げ「串八」
住所 東京都目黒区上目黒3-7-5 三起ビル1F
電話 03-3710-7832
定休日 無休・但し12月31日~1月3日迄は休み
営業時間 16:00~24:00(L.O.23:30)
交通 東急東横線・営団地下鉄日比谷線中目黒駅下車徒歩1分。
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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居酒屋探偵DAITENの生活 第505回 2013年1月20日(日) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
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「稽古の後、中目黒の串八でGAIと少し飲んでいる」とのこと。
東急東横線の渋谷駅正面口改札へと向かった。
駅に構内放送が流れていた。元住吉駅で人身事故があり、すべての電車が各駅停車の武蔵小杉止まりになっているという。迷わず一番早い電車に飛び乗った。走り出した電車の車窓から外を見る。山の手線の上を渡る陸橋の脇に建つ渋谷清掃工場の煙突が見える。昨日この東横線の陸橋下を歩いたことを思い出す。
日曜日の夕暮れ時、広大な車両基地に隣接する元住吉駅の長いホームの端に立つ孤独な人影が頭に浮かんだ。
中目黒駅で降りる。渋谷方面の改札を出た。目の前は山手通りである。左手へ歩き、すぐに左に曲がりガード沿いの道へ入る。少し歩けば右手に「串八」さんがあった。
正面から見て、右と左に一つづつ入口がある。全面ガラスなので中がよく見える。コの字カウンターの右手には常連らしき方々が座っていらっしゃった。入口辺りもお客さんが入っている。左手の奥の方にSAKURAとGAIの姿を発見した。
左手のカウンター席にも談笑する方々。その背後の一部が柱の為に狭くなっているので、後ろを通らせてもらうのは申し訳ないと考え、裏技を使うことにした。
お店は雑居ビルの1階。左側の階段ホールの通路からも鉄の扉を開けて、お店の真ん中辺りに入ることが出来る。そんな裏技を使って店内に入り、背後からGAIに声を掛けた。
とても驚いていた。まさに、予想外だったわけである。
カウンターの左端からSAKURA、GAI、私の順で座る。
中目黒串八といえば、1340円の「晩酌セット」である。
酒3杯・料理3品で1,340円という驚異的リーズナブルなセットである。
二人とも「晩酌セット」を頼んで、すでにそれぞれ2杯目にかかっていた。
お魚の箸置きが私の前に置かれる。1杯目は生ビールを頼んだ。
そして、1品目に頼んだつまみは、天然北海道かんぱち刺し(600円)。
の、はずだった。
ところが、私の口から出てきた言葉は何故か天然勘八刺し(600円)であった。
演出家と役者が稽古帰りに飲んだいるのだから当然といえば当然だけれど、二人は芝居の話に夢中である。
私は店内の様子を眺める。日曜日のゆったりした雰囲気のお客さんたちで店内はいっぱいであった。
店内左手奥のテレビでは、大相撲初場所8日目の放送が流れていた。
2杯目は熱燗をお願いする。桝の中に入れたグラスに注がれる燗酒を飲む。暖まる。
つまみは、おでんにしようかと考える。
「おでんにしようかな・・・」
「ちくわぶとちくわぶとちくわぶってたのめよ」とGAIが言う。
「いやあ・・・ちくわぶとちくわぶとちくわぶなんて、言えないなあ」と私。
「代わりに頼んでやろうか・・・ちくわぶとちくわぶとちくわぶって」
だんだんな可笑しくなってくる2人である。
お店の女将さんがやってきた。
「おでんは・・・好きなものを頼んでいいんですよね」と私。
「どうぞ~」と言って女将さんは行ってしまう。
「おでんお願いします」と私。
「はい、どうぞ」と女性が注文を待っていてくれる。
やはり「ちくわぶとちくわぶとちくわぶ」とは言えない。遠慮してしまう。
「あの、ちくわぶ二個とがんもお願いします」
ところが、おでん鍋の前へ行った女性がこうおっしゃる
「ちくわぶ、一つしかなくて、他に何か」
「何がありますか?」
「そうですね、フランクフルトとか、ええと・・・」
「俺はフランクフルト好きだなあ」とGAI。
「それじゃ、フランクフルトお願いします」
「ちくわぶ最後の一つだったのか・・・」と私。
「運がいいじゃないか」とGAI。
ちくわぶが一つしかなくて、結局おでんは、ちくわぶ、フランクフルト、がんもの3品となった。
良かった。最後のちくわぶだったのだ。ちくわぶ一つで幸せになれるのである。
たった一つある4人掛テーブル席のグループ客の皆さんの間で面白いやりとりがあった。
ホッピーセットを4本頼んで、実際にホッピー瓶が出てくると、一人の女性がホッピーを全員のジョッキについであげているのであった。
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ホッピーは他人についではいけないのである
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3杯目は、焼酎お湯割にした。3品目は、あぶりしめ鯖(500円)である。
コの字カウンターの私達とは反対側の端からカウンターの中に入り、カウンター内を通って、お店の方用のカウンター下の口をくぐり、SAKURAの背後のトイレに入っていった常連の女性の方がいた。面白い。
最後に瓶ビールを1本飲むことにした。キリン一番搾り大(500円)である。
GAIは今、チェーホフの戯曲『煙草の害について』に取り組んでいる。名作独り芝居である。
まさに、「GAIの『煙草の害について』」である。公演の際は是非御観劇を。
そろそろ帰ることにして、お勘定をお願いした。5時から6時45分までの滞在。ゆっくりと時間を楽しむことが出来た。
SAKURAは、お湯割りの焼酎2杯を二階堂にしていたので、50円増×2杯で1,440円。
ガイは1,340円。私は1,840円である。
中目黒駅は駅耐震化工事の中、今までの渋谷寄りにあった改札口と反対側の横浜よりにも改札口が出来た。
その新しい改札口でGAIと別れた。
SAKURAがバスに乗りたいという。
実際にバス停まで行くと歩きたいという。
寒い。でも、歩き始める。言いなりである。
中目黒 串揚げ「串八」
住所 東京都目黒区上目黒3-7-5 三起ビル1F
電話 03-3710-7832
定休日 無休・但し12月31日~1月3日迄は休み
営業時間 16:00~24:00(L.O.23:30)
交通 東急東横線・営団地下鉄日比谷線中目黒駅下車徒歩1分。
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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