保土ヶ谷 やきとり「なか井」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第507回 2013年2月19日(火) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
※2013年3月1日 1,110,000カウント通過。感謝!
保土ヶ谷 やきとり「なか井」
~ K氏のための通夜酒 ~

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前日メールが届いた。相手は「居酒屋探偵DAITENの生活」にも何度か登場してくださっている城南居酒屋探偵団の横浜支団長、柴田氏であった。
十数年前、自分でMacで編集し、版下をで自作、印刷会社に印刷を手配、出版していた同人誌があった。そのメンバーであり、地元の歴史研究団体の先輩メンバーでもあり、様々な意味で「仲間」であった金子氏が亡くなったのである。
喪服を着て、保土ヶ谷に到着したのは午後5時20分。柴田氏の処へうかがい、保土ヶ谷駅東口のバスロータリーのタクシー乗り場から斎場を目指した。
思えば、当時の「仲間」の葬儀に出席するのは、これで2回目である。
通夜の後、再びタクシーに乗り込んで保土ヶ谷駅まで戻ってきた。
保土ヶ谷駅の東口側を通る東海道(国道1号線)から西口側にある旧東海道までをつなぐ細い道が「かなさわかまくら道」の一部であり、その入口辺りでタクシーを降りた。
「かなさわかまくら道」とは、東海道五十三次の程ヶ谷宿の金沢横町から金沢の六浦陣屋(現金沢八景駅)へ到る道のことである。
この道に入り、15両編成の長い列車を2本待って、東海道線と横須賀線が通る踏切を渡ると、そこは帷子川の河川改修工事の現場であった。ここから右にまっすぐ行けば保土ヶ谷駅西口駅前である。すぐに、左へ左へと曲がり、工事現場を回り込むように行くと、再び「かなさわかまくら道」の道筋に出た。そこに、目的のお店、やきとり「なか井」さんがある。
こちらは柴田氏の行きつけのお店。
入口の右手に「やきとり」と書かれた提灯がぶらさがっていた。曇りガラスのサッシの戸の前にやきとり「なか井」と書かれた紺色の暖簾が下がっている。
暖簾をくぐって中に入ると、右手には一直線のカウンター席が続いており、中が調理場になっている。
左手に四人掛のテーブル席が二つ。入口の左手の棚に荷物やコートを置いて、柴田氏と並んでカウンター席に座った。
カウンターの中には、マスターとママさんの二人。先客の方はどなたもいなかった。
まずは、常連の柴田氏の芋焼酎のボトルでお湯割をいただく。銘柄は芋焼酎酔神黒。
マスターがいろいろとおすすめ品を教えて下さる。口調が楽しい。
最初のつまみは、モツ煮込み(450円)を2つ。モツたっぷりで美味しい煮込みだった。
次に頼んだのは、マスターおすすめのシメサバ(450円)、これも美味しかった。
ここで、前述の同人誌や歴史研究団体で、やはり同じようにメンバーだった濱也耕誠氏が合流。
濱也氏は生ビール(550円)とモツ煮込み(450円)を頼まれた。
3人で献杯である。当然、金子氏の話になる。
昔、保土ヶ谷の酒屋さんの2階に10人ほどのメンバーが集まって、笹一酒造の一斗樽を開けた時の話をする。この時の金子氏の飲みっぷりは凄かった。
来店時、お店のマスターにすすめられたアスパラサラダ(350円)が三皿並ぶ。丁寧に皮がむかれたアスパラがみずみずしく美味しい。
さらに、餃子(450円)も二皿。濱也氏は変わらずに健啖家である。
ここから、ついつい「通夜酒モード」に突入である。
斎藤酒造の初亀の熱燗二合(700円)を頼み、お猪口を三つもらって、三人で献杯を重ねた。
ウインナー入りニラ玉(600円)、濱也氏も食べたいということで、シメサバ(450円)も追加。今度は醤油なしで食べる。
濱也氏は再び生ビール。さらに、キビナゴの唐揚げ(350円)。
私はホッピー瓶(250円)をもらい、柴田氏の芋焼酎をホッピーで割っていただく。
さらに、熱燗の追加、また熱燗の追加。ホッピー外の追加が続く。
ここで、濱也氏は仕事がある為、途中で帰られることになった。ある用事もあって、また、来月お会いする約束をする。
※ ※ ※
テレビに、創業130年を超える老舗「神田藪蕎麦」の火事のニュースが流れた。驚きである。絶句する。
我が方の芝居の上演会場でもある中目黒「楽屋」のオーナー、MASSIMO氏とジャズ・シンガーの女性たちやベーシスト、そして私の母の可久鼓桃も加わって、楽しい旅行に行った帰り、この「神田藪蕎麦」で食事をした。
女将さんが独特の歌うような口調で注文を調理場に通すのである。やはり、そのことが話題になった。
落語好きで、江戸が好きで、浮世絵師の「写楽」の研究家だった金子氏をますます思い出す。私たちの同人誌にも金子氏の写楽に関する論文を連載した。
自分でも落語を作って語っていた金子氏、その通夜の夜に「神田藪蕎麦」が燃えた。もし、金子氏が存命で、一緒にこちらのお店で呑んでいたとしたら、このニュースを聞いて、さぞや嘆き悲しんだであろう。
※ ※ ※
午後9時を過ぎて、常連らしき方々が次々に入ってこられた。
本来はこちらは「やきとりのお店」である。
とりかわ(100円)とかしら(100円)を2本づつ焼いてもらった。肉を食べて精進落としである。
そして、瓶ビールで、柴田氏と最後の献杯をした。
午後7時30分から10時30まで、3時間ほどの滞在。お勘定は3人で11,950円であった。
お店のマスターがとても楽しい方で、ママさんとのやりとりも面白かった。
あまり、しんみりとし過ぎず、よい「通夜酒」となった。
金子氏は楽しい人だった。
我が家で酒を呑むと、金子氏はいつも私の母にこういった。
「おっかさんのうまいツマミで、今日も酒がすすんじゃうなあ」
その声音が耳に残っている。一緒に呑んでいるような気持ちになれた。
いや、きっと、一緒に呑んでいたのかもしれない。
思いの外、酒の減りが早かったような気がするからである。

保土ヶ谷 やきとり「なか井」
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区帷子町2-69
電話 045-334-2650
交通 横須賀線保土ヶ谷駅西口 徒歩3分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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十数年前、自分でMacで編集し、版下をで自作、印刷会社に印刷を手配、出版していた同人誌があった。そのメンバーであり、地元の歴史研究団体の先輩メンバーでもあり、様々な意味で「仲間」であった金子氏が亡くなったのである。
喪服を着て、保土ヶ谷に到着したのは午後5時20分。柴田氏の処へうかがい、保土ヶ谷駅東口のバスロータリーのタクシー乗り場から斎場を目指した。
思えば、当時の「仲間」の葬儀に出席するのは、これで2回目である。
通夜の後、再びタクシーに乗り込んで保土ヶ谷駅まで戻ってきた。
保土ヶ谷駅の東口側を通る東海道(国道1号線)から西口側にある旧東海道までをつなぐ細い道が「かなさわかまくら道」の一部であり、その入口辺りでタクシーを降りた。
「かなさわかまくら道」とは、東海道五十三次の程ヶ谷宿の金沢横町から金沢の六浦陣屋(現金沢八景駅)へ到る道のことである。
この道に入り、15両編成の長い列車を2本待って、東海道線と横須賀線が通る踏切を渡ると、そこは帷子川の河川改修工事の現場であった。ここから右にまっすぐ行けば保土ヶ谷駅西口駅前である。すぐに、左へ左へと曲がり、工事現場を回り込むように行くと、再び「かなさわかまくら道」の道筋に出た。そこに、目的のお店、やきとり「なか井」さんがある。
こちらは柴田氏の行きつけのお店。
入口の右手に「やきとり」と書かれた提灯がぶらさがっていた。曇りガラスのサッシの戸の前にやきとり「なか井」と書かれた紺色の暖簾が下がっている。
暖簾をくぐって中に入ると、右手には一直線のカウンター席が続いており、中が調理場になっている。
左手に四人掛のテーブル席が二つ。入口の左手の棚に荷物やコートを置いて、柴田氏と並んでカウンター席に座った。
カウンターの中には、マスターとママさんの二人。先客の方はどなたもいなかった。
まずは、常連の柴田氏の芋焼酎のボトルでお湯割をいただく。銘柄は芋焼酎酔神黒。
マスターがいろいろとおすすめ品を教えて下さる。口調が楽しい。
最初のつまみは、モツ煮込み(450円)を2つ。モツたっぷりで美味しい煮込みだった。
次に頼んだのは、マスターおすすめのシメサバ(450円)、これも美味しかった。
ここで、前述の同人誌や歴史研究団体で、やはり同じようにメンバーだった濱也耕誠氏が合流。
濱也氏は生ビール(550円)とモツ煮込み(450円)を頼まれた。
3人で献杯である。当然、金子氏の話になる。
昔、保土ヶ谷の酒屋さんの2階に10人ほどのメンバーが集まって、笹一酒造の一斗樽を開けた時の話をする。この時の金子氏の飲みっぷりは凄かった。
来店時、お店のマスターにすすめられたアスパラサラダ(350円)が三皿並ぶ。丁寧に皮がむかれたアスパラがみずみずしく美味しい。
さらに、餃子(450円)も二皿。濱也氏は変わらずに健啖家である。
ここから、ついつい「通夜酒モード」に突入である。
斎藤酒造の初亀の熱燗二合(700円)を頼み、お猪口を三つもらって、三人で献杯を重ねた。
ウインナー入りニラ玉(600円)、濱也氏も食べたいということで、シメサバ(450円)も追加。今度は醤油なしで食べる。
濱也氏は再び生ビール。さらに、キビナゴの唐揚げ(350円)。
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ここで、濱也氏は仕事がある為、途中で帰られることになった。ある用事もあって、また、来月お会いする約束をする。
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我が方の芝居の上演会場でもある中目黒「楽屋」のオーナー、MASSIMO氏とジャズ・シンガーの女性たちやベーシスト、そして私の母の可久鼓桃も加わって、楽しい旅行に行った帰り、この「神田藪蕎麦」で食事をした。
女将さんが独特の歌うような口調で注文を調理場に通すのである。やはり、そのことが話題になった。
落語好きで、江戸が好きで、浮世絵師の「写楽」の研究家だった金子氏をますます思い出す。私たちの同人誌にも金子氏の写楽に関する論文を連載した。
自分でも落語を作って語っていた金子氏、その通夜の夜に「神田藪蕎麦」が燃えた。もし、金子氏が存命で、一緒にこちらのお店で呑んでいたとしたら、このニュースを聞いて、さぞや嘆き悲しんだであろう。
※ ※ ※
午後9時を過ぎて、常連らしき方々が次々に入ってこられた。
本来はこちらは「やきとりのお店」である。
とりかわ(100円)とかしら(100円)を2本づつ焼いてもらった。肉を食べて精進落としである。
そして、瓶ビールで、柴田氏と最後の献杯をした。
午後7時30分から10時30まで、3時間ほどの滞在。お勘定は3人で11,950円であった。
お店のマスターがとても楽しい方で、ママさんとのやりとりも面白かった。
あまり、しんみりとし過ぎず、よい「通夜酒」となった。
金子氏は楽しい人だった。
我が家で酒を呑むと、金子氏はいつも私の母にこういった。
「おっかさんのうまいツマミで、今日も酒がすすんじゃうなあ」
その声音が耳に残っている。一緒に呑んでいるような気持ちになれた。
いや、きっと、一緒に呑んでいたのかもしれない。
思いの外、酒の減りが早かったような気がするからである。

保土ヶ谷 やきとり「なか井」
住所 神奈川県横浜市保土ケ谷区帷子町2-69
電話 045-334-2650
交通 横須賀線保土ヶ谷駅西口 徒歩3分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
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