蒲田 大衆酒場「鳥万」第4回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第533回 2013年11月20日(水) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
蒲田 大衆酒場「鳥万」 第4回
~蒲田が「渋谷化」してしまっても残ってほしい店~

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「蒲蒲線構想」
蒲蒲線構想とは、京急蒲田駅から羽田空港の間を走る既存の京浜急行空港線と、東横線・目黒線の多摩川駅から蒲田駅まで走っている東急多摩川線の2本の路線をつなぐ、新しい線を作ろうという計画である。この線につけられた仮称が蒲田と京急蒲田をつなぐという意味で「蒲蒲線」と呼ぶそうである。
初めて、この話を聞いた時、東急多摩川線と京急空港線の相互直通運転をするのかと思った。
東急東横線が東京メトロ副都心線とつながり、その先の西武池袋線や東武東上線からの乗り入れも実現している現在、蒲蒲線が出来れば、埼玉方面から羽田空港までの利便性がさらに高まるのである。
しかし、実際には、京急線は新幹線と同じ標準軌(1435mm)、東急線は山手線などと同じ狭軌(1067mm)であり、東急多摩川線と京急空港線の相互直通は難しい。
空港まで直接乗ったままでは行けず、一度は同一ホームの別の電車に乗り換えることになる。
その乗り換える為の駅が現在の東急線蒲田駅の地下に作られる計画とのこと。
東急側で地下駅を作るということは一見、京浜急行電鉄よりも東急電鉄の方が損をするように見える。
しかし、計画通りならば乗客は荷物をまとめ一度は蒲田駅で降りなければならないのだから、買い物や食事などをする可能性が高くなるということになる。
これは、新しい東横線渋谷駅を自前のショッピングビルの真下に作ってしまった東急グループであるから不思議はない。
東急グループが本格的に蒲田をビジネスターゲットとして再開発することになるのかもしれない。
蒲田は変わりつつある。先日京急蒲田駅前に行ってみて、周辺の変化に本当に驚かされた。京急蒲田駅そのものも新しくなっている。そして、駅脇まであったアーケード商店街は一部が取り壊されていた。やがて、駅前広場が作られ、高層ビルが建てられる予定とのこと。
「戦後闇市的」な場所がまた減ってゆく。
「新しい蒲田にも残って欲しい店」
蒲田が「渋谷化」してしまっても残って欲しい店がある。
蒲田の大衆酒場の総本山、大衆酒場「鳥万」さんである。
前回、このブログ「居酒屋探偵DAITENの生活」で紹介したのは、なんと4年半前の2009年4月18日(土)の第202回、ブログ「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本健二先生との蒲田での飲み歩きの3軒目であった。
← 味わいある昭和の王道の大衆酒場。
「鳥万」は五階建てのビルの一階から四階までが居酒屋になっている。
一階に入ると、人気の一階席は、やはりほとんど満席状態であった。
螺旋状の階段を上がり二階へ行く。上がってすぐ正面のL字カウンターは満席であった。その先に五人ほどが座れるカウンターがもう一つあった。その一番手前、左端に座った。カウンターとカウンターの間にカウンター内への出入口があり、お店のお姉様方が出たり入ったりするので、左足を出しすぎないようにする。カバンの置き方、身の処し方を考える。混み合う店での流儀があるのだ。
カウンターの上には、サービス品の「青ピース」と袋に書かれた豆菓子が小さなビニールの四角い皿の上にのっている。
隣の方の前には、独り鍋のセットがのっている。店内を見れば、独り鍋の方が目立つ。そういうシーズンになったのだと思う。
お姉様の一人に声をかけ、ホッピーセット(370円)氷無し、シメサバ(350円)、ポテトサラダ(320円)を一期に頼んだ。
ホッピーセットは、冷やしてはいないジョッキに焼酎が入り、冷えたホッピー瓶と一緒にやってくる。寒い時期はこれでもよい。
シメサバをいただく。美味しくいただきながら、次は日本酒にしようかどうか迷うのである。
日本酒へのシフトをやめ、頼んだのは、生クリアアサヒ(250円)であった。新ジャンル、第3のビールの樽詰品である。
お姉様がポテトサラダをもってくると、こうおっしゃる。
「ポテトサラダ、サービスね。」
量が少し多いのである。生クリアアサヒとポテトサラダが合う。トマト、キャベツ、サラダ菜などがポテトサラダについているのもいい。
サービスという単語を聞いて、鳥万さんに日替わりのサービス品があることを思い出した。
カウンター内への出入り口の場所なので、通りすがりのお姉様に声が掛けやすい。
「今日のサービスはなんですか?」
「ワカサギの唐揚げですよ」
「じゃ、それお願いします」
ワカサギ唐揚げ(200円)が本日のサービス品であった。
たしかに、背後の壁に貼ってあった。
お姉様方とのちょっとしたやりとりが楽しい。
伝票に「サービス200円」とある。
この伝票が独特で楽しい、長い長い伝票にたくさんの商品名と単価が書いてあり、数を記入するだけでよいのである。これは、伝票記入の時間を短縮し、間違いを無くす工夫である。
ホッピー用の「中」(焼酎)を注文された方が近くにいた。やってきた焼酎は、ビアタンブラー一杯である。
「蒲田だなあ・・・」と一人心の中でつぶやく。
今日は風が少し強い。風に揺れる丸ちょうちんが窓の外に見える。
生クリアアサヒを飲み終え、ここで考える。
迷うのである。
もう一杯、もう一品と考えてしまう。
ても、帰ろう。
久しぶりのこのお店を楽しむことができた。
近くのお姉さんに一言「ごちそうさま」と言って、伝票を持って階下へ。
入口脇のレジに伝票を出す。
お店の方は合計額を口に出して言わない。金額を手で示す。気づかいである。
黙って金額を見て払う。1,540円であった。小銭まで払えたのが嬉しかった。
午後7時から7時40分まで40分の滞在。
「独りでいることが楽しい」と思える夕暮れ時であった。

蒲田 大衆酒場「鳥万本店」
住所 東京都大田区西蒲田7-3-1
電話 03-3735-8915
定休日 年中無休
営業時間 月曜~金曜16:00~23:00 土曜・日曜・祝日1500~22:00
交通 JR京浜東北線蒲田下車徒歩2分・東急池上線・東急多摩川線蒲田駅下車徒歩2分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE
居酒屋探偵DAITENの生活 第533回 2013年11月20日(水) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
蒲田 大衆酒場「鳥万」 第4回
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「蒲蒲線構想」
蒲蒲線構想とは、京急蒲田駅から羽田空港の間を走る既存の京浜急行空港線と、東横線・目黒線の多摩川駅から蒲田駅まで走っている東急多摩川線の2本の路線をつなぐ、新しい線を作ろうという計画である。この線につけられた仮称が蒲田と京急蒲田をつなぐという意味で「蒲蒲線」と呼ぶそうである。
初めて、この話を聞いた時、東急多摩川線と京急空港線の相互直通運転をするのかと思った。
東急東横線が東京メトロ副都心線とつながり、その先の西武池袋線や東武東上線からの乗り入れも実現している現在、蒲蒲線が出来れば、埼玉方面から羽田空港までの利便性がさらに高まるのである。
しかし、実際には、京急線は新幹線と同じ標準軌(1435mm)、東急線は山手線などと同じ狭軌(1067mm)であり、東急多摩川線と京急空港線の相互直通は難しい。
空港まで直接乗ったままでは行けず、一度は同一ホームの別の電車に乗り換えることになる。
その乗り換える為の駅が現在の東急線蒲田駅の地下に作られる計画とのこと。
東急側で地下駅を作るということは一見、京浜急行電鉄よりも東急電鉄の方が損をするように見える。
しかし、計画通りならば乗客は荷物をまとめ一度は蒲田駅で降りなければならないのだから、買い物や食事などをする可能性が高くなるということになる。
これは、新しい東横線渋谷駅を自前のショッピングビルの真下に作ってしまった東急グループであるから不思議はない。
東急グループが本格的に蒲田をビジネスターゲットとして再開発することになるのかもしれない。
蒲田は変わりつつある。先日京急蒲田駅前に行ってみて、周辺の変化に本当に驚かされた。京急蒲田駅そのものも新しくなっている。そして、駅脇まであったアーケード商店街は一部が取り壊されていた。やがて、駅前広場が作られ、高層ビルが建てられる予定とのこと。
「戦後闇市的」な場所がまた減ってゆく。
「新しい蒲田にも残って欲しい店」
蒲田が「渋谷化」してしまっても残って欲しい店がある。
蒲田の大衆酒場の総本山、大衆酒場「鳥万」さんである。
前回、このブログ「居酒屋探偵DAITENの生活」で紹介したのは、なんと4年半前の2009年4月18日(土)の第202回、ブログ「橋本健二の居酒屋考現学」の橋本健二先生との蒲田での飲み歩きの3軒目であった。

「鳥万」は五階建てのビルの一階から四階までが居酒屋になっている。
一階に入ると、人気の一階席は、やはりほとんど満席状態であった。
螺旋状の階段を上がり二階へ行く。上がってすぐ正面のL字カウンターは満席であった。その先に五人ほどが座れるカウンターがもう一つあった。その一番手前、左端に座った。カウンターとカウンターの間にカウンター内への出入口があり、お店のお姉様方が出たり入ったりするので、左足を出しすぎないようにする。カバンの置き方、身の処し方を考える。混み合う店での流儀があるのだ。
カウンターの上には、サービス品の「青ピース」と袋に書かれた豆菓子が小さなビニールの四角い皿の上にのっている。
隣の方の前には、独り鍋のセットがのっている。店内を見れば、独り鍋の方が目立つ。そういうシーズンになったのだと思う。
お姉様の一人に声をかけ、ホッピーセット(370円)氷無し、シメサバ(350円)、ポテトサラダ(320円)を一期に頼んだ。
ホッピーセットは、冷やしてはいないジョッキに焼酎が入り、冷えたホッピー瓶と一緒にやってくる。寒い時期はこれでもよい。
シメサバをいただく。美味しくいただきながら、次は日本酒にしようかどうか迷うのである。
日本酒へのシフトをやめ、頼んだのは、生クリアアサヒ(250円)であった。新ジャンル、第3のビールの樽詰品である。
お姉様がポテトサラダをもってくると、こうおっしゃる。
「ポテトサラダ、サービスね。」
量が少し多いのである。生クリアアサヒとポテトサラダが合う。トマト、キャベツ、サラダ菜などがポテトサラダについているのもいい。
サービスという単語を聞いて、鳥万さんに日替わりのサービス品があることを思い出した。
カウンター内への出入り口の場所なので、通りすがりのお姉様に声が掛けやすい。
「今日のサービスはなんですか?」
「ワカサギの唐揚げですよ」
「じゃ、それお願いします」
ワカサギ唐揚げ(200円)が本日のサービス品であった。
たしかに、背後の壁に貼ってあった。
お姉様方とのちょっとしたやりとりが楽しい。
伝票に「サービス200円」とある。
この伝票が独特で楽しい、長い長い伝票にたくさんの商品名と単価が書いてあり、数を記入するだけでよいのである。これは、伝票記入の時間を短縮し、間違いを無くす工夫である。
ホッピー用の「中」(焼酎)を注文された方が近くにいた。やってきた焼酎は、ビアタンブラー一杯である。
「蒲田だなあ・・・」と一人心の中でつぶやく。
今日は風が少し強い。風に揺れる丸ちょうちんが窓の外に見える。
生クリアアサヒを飲み終え、ここで考える。
迷うのである。
もう一杯、もう一品と考えてしまう。
ても、帰ろう。
久しぶりのこのお店を楽しむことができた。
近くのお姉さんに一言「ごちそうさま」と言って、伝票を持って階下へ。
入口脇のレジに伝票を出す。
お店の方は合計額を口に出して言わない。金額を手で示す。気づかいである。
黙って金額を見て払う。1,540円であった。小銭まで払えたのが嬉しかった。
午後7時から7時40分まで40分の滞在。
「独りでいることが楽しい」と思える夕暮れ時であった。

蒲田 大衆酒場「鳥万本店」
住所 東京都大田区西蒲田7-3-1
電話 03-3735-8915
定休日 年中無休
営業時間 月曜~金曜16:00~23:00 土曜・日曜・祝日1500~22:00
交通 JR京浜東北線蒲田下車徒歩2分・東急池上線・東急多摩川線蒲田駅下車徒歩2分
ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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