千鳥町 とり料理とお酒「とり長」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第554回 2014年4月5日(土) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
※2014年4月9日 1,270,000カウント通過。感謝!
千鳥町 とり料理とお酒「とり長」
~ 鳥肉店が出店した千鳥町のとり料理店 ~

土曜日の夕暮れ時、東急池上線の千鳥町駅に行ってみた。
起点である五反田駅から終点の蒲田駅まで、池上線は大きく弧を描くように走っている。
たとえば、夏の日の朝日が旗の台駅辺りで後ろからさしていても、池上駅では前方からの日差しとなる。
それほどに、池上線はカーブの多い路線だ。ただし、その中で御嶽山駅、久が原駅、千鳥町駅の3駅の間はきれいにまっすぐな線路なのである。
蒲田方面の改札口を出てから五反田方面へ線路沿いを歩いてみると、すぐそこに踏切がある。
線路上には高い鉄塔が立ち、そこを送電線が走っている。この送電線は写真の中に写っている鉄塔からはじまり、洗足池駅脇の洗足変電所まで続いている。

午後5時である。本日の目的のお店の開店時間となった。踏切を渡らず、線路沿いにも行かず右に曲がる。少し左右に蛇行するその道の左手に新しくマンションが建てられていた。その先あたりに、間口の狭い商店の四軒長屋があり、その一番端に若とりの店「鳥長」という鳥肉店があった。
その鳥長さんが斜め前の元は寿司店だった場所に、とり料理とお酒「とり長」として再出発したのである。
黄色いテントには「若とりからあげの店 とり長」と書いてあった。
「お知らせ 鳥生肉・鳥加工品店内にて販売致します 中へお入りください」という内容の紙が入口脇に貼ってあった。
入り口を開けて中に入ると「お持ち帰りの方ですか?」と聞かれた。
「いいえ、違います」
「飲まれる・・・お客さんですね」
「はい、そうです」
「ちょっと、お待ちいただくかもしれませんが・・・」
「いいですよ、何か飲ませてもらいながら待ってますから・・・」
店内右手に横に四人、手前から奥に向かって六人が座れるL字カウンターがある。左手に四人用の小上がり席が二つ。
私に続いて入ってこられた男性の方が「晩酌セット」とおっしゃった。
「晩酌セット始めました」と書かれた紙が壁に貼ってあるのが目に入る。
手元のメニューに挟んである手書きの紙にも次のようにあった。
晩酌セットAは生ビール1杯、むしどり1皿、やきとり3本で1,000円。
晩酌セットBは生ビール1杯、手羽先からあげ5本、本日の煮物1皿で1,100円。
生ビールは単品450円、手羽先からあげ5本は単品450円、本日の煮物(今日はハス、ゴボウ、コンニャク、鶏肉の煮物)1皿は単品480円である。
まずは、晩酌セットBの生ビールをいただく。
「何にも無しじゃいけないのでこれでもどうぞ」と野菜の小鉢を出してくれた。
午後6時に4人、5時50分に5人の予約が入っているとのこと。耳が人一倍良いので全部聞こえてしまうのである。今日も忙しい御様子。実は、前日の夜にお店の前まで来て、店内が忙しい様子であることを確認、遠慮して帰ったのである。予約席をどうするかという会話から店内の奥の方に座敷があることが解った。
「本当は後でと思ったんですけど、寒いんで・・・」とマスターが鳥スープを小鉢に入れて出してくれた。
お持ち帰りの方が来店。予約してあった「手羽先からあげ30本」を受取りに来られたのである。
店内でおみあげも売っているので、お店の方はたいへんである。
私の分の手羽先からあげ5本もやってきた。
さっそく食べてみると、これが脂っこくなく美味しい。やはり、看板商品である。
2杯目はレモンハイ(400円)を頼む。
「あの・・・やきとり、大丈夫ですか?」と聞いてみる。
「はい、ちょっとお待ちください」とマスター。合間を見て伝票を持ってきてくれた。
「手羽先がおすすめ、なんですけど・・・あっ、手羽先のからあげお食べになりましたよね」とマスター。
手羽先焼きも食べて見たいと思ったけれど、肉(140円)2本、砂肝(140円)1本を頼むことにした。肉はタレ、砂肝は塩でお願いする。
今日の持ち帰り分は完売とのこと。それでも、買いにくるお客様が何度も来訪。丁寧に断るのがたいへんである。
さらに、予約の家族連れの方々がいらっしゃった。
「お待たせしてすみませんね、よかったらどうぞ」と、お母さんが菜の花のおひたしを出してくれた。
「菜の花ですか、いいですね」と私。
「菜の花もそろそろ終わりですよね」とお母さん。
「そうですね、もう終わりですね」と私。
今は二十四節気の「清明」の頃である。
周辺では桜が咲いている。桜の花見の話を聞きながら、菜の花を食べ、酒場にいる。
清明から穀雨となり、やがて立夏となるこの時期こそ、時の流れを感じさせられるのだ。
そろそろ帰ろうかと思っていたのだけれど、燗酒(400円)を頼んでしまった。
ここは、家族経営のお店。お父さんとお母さんと息子さん。そして、女性の方が一人。いらっしゃるお客さんたちも近隣の方々のご様子。そして、住宅街との境目の駅からも見えない裏通りのお店である。普段はもっとゆったりと営業されているのかもしれない。
もう一組の予約の方々が来店され、さらに、予約無しの御家族連れが二組いらっしゃった。
やきとりがやってきた。砂肝は柚子胡椒で食べる。
来店した皆さんか次々に頼む砂肝のからあげが気になる。
さて、午後6時20分となった。次に入ってこられる方々の為に私の座る側のカウンターを空けることにしよう。
「お勘定おねがいします」
「はい、お勘定ですね。お相手もできないですみません」とお母さん。
「大丈夫です。勝手に楽しんでいますので。」と笑顔で答える。
嘘では無い、忙しさの中の人と人とのやりとりを観察しながら私は本当に楽しんでいるのである。
「わさわさしてすみません、こんなに混む日ばかりじゃないんですよ」とお母さん。
でも、「本当は昨日の夜もお店の前まで来たんですよ」とは、言わなかった。
恩着せがましいのも良く無いからである。
午後5時10分から6時20分まで1時間10分ほどの滞在。お勘定は2,320円であった。
皆さん笑顔でおくってくださった。

千鳥町 とり料理とお酒「とり長(とりちょう)」
住所 東京都大田区千鳥1-3-8
電話 03-3753-2987
定休日 日曜日
営業時間 17:00~22:00 ※昼ランチ営業、鳥肉販売あり
交通 東急池上線千鳥町駅徒歩2分
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居酒屋探偵DAITENの生活 第554回 2014年4月5日(土) 【地域別】 【時間順】 【がっかり集】
※2014年4月9日 1,270,000カウント通過。感謝!
千鳥町 とり料理とお酒「とり長」
~ 鳥肉店が出店した千鳥町のとり料理店 ~

土曜日の夕暮れ時、東急池上線の千鳥町駅に行ってみた。
起点である五反田駅から終点の蒲田駅まで、池上線は大きく弧を描くように走っている。
たとえば、夏の日の朝日が旗の台駅辺りで後ろからさしていても、池上駅では前方からの日差しとなる。
それほどに、池上線はカーブの多い路線だ。ただし、その中で御嶽山駅、久が原駅、千鳥町駅の3駅の間はきれいにまっすぐな線路なのである。
蒲田方面の改札口を出てから五反田方面へ線路沿いを歩いてみると、すぐそこに踏切がある。
線路上には高い鉄塔が立ち、そこを送電線が走っている。この送電線は写真の中に写っている鉄塔からはじまり、洗足池駅脇の洗足変電所まで続いている。

午後5時である。本日の目的のお店の開店時間となった。踏切を渡らず、線路沿いにも行かず右に曲がる。少し左右に蛇行するその道の左手に新しくマンションが建てられていた。その先あたりに、間口の狭い商店の四軒長屋があり、その一番端に若とりの店「鳥長」という鳥肉店があった。
その鳥長さんが斜め前の元は寿司店だった場所に、とり料理とお酒「とり長」として再出発したのである。
黄色いテントには「若とりからあげの店 とり長」と書いてあった。
「お知らせ 鳥生肉・鳥加工品店内にて販売致します 中へお入りください」という内容の紙が入口脇に貼ってあった。
入り口を開けて中に入ると「お持ち帰りの方ですか?」と聞かれた。
「いいえ、違います」
「飲まれる・・・お客さんですね」
「はい、そうです」
「ちょっと、お待ちいただくかもしれませんが・・・」
「いいですよ、何か飲ませてもらいながら待ってますから・・・」
店内右手に横に四人、手前から奥に向かって六人が座れるL字カウンターがある。左手に四人用の小上がり席が二つ。
私に続いて入ってこられた男性の方が「晩酌セット」とおっしゃった。
「晩酌セット始めました」と書かれた紙が壁に貼ってあるのが目に入る。
手元のメニューに挟んである手書きの紙にも次のようにあった。
晩酌セットAは生ビール1杯、むしどり1皿、やきとり3本で1,000円。
晩酌セットBは生ビール1杯、手羽先からあげ5本、本日の煮物1皿で1,100円。
生ビールは単品450円、手羽先からあげ5本は単品450円、本日の煮物(今日はハス、ゴボウ、コンニャク、鶏肉の煮物)1皿は単品480円である。
まずは、晩酌セットBの生ビールをいただく。
「何にも無しじゃいけないのでこれでもどうぞ」と野菜の小鉢を出してくれた。
午後6時に4人、5時50分に5人の予約が入っているとのこと。耳が人一倍良いので全部聞こえてしまうのである。今日も忙しい御様子。実は、前日の夜にお店の前まで来て、店内が忙しい様子であることを確認、遠慮して帰ったのである。予約席をどうするかという会話から店内の奥の方に座敷があることが解った。
「本当は後でと思ったんですけど、寒いんで・・・」とマスターが鳥スープを小鉢に入れて出してくれた。
お持ち帰りの方が来店。予約してあった「手羽先からあげ30本」を受取りに来られたのである。
店内でおみあげも売っているので、お店の方はたいへんである。
私の分の手羽先からあげ5本もやってきた。
さっそく食べてみると、これが脂っこくなく美味しい。やはり、看板商品である。
2杯目はレモンハイ(400円)を頼む。
「あの・・・やきとり、大丈夫ですか?」と聞いてみる。
「はい、ちょっとお待ちください」とマスター。合間を見て伝票を持ってきてくれた。
「手羽先がおすすめ、なんですけど・・・あっ、手羽先のからあげお食べになりましたよね」とマスター。
手羽先焼きも食べて見たいと思ったけれど、肉(140円)2本、砂肝(140円)1本を頼むことにした。肉はタレ、砂肝は塩でお願いする。
今日の持ち帰り分は完売とのこと。それでも、買いにくるお客様が何度も来訪。丁寧に断るのがたいへんである。
さらに、予約の家族連れの方々がいらっしゃった。
「お待たせしてすみませんね、よかったらどうぞ」と、お母さんが菜の花のおひたしを出してくれた。
「菜の花ですか、いいですね」と私。
「菜の花もそろそろ終わりですよね」とお母さん。
「そうですね、もう終わりですね」と私。
今は二十四節気の「清明」の頃である。
周辺では桜が咲いている。桜の花見の話を聞きながら、菜の花を食べ、酒場にいる。
清明から穀雨となり、やがて立夏となるこの時期こそ、時の流れを感じさせられるのだ。
そろそろ帰ろうかと思っていたのだけれど、燗酒(400円)を頼んでしまった。
ここは、家族経営のお店。お父さんとお母さんと息子さん。そして、女性の方が一人。いらっしゃるお客さんたちも近隣の方々のご様子。そして、住宅街との境目の駅からも見えない裏通りのお店である。普段はもっとゆったりと営業されているのかもしれない。
もう一組の予約の方々が来店され、さらに、予約無しの御家族連れが二組いらっしゃった。
やきとりがやってきた。砂肝は柚子胡椒で食べる。
来店した皆さんか次々に頼む砂肝のからあげが気になる。
さて、午後6時20分となった。次に入ってこられる方々の為に私の座る側のカウンターを空けることにしよう。
「お勘定おねがいします」
「はい、お勘定ですね。お相手もできないですみません」とお母さん。
「大丈夫です。勝手に楽しんでいますので。」と笑顔で答える。
嘘では無い、忙しさの中の人と人とのやりとりを観察しながら私は本当に楽しんでいるのである。
「わさわさしてすみません、こんなに混む日ばかりじゃないんですよ」とお母さん。
でも、「本当は昨日の夜もお店の前まで来たんですよ」とは、言わなかった。
恩着せがましいのも良く無いからである。
午後5時10分から6時20分まで1時間10分ほどの滞在。お勘定は2,320円であった。
皆さん笑顔でおくってくださった。

千鳥町 とり料理とお酒「とり長(とりちょう)」
住所 東京都大田区千鳥1-3-8
電話 03-3753-2987
定休日 日曜日
営業時間 17:00~22:00 ※昼ランチ営業、鳥肉販売あり
交通 東急池上線千鳥町駅徒歩2分
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE