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蓮沼 居酒屋「パライソ」第2回

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第562回 2014年7月2日(水)  【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】



 蓮沼 居酒屋「パライソ」 第2回

 ~ まるでオリンピックかワールドカップのように ~


  

 
 居酒屋を多く巡っている。しかし、身は一つだ。しかも、若い頃のように、毎日酒場に行ったり、何軒も梯子酒をする体力もない。でも、いつまでも居酒屋でささやかな楽しい一時を過ごしたいと思う。ゆえに、一回行った店に再び行くまでは間があいてしまうのだ。だから、顔を覚えられることは少ない。それは、客観的でいられるという点ではとても良い。

 そんな私を驚かせてくれるお店に再訪した。そのお店は池上線の蓮沼駅の東側徒歩3分の場所にある。
 蓮沼駅の五反田方面の改札を出て踏切を渡り右へ。蒲田方面の改札を出たなら踏切を渡らず右へ。すると、一角に交番のある五叉路がすぐあり、さらに歩くと、大田都税前という信号のある交差点に出る。そこを左に曲がり、二本目の道が半分に狭くなっている右手角に、この特徴的な看板(下写真)が見える。居酒屋「パライソ」さんだ。

  

 この看板以外は典型的な「小料理屋さん」風の地味な外観である。
 ガラス格子の引き戸の左側を開けて中に入る。目の前の横一列のカウンターの中で野球帽をかぶり、眼鏡をかけたマスターが笑顔で迎えてくれる。隣にはママさん。カウンター席は5席、右手の奥に個室がある。カウンターの右端に男女カップルが座っていらっしゃる。

 カウンターの左端に座らせてもらう。左手の壁やカウンターの上の壁など、あちらこちらにメニューが貼ってある。
 今日も私はつまみ選びに迷いに迷うに違いない。
 
 「あの、ホッピーセット白氷無しでお願いします」と私。

 ビアグラスに焼酎が入ったものとホッピー瓶のホッピーセット(450円)が出てくる。ホッピーを飲みながら手元のメニューや壁のメニューを眺め迷う。

 「ポテトサラダお願いします。」と私。
 「はい、ポテトサラダ~」
 と、よく通る声でマスターが復唱する。
 「・・・お客さん、始めてじゃないですよね」
 「はい、何度か来たことあります。」
 「たしか、四年くらい前にいらっしゃいましたよね」
 「はい、そのくらいにはなりますね」
 「たしか、ホッピーを呑まれましたよね」
 「はい、呑みました」
 「カウンターのこちらの辺りに座られましたよね」
 「はい、そうです。すごいですね、よく覚えていらっしゃる・・・」

 たしかに、前回紹介した第386回の時に訪問したのは足かけ四年前の冬であり、マスターの指し示す席で最初にホッピーを呑んだのである。

 「四年もたっちゃって、オリンピックワールドカップみたいですよね」と私。

 男爵ポテトサラダ(340円)はキュウリ、トマトが付いている。ポテトサラダを食べてみれば、そのお店が解ると私は思っている。美味しくいただく。

 前回の時、ホッピーについて、細かく説明をしてしまった為に、覚えてもらっていたのかもしれない。そして、その時にも頼んだニンニクを使わない手作り餃子(300円)も注文する。ママさんの手作りである。

 2杯目はトマト割(370円)を呑みたいと思う。メニューにトマト割トマトサワー(350円)の両方が載っているので安心して頼める。炭酸の入ったトマト味の焼酎サワーをトマト割といっているお店に出会ったことがあるからである。

 ホッピー瓶をカウンターの上へ出す。
 「もう、ホッピーのんじゃったんですかあ?」と笑顔のマスター。
 「ホッピーは一度に全量使ってしまって、とかとかもやらないんで・・・」
 「そうですかあ」
 「トマト割りお願いします」
 「トマトサワーではなくて、割りのほうですね」
 「はい、トマトサワーは苦手な方なので」

 餃子を食べた後、続けて、3品目としてもやし炒め(200円)も頼んだ。
 一人で食べるには量があり、トマト割をどんどん呑んでしまい、続けて、3杯目のチューハイ(300円)を頼んでしまった。今日はすすむ。

 常連の皆さんと大田区の黒湯温泉の話をする。楽しい。さらに、常連らしき男性が入ってこられた。
 4品目はゲソバター(280円)。入店してすぐに頼もうとしてやめていたものである。
 健康を気にして酒を少なくしている。コレステロールが気になる、プリン体が恐い、カロリーの多そうな物は控えたいなどと考えている。
 でも、酒が3杯目をすぎると心のタガがちゃんとはずれるのだ。
 
 4杯目はついに生ビールである。ピルスナーグラス生(440円)。

 マスターの気づかいはすごい。それぞれのお客さんの話題を受け止め、他のお客様にパスをする。場が盛り上がる。
 このままでは、どんどん呑んでしまうので、お勘定をお願いすることにした。
 4杯・4品2,890円であった。今回は呑んで食べてしまった。

 「四年に一回とは言わず、半年に一回くらいお越しくださいませねぇ」とマスターがおっしゃる。
 そう言われても少しも嫌味にならない。
 少し歩いてからふり返る。黄色い看板が遠くからこちらを呼んでいる。
 出来るだけ、早めにまた来よう。

  


蓮沼 居酒屋「パライソ」
住所 東京都大田区西蒲田6-18-18(1F南側)
電話 03-3734-1171
定休日 月曜・木曜休
営業時間 18:00~ 
交通 東急池上線蓮沼駅下車徒歩3分。


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蓮沼

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