蒲田 立ち飲み「銀次郎」第2回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第563回 2014年7月9日(水) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
※2014年7月13日 1,300,000カウント通過。感謝!
蒲田 立ち飲み「銀次郎」 第2回
~ 時間が止まったような場所 ~

雨が降っていた。
雨の中、蒲田駅西口側の街を歩く。
東急池上線ガード脇のバーボンストリート界隈を散策、飲屋街に何か変化がないか一通り目を通す為である。
それから、駅前に戻ってみた。サンライズ商店街入口前を過ぎて、バスの発着場が並ぶ駅前通りの信号を渡り、バスが進入してくる側の通りをすすむ。そのまま行けば多摩堤通りである。
その手前の比較的幅の広い通りを左に折れてみる。その左手側に蒲田で最も古いまま現存している立ち飲み店がある。
蒲田に来た時は、いつも前を通ってみる。
通るたびに「ずっと、この場所だけまるで時が止まったようだな・・・」と思うのである。

正面入口の上のシャッターはいつも少し下げてある。シャッターと外壁の隙間の空間に冷蔵ケース等が積み重ねてあって、入口の上に黄色い提灯が三つ並んでいる以外は派手なものは何もない。高い位置に立飲み「銀次郎」と書かれたアクリル看板が上がっている。店の前の地面に置かれたアクリル看板は立ち飲み「銀次郎」となっている。この微妙な違いはよくあることだ。
前回、こちらのお店を紹介したのは2008年8月24日(日)の第131回であるから、実に6年前である。
初めて入店したのは、どれだけ前だろうか。昔から入店する前に少しの勇気が必要なお店であった。フロアを行ったり来たりしながら接客する親父さんが鋭い眼光で外を見ている時は、通り過ぎてしまう時もあった。今日こそは、また入ってみようと思う。
入口に暖簾は無い。前回は下がっていた古びた縄暖簾も今はない。
開け放たれた入口を入ってゆく。左手の壁には入口から奥まで長い壁カウンターがある。そこには10人位が立てるであろうか。正面右手、奥側にL字カウンターがあり、そこにも10人ほどが立てる。そのすぐ手前には高い立ち呑みテーブルがあり、その回りには4人ほど先客の皆さんがいらっしゃった。
左手の壁カウンターの奥に近いほうに立った。財布から千円札を出して目の前に置く。そして目の前の壁を見る。
「どなた様にも限らず現金でお願いいたします。」 「恐れ入れますが前金でお願いします。」という貼り紙は前と同じである。
眼光鋭い親父さんにハイサワー(350円)をお願いする。
こちらのお店は飲物や品物が来たら、目の前に置いた前金からとってもらい、お釣りを返してもらうシステムである。
背後のグループの方のお一人が器を持って私のところに来られた。器の中身は川エビである。
「どうぞ」とおっしゃる。いきなりの川エビである。
「ありがとうございます」と言って数匹手にとった。
ふり返って、皆さんの方に会釈する。
次に、エシャレット(350円)を頼む。エシャレットは7本。1本50円である。
皆さんの会話の中身はギャンブルのお話。いらっしゃっているのは男性のみ。完璧な親父酒場である。
蒲田で最もディープな酒場である。
また、グループの中の同じ方がこられて、今度は「小アジ唐揚げ」をくださった。面白い。
もしかしたら、グループではなく、それぞれ別にいらして一緒に飲んでいる方々かもしれない。
店内を見回す、カウンターの中のキッチンの高い位置に千円札をたくさん差した熊手がある。これは前と同じである。
何も変わりがない店内の中で、大きく違う物を発見した。それは新品の大型冷蔵庫である。
2杯目は清酒(350円)にしよう。そして、ツマミはイカの生姜焼き(450円)。シンプルかつ良い酒のツマミである。
「あの、お酒常温とイカの生姜焼きお願いします」と言う。
「はい、常温にイカの生姜焼きねえ」と親父さん。
常温の酒を呑みながら店内を見回す。壁に貼られた古い写真の中の親父さんとお母さんは若い。
色の変わった招きネコ。飴色の世界。
語るべき物語が多すぎる。
カウンターの中のお母さん。外回りの親父さん。
大将と女将と呼ばず、そう呼びたくなる。
驚くほど店内は変わらない、変わったのは前述の新型大型冷蔵庫だけかもしれない。
最後に瓶ビール(大瓶)(500円)を頼んだ。
黙っていてもキリンラガー大瓶が出てくる。
お客さんと親父さんとお母さんのやり取りを背中に聴きながら味わい深い時を過ごす居酒屋探偵であった。
「今日は雨でダメだなあ」と親父さんが道の反対側の飲食店の方に声をかける。
雨はまだ降っている。
「ごちそうさまでした」と、親父さんとお母さんに声をかける。
そして、川エビ唐揚げや小アジの唐揚げをくださった常連の皆さんの方へ顔を向けた。
「ありがとうございました」と満面の笑みで礼を言ってから外に出た。
「どうも~」等と言ってくださる。
短い間であり泊めてもらってはいないけれど、いわゆる一宿一飯の恩義である。
この日払った金額は、ハイサワー(350円)、エシャレット(350円)、清酒(350円)、イカの生姜焼き(450円)、瓶ビール(大瓶)(500円)で2,000円ちょうどであった。

蒲田 立ち飲み「銀次郎」
住所 東京都大田区西蒲田7-29-3 久保井ビル
電話 03-3731-3086
定休日 ? 営業時間 ?
交通 JR京浜東北線蒲田・東急池上線・東急多摩川線蒲田駅下車徒歩2分
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
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居酒屋探偵DAITENの生活 第563回 2014年7月9日(水) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
※2014年7月13日 1,300,000カウント通過。感謝!
蒲田 立ち飲み「銀次郎」 第2回
~ 時間が止まったような場所 ~

雨が降っていた。
雨の中、蒲田駅西口側の街を歩く。
東急池上線ガード脇のバーボンストリート界隈を散策、飲屋街に何か変化がないか一通り目を通す為である。
それから、駅前に戻ってみた。サンライズ商店街入口前を過ぎて、バスの発着場が並ぶ駅前通りの信号を渡り、バスが進入してくる側の通りをすすむ。そのまま行けば多摩堤通りである。
その手前の比較的幅の広い通りを左に折れてみる。その左手側に蒲田で最も古いまま現存している立ち飲み店がある。
蒲田に来た時は、いつも前を通ってみる。
通るたびに「ずっと、この場所だけまるで時が止まったようだな・・・」と思うのである。

正面入口の上のシャッターはいつも少し下げてある。シャッターと外壁の隙間の空間に冷蔵ケース等が積み重ねてあって、入口の上に黄色い提灯が三つ並んでいる以外は派手なものは何もない。高い位置に立飲み「銀次郎」と書かれたアクリル看板が上がっている。店の前の地面に置かれたアクリル看板は立ち飲み「銀次郎」となっている。この微妙な違いはよくあることだ。
前回、こちらのお店を紹介したのは2008年8月24日(日)の第131回であるから、実に6年前である。
初めて入店したのは、どれだけ前だろうか。昔から入店する前に少しの勇気が必要なお店であった。フロアを行ったり来たりしながら接客する親父さんが鋭い眼光で外を見ている時は、通り過ぎてしまう時もあった。今日こそは、また入ってみようと思う。
入口に暖簾は無い。前回は下がっていた古びた縄暖簾も今はない。
開け放たれた入口を入ってゆく。左手の壁には入口から奥まで長い壁カウンターがある。そこには10人位が立てるであろうか。正面右手、奥側にL字カウンターがあり、そこにも10人ほどが立てる。そのすぐ手前には高い立ち呑みテーブルがあり、その回りには4人ほど先客の皆さんがいらっしゃった。
左手の壁カウンターの奥に近いほうに立った。財布から千円札を出して目の前に置く。そして目の前の壁を見る。
「どなた様にも限らず現金でお願いいたします。」 「恐れ入れますが前金でお願いします。」という貼り紙は前と同じである。
眼光鋭い親父さんにハイサワー(350円)をお願いする。
こちらのお店は飲物や品物が来たら、目の前に置いた前金からとってもらい、お釣りを返してもらうシステムである。
背後のグループの方のお一人が器を持って私のところに来られた。器の中身は川エビである。
「どうぞ」とおっしゃる。いきなりの川エビである。
「ありがとうございます」と言って数匹手にとった。
ふり返って、皆さんの方に会釈する。
次に、エシャレット(350円)を頼む。エシャレットは7本。1本50円である。
皆さんの会話の中身はギャンブルのお話。いらっしゃっているのは男性のみ。完璧な親父酒場である。
蒲田で最もディープな酒場である。
また、グループの中の同じ方がこられて、今度は「小アジ唐揚げ」をくださった。面白い。
もしかしたら、グループではなく、それぞれ別にいらして一緒に飲んでいる方々かもしれない。
店内を見回す、カウンターの中のキッチンの高い位置に千円札をたくさん差した熊手がある。これは前と同じである。
何も変わりがない店内の中で、大きく違う物を発見した。それは新品の大型冷蔵庫である。
2杯目は清酒(350円)にしよう。そして、ツマミはイカの生姜焼き(450円)。シンプルかつ良い酒のツマミである。
「あの、お酒常温とイカの生姜焼きお願いします」と言う。
「はい、常温にイカの生姜焼きねえ」と親父さん。
常温の酒を呑みながら店内を見回す。壁に貼られた古い写真の中の親父さんとお母さんは若い。
色の変わった招きネコ。飴色の世界。
語るべき物語が多すぎる。
カウンターの中のお母さん。外回りの親父さん。
大将と女将と呼ばず、そう呼びたくなる。
驚くほど店内は変わらない、変わったのは前述の新型大型冷蔵庫だけかもしれない。
最後に瓶ビール(大瓶)(500円)を頼んだ。
黙っていてもキリンラガー大瓶が出てくる。
お客さんと親父さんとお母さんのやり取りを背中に聴きながら味わい深い時を過ごす居酒屋探偵であった。
「今日は雨でダメだなあ」と親父さんが道の反対側の飲食店の方に声をかける。
雨はまだ降っている。
「ごちそうさまでした」と、親父さんとお母さんに声をかける。
そして、川エビ唐揚げや小アジの唐揚げをくださった常連の皆さんの方へ顔を向けた。
「ありがとうございました」と満面の笑みで礼を言ってから外に出た。
「どうも~」等と言ってくださる。
短い間であり泊めてもらってはいないけれど、いわゆる一宿一飯の恩義である。
この日払った金額は、ハイサワー(350円)、エシャレット(350円)、清酒(350円)、イカの生姜焼き(450円)、瓶ビール(大瓶)(500円)で2,000円ちょうどであった。

蒲田 立ち飲み「銀次郎」
住所 東京都大田区西蒲田7-29-3 久保井ビル
電話 03-3731-3086
定休日 ? 営業時間 ?
交通 JR京浜東北線蒲田・東急池上線・東急多摩川線蒲田駅下車徒歩2分
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Re: タイトルなし