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新丸子「三ちゃん食堂」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第59回  2007年12月23日(日)   【地域別】  【時間順】



 新丸子「三ちゃん食堂」

  日曜日の午後である。SAKURAは東急東横線の大倉山で稽古があり、その稽古が終わるまでの間、私は同じく東急東横線の新丸子周辺を散策することにした。まずは駅近くで床屋に入った。それでもSAKURAの用事が終わる5時まで時間がずいぶんあった。
 新丸子の街を散策して、日曜日でもやっている居酒屋は無いか探して歩いた。実は最初に思いついた店はちゃんとあった。しかし、他にもつ焼き屋などは無いか探したかったのである。開店時間まで間があることは解っていたが「けんもつ屋」の前まで行ってみた。昨日の日付で特別に休みであるという張り紙が貼ってあった。

 ずいぶん歩いてみたが、日曜日の早い時間にやっている店はなかった。そこで、当初思いついた店に行ってみることにした。その店は、新丸子駅から3分程の裏通りにある。外観は一般的に「ラーメン屋さん」と呼ばれる、中華料理店である。入口には赤い暖簾がかかっており、「中華料理」と書かれている。この暖簾を見れば、ビールを飲みながら餃子と野菜炒めという飲み方しか思いつかない。店の名は「三ちゃん食堂」という。この店名からすると、単なる定食屋さんである。しかし、中に入ってみるとまったく違っていた。

 「中華料理」と書かれた暖簾をくぐって中に入って驚いた。予想を遙かに超えて広いのである。天井が高めで真四角の空間である。手前から奥にかけて4人掛けのテーブルが5個一列隙間無く置かれている。それが三列並んでいるのだ。一番奥の右側には7、8人が座れるカウンター席がある。全部で70人は座れるだろうか。カウンター席の左には厨房の配膳口が開いており、その前に店の女性が4人ほど客席側に向いて立っている。その左はレジである。広い店内はすでに半分ほどの客で埋まっている。客の様子を見ると、普通の中華料理屋の雰囲気ではない。日曜日とはいえ、酒を呑んでいる客の数が多いことはすぐに解った。

 見渡すと店内はグループ客が多い。今日は一人だったので、奥のカウンター席に座ることにする。カウンターに座り、目の前に貼られたメニューを見渡す。刺身から煮込み、揚げ物、煮物類が豊富である。刺身の種類は10種類ほどが用意されている。これは完全に「居酒屋」ではないか。

 まずは、モツの煮込み(300円)とレモンサワー(350円)を頼んだ。
 素早く運ばれた煮込みをつつき、レモンサワーを飲む。モツの量も多く、野菜も入っていて良いつまみになる。女性たちの対応は素早い、常に店内を見渡しており、誰かが手をあげるとすぐに飛んでゆく。戻ってくると、素早く厨房に向かって注文の品を伝える。次から次に伝えられる注文。伝票のようなものに女性たちが書く様子もない。どうやら、女将さんらしき女性が見ていて、レジ脇のメモに記入してゆくようである。厨房脇のレジの位置から店全体を見渡すことの出来るという、この店の構造があって初めて出来る技に違いない。「よく間違わないものである」と感心してしまった。

 次に、ホーレン草ごまあえ(180円)とキリン一番搾りスタウト黒生ビール小瓶(400円)を頼んだ。
 メニューを改めてながめてみた。中華メニューも普通にきつんと存在する。驚くべきはその安さである。今時、ラーメンが350円であり、餃子220円、チャーハン450円である。8割の席が埋まっている店内を見渡し、改めて、これは混むはずであると納得した。

 さらに、あじ刺し(500円)と抹茶ウーロン(350円)を頼んだ。抹茶ウーロンはやや甘い味。若者向きに考えた商品かもしれない。あじは新鮮であり、おおぶりの切り身が十切れはついてきた。生姜がたくさん添えられていた。生姜好きとしては、とてもうれしい。

 家族連れから若いグループ客、中高年の一人客まで、実に幅の広い客層である。平日の夜はサラリーマンも多いに違いない。
 この店は、本当に客をきちんと見ている。やがて、常連らしき杖をついた老人が入口近くの寒い席に座った。すると、女将さんがそれを見ていて、レジから素早くその席まで行って、老人を一番奥の暖かい席に連れていった。温かみのある対応のできない、大手チェーン居酒屋の店員に見せてやりたいと思う。この店がこのあたりで有名店であり、繁盛している理由が解ったような気がした。

 午後3時40分から4時40分まで、約1時間の滞在で、お勘定は2,130円。昼間から酒を呑みたいと思った時、そして、お腹が空いている時、実に助かる店である。今度、若いメンバーを連れて来てみよう。みんな驚くかもしれない。

 少し酔いを覚ます為、新丸子駅の改札を入った後、駅の中の売店でボルヴィックを買った。最近は、はしご酒の途中で水を飲むようにしている。良い傾向であると思う。

 (つづく)

新丸子三ちゃん食堂看板

新丸子 三ちゃん食堂
住所 神奈川県川崎市中原区新丸子733
電話 044-722-2863
定休 水曜日
営業時間 12:00~20:00
交通 東急東横線新丸子駅西口徒歩3分


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新丸子

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