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雪谷大塚 割烹「しぶや」

Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第61回  2007年12月26日(水)   【地域別】  【時間順】


お知らせ 2013年2月の放火による火災の為、営業できなくなっていた「しぶや」さんが復旧工事を済ませ、2013年8月30日(金)開店しました。詳しくは、「しぶや」さんのブログをご覧下さい。(2013.9 新岳大典)


雪谷大塚 割烹「しぶや」

   雪谷大塚しぶや外観 


 東急池上線は多少手を入れてはあるが駅舎も古いままで、踏切を渡らなければ反対側のホームへ行くことが出来ない駅も多い。車両も3両編成、運転手のみのワンマン運転である。池上線は、蒲田駅で駅舎を共有する多摩川線と共に、まさに「東京のローカル線」と言える路線である。
 その池上線の始発駅五反田から終点の蒲田へ至るちょうど真ん中にある駅が雪谷大塚駅である。その駅の近くにある割烹「しぶや」という店を目指した。

 池上線の駅はほとんどが上下線のホームが別々になっている。その中で、一つの島ホームに上下線が発着する駅は、五反田と蒲田以外では、大崎広小路駅と雪谷大塚駅の二つだけである。そんな雪谷大塚のホームからエスカレーターを上がると改札に出る。改札を出ると正面にドトールコーヒー店があり、右方面の階段を下りると中原街道にでる。反対に左方面に歩くと階段だけではなく、エスカレーターがある。このエスカレーターは上りのみなので、階段を下りる。すると、右側に池上線の踏切がある。踏切から東側の地域は、5年程前迄古い「マーケット」がいくつかあった地域である。

 階段を降りて、左手を見るとスーパーのオオゼキがある。このオオゼキの入っているマンションが建つ前は、なかなか雰囲気のある高い屋根のマーケットの中に、居酒屋も数軒入っていて、その中のおでん屋がおいしかった記憶がある。
 オオゼキの先の十字路の角にも古いマーケットがあり、生鮮食料品が売られていた。今はそこにマンションが建っており、1階はマーケット時代の名残のような生鮮食料品の店が入っている。十字路を過ぎて、マンションの裏に20メートルほどの短い路地がある。今日の店はこの路地の奥にあった。

 店名は割烹「しぶや」である。 「割烹」というと、入る前に値段的な心配が頭をよぎる。しかし、店の表にメニューが貼り付けてあり、値段も書いてあるので、安心して入ることが出来る。
 中に入ると、明るい笑顔のマスターが迎えてくれる。女将さんらしき女性も、明るい笑顔ですぐにやってくる。この店にはずいぶん前に入った記憶があるのだが、こんな明るい対応だったような気がしない。代替わりしたのかもしれない。
 店に入るとすぐ右手に4人掛けのテーブルがあり、その奥右手に12、3人が座ることの出来るL字カウンターがあり、その中が調理場になっている。
 左手はやや狭い4人掛けの小上がり席が3つある。一番奥には二階に上がる階段があり、座敷席になっているらしい。この日は、小上がり席はすべて埋まっていた。

 メニューを見ると「ホッピー」がある。280円と書いてある。安すぎる、すぐ隣に焼酎350円という文字を見つけ納得した。「ホッピー、氷りなしで」とお願いする。すると、すぐにホッピー瓶(280円)と焼酎(350円)がやってきた。焼酎はコップ1杯である。私の量としては、所謂中(焼酎)1、外(ホッピー瓶)2で飲める量である。氷なしを頼むとホッピー瓶のみの一冷であった。
 こちらのお店でのホッピーの扱いは、あくまでボトルの麦焼酎を割る割物の選択肢の中に、お湯や水やサワーと一緒にホッピー瓶もあるという位置づけらしい。ホッピーセットを単体で売るという考え方は無いようである。

 最初に、もつ煮込み(480円)を頼んだ。もつ、こんにゃく、ごぼうが入っており、葱がたっぷりかかっている。焼き物は、たん、はつ、かしら、各110円を1本づつ塩でお願いした。

 1杯目のホッピーを飲んでしまい、次に黒ホッピー瓶(280円)を追加した。メニューを見ると、刺身類が豊富である。600円から900円程度の値段である。どうやら、 「しぶや特製カレー味若鳥半羽からあげ 2~3人前(900円)」というのが名物料理らしい。次回、数人で来た時に挑戦したいと思う。
 さらに、こちらは食事のメニューも豊富である。まず目につくのは「釜めし」だ。種類はホタテ、蟹、鮭、五目。それぞれ980円で食べることが出来る。焼き鳥丼(750円)、いそべ焼き(300円)などもある。あまり酒をのめない人でも楽しめる店といえる。

 さて、周囲の酒飲みの皆さんの様子を眺めると、どのテーブルも麦焼酎二階堂900ミリ(2,800円)、芋焼酎黒霧島900ミリ(3,200円)等を飲んでいる人がほとんどである。寒いからであろうか、どのテーブルもお湯割りの支度がされている。
 今日は二階の座敷で宴会があるらしい。すこしづつ参加者の方が訪れ、その一部が一階席で飲み始めたりしている。店内はだんだんに活気づいてきた。
 路地の奥にある為か、この店の良さをよく知っている常連客の多い店のようである。ご主人と女将さんの素敵な笑顔をみると、それも解るような気がする。

 最後にポテトサラダ(380円)とレモンサワー(380円)を頼んだ。仕事帰りに1人で軽く飲むつもりだったが、ちょっと私としては飲み過ぎである。
 お勘定をお願いする。約1時間の滞在で2,320円。この記事を書きながら計算をし直すと安い。何かつけ忘れたのだろうか。安いのは助かるがお店の方が間違ってしまったとしたら気の毒である。私のつけ間違いかもしれない。次回、もう一度メニューを見直してみよう。

 マスターが「お住まいはお近くですか?」と素敵な笑顔で聞いてくれる。また、来たいと思う店をみつけることが出来た。
 扉を開けて外に出る。寒い。熱燗を呑まなかったことを少し後悔する。

 ※  ※  ※

 追記
 「しぶや」はBSのテレビ番組「吉田類の酒場放浪記」で紹介された。2010年5月が最初の放送である。喜ばしいことである。



雪谷大塚しぶや看板

雪谷大塚 割烹「しぶや」
住所 東京都大田区南雪谷2-11-24
電話 03-3727-4177
交通 池上線雪谷大塚駅下車徒歩2分

ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら

実力派俳優になりたい人は→ 演出家守輪咲良のページ「さくらの便り」


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