池上 もつ焼き「福ちゃん」第3回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第588回 2015年03月20日(金) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
池上 もつ焼き「福ちゃん」 第3回
~ 橋のたもとで ~

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池上本門寺の山の麓、呑川沿いの橋のたもとに「太陽泉」という銭湯があった。
「太陽泉」は2011年4月に廃業している。番台のある懐かしいタイプの銭湯だった。
銭湯の近くには良い酒場がある。「太陽泉」さんの前にも昔から良いお店があった。

もつ焼き「福ちゃん」である。
角地に建ったお店である。建物の角に公衆電話。呑川に面した側に一つ、呑川に面していない側に二つの入口がある。
(下写真)
川に面していない側の左側の入口からいつものように入った。
午後6時45分。「もつやき」と書かれた暖簾をくぐって中に入る。大きなL字カウンターがある。全部で十五人ほどが座れるだろうか。今日はまだお客さんがいなかった。一人目の客になるのは初めてだった。

店内には大将と女将さん。
「チューハイお願いします。」
チューハイ(四〇〇円)がうまい。
頼んだつまみは、煮込み小(350円)と、焼き物はかしら(一〇〇円)、たん(一〇〇円)、なんこつ(一〇〇円)、鳥もも(一〇〇円)を各一本。
私の背後の高い位置に液晶テレビ。七時のニュースが始まった。
地下鉄で起きた事件から二〇年。ニュースを静かに見て考える。これも居酒屋の時間である。
煮込みを食べる。持ち帰りのお客さんも多い、評判の煮込みである。
女性の方が吞川側の入り口から入ってこられる。
「はい、お待たせ。」とマスター。焼き物。こぶりだがうまい。
壁に白波6/4(三八〇円)と書いてあった。
「あの、しらなみお願いします」
「はい、しらなみね・・・お湯で?」
「お湯で。」
また、女性の方、そして、男性。七時を過ぎると一期に活気づいてきた。
イカゲソ焼き(三七〇円)もいただく。
一人で来店の常連の女性が生ビールを飲み、もつ焼きを少し食べて帰ってゆく。
大関通の辛口(三八〇円)というメニュー。
「通の辛口ってのをください」
「熱燗で?」
「はい、熱燗で」
すると、菊正宗の枡が置かれ、中にグラスが入っている。そこに、暖かい酒が注がれる。大関である。
熱燗であたたまる。イカゲソの焼いたものは酒に合う。
並びの男性は家族の為におみあげの焼き物を頼んでいた。
テレビではダウンタウンと坂上忍が赤羽の有名な立ちのみ店「いこい」で飲みながら話をしている。私も行ったことのあるお店だ。
ダウンタウンは二人で飲まないそうだが、私には特に感想は無い。
「赤羽なら次は丸健水産だな・・・」と思う。やはり、その通りで、移動した先はおでんの丸健水産だった。
四人グループの方が入ってこられ、にぎやかになった。予約も入る。
帰ることにしよう。
「お勘定お願いします」
「旦那さん・・・二四〇〇円です。」
財布からピッタリのお金を出して払った。大衆酒場に一人で入って、大きな札を出すのは無粋である。
外に出た。
橋のたもとで男性二人に出会った。一人の方は携帯電話で話している。
どうやら、「福ちゃん」に入るかどうか携帯電話の相手に相談しているようだ。
「福ちゃんって安い?」と携帯で話す相手の人に聞いている。
すれ違う時、ついつい「福ちゃん安いですよ」と言ってしまう。
「そうなんだ・・・知ってるんだ、ありがとう」
「今、飲んで出てきたばかりですから」とは言わなかった。
吞川にかかる橋を渡って、国道一号線の明かりの方へと向かった。
第1回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第102回 2008年5月26日(月)
第2回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第473回 2012年3月3日(土)

池上 もつ焼き「福ちゃん」
住所 東京都大田区池上2-18-18
電話 03-3751-4801
定休 日曜・祝日
営業時間 17:00~22:00
交通 東急池上線池上駅下車徒歩10分・ 東急バス池上橋停留所から徒歩5分
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE
居酒屋探偵DAITENの生活 第588回 2015年03月20日(金) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
池上 もつ焼き「福ちゃん」 第3回
~ 橋のたもとで ~




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池上本門寺の山の麓、呑川沿いの橋のたもとに「太陽泉」という銭湯があった。
「太陽泉」は2011年4月に廃業している。番台のある懐かしいタイプの銭湯だった。
銭湯の近くには良い酒場がある。「太陽泉」さんの前にも昔から良いお店があった。

もつ焼き「福ちゃん」である。
角地に建ったお店である。建物の角に公衆電話。呑川に面した側に一つ、呑川に面していない側に二つの入口がある。
(下写真)
川に面していない側の左側の入口からいつものように入った。
午後6時45分。「もつやき」と書かれた暖簾をくぐって中に入る。大きなL字カウンターがある。全部で十五人ほどが座れるだろうか。今日はまだお客さんがいなかった。一人目の客になるのは初めてだった。

店内には大将と女将さん。
「チューハイお願いします。」
チューハイ(四〇〇円)がうまい。
頼んだつまみは、煮込み小(350円)と、焼き物はかしら(一〇〇円)、たん(一〇〇円)、なんこつ(一〇〇円)、鳥もも(一〇〇円)を各一本。
私の背後の高い位置に液晶テレビ。七時のニュースが始まった。
地下鉄で起きた事件から二〇年。ニュースを静かに見て考える。これも居酒屋の時間である。
煮込みを食べる。持ち帰りのお客さんも多い、評判の煮込みである。
女性の方が吞川側の入り口から入ってこられる。
「はい、お待たせ。」とマスター。焼き物。こぶりだがうまい。
壁に白波6/4(三八〇円)と書いてあった。
「あの、しらなみお願いします」
「はい、しらなみね・・・お湯で?」
「お湯で。」
また、女性の方、そして、男性。七時を過ぎると一期に活気づいてきた。
イカゲソ焼き(三七〇円)もいただく。
一人で来店の常連の女性が生ビールを飲み、もつ焼きを少し食べて帰ってゆく。
大関通の辛口(三八〇円)というメニュー。
「通の辛口ってのをください」
「熱燗で?」
「はい、熱燗で」
すると、菊正宗の枡が置かれ、中にグラスが入っている。そこに、暖かい酒が注がれる。大関である。
熱燗であたたまる。イカゲソの焼いたものは酒に合う。
並びの男性は家族の為におみあげの焼き物を頼んでいた。
テレビではダウンタウンと坂上忍が赤羽の有名な立ちのみ店「いこい」で飲みながら話をしている。私も行ったことのあるお店だ。
ダウンタウンは二人で飲まないそうだが、私には特に感想は無い。
「赤羽なら次は丸健水産だな・・・」と思う。やはり、その通りで、移動した先はおでんの丸健水産だった。
四人グループの方が入ってこられ、にぎやかになった。予約も入る。
帰ることにしよう。
「お勘定お願いします」
「旦那さん・・・二四〇〇円です。」
財布からピッタリのお金を出して払った。大衆酒場に一人で入って、大きな札を出すのは無粋である。
外に出た。
橋のたもとで男性二人に出会った。一人の方は携帯電話で話している。
どうやら、「福ちゃん」に入るかどうか携帯電話の相手に相談しているようだ。
「福ちゃんって安い?」と携帯で話す相手の人に聞いている。
すれ違う時、ついつい「福ちゃん安いですよ」と言ってしまう。
「そうなんだ・・・知ってるんだ、ありがとう」
「今、飲んで出てきたばかりですから」とは言わなかった。
吞川にかかる橋を渡って、国道一号線の明かりの方へと向かった。
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池上 もつ焼き「福ちゃん」
住所 東京都大田区池上2-18-18
電話 03-3751-4801
定休 日曜・祝日
営業時間 17:00~22:00
交通 東急池上線池上駅下車徒歩10分・ 東急バス池上橋停留所から徒歩5分
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