武蔵新田 居酒屋「べーやん」第2回
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第591回 2015年04月23日(木) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
※2015年4月29日 1,370,000カウント通過。感謝!
※2017年閉店
武蔵新田 居酒屋「べーやん」 第2回
~ 復活 完全禁煙激安居酒屋 ~

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東急多摩川線の武蔵新田駅の近くに「完全禁煙」の激安居酒屋を発見、最初に紹介したのは2013年8月23日(金)であり、紹介記事は第525回であった。何回か行った後、しばらく間が空いてしまい、久しぶりに行ってみるとシャッターが閉まっていた。
心配になり、昼間、近くまで用事で来た時にお店の前に行ってみると、「しばらくお休みします」という紙が貼ってあった。それから四、五回はお店の前まで行ってみたと思う。そのまま、お店は開店しない。不思議だった。
そして、半年は過ぎたであろうか。
今日の昼間も同じように寄ってみた。
すると、シャッターが上がっていて、店内の灯りがついているのが解った。
そこで、仕事帰りに寄ってみたのである。
完全禁煙激安居酒屋「べーやん」
店の入り口の左手には変わらず、居酒屋「べーやん」店内禁煙の文字が書いてあった。変わらないことがうれしい。「FOOD 150~350、DRINK 230~ お通し無」の文字も潔い。
場所は武蔵新田駅から徒歩1分の近さであるのに、ちょっと解りにくい。やはり、再度、説明しよう。
武蔵新田駅の蒲田方面の改札を出て、駅入口を出ると、目の前は多摩川線の線路沿いの道である。この道と交叉する道があり、踏切を渡らずその道を行けば、すぐに、線路沿いの道と平行に環状8号線が通っている。
環状8号線の信号を渡り、レバフライで有名な「肉の茨城」さんと、そば処「福家」さんの間の道を行くと、環状8号線と平行に走る道がある。その道からすぐ斜め右に分岐する道がある。その道に入ると、右手に数軒並ぶお店の一つが居酒屋「べーやん」である。
からし色の暖簾をくぐり、店内に入る。右手に8人ほどが座れるL字カウンターがあり、左手に四人掛テーブル席が二つ並んでいる。その奥はトイレ。まったく変わっていない。
カウンターが変わらず素晴らしい。奥行きがたっぷりある白木のカウンターである。そのカウンターの一番奥の方に座った。入口から入って右手に先客の方が一人。楽しそうに話されている。
マスターの様子が前とちょっと違う。眼鏡をかけられているのだ。
店内にお客さんが作った「祝べーやん再開」と書かれた和紙でできたものが貼ってある。
「ホッピーセット、氷無しで・・・それから本日のぬたを・・・」
「はい、ホッピーは氷抜きですね・・・」とマスター。
「ええ、氷無しで・・・」
「はい・・・」
ホッピーセット(三五〇円)と本日のぬた(三五〇円)を作ってくださる。
ホッピーは普通のジョッキに焼酎を入れて、ホッピーを添えてくれた。ぬたを食べながら静かにホッピーを飲む。
本日のぬたの内容は鳥ムネ肉、小松菜、ねぎ、ベビーホタテであった。
豊富な内容でこの安さは実にがんばっていると思う。御常連らしき方は、マスターにいろいろと話しかけておられる。
やがて、お勘定をされて帰ってゆかれた。客は私一人になった。
「あの・・・もしかして、だいてんさんですか?」とマスター。
「あっ・・・はい、そうです」
否定するのも変なので正直に答えるのであった。自分から正体を話すことはほとんどない。前回、記事を書いてから何度か来ていても、もちろん静かに飲んで静かに話して帰った。
しかし、マスターは私のブログ記事を読んでおり、来店日と内容で、その後も私が誰であるかを解っていたそうなのであった。
体調をくずされて、半年以上の長期休店の末、2015年2月から復活開店されたそうである。
実験的なつまみ、くるみとクリームチーズのカナッペを味見させていただく。
アーモンド、クリームチーズ、ハニーマスタード、リッツの組み合わせ。面白い。
ワイン(二八〇円)で合わせてみた。
食材のことなど、いろいろと話が盛り上がる。飲み物はプレミアムモルツ(四五〇円)。
さらに、チューハイ(二五〇円)、また、おかわりでチューハイ(二五〇円)。
店内をよくよく見廻してみる。
「変わらないでしょ・・・」とマスターの笑顔。
「いや、変わらないのがいいんですよ、完全禁煙とか・・・」
「そのお話はずいぶん出たんですけど・・・」
「開店したばかりの立ち飲み店に行って、椅子を置いてくれたら俺は毎日くるよ、と言う人がいますが・・・嘘ですよ。もし、その人の言う通りに椅子を置いたら・・・立ち飲みが好きで来ている人が来なくなる・・・すると、その言った人も来なくなる。」
「僕もガンコなもので・・・」
「完全禁煙で頑固に営業していれば、煙草で迷惑をかけられたくない、かけたくない人が来てくれます。どうしても煙草とお酒を同事に楽しみたいなら他へ行けばいいんです。」
「ありがとうございます。」
変わった点は、以前より開店時間を三〇分遅らせて、閉店時間を三〇分早くしたことだろうか。
お勘定をお願いすると、つまみ一品と飲み物五杯で一九三〇円であった。
「また来ます」と言って外に出た。
再訪
八日後の5月1日に再びやってきたのである。

先客は、常連の男性の方がカウンターの一番奥の方にお一人。
今日は入り口を入って右手、カウンターの一番右端辺りに座らせてもらう。
「あの、ホッピーですか?」とマスター。
「はい、ホッピーをお願いします」
「冷やしてあるんです。ホッピー用ではないんですけど、別のビールジョッキを取りよせて、ジョッキ冷やしてあります。」
「ありがとうございます・・・ますます、飲まないといけませんね」
一瞬で元気が出てしまう。冷えたジョッキに、冷蔵庫で冷やした焼酎が入って、冷えたホッピーがついてくる。
まさに、3冷ホッピーである。飲む。サントリーモルツ系の肉厚のジョッキである。私の好きなジョッキだ。
二杯限定3冷ホッピーセットは、今回は三五〇円であった。
「うまい・・・」
「でも、限定なんです。ジョッキ二個しかないんで。」とマスター、御常連の方と三人で笑う。楽しい。
マグロの血合をつかった山椒の香りが効いたつまみ(三五〇円)がうまい。
毎回、つまみ研究の話になる。
ブルーベリー、ざくろ、アサイーと3種類あるフルーツ黒酢から選ぶフレーツ黒酢による黒酢サワー(三五〇円)があるとのこと。さらに、黒酢ビア(三六〇円)もあるそうで、私はざくろのフルーツ黒酢で、黒酢ビアを頼んだ。ブレミアムモルツを使用とのこと。
マスターはすべて、酒類の調合に計りを使う。律儀で面白い。黒酢ビアは酸味、甘味、苦味が同事にあり、面白い。
ある時、メニューを見た御客様にこう言われたそうである。
「ここは、物は少ないけれど、こだわりがあるよ」と。マスターはうれしそうである。
次はチューハイ(二五〇円)にする。
男性の方が一人で入ってこられた。
「子供が一人いるんですが・・・大丈夫でしょうか?」
「騒がないのなら、大丈夫ですよ」とマスター。
四歳くらいの女の子を連れた御夫婦であった。
小さな娘さんが「とうちゃん」とお父さんのことを呼んでいるのが楽しい。
何故、飲み屋さんを回っているかというと、ドラマが欲しいからである。
いろいろと、食べ物を作っているのでマスターは急に忙しくなった。
最後は、緑茶ハイ(二五〇円)とコーンバター(二三〇円)。
静かに飲みながら時折、手が空いた時にマスターが話してくれる。気づかいがうれしく、今日も楽しかった。
お勘定をお願いする。
つまみ二品と飲み物四杯で一七九〇円。
今日もリーズナブルである。
(了)

武蔵新田 居酒屋「べーやん」
住所 東京都大田区千鳥2-36-1
電話 080-3313-8164
定休日 月曜日・日曜日・祝日
営業時間 17:30~22:30(ラストオーダー22:00)
交通 多摩川線武蔵新田駅下車徒歩1分。
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE
居酒屋探偵DAITENの生活 第591回 2015年04月23日(木) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
※2015年4月29日 1,370,000カウント通過。感謝!
※2017年閉店
武蔵新田 居酒屋「べーやん」 第2回
~ 復活 完全禁煙激安居酒屋 ~




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東急多摩川線の武蔵新田駅の近くに「完全禁煙」の激安居酒屋を発見、最初に紹介したのは2013年8月23日(金)であり、紹介記事は第525回であった。何回か行った後、しばらく間が空いてしまい、久しぶりに行ってみるとシャッターが閉まっていた。
心配になり、昼間、近くまで用事で来た時にお店の前に行ってみると、「しばらくお休みします」という紙が貼ってあった。それから四、五回はお店の前まで行ってみたと思う。そのまま、お店は開店しない。不思議だった。
そして、半年は過ぎたであろうか。
今日の昼間も同じように寄ってみた。
すると、シャッターが上がっていて、店内の灯りがついているのが解った。
そこで、仕事帰りに寄ってみたのである。

店の入り口の左手には変わらず、居酒屋「べーやん」店内禁煙の文字が書いてあった。変わらないことがうれしい。「FOOD 150~350、DRINK 230~ お通し無」の文字も潔い。
場所は武蔵新田駅から徒歩1分の近さであるのに、ちょっと解りにくい。やはり、再度、説明しよう。
武蔵新田駅の蒲田方面の改札を出て、駅入口を出ると、目の前は多摩川線の線路沿いの道である。この道と交叉する道があり、踏切を渡らずその道を行けば、すぐに、線路沿いの道と平行に環状8号線が通っている。
環状8号線の信号を渡り、レバフライで有名な「肉の茨城」さんと、そば処「福家」さんの間の道を行くと、環状8号線と平行に走る道がある。その道からすぐ斜め右に分岐する道がある。その道に入ると、右手に数軒並ぶお店の一つが居酒屋「べーやん」である。
からし色の暖簾をくぐり、店内に入る。右手に8人ほどが座れるL字カウンターがあり、左手に四人掛テーブル席が二つ並んでいる。その奥はトイレ。まったく変わっていない。
カウンターが変わらず素晴らしい。奥行きがたっぷりある白木のカウンターである。そのカウンターの一番奥の方に座った。入口から入って右手に先客の方が一人。楽しそうに話されている。
マスターの様子が前とちょっと違う。眼鏡をかけられているのだ。
店内にお客さんが作った「祝べーやん再開」と書かれた和紙でできたものが貼ってある。
「ホッピーセット、氷無しで・・・それから本日のぬたを・・・」
「はい、ホッピーは氷抜きですね・・・」とマスター。
「ええ、氷無しで・・・」
「はい・・・」
ホッピーセット(三五〇円)と本日のぬた(三五〇円)を作ってくださる。
ホッピーは普通のジョッキに焼酎を入れて、ホッピーを添えてくれた。ぬたを食べながら静かにホッピーを飲む。
本日のぬたの内容は鳥ムネ肉、小松菜、ねぎ、ベビーホタテであった。
豊富な内容でこの安さは実にがんばっていると思う。御常連らしき方は、マスターにいろいろと話しかけておられる。
やがて、お勘定をされて帰ってゆかれた。客は私一人になった。
「あの・・・もしかして、だいてんさんですか?」とマスター。
「あっ・・・はい、そうです」
否定するのも変なので正直に答えるのであった。自分から正体を話すことはほとんどない。前回、記事を書いてから何度か来ていても、もちろん静かに飲んで静かに話して帰った。
しかし、マスターは私のブログ記事を読んでおり、来店日と内容で、その後も私が誰であるかを解っていたそうなのであった。
体調をくずされて、半年以上の長期休店の末、2015年2月から復活開店されたそうである。
実験的なつまみ、くるみとクリームチーズのカナッペを味見させていただく。
アーモンド、クリームチーズ、ハニーマスタード、リッツの組み合わせ。面白い。
ワイン(二八〇円)で合わせてみた。
食材のことなど、いろいろと話が盛り上がる。飲み物はプレミアムモルツ(四五〇円)。
さらに、チューハイ(二五〇円)、また、おかわりでチューハイ(二五〇円)。
店内をよくよく見廻してみる。
「変わらないでしょ・・・」とマスターの笑顔。
「いや、変わらないのがいいんですよ、完全禁煙とか・・・」
「そのお話はずいぶん出たんですけど・・・」
「開店したばかりの立ち飲み店に行って、椅子を置いてくれたら俺は毎日くるよ、と言う人がいますが・・・嘘ですよ。もし、その人の言う通りに椅子を置いたら・・・立ち飲みが好きで来ている人が来なくなる・・・すると、その言った人も来なくなる。」
「僕もガンコなもので・・・」
「完全禁煙で頑固に営業していれば、煙草で迷惑をかけられたくない、かけたくない人が来てくれます。どうしても煙草とお酒を同事に楽しみたいなら他へ行けばいいんです。」
「ありがとうございます。」
変わった点は、以前より開店時間を三〇分遅らせて、閉店時間を三〇分早くしたことだろうか。
お勘定をお願いすると、つまみ一品と飲み物五杯で一九三〇円であった。
「また来ます」と言って外に出た。
再訪
八日後の5月1日に再びやってきたのである。

先客は、常連の男性の方がカウンターの一番奥の方にお一人。
今日は入り口を入って右手、カウンターの一番右端辺りに座らせてもらう。
「あの、ホッピーですか?」とマスター。
「はい、ホッピーをお願いします」
「冷やしてあるんです。ホッピー用ではないんですけど、別のビールジョッキを取りよせて、ジョッキ冷やしてあります。」
「ありがとうございます・・・ますます、飲まないといけませんね」
一瞬で元気が出てしまう。冷えたジョッキに、冷蔵庫で冷やした焼酎が入って、冷えたホッピーがついてくる。
まさに、3冷ホッピーである。飲む。サントリーモルツ系の肉厚のジョッキである。私の好きなジョッキだ。
二杯限定3冷ホッピーセットは、今回は三五〇円であった。
「うまい・・・」
「でも、限定なんです。ジョッキ二個しかないんで。」とマスター、御常連の方と三人で笑う。楽しい。
マグロの血合をつかった山椒の香りが効いたつまみ(三五〇円)がうまい。
毎回、つまみ研究の話になる。
ブルーベリー、ざくろ、アサイーと3種類あるフルーツ黒酢から選ぶフレーツ黒酢による黒酢サワー(三五〇円)があるとのこと。さらに、黒酢ビア(三六〇円)もあるそうで、私はざくろのフルーツ黒酢で、黒酢ビアを頼んだ。ブレミアムモルツを使用とのこと。
マスターはすべて、酒類の調合に計りを使う。律儀で面白い。黒酢ビアは酸味、甘味、苦味が同事にあり、面白い。
ある時、メニューを見た御客様にこう言われたそうである。
「ここは、物は少ないけれど、こだわりがあるよ」と。マスターはうれしそうである。
次はチューハイ(二五〇円)にする。
男性の方が一人で入ってこられた。
「子供が一人いるんですが・・・大丈夫でしょうか?」
「騒がないのなら、大丈夫ですよ」とマスター。
四歳くらいの女の子を連れた御夫婦であった。
小さな娘さんが「とうちゃん」とお父さんのことを呼んでいるのが楽しい。
何故、飲み屋さんを回っているかというと、ドラマが欲しいからである。
いろいろと、食べ物を作っているのでマスターは急に忙しくなった。
最後は、緑茶ハイ(二五〇円)とコーンバター(二三〇円)。
静かに飲みながら時折、手が空いた時にマスターが話してくれる。気づかいがうれしく、今日も楽しかった。
お勘定をお願いする。
つまみ二品と飲み物四杯で一七九〇円。
今日もリーズナブルである。
(了)

武蔵新田 居酒屋「べーやん」
住所 東京都大田区千鳥2-36-1
電話 080-3313-8164
定休日 月曜日・日曜日・祝日
営業時間 17:30~22:30(ラストオーダー22:00)
交通 多摩川線武蔵新田駅下車徒歩1分。
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE