西横浜 鳥料理・焼鳥「やまと」
Life of the izakaya detective DAITEN
居酒屋探偵DAITENの生活 第595回 2015年09月9日(水) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
西横浜 鳥料理・焼鳥「やまと」
~ 鳥にとりつかれた探偵であった ~

ある方の企画で飲み会が決まって、楽しみにしているうちに、ある日、その企画してくれた人から電話が入った。
不定休で普段はあまり休まないそのお店が、その企画を立てた日だけ、たまたまお休みであるというのだ。企画は流れた。
その方にも「鳥料理がうまい、他に無い味である」などと絶賛の言葉を聞いていた。
行ってみたいという気持ちはふくらむばかりであった。
この日、東海地方を襲った台風18号の影響により、関東でも大雨と晴天が断続的にやってくる不安定な天気であった。
仕事を早めに終え、下火になった雨の中、向かったのは相鉄線の横浜駅から二つ目の駅、西横浜だった。西横浜の島ホームから階段をあがって改札へ。すると、直進は西口側へ、左手は東口側への二本の歩道橋がある。左手の歩道橋を渡り、東口側に降りる。エレベーターもあるので楽に降りることが出来た。エレベーターを降りて、大きな通りが見えたので行ってみると相鉄線と平行して国道一号線(東海道)が通っていた。西横浜駅前という信号に立ち、斜め左に国道一号線から分岐する道を発見。信号を渡ってその道をまっすぐ歩き、十六号線と交わる藤棚交差点の一本手前を左に曲がった。それから一つ目の十字路の右向こうに、そのあこがれの店があった。店名は鳥料理「やまと」。

このお店を教えていただいてから桜木町駅の南改札前の書店で、たまたま手に取ったムック本「横濱名酒場100」に、こちらのことが掲載されており、すぐに購入してその内容を読んでますます行ってみたくなったのである。
居酒屋が近づいてきて、これほどわくわくするのは珍しい。客観的な気持ちは消えている。
お店は角地にあって、右手の入口の前に小豆色の暖簾に「やまと」とあり、その上の白いアクリル看板に鳥料理・焼鳥「やまと」と書いてある。メニューや価格に関する情報は外側には何も無い。常連の方中心のお店であることが解る。

小豆色に白く「やまと」と抜き文字の暖簾をくぐり、店内に入る。
左手奥からのカウンターは中央で少し曲がり、そこから右手に向かってまっすぐにある。カウンターの右端は跳ね上げ式になっているようだ。右手奥に調理場への入口があり、中の大画面テレビが見える。カウンターの中にママさんとマスター。先客の方が一人カウンターに座っている。サワーはメニューに無いので瓶ビールを飲むことにする。
キリンラガー大瓶(六七〇円)。よく冷えた大瓶とよく冷えたグラスが運ばれ、ママさんがグラスに注いでくれた。飲む。うまい。
「あの焼き鳥いいですか・・・肉、ミサキ、ハツを二本づつお願いします」
肉(八〇円)、ミサキ(八〇円)、ハツ(一二〇円)を各二本。ミサキとはハラミのことである。
丁寧に焼かれた串が六本、こぶりの皿に並べられる。これを端から食べてゆく。うまい。感動である。
鳥一羽の丸揚げ(三一〇〇円)、もも揚げ(七五〇円)などがメニューに並ぶ、やはり一人ではなく、数人で来て分け合って食べてみたいと思った。
やまと特製というカテゴリーもある。9月6日から9日までの限定品と書いてある。
レバーペースト(五五〇円)、あん肝風レバー(五五〇円)、蒸し鶏(七五〇円)の三品。マスターのお話では他で料理人をされている息子さんが作るとのこと。
「どうでしょう、食べてみてください」とマスター。
「それでは、蒸し鶏をお願いします」
蒸し鶏が出される。うまい、実にうまい。独特のタレでマリネされた感じの蒸し鶏。限定なのは解る。
さて、揚げたものも食べてみたい。迷いに迷う。そして、マスターに団子揚げ(五五〇円)を頼んだ。
目の前でマスターが調理をして、それをカウンター下の鍋で揚げる。すぐ前から揚げる音が聞こえ、その音が心地よい。
漬物(二八〇円)と日本酒(沢の鶴)一本(三八〇円)を頼む。
外は再び雨が激しくなった。遣らずの雨か。京浜東北線の中で見た夕焼けが嘘のようである。
調理場の奥のテレビからの音を聞き、次々といらっしゃる常連の皆さんと少し話をさせていただき、珍しく三本のお銚子を空けることとなった。待ち合わせの皆さんがだんだんにそろってゆくようだ。
目の前でマスターが裁く鳥肉が美しい。
外は激しい雨であり、遠くの地方ではたいへんなことになっていたのだけれど、何も知らぬ私は何もかも肯定したくなるような不思議な高揚感に包まれていた。食べるということはそういうことなのか。
お勘定をお願いすると三八八〇円。午後六時一五分から七時一五分まで一時間の滞在。
「また、近々に絶対来るぞ」と自分に言い聞かせ外に出る。鳥にとりつかれた探偵であった。
雨はまだ降り続いている。
※ ※ ※
追記 数日後、冒頭に書いた前回の企画者の方から連絡があり、飲み会を企画、予約をするから「やまと」に集合しないかという。やはり、思いは現実となった。楽しみである。
※ ※ ※
追記2 上記の「追記」通り、四人で「やまと」さん再訪である。午後6時に現地集合。
焼き鳥、蒸し鶏をいただく。蒸し鶏は限定販売の日にまた当たり運がよかった。そして、他では食べられない生皮揚げもいただく。お酒もビールに始まり、焼酎、日本酒とよく飲んだ。店内が満席に近くなってきたので午後8時には失礼し別のお店に移動。全員が「また来たいね」を連発であった。

西横浜 鳥料理・焼鳥「やまと」
住所 横浜市西区浜松町2-4
電話 045-231-4702
定休日 不定休
営業時間 17:00~23:00
交通 相鉄線西横浜駅南口下車徒歩6分。
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE
居酒屋探偵DAITENの生活 第595回 2015年09月9日(水) 【地域別】 【池上線】 【時間順】 【がっかり集】
西横浜 鳥料理・焼鳥「やまと」
~ 鳥にとりつかれた探偵であった ~

ある方の企画で飲み会が決まって、楽しみにしているうちに、ある日、その企画してくれた人から電話が入った。
不定休で普段はあまり休まないそのお店が、その企画を立てた日だけ、たまたまお休みであるというのだ。企画は流れた。
その方にも「鳥料理がうまい、他に無い味である」などと絶賛の言葉を聞いていた。
行ってみたいという気持ちはふくらむばかりであった。
この日、東海地方を襲った台風18号の影響により、関東でも大雨と晴天が断続的にやってくる不安定な天気であった。
仕事を早めに終え、下火になった雨の中、向かったのは相鉄線の横浜駅から二つ目の駅、西横浜だった。西横浜の島ホームから階段をあがって改札へ。すると、直進は西口側へ、左手は東口側への二本の歩道橋がある。左手の歩道橋を渡り、東口側に降りる。エレベーターもあるので楽に降りることが出来た。エレベーターを降りて、大きな通りが見えたので行ってみると相鉄線と平行して国道一号線(東海道)が通っていた。西横浜駅前という信号に立ち、斜め左に国道一号線から分岐する道を発見。信号を渡ってその道をまっすぐ歩き、十六号線と交わる藤棚交差点の一本手前を左に曲がった。それから一つ目の十字路の右向こうに、そのあこがれの店があった。店名は鳥料理「やまと」。

このお店を教えていただいてから桜木町駅の南改札前の書店で、たまたま手に取ったムック本「横濱名酒場100」に、こちらのことが掲載されており、すぐに購入してその内容を読んでますます行ってみたくなったのである。
居酒屋が近づいてきて、これほどわくわくするのは珍しい。客観的な気持ちは消えている。
お店は角地にあって、右手の入口の前に小豆色の暖簾に「やまと」とあり、その上の白いアクリル看板に鳥料理・焼鳥「やまと」と書いてある。メニューや価格に関する情報は外側には何も無い。常連の方中心のお店であることが解る。

小豆色に白く「やまと」と抜き文字の暖簾をくぐり、店内に入る。
左手奥からのカウンターは中央で少し曲がり、そこから右手に向かってまっすぐにある。カウンターの右端は跳ね上げ式になっているようだ。右手奥に調理場への入口があり、中の大画面テレビが見える。カウンターの中にママさんとマスター。先客の方が一人カウンターに座っている。サワーはメニューに無いので瓶ビールを飲むことにする。
キリンラガー大瓶(六七〇円)。よく冷えた大瓶とよく冷えたグラスが運ばれ、ママさんがグラスに注いでくれた。飲む。うまい。
「あの焼き鳥いいですか・・・肉、ミサキ、ハツを二本づつお願いします」
肉(八〇円)、ミサキ(八〇円)、ハツ(一二〇円)を各二本。ミサキとはハラミのことである。
丁寧に焼かれた串が六本、こぶりの皿に並べられる。これを端から食べてゆく。うまい。感動である。
鳥一羽の丸揚げ(三一〇〇円)、もも揚げ(七五〇円)などがメニューに並ぶ、やはり一人ではなく、数人で来て分け合って食べてみたいと思った。
やまと特製というカテゴリーもある。9月6日から9日までの限定品と書いてある。
レバーペースト(五五〇円)、あん肝風レバー(五五〇円)、蒸し鶏(七五〇円)の三品。マスターのお話では他で料理人をされている息子さんが作るとのこと。
「どうでしょう、食べてみてください」とマスター。
「それでは、蒸し鶏をお願いします」
蒸し鶏が出される。うまい、実にうまい。独特のタレでマリネされた感じの蒸し鶏。限定なのは解る。
さて、揚げたものも食べてみたい。迷いに迷う。そして、マスターに団子揚げ(五五〇円)を頼んだ。
目の前でマスターが調理をして、それをカウンター下の鍋で揚げる。すぐ前から揚げる音が聞こえ、その音が心地よい。
漬物(二八〇円)と日本酒(沢の鶴)一本(三八〇円)を頼む。
外は再び雨が激しくなった。遣らずの雨か。京浜東北線の中で見た夕焼けが嘘のようである。
調理場の奥のテレビからの音を聞き、次々といらっしゃる常連の皆さんと少し話をさせていただき、珍しく三本のお銚子を空けることとなった。待ち合わせの皆さんがだんだんにそろってゆくようだ。
目の前でマスターが裁く鳥肉が美しい。
外は激しい雨であり、遠くの地方ではたいへんなことになっていたのだけれど、何も知らぬ私は何もかも肯定したくなるような不思議な高揚感に包まれていた。食べるということはそういうことなのか。
お勘定をお願いすると三八八〇円。午後六時一五分から七時一五分まで一時間の滞在。
「また、近々に絶対来るぞ」と自分に言い聞かせ外に出る。鳥にとりつかれた探偵であった。
雨はまだ降り続いている。
※ ※ ※
追記 数日後、冒頭に書いた前回の企画者の方から連絡があり、飲み会を企画、予約をするから「やまと」に集合しないかという。やはり、思いは現実となった。楽しみである。
※ ※ ※
追記2 上記の「追記」通り、四人で「やまと」さん再訪である。午後6時に現地集合。
焼き鳥、蒸し鶏をいただく。蒸し鶏は限定販売の日にまた当たり運がよかった。そして、他では食べられない生皮揚げもいただく。お酒もビールに始まり、焼酎、日本酒とよく飲んだ。店内が満席に近くなってきたので午後8時には失礼し別のお店に移動。全員が「また来たいね」を連発であった。

西横浜 鳥料理・焼鳥「やまと」
住所 横浜市西区浜松町2-4
電話 045-231-4702
定休日 不定休
営業時間 17:00~23:00
交通 相鉄線西横浜駅南口下車徒歩6分。
街の手帖については、コトノハ/街の手帖編集部へ。
「ホッピーを原理主義的に飲む方法」はこちら。
実力派俳優になりたい方はこちらを是非ごらんください→ 守輪咲良のSAKURA ACTING PLACE