戸越銀座 焼鳥「もつ平」

居酒屋探偵DAITENの生活 第144回  2008年9月30日(火) 【地域別】  【時間順】



※2008年10月2日 150000カウント達成。感謝!

戸越銀座 焼鳥「もつ平」

  戸越銀座もつ平外観   にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加。クリックお願いします!



 すっかり秋めいて肌寒い日が続いている9月末である。
 東急池上線の戸越銀座駅は踏切を挟んで上りと下りに別れてホームがあり、それぞれに改札口がある。その五反田方面の上りホームのガラスの無い窓から赤い提灯が見える。提灯には「焼鳥もつ平」と書いてある。五反田方面の改札を出て、踏切を渡らず右へ。駅舎に沿ってある狭い路地を歩いてゆくと左手に「もつ平」はある。ホーム脇のこの路地は人と人がやっとすれ違える程度の幅しかない。

 「もつ平」は過去に何度か来たことがある店である。ASIMO君と一緒に来店したこともあるが記事にはしなかった。さらに、並びにも居酒屋があった。しかし、今は閉店してしまっている。
 汚れで薄暗くなってしまっている照明付の看板。煤けたテント、汚れた赤提灯、店に入ってみると、店の中も至るところ炭で煤けている。典型的な焼鳥(もつ焼)屋である。
 中のよく見えるガラスの三枚戸の一枚を開けると、右手にL字カウンターがある。ガラス戸を背に2人、奥に向かって7人ほどが座れる。L字カウンターの中は調理場で、角の部分に焼き台があり、炭がおきている。ガスではなく、ちゃんと炭火である。

 店内には先客が一人座っていた。店の奥の高いところにブラウン管テレビがある。先客の方は話し好きでマスターにずっと話しかけている。
 ここのサワー類はサワーグラスではなく、小ぶりのタンブラーで出される。ホッピーも瓶がついてくるのではなく、タンブラーに焼酎を入れてホッピーを注いだ状態で出てくる。そのことはよく知った上で、ホッピー(380円)を氷無しで頼んだ。予想通り、タンブラーに8分目ほど注がれたものが出てきた。氷の分、量が少ないのである。残りのホッピーには気が抜けないように蓋をしておくのであろう。
 
 氷無しのぬるいホッピーをなめるようにして飲みながら焼き物を考える。
 最初は取っつき難い雰囲気のマスターである。目の中に鋭いものがある。しかし、常連ではない客を値踏みするのは「男」の客相手の商売では仕方がないのである。はじめての店に入る時この目で何度見られたことであろうか。

 テレビでは相撲のニュースをやっている。さきほどの話し好きのお客さんと、相撲の話題で二言三言会話をする。
 かしら、たん、はつ(各90円)をお願いする。「一本ずつですか?」「塩ですか?」と聞いてくれる。やりとりをする度に、だんだんとマスターの語気がゆるんでゆくのが解る。こういうことも居酒屋探偵の楽しみの一つである。
 煮込み(300円)も頼んだ。モツにコンニャクが少し入っている。柔らかくよく煮込まれた味噌仕立ての煮込みである。
 焼き物は、小ぶりではあるが美味しかった。これで90円なら文句はない。

 やがて、女性が一人入ってきた。
「お持ち帰りできますか?」と言う。言葉の感じから中国系の方と思われる。
 もつ焼きを十数本頼んで、カウンターの一番奥に座る。何か飲む様子はない。
 そこへ常連らしき方々三人が一人ずつ次々に入ってきた。マスターはお持ち帰りの焼き物を焼き初めている。常連の方々はお互いに簡単な挨拶を交わす。互いの安否をさりげなく聞き合うのである。曰く「元気だった?」「昨日は会わなかったね」といった会話である。○○さん、○○ちゃんと名前で呼び合っている。常連ではない客は、中国系の女性と私だけである。

 常連の人たちは、忙しそうなマスターの手元を見ながら注文をしている。途中ピンク電話が懐かしい音をたてて何度もなる。その度に手を止めてマスターが出る。お客さんがマスターのいない間、炭の様子を気にしている。この微妙なやりとり面白いのである。マスター一人でやっている店の場合、手が回らないことが多い。それを客が様子を見ながら協力をするのである。この微妙な呼吸が解らず、自分勝手な注文や催促は無粋である。
 
 中国系の女性がお持ち帰りの焼き物を受け取って帰って行った。
 マスターの手が空いたところで厚揚げ(350円)をお願いする。さらに、サッポロ黒生ビール大瓶(550円)も頼んだ。忙しい中、サワー類を何度も作ってもらうことを控えたのである。
斜め右の席のお客さんがずっと携帯をいじっている。昔の探偵や刑事は手帳にメモをしたが、「居酒屋探偵」は価格やちょっとしたメモを携帯に打ちこむ。しかし、狭いカウンターの店の場合、自分だけが携帯をいじっていると気がひけるのである。ゆえに、他にも携帯を操作している方がいると助かるのである。
 下町の酒場であまり携帯ばかりいじっていると、他のお客さんに何か言われるかもしれない。城南の居酒屋ではお互いを放っておいてくれる場合が多い。
 昔の大衆酒場は地域によっては本当に恐かった。職人風の人生の先輩の方にからまれることもあった。すわった目でお説教もされた。喧嘩もあった。自分自身を振り返っても荒れた気分になる時もあった。しかし、今の大衆酒場は背広組のサラリーマンも多く、お互いあまり干渉しない。紳士的とも言えるが、それだけ互いの関係性が薄れたとも言えるのである。

 焼き台の一番端に薬缶がのっていた。その薬缶も煤で黒くなっている。その黒い部分に誰かの名前が書いてある。落書きである。いつ誰が書いたのであろうか。マスターも覚えていないほど前かもしれない。
 今日も常連の皆さんの間で、「心地よい孤独」を味わうことが出来た。何か考え事がある時は一人酒に限るのである。

 午後6時20分から1時間ほどの滞在、お勘定は1,850円であった。

戸越銀座もつ平看板

戸越銀座 焼鳥「もつ平」
(やきとん)
住所 東京都品川区平塚2-16-13
電話 03-3786-4129
東急池上線戸越銀座駅徒歩10秒


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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奥沢 やきとり「さいとう」第2回

居酒屋探偵DAITENの生活 第143回  2008年9月25日(木) 【地域別】  【時間順】




奥沢 やきとり「さいとう」 第2回

奥沢さいとう

  
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 咲良舎の次回公演「愛と偶然の戯れ」のチラシ制作について、東急東横線中目黒でスタッフと打ち合わせを済ませた後、東急東横線自由が丘まで移動したSAKURAと私は、電車で帰ることを止めて、改札から外に出ることにした。
 自由が丘から自宅まで3㎞ほどの道程を歩こうというのである。実は前日も東急目黒線・大井町線の大岡山から歩いた。酒を呑むと歩きたくなるのが我々の習性である。缶酎ハイ片手に3㎞から4㎞位歩くのはごく普通のことである。
 東急東横線の自由が丘から南東方向に歩くと、途中に東急目黒線の奥沢駅がある。踏切を渡ったところで、やきとり「さいとう」の前に出てしまった。時間は午後11時を過ぎている。しかし、表には暖簾が出ており、赤提灯もついている。やきとり「さいとう」の渋い外観が我々を誘っている。
 実は、来月にこちらのお店にあるゲストの方をお迎えする予定なので、「偵察行動」に出ようということになった。私は何度も来ているがSAKURAは7、8年ぶりであるという。前回記事にしたのは、2008年4月19日(土)第93回であるから半年ぶりの来店である。

 まるで、時代劇の居酒屋のセットのような入口を入ると、店内は仄かな電球の灯りで照らされている。これが目に優しく、とても落ち着くのである。
 左手のカウンター席のみが埋まっていた。どの方も常連の皆さんのようで、お店の女性二人と親しげに話している。右側の三列のテーブル席にはお客さんの姿はなく、奥の座敷も暗くなっている。マスターの姿が無い。「もう終わりなのかな?」と少し心配になる。

 女性が飲み物を聞いてくれる。SAKURAは生ビール(400円)、私は千福辛口(300円)である。ここでマスターが奥から登場である。
 お酒が来るとすぐに焼き物をお願いした。カシラ、ハラミ、ナンコツを各2本ずつ、こちらの店は2本縛りである。SAKURAがメニューの注意書きを読まずに、レバーを1本だけ注文して断られた。しかし、しばらくして女性が戻ってきて、今だけ特別に1本だけ焼いてくれるという。とても、うれしい。もちろん、あくまで「特別」であるから普段はワガママを言ってはいけないのである。
 
 こちらの店の名物料理はもつ焼きと冬場は「おでん」である。今の時期はまだ作っていないとあきらめていたが、壁に「冷やしみそおでん」の文字を発見する。
 「ちくわぶ」と言う文字をSAKURAが見つけて、「食べないの?」と誘惑する。私が「ちくわぶ好き」であることを知っているからである。
 我慢出来ずに、冷やしみそおでんのちくわぶ(160円)を注文した。
やって来た冷たい「ちくわぶ」には甘辛い味噌が塗ってある。これがとてもうまいのである。こういう食べ方もあるのかと感心してしまった。
 聞いてみると、温かいおでんは10月から作るという。次回来る時には、おでんを食べることが出来るということだ。
 お互いの飲み物が無くなり、冷酒(500円)を頼んだ。銘柄は千福生貯蔵酒である。これをチビチビのみながら、芝居の話をした。

 カウンターの常連のお客さんたちが一人また一人と帰ってゆく。最後のお客さんが帰ったところで午前0時近くなっていた。
 我々も帰ろうと思い、お勘定をお願いした時、「土曜日の午後8時くらいは混んでいて入れませんかねえ」と聞いてみる。すると、予約できるという。以前は予約を受け付けていなかったはずである。うれしい話である。さっそく予約をお願いした。
 お勘定は二人で2,060円であった。午前0時の閉店時間ぴったりに外に出た。約50分ほどの滞在であった。
 「偵察行動」は大成功であった。ここから約2.5㎞ほどの道を歩いて帰った。気温はまだ高い、しかし、時折吹く秋の風が心地よかった。




奥沢 やきとり「さいとう」
(やきとん)
住所 東京都世田谷区奥沢4-27-12
電話 03-3727-6233
定休 日曜日
営業時間17:00~24:00
東急目黒線奥沢駅北口より徒歩30秒
地図や店内の様子はこちら↓
http://www.sempuku.co.jp/sagaseru/shop/shop_tokyo/setagaya/1.htm


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祐天寺 やきとり「まるちゃん」

居酒屋探偵DAITENの生活 第142回  2008年9月24日(水) 【地域別】  【時間順】



祐天寺 やきとり「まるちゃん」

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 祐天寺での稽古の帰り、SAKURAが時々入る店に一緒に行くことになった。祐天寺でのスタッフとの打ち合わせ、客演の俳優の方とのちょっとした飲み会などの場所として使うことが多い店である。店名はやきとり「まるちゃん」。やきとりも美味しいが実は女将さんの作る家庭料理的なつまみがうまいのである。
 場所は祐天寺駅改札を出て右へ。駅前ロータリーを渡った向こう側の道を右へ200メートルほど行った左手。新しいマンションの1階にある。
 実は10年以上前に始めて訪問した時には古い建物の居酒屋であった。VOL.116の焼き鳥・鳥料理「栃木屋」の回に登場された、祐天寺にお住まいの照明・音響関連会社のH社長に「良い店がある」と言われ、連れて来てもらった店である。
 それが、再開発によるビル建設に伴い、別の場所に一時移転してから、ビルの完成に伴い、今の場所に戻ってきたのである。
 新しい場所に移ってからも何度も利用したが、私は1年は来ていない。SAKURAも数ヶ月は来なかったという。時がたって、入口の様子がずいぶんと変わっていた。よくある「和風ダイニング」然とした雰囲気が少し枯れて、前よりはずっと入りやすくなっていた。
 前に来た時に違和感を感じた若者向け音楽のBGMなども流れていない。テレビがついていて、大衆居酒屋らしく「NHK総合テレビ」にチャンネルが合わせてある。今日は「その時歴史が動いた」を放送していた。NHKのサイトで調べてみると、テーマは第337回「奇跡の大逆転!神様、仏様、稲尾様  ~稲尾和久 奮闘の日々~」である。途中まで客は我々だけであった。ゆえに、マスターが画面にずっと見入っていた。マスターにとっては同時代人であるに違いない。

 壁にホッピーのポスターをSAKURAが発見する。ホッピーセット450円、焼酎200円と書いてある。
 迷わず私はホッピーセット(450円)を氷無しでお願いした。
 「氷無しでお願いします。」と言う。すると、しばらくして「氷いらないんですよね」と、確認される。やはり氷無しで飲む人が少ないようである。
 SAKURAは生ビール中(500円)を頼んだ。
 「すみません、私、キリンがいいんですけど」と言う。マスターがちょっと困った顔をしている。
 瓶ビールにキリン、アサヒ、サッポロと銘柄が書いてある為、生ビールもそうだとSAKURAは勘違いしたのである。生ビールを数種類置く店は無い。
 「一種類しかないんですけど・・・」とマスター。
 「何ですか?」
 「サッポロです」
 「ああ、よかった、それじゃ、サッポロで」と笑っているSAKURA。

 焼酎が入った冷えたホッピージョッキと冷えたホッピー瓶で出てくる。やや三冷である。焼酎の量は下の星と上の星の真ん中くらい。さらに、生ビールとお通しがやってくる。お通しは厚揚げの煮物である。SAKURAはここの女将さんの味付けが大好きなのである。今日は二人とも「マイ箸」を持っている。「マイ箸」を取り出し、お通しを食べる。甘辛く酒がすすむ。
 つまみは、マグロアボガドわさび和え(580円)を頼んだ。

 ホッピーを飲みながら、咲良舎の次回公演の為のチラシと写真撮影の打ち合わせである。ラフスケッチを写メールで撮って担当者に送ったり、途中、何度もメールで連絡を取り合う。話はどんどん具体的になってゆく。

 途中、御夫婦らしきお客さんが入ってくる。飲み物を頼んでから注文をせずに話に夢中である。マスターが15分ほどしてからやっと、「何か?」と伝票を持って寄ってゆく。お客さんも頼むのを忘れていたらしい。ここの空気はそんなのんびりしたところがある。

 ホッピーの空瓶を持ちながら、「あら、もう飲んじゃったんですか?」とマスター。やはり、ホッピー瓶1本で焼酎を何杯か飲む人が多いようである。黒ホッピーセット(450円)を再び氷無しでお願いする。黒ホッピーも味わいがあってうまい。
 焼き物を頼んだ。ネギマ(100円)、かしら(100円)を各2本である。ゴーヤとジャコ三杯酢(450円)も頼んだ。
 焼き鳥が美味しかった。ゴーヤとジャコもさっぱりとして良いツマミである。
 「まるちゃん」は午前2時までやっている。終電で地元に帰って来た人が飲み直すことが出来るのである。バイトなど使わず、御夫婦でやっているからこそ出来ることかもしれない。

 約1時間の滞在、お勘定は3,780円であった。

祐天寺まるちゃん看板

祐天寺 やきとり「まるちゃん」
住所 東京都目黒区祐天寺2-17-12-101
電話 03-3711-3519
定休日 日曜休
営業時間 平日17:00~26:00
交通 東急東横線線祐天寺駅下車徒歩3分


ホッピー原理主義者とは?
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高田馬場 炭火焼き「鳥やす本店」

居酒屋探偵DAITENの生活 第141回  2008年9月21日(日)   【地域別】  【時間順】


高田馬場 炭火焼き「鳥やす本店」

   高田馬場鳥やす外観 

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 お彼岸である。お彼岸というのは春の場合は春分の日を中日として前後3日間、秋の場合は秋分の日を中日として前後3日間、それぞれ一週間がお彼岸の期間である。彼岸2日目の日曜日、SAKURAと二人で墓参りに行った。お彼岸の最初の日曜日である。雨模様であるのに霊園への直通バスを待つ列はとても長かった。
 霊園に到着して、買ってあった合羽を着て、墓を掃除していると途中から雨が強くなってきた。墓掃除で汗だくになってしまったので、帰りに近くの温泉施設に寄った。温泉から出た後、ビールを飲み、日本酒を飲んでしまった。帰り道、どこかの「居酒屋」でもう少し飲みたいということになるのは、我々にとっては当然の成り行きである。

 JR山手線の高田馬場駅の改札を出ると目の前は早稲田通りである。山手線の高架下の横断歩道を渡ると、すぐに目の前に「さかえ通り」と書かれたアーチがある。
 「さかえ通り」を歩いてゆくと、道は左に弓なりに曲がっていて、最後は東西に流れる神田川にぶつかる。神田川に出る少し手前、川を背にして右手にあるのが今日の目的の店、炭火焼き「鳥やす本店」である。昭和42年に開店したそうであるから創業40年以上ということになる。数年前、「吉田類の酒場放浪記」で紹介された時、20年以上前にこの店に入ったことを思い出した。学生やサラリーマンでいつも混んでいる店である。

 思いの外、店内は空いていた。午後6時過ぎとはいえ、雨模様の日曜日である。お店の方に「珍しく空いてますね」と言うと、「やっぱりお天気のせいですかねえ・・・」とおっしゃる。
 まずは、SAKURAは生レモンサワー(470円)、私は酎ハイ(350円)をお願いする。生レモンサワーはジョッキに焼酎と炭酸が入り、搾り器にレモン半個がついてくるものである。一緒に、ちいさな皿に大根おろしとウズラの卵が入った、小おろし(60円)が二つやってくる。お通しである。このお通しは180円の大おろしと替えることができる。

 最初のつまみは、名物であるという手羽先と根菜の煮込み(300円)である。大根がうまかった。
 さらに、焼き物をお願いする。柚子胡椒正肉焼(100円)、つくね(80円)、なんこつ(80円)、ぼんちり(70円)を各2本ずつである。
 肉は大ぶりである。特に柚子胡椒とつくねが美味しかった。

 さらに、SAKURAが一緒でなければ絶対に注文しないものを頼んだ。それは、(280円)と(400円)である。食べることが出来ない訳ではないが、私は自分から頼もうとは思わない。
 苦手な人が多い蛙を「鳥肉となんの違いがあるのかしら」と言いながら美味しそうに食べるSAKURAである。
 お店の方によれば、今年の蛙は「鳥肉」よりも「魚」に近い味わいであるという。食べてみると白身魚に近い食感であった。
 雀は開いていない状態で2匹が2本の串に一緒に刺されている。SAKURAは雀もバリバリと食べている。私も少しだけ食べてみた。たしかに、香ばしくて美味しい雀である。
 SAKURAは小さい時に「ロビンソン・クルーソー」を読んで、なんでも食べて生き残らねばと思ったそうである。
 墓参りの帰りに、「蛙」「雀」を食べてしまう。まさに精進落としである。
 富翁本醸造生貯蔵酒(640円)と御新香(300円)を頼む。
やってきた冷酒をガラスの杯に注いで、「蛙君と雀ちゃんに乾杯」と言い、改めて乾杯をした。

 約50分ほどの滞在、お勘定は3,700円であった。午後7時20分に外に出てみると、外は土砂降りの雨であった。
 SAKURAが「気持ち良い土砂降りね」と言う。凄い雨の中、跳ねるようにして二人で駅へと急いだ。


 こちらのお店の支店を紹介 → 第419回 炭火焼き「鳥やす支店」


高田馬場鳥やす看板

高田馬場 炭火焼き「鳥やす本店」
住所 東京都新宿区高田馬場3-5-7
電話 03-3368-6459
定休日 無休(正月休あり)
営業時間 平日17:00~24:00
交通 JR山手線高田馬場駅下車徒歩2分


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大岡山 酒処「料楽」

居酒屋探偵DAITENの生活 第140回  2008年9月17日(水)  【地域別】  【時間順】



大岡山 酒処「料楽」

  大岡山料楽外観写真


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 東急目黒線と東急大井町線の乗り換え駅「大岡山駅」で降りた。大岡山駅の北側一帯を散策する。そこにも気になる店が数軒あった。店には入らず、居酒屋を探して彷徨うことがとても多い。この一見無駄な散策が役に立つのである。どなたかに情報をいただいた時、すぐにその街のことが頭に浮かぶからである。

 大岡山駅前に戻り、今度は南側を歩いてみることにした。改札を左に行き、そのまま左に曲がり少し行く、右手の角にストアが入ったビルがある。このストアの地下に大岡山地下飲食街」がある。以前は、色々な街にこのような小さな飲食街があった。土地の再開発の際、地上部分がマンションや大規模店舗となり、地下部分に元の店の広さによって区分けされた小規模店舗が入るということが多いようである。

 地下に降りる入口の階段の上にあった案内図写真にとったので見ていただきたい。インド料理店もあれば、麻雀店、スナック、居酒屋、バーと多彩である。この中では沖縄料理の「ちゅらさん」に入ったことがある。中をぐるっと回り、もう一つの階段を昇って外に出た。

  大岡山地下飲食店街案内図 【大岡山地下飲食街案内図】

 この「大岡山地下飲食街」のビルの手前の道を右に入ってゆく。最初の十字路の周辺には居酒屋やそば屋、レストランや手作りの洋菓子店などがある。この十字路の右手に第121回で紹介した「龍飛」があり、その角を右に進むと、左手に第50回で紹介したもつ焼きの「三鶴」がある。

 今日は、十字路をまっすぐに進むことにした。実は、以前から情報を得ながら行ったことのない店がこの道沿いにあることを思い出したからである。ここから300メートルほど歩くと左手に「酒処 料楽」という看板が見えてくる。
 前までゆくと、白い小さな暖簾が入口に掛かっている。暖簾には「酒処、お食事、料楽」と書いてある。料理の料に楽しむと書いて、「りょうがく」と読むそうである。
 扉本体は開けられており、暖簾をくぐってから簡単な網戸の扉を開いて中に入る。

 中に入り、店内を見まわして驚いた。
 入って右手のお茶の間のようになっている小上がりには6人ほど座れるようである。ここで女性2人と学齢前の女児2人が食事をしていた。
 その先の右手に「くの字」に曲がったカウンターがあり、そこにもそれぞれ女性2人の二組のお客さんが座っていた。カウンターの中では、女性2人が働いている。
 「くの字カウンター」の一番手前に座ろうとすると、「ご予約なんで、こちらでお願いします」と言われ、女性二組の真ん中の席に座った。
 入った時に驚いた理由は、お店の方、お客さん、子供まで全員が女性だったことである。事前に聞いていた噂通り、女性客の多い店であった。

 まずは、ビールをお願いする。
 「キリン、サッポロ、アサヒの3種類がありますけど」と言われる。
 「サッポロでお願いします。」
 私の中でビールの銘柄を複数用意している店の点数は高い。中目黒の串揚げ「串八」を思い出す。
 すぐに、サッポロ黒ラベル中瓶(500円)がやってくる。グラスを置いて、一杯目をお酌してくれる。うれしいサービスである。今日初めてのビールがうまい。
 お通しは、壁のホワイトボードの青字で書かれた品目の中から選ぶそうである。
 カボチャサラダ(300円)をお願いする。カウンターの上の大皿から小どんぶりのような器に移されたカボチャサラダは、ボリュームがあり、良い意味で家庭料理の趣である。
 しばらくして、さきほどの予約席に夫婦連れの方が座った。これでもう一人男性が増えたことになる。何故か少しホッとする自分がいる。
 店内は女性達のおしゃべりの花が咲いている。店内は白い壁であり、蛍光灯の照明は明るく、古典酒場的趣はまったく無い。メニューを見るとラーメン(650円)まである。暖簾に書いてあった通り、純粋な居酒屋というよりも「食事」と「お酒」を一緒に楽しめる店という位置付けであろうか。

 次ぎに、イカ刺身(500円)を頼む。 十分な量の刺身が出てきた。飲み物はハイサワー(400円)を頼む。濃いめである。
 刺身を食べてしまい、最後に青字メニューの中から黄ニラベーコン(300円)を頼んだ。この黄ニラベーコンも量が多い、ピリッと胡椒が効いて、よい酒のつまみである。このお通し類で酒を飲み、すぐに食事メニューにするという、そんなパターンの方も多いかもしれない。
 トイレに入ると正面の壁に「今年から第三木曜日・金曜連休になります」と書いてあった。金曜日に休みの時があるというのは珍しい。気をつけておかなければならない。

 午後7時30分から8時まで30分ほどの滞在。お勘定はちょうど2,000円であった。
 住宅街のど真ん中にポツンと建つ店である。店を開けている時間が4時間と短い。第3金曜日は休んでしまう。自分以外は全員が女性かもしれない。そんな点を頭に入れて入店すれば、酒処「料楽」はとても良い店である。「歩く」ということは、やはり「発見」を生み出してくれる。


大岡山料楽看板写真

大岡山 酒処「料楽(りょうがく)」
住所 東京都大田区南千束3-3-10
電話 03-3727-8506
定休日 木曜日・第3金曜日
営業時間 18:00~22:00
東急目黒線・大井町線「大岡山駅」下車・徒歩7分
東急池上線「石川台駅」下車・徒歩10分



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武蔵小山 「牛太郎」武蔵小山店

居酒屋探偵DAITENの生活 第139回  2008年9月17日(水)  【地域別】  【時間順】


武蔵小山 「牛太郎」武蔵小山

武蔵小山牛太郎外観写真

 東急目黒線の武蔵小山駅は、同路線の武蔵小山と大岡山の間の完全地下化工事に伴い、駅の工事が続いている。やがて駅前に大きなロータリーが出来ることになっている。
 武蔵小山駅地下にある改札口からエスカレーターで駅の東側に出ると、目の前に立ちのみの店があり、やきとりの「鳥勇」がある。
 駅の東側一体は、スナック、バー、小料理屋、居酒屋などが狭い路地にひしめくように建ち並ぶ広大な飲屋街である。この飲屋街の南側は全国的に有名な巨大アーケード街「武蔵小山商店街パルム」である。
 武蔵小山商店街は、東南方向に600メートルほど伸びるパルム1と、西南方向に200メートルほど続くパルム2の二つの商店街がL字形につながって出来ている。二つの商店街の重なる場所が駅前広場になっており、そこにあるオブジェのあたりには待ち合わせらしい人影がいつも多い。商店街の入口を左手に見ながらオブジェの前を過ぎて、西南方向に歩いてゆくと補助26号線に出る。この道を渡り、少しゆくと左手に「牛太郎」の看板が見えてくる。

 「牛太郎」はいつも混んでいる。何しろ煮込みが110円なのだから混むのは仕方がない。夏場は冷房の無い店内は窓を開け放っているのでよく見える。台形のコの字カウンターは今日も満席の様子。入口を入って左右にある待合い席にもいつもは人がたくさん座っている。噂によれば、テレビなどで紹介された為、常連ではない客が多くなり、大人数で1時間以上の長居をする場合が増えてしまい、なかなか席が空かない場合が多いという。前を通っても最近は店に入ることはなかった。しかし、今日は待合い席に数人しか座っていない。これはチャンスかもしれないと思い入ってみることにした。

 酒も飲まずに座っているのであるから、ついつい店内の様子を観察してしまう。客同士は、みんな一緒に来た仲間のように親しく話している。しかし、それぞれがお勘定をすると自分の分だけを払って帰るので、彼らが別々に来た常連さんであることが解る。「俺が払う」「いいよ、俺が払う」という古典的な酒場のやり取りもちゃんとある。
 台形のコの字カウンターには詰めに詰めて30人近くが座れるであろうか。なにしろ、独立した椅子ではなく、横に長い縁台のような席であるから詰めることは可能である。
 時々、席が空く。しかし、すぐには動かず、店の方の仕切りを待っている。常連同志が移動する様子を見ていると、一人が移動して二人席をつくり、私より前に来ていた二人組のお客さんたちがそこに入るようである。大将らしき方が声をかける。しかし、声が小さいので焼き場の中から待合い席まで聞こえない。すこしたって、やっと気がついたお二人が座った。
 大将らしき方、女将さんらしき方、そしてもう一人の少しだけ年齢の若い方の三名がカウンターの中で働いている。

 結局、待合い席で15分ほど待つことになった。待つのも「牛太郎らしさ」である。
大将から目で促され座ろうとする。左隣の方が私の前のカウンターを台拭きで拭いてくれる。軽く礼を言って席に滑り込む。
 大将にホッピー氷無し(370円)と煮込み(110円)、おしんこ(80円)を一期に頼んだ。
 その場所は、ちょうど女将さんが焼き物を焼いている前の席である。
 煮込みとお新香がやってくる。煮込みは横に長い浅い皿に盛られて出てくる。汁気の多いタイプの煮込みではないことが解る。お新香は包丁の入っていないキュウリ1本がそのまま出てきた。それぞれ110円と80円という安さとは思えない、ちゃんとした量である。
 左右の席では、お客さんたちが激論を交わしている。カウンターの中では寡黙な3人が仕事に集中している。特に女将さんは眼光炯々とした気迫のある眼差しで周囲を見る。無駄口は言わず焼き物を焼く。そんな女将さんと目があった時、「焼き物いいですか?」と聞いてみる。すると、女将さんは左手の焼き物のケースを見ながら「なんこつ、はつ、かしらの3種しかないです」と言う。すかさず、「なんこと、はつ、かしら、お願いします」と答えた。すべて1本80円である。一人客にはうれしい話であるが1本ずつの注文が可能である。

 ホッピーも無くなりかけた頃に焼き物がやってきた。お腹もすいていたので、一期に食べてしまう。
 右隣で激論を交わしていた方々がお勘定をする。そして、釣り銭を断って帰っていった。なにやら「安い値段でいつまでも店を続けてくれ」という気持ちの表れのように感じた。
 飲み物は他にレモンサワー(370円)やハイッピー(370円)もある。 武蔵小山は「割るならハイサワー」のキャッチフレーズで有名な「博水社」の本社がある街である。やはり、〈ハイッピー〉がちゃんとあるのである。目黒線沿線には、ゆえに〈ハイッピー〉を飲める店が多く存在するのである。

 お勘定をお願いすると、800円であった。待ち時間15分を含めて35分程の滞在時間であった。外に出る。さっと店に入り、サクッと飲んで、お勘定をすませて帰る。「牛太郎」はそんな店である。
 少し周囲を散策して再び前を通ると、閉店時間の1時間前だというのに、暖簾が仕舞われ外の電気が消されていた。写真はその時のものである。焼き物が無くなったのかもしれない。この店の今日の喧噪は終わり、明日また喧噪がやってくるのである。「日は沈み、また昇る」のである。

追記  最近、「牛太郎」中延店の前を通るが店が開いていない。閉店してしまったのであろうか?

追記2 東京城南居酒屋探偵団団員のcroquettepunchさんの情報によれば、中延店もちゃんと営業しているとのこと。

武蔵小山 「牛太郎」武蔵小山店
住所 東京都品川区小山4-3-13
電話 03-3781-2532
定休日 日曜日
営業時間 平日 15:40~20:00 土曜 13:30~19:00
東急目黒線「武蔵小山駅」下車・徒歩2分

ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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テーマ : 居酒屋
ジャンル : グルメ

荏原町 豚もつ屋「とり薪」

居酒屋探偵DAITENの生活 第138回  2008年9月8日(火)  【地域別】  【時間順】


※2011年11月 閉店を確認


※2008年9月12日午後 140000カウント達成。感謝!

荏原町 豚もつ屋「とり薪」

  荏原町とり薪表口  ← 豚もつ屋「とり薪」表口写真
 
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 今日の店は、豚もつ屋「とり薪」という。これは、「とりしん」と読むのである。「とり薪」は都内にたくさんある店名である。ここの「とり薪」は、以前に行ったことのある蒲田駅西口の東急線の高架脇にある串焼き「とり薪」蒲田本店の支店である。最近、同店は道をはさんだ向かいに「博多風牛もつ鍋〈とり薪〉」という店も始めている。ゆえに、支店である荏原町豚もつ屋「とり薪」でもモツ鍋を食べることが出来るようになっている。

 上記のような情報をまったく知らないまま、1ヶ月ほど前、荏原町辺りを散策するうちに偶然この「とり薪」を見つけたのである。
 旗の台駅の改修に伴い、東急大井町線荏原町駅もずいぶんときれいな駅にリニューアルされていた。その二子玉川方面ホームから開いている南口側の改札を出ると、目の前は小さな広場になっている。踏切を左手に見ながら広場に面した荏原町商店街【本通り】を右に向かって歩いて行く。すぐに十字路があり、そこから右が荏原街商店街【中央通り】、左が荏原町商店街【弁天通り】となっている。十字路を渡り、そのまま進むと「立会川緑道」にぶつかる。そこから先は荏原町商店街【縁日通り】と名称が変わる。たしかに、徐々に放射状に幅が広くなっていって、縁日が立ちやすいようになっているのである。荏原町商店街は大きな商店街である。
 「立会川」とは、元々目黒区の碑文谷公園の弁天池と清水池公園の池を水源として、品川区に入ってからは、西小山、旗の台、荏原町、中延、西大井を経て、勝島運河から東京湾に注ぐ川であった。そこに蓋をして造った緑道が「立会川緑道」である。

 「立会川緑道」に出る手前左手に小さな路地がある。その路地の入口に「豚もつ屋 とり薪」と書かれた看板を発見した。路地に入ってみたのである。路地の奥の数軒のスナック、小料理店などの中に、一番新しい外観の店がある。それが「豚もつ屋 とり薪」であった。中を覗くと誰も座っていない。路地から出て、「立会川緑道」を左手に入る。ちょうど緑道そのものは工事中であり、脇の路地を入っていったのである。すると左手に「豚もつ屋 とり薪」の看板を発見する。裏口が存在するのである。表口の方が路地の奥であり、立会川緑道の工事が終われば、小さな裏口の方が人目につくようになるに違いない。その日は、周辺を散策して歩いただけで店に入ることはなかった。

 今回は店に入る気持ちでやってきたので、まっすぐに路地の奥まで行った。表に「やってます」の文字がある。扉に手を掛けた。何故か開かない。店内は明るい照明が付いている。入口の鍵が閉まっているようだ。「何か足りない物を買いに出かけたのかな?」等と勝手なことを考える。
 すでに、前回リサーチ済みなので、すぐに裏口に回ってみた。すると、裏口は開いていて、今度は店長らしき人影が見える。中に入って、「表の鍵が閉まっていたのでこっちから入って来ました・・・」と言うと、大人しそうな髭の店長は「あっ、すみません」と言って表の鍵を開けに行った。

 狭い裏口から入ると左手に四人掛のテーブル席が二つ、その奥の右手にカウンター席が7席ある。カウンターの中は調理場である。路地側の表口から入ると左手がカウンター、奥がテーブル席になる。
 まずは、野菜お通し(200円)が出てきた。飲み物は、ホッピーセット(400円)を氷無しでお願いした。すると、冷蔵庫で冷やしたホッピージョッキに冷えた焼酎が入ったものに、冷たいホッピー瓶がついてきた。これは、やや三冷である。焼酎は上の星印まで入っている。焼酎濃いめが好きな方にはちょうど良いに違いない。ホッピーのいわゆる「中」は200円である。
 「ビアタンブラーをください。」と言い、受け取ってホッピージョッキの中の焼酎を半分ビアタンブラーに移し、そこに冷えたホッピーを投入する。これで、私にとってのベストの割合のホッピーが飲めるのである。

 もつ煮込み(400円)を頼んだ。「器が熱いので気をつけてください」と言って渡された煮込みは、しょうゆ味のさっぱりタイプであった。
 「焼き物は1本ずつでもいいんですか?」と聞く。「大丈夫です」との答え。「縛り」は無いようである。
 なんこつ(100円)、こめかみ(100円)、はつ(100円)を1本ずつ頼んだ。
 「塩、タレは? どっちにします?」と店長。
 「塩でお願いします。」と答える。
 さきほどの路地裏に面した表口の上に小さなテレビが取り付けてある。アニメが放送されている。
 「テレビのチャンネルを変えてもいいですか」と聞く。
 「どうぞ」と言って、指し示された脇の台の上にリモコンがあった。リモコンでチャンネルをNHKのニュースにする。ちょうど、相撲協会の北の湖理事長辞任のニュースであった。
 居酒屋でのテレビは、やはり野球中継かNHKのニュースが良い。うるさいバラエティ番組はあまり見たくない。

 煮込みでちょうど一杯目のホッピーを飲み終える。ホッピーの外(200円)をもらう。空いたホッピージョッキに、ビアタンブラーの残りの焼酎と冷えた2本目のホッピーを投入する。これで、ちょうど良いホッピーを二杯飲めることになる。
 焼き物がやってきた。からしと青のりが良い。どれも美味しかったが特にナンコツが気に入った。
 テレビでは北の湖理事長の辞任を伝えている。

 店はまだまだ新しい。居酒屋やもつ焼き屋は、店が新しすぎると落ち着かない。少し汚れて、この新しさが無くなった頃に良い店になるのではないだろうか。店長は、無駄なことは話さない。でも、ちゃんと仕事をしている。仕事に集中しているのである。私は、こういう店長は比較的好きである。
 30分たったので、今日のところは帰ろうと思った。しかし、客が私1人なのでなんとなく帰りづらい。
 やがて、路地に面した表口から男性の方が入ってこられた。しかし、この方はお持ち帰りのお客さんであった。焼きとんを15本注文する。
 すると、店長が「持ってゆきますよ」と言う。結果的に出前ということになった。路地にあるスナックや他の小料理屋さんからの注文かもしれない。
 〈店長が出前に行く間、座って留守番をしてあげた方がいいだろうなぁ〉等と勝手な老婆心をいだく。
 「手が空いたら酎ハイお願いします」と言う。
 出前の仕事が終わるまで酎ハイ(350円)を飲むことにしたのである。

 ここの生ビールはサントリー・ザ・ブレミアム・モルツで、中ジョッキが450円である。私はモルツ系が好きなので、次回は生ビールを飲みたいと思う。
 平日は深夜3時まで営業している。一人きりですべてやっているのであろうか。
 〈混んできたら大変だろうなあ〉と思う。
 早い時間よりも遅い時間のお客さんが多いのかもしれない。スナックや小料理屋が6軒だけある路地の奥の店である。ふりの客は望めない。常連を獲得するしかないのである。
 他に博多風もつ鍋(980円)、牛レバ刺し(600円)などもある。人数が多い時はもつ鍋もよい。

 結局、店で飲む客は私一人であった。マスターが出前から戻ったところを見届け、お勘定をお願いする。午後7時10分から7時55分までの40分ほどの滞在。お勘定は2,070円であった。入った時とは違い、裏口ではなく表口から路地に出た。

 荏原町の路地の奥の飲屋街で、また生まれ故郷川崎の路地を思い出した夜であった。


荏原町とり薪裏口 ←豚もつ屋「とり薪」裏口写真

荏原町 豚もつ屋「とり薪」  ← すでに閉店
住所 東京都品川区中延5-6-15
電話 03-3782-3791
定休日 木曜日
営業時間 月曜~土曜 16:00~03:00  日曜 15:00~24:00
東急大井町線荏原町駅正面口より徒歩2分

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雪谷大塚 大衆割烹「とよだ」第3回

居酒屋探偵DAITENの生活 第137回  2008年9月2日(火) 【地域別】  【時間順】



雪谷大塚 大衆割烹「とよだ」 第3回

   雪谷大塚とよだ外観   にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加。クリックお願いします!


 知り合いの方のお宅を訪問した帰り、少し飲むことになった。
 こういう時は東急池上線の雪谷大塚駅近くの大衆割烹「とよだ」である。いつも「とよだ」に入る時間は午後6時頃である。それが今日は午後10時になっていた。
 だいぶ空いているかなと思いながら中に入ると、30人程が座れる「変則的コの字大カウンター席」は満席の盛況であった。
 カウンターの奥に4人掛けのテーブルがいくつかあり、そのさらに奥には座敷がある。一番奥のテーブル席に座る。テーブル席に二組、座敷にも二組ほどのグループが入っていた。

 いつも入口近くの「変則的コの字大カウンター」にほとんどの場合座るので、テーブル席に座ったのは久しぶりである。
 まずは、生レモンサワー(400円)を二杯たのんだ。御馳走になっているのでお腹は一杯である。しかし、水餃子(350円)という新しいメニューを発見。ついつい頼んでしまった。それから、わかめ酢(350円)も頼む。

 2杯目は私がトマトハイ(400円)、連れは生グレーブサワー(480円)である。とよださんのポテサラ(300円)も頼んでしまった。どこへ行ってもポテトサラダを頼んでしまうのである。
 この店は、入口のカウンター席の独特の緩い雰囲気と、奥のテーブル席、そして、座敷席の雰囲気とがまったく違う。
 こちらのお店でも残念なことに座敷席には周囲を気にしない人たちが時々いる。それでは大箱の大手チェーン居酒屋と同じになってしまう。大きすぎる声や笑い声。自分たちが楽しくても、すぐそばにいる人たちが不快に感じているかもしれないことを常に心に留めておきたいものだ。若い頃の自分を振り返って見ても、冷や汗が出る思いである。

 大衆割烹「とよだ」は、やはり「変則的コの字大カウンター席」に座るのが一番である。テーブル席だとお店の人がつかまらず、注文が出来ない時も多いからである。おでん鍋の前あたりが良い。テレビもよく見えるし、注文もしやすいのである。そのあたりには、行く度にお顔を拝見する常連の皆さんが座っている。年齢を問わず、カップルのお客さんも多い。特に歳を重ねた御夫婦が楽しそうに飲んだり食べたりしている姿は、実に微笑ましい。いくつになっても大衆居酒屋(古典酒場)のカウンターに座って、機嫌よく飲んでいられるように、健康を考えて飲みたいと思う。これからさらに進む高齢化社会の中、大衆居酒屋はある意味、「デイ・サービス」の一種であるのかもしれない。大衆居酒屋(古典酒場)は、出来れば早い時間から営業していて欲しいと思う。

 おつまみラストオーダー時間の午後11時15分になった。最後に、緑茶ハイ(300円)と酎ハイ(300円)を頼む。飲み終えたら帰ろうということになる。ドリンクのラストオーダーは午後11時45分。閉店は12時ちょうどである。

 約1時間30分ほどの滞在。お勘定は二人で3,280円であった。

雪谷大塚とよだ

雪谷大塚 大衆割烹「とよだ」
住所 東京都大田区南雪谷2-15-4
電話 03-3720-3338
定休 日曜
営業時間 17:00~24:00
交通 東急池上線雪谷大塚駅徒歩1分



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プロフィール

新岳大典

Author:新岳大典
新岳大典(ARATAKE DAITEN)
作家・コーディネーター。

居酒屋探偵daiten(izakaya detective DAITEN)として活動。劇集団咲良舎制作。多目的スペース「かたびら・スペース・しばた。」クリエイティブ・ディレクター。
演出家守輪咲良のブログ「さくらの便り」ブログ「人間日和」を運用中。
2011.7よりfacebook参加。2011.8より「ブクログのパブー」にて居酒屋短編小説を中心に発表開始。
 2014年9月6日より独自ドメイン取得によりURLがhttp://daitenkan.jp/に変更。

 なお、ブログのプロフィール写真は仙台四郎(せんだいしろう)の人形を撮影したもので新岳本人ではない。
 その時代、仙台四郎が訪れる店は繁盛するとして各地でもてなされたそうである。没後は商売繁盛の「福の神」としてその写真が店に飾られるようになったとのこと。

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